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読んだ本の感想あれこれ。
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31HLRUyhzaL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年3月


『ZOO』『失はれる物語』に続く作品集!
コンビニ強盗との奇妙な共同作業。暗くてイタい文芸部員男女の不器用なやりとり。お正月に降った雪がもたらす不思議な出会い。読者を魅了する、6篇収録。


                       (集英社HPより)


公募により寄せられた作品に、乙一が手を加えて作り上げた作品6つが収録。
乙一は、あまり読んでないので、乙一らしいのかどうかよくわからないけど
どれも面白かった!

6つの話は別々の話だけれど、物語を紡ぐ町、文善寺町が共通の舞台。
なので、全体を通して、少しずつ繋がっている。

最初の「小説家のつくり方」に登場の小学生の山里秀太とその姉・読書好きの潮音が、後の作品にも少しずつ登場するというのも楽しかった。

話としては一番最後の「ホワイト・ステップ」が読み応えもあって好き!
パラレルワ-ルドが主軸となっていて、主人公の大学院生・近藤裕喜と潮音さんが、繋がったときには、なんだか嬉しかったなぁ~。


あとがきの
あとがき、あるいは「箱庭図書館」ができるまで では
6つの作品について、どのようにリメイクしたのか丁寧に書かれている。

本のタイトルも公募によるものだそうですが・・・・なるほど!ぴったりのタイトルです!!

投稿作品6つは、以下のサイトで読めるそう。
http://renzaburo.jp/8528

今度、読んでみよう。

★★★★
 
PR
7b52af99.jpg   発行年月:2011年3月


   新米教師と中学生男子が守るのは、謎めいたお宝と気になる女の子。
   手に汗握る、痛快アドベンチャーミステリー!

お騒がせコンビの中学生男子が持ち込んだのは、金色に輝くお宮の写真。
トラブルが始まったのは、それがきっかけだった……。

片野厚介は新任の中学教師。教え子の笹井と勝又が、
立ち入りが禁止されている神社の裏山で、
美しい奥宮をみつけたと言ってきた。

その在処をめぐって接触してくる、怪しい組織と、謎の美少女中学生。
降りかかるピンチの連続に、三人は、幻のお宝を守れるのか!?


                                          (光文社HPより)


青春ミステリ-というかんじで、ドキドキするけどわくわく感の方が大きいかな?
大人のミステリ-と比べると迫力はないけど、この年代の子どもだったら、十分なミステリ-と言えるでしょう。

中学生の冒険好きなコンビが、森の奥の洞窟内で偶然、見つけたお宮。
装飾も豪華だけど、何でこんな場所に?

この設定だけで、なんだかワクワク。

その真相を探る手助けに、少年たちが選んだのが担任の新米教師。
実家が神社という偶然も手伝って、教師と生徒なんだけど、もう1つのチ-ムみたいで微笑ましかった!

優等生の女子・ひろ香の存在もなかなか良かったし、
興信所からある人からの依頼でお宮を調べる与木、他校の中学生・レオナなど

気になる人物がいっぱい。

そして、謎のお宮の過去のいきさつ。

ラストは無事、いろいろな謎が解決されて良かった♪

レオナの本名がわかったときは・・・・・なるほど・・・・いろんな意味で、ちょっと驚いた(笑)


大崎さんの青春ミステリ-次はどんなのかなぁ~?

★★★

 
d156e2d1.jpg発行年月:2011年4月


多くの本好きやデザイナーが注目するクラフト・エヴィング商會、6年振りの描き下ろし。不可思議な本をつくり続ける同商會の書庫を初公開! 「頭を真っ白にするための本棚」「波打ち際の本棚」「金曜日の夜の本棚」……書棚の写真を眺めているだけでも楽しく、本文を読むと実物を手に取りたくなる、そんな古今東西の奇書・稀書・偽書がたっぷり。創作の秘密が垣間見られる異色のブックガイド。


                                          (朝日出版社HPより)


クラフト・エヴィング商會の本は、過去に数冊読んでいますが、センスの良さには毎回、脱帽です。
今回の本も「おぉ~!!」とうなりたくなる感動がありました。

クラフト・エヴィング商會の名前・・・・実に変わってるんですが、どんな由来なのか気になっていました。
そんな話が今回は知れて嬉しかった♪

「おかしな本棚」というタイトルですが、
ある法則に則って並べられている本についての解説が愉快。
まだ手に取ったことがない本ばかりで、読みたい本がいっぱい!

