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読んだ本の感想あれこれ。
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51ojR5Qj6fL__SX230_.jpg   発行年月:2011年5月


   本の街・神保町を舞台にした極上サスペンス
四十過ぎの翻訳家・吉野解は、かつて自分が下宿していた古本屋の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。粗末な部屋で何度も体を重ねるが、沙漠が解に借金を申し込んだことから歯車が狂い始め…。



                            (集英社HPより)


なかなか面白かった。
冒頭は、いきなり殺した相手をバラバラにする描写。
物語は、それがどうして起きたか?を語っていく形。

まず、ある男女の出会い。
古本屋・泪亭の二階に暮らす美しい女性・白井砂漠。
以前、そこに住んでいたという男・吉野解が突然、部屋に入ってくる。
そして・・・・いきなり男女の関係。
え?こういう始まり??・・・・・ちょっと引いた(笑)。

そして、砂漠と吉野の付き合