中程にある未刊行の本「おしてもだめなら」も最高でした!!
クラフト・エヴィング商會のセンスの良さに感動!!
言葉選びのセンスも良いですが、装丁、挿絵全てが◎。
自分たちで書いて自分たちで本のデザインもして商品として世に送り出す・・・あ~なんて羨ましいお仕事なんでしょう。


今度は吉田篤弘さんの書いた小説にも目を通してみよう!!

★★★★★
cd315801.jpg発行年月:2010年9月


明治10年。根津遊廓に生きた人々を描く長編
ご一新から十年。御家人の次男坊だった定九郎は、出自を隠し根津遊郭で働いている。花魁、遣手、男衆たち…変わりゆく時代に翻弄されながら、谷底で生きる男と女を描く長編小説。


第144回直木賞受賞作品

                        (集英社HPより)


幕末から明治へと世の中が大きく変わった時代。
武士の家に生まれ、幼いときから父親から剣術を厳しく叩き込まれた定九郎。
兄・政右衛門と比較されるのもイヤで家を出て遊郭で働く身。

花魁たちの世話をする女性たち。
外回りの仕事をする男衆。
遊郭のなかの様子を垣間見ながら、そこで暮らす人たちの苦労なども知りました。


首を吊り損ねた芳里は木気の毒だった。
得体の知れない寄席芸人のポン太は、最後まで不思議な存在だったけど結構好きなキャラクタ-でもあった。
寄席で語られる噺も興味深かった。

花魁・小野菊の道中は最後、どうなるか?ハラハラしながら読んだ。
小野菊・・・・格好いいなぁ~。
華やかなイメ-ジの花魁だけど、やはり哀しいものも抱えている。

そしてラストが良かった!

置かれた状況から、逃げることばかり考える定九郎だったけど、考え方を変える事で、今までとは違う何か希望のようなものを持てたみたい。


しかし、この時代、武士だったものが一番、時代に翻弄されたのかも。
剣術を極めることが己の道だと信じていたのに、それが崩れた時代。
定九郎の兄の暮らしぶりもなんだか哀れでした。


この表題の意味も納得。

本の帯に紹介のあった著者の書いた新選組の小説も読んでみようかな?

★★★★
 



1db44371.jpg発行年月:2011年1月


貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。ともに過ごした葉山の夏の日から25年----。恐るべき新鋭による瞠目の芥川賞受賞作! 

葉山の高台にある別荘で、幼い日をともに過ごした貴子と永遠子。ある夏、とつぜん断ち切られた親密な時間が、25年後、別荘の解体を前にしてふたたび流れはじめる。ふいにあらわれては消えてゆく、幼年時代の記憶のディテール。やわらかく力づよい文体で、積み重なる時間の層を描きだす、読むことの快楽にみちた愛すべき小説。

                                           (新潮社HPより)


心地良い文章でした♪

25年前の葉山の別荘で、共に夏を過ごした、貴子と永遠子(きこととわこ)。
表題は、二人の名前だったんですね~。

当時、貴子は8歳(少学3年生)で、永遠子は15歳(高校1年生)。
年の離れた姉妹のような関係で、でもすごく気が合う様子。
微笑ましい光景が文章から、頭のなかに自然と浮かぶ。

自分の子どものころの夏休み・・・例えば、従姉妹の家に泊まりに行って過ごした時間、そんな経験があれば、それを思い出すようなお話。
わたしも従姉妹たちと過ごした夏を懐かしく思い出しながら読んでいました。

物語は、25年前と現在、40歳になった永遠子と33歳になった貴子の話が途中、途中に織り交ぜられ進み、ゆらゆらと25年間の間を行ったり来たり。

二人が、大人になって、葉山で再会し語る場面も楽しかった。
一方は印象深く覚えていることが、他方には記憶がなかったり・・・。

文章が、独特で、なにやら古典ぽい(古典文学は詳しくないけど・・・笑)気もした。

あまり馴染みのない言葉もあった。


P15の・・・・・薄荷と甘いにおいとがからがる
P129の・・・貴子と永遠子の髪は、たしかにむかしからからがりやすかった・・・・。

絡まるっていう意味だろうけど、あまり馴染みがなく読むたびに「?」と思った。

他にもあったような・・・?

すらすらと気持ちよく読める文章なので、再読してみようかな。

芥川賞受賞後の作品も気になる作家さんです!

★★★★★
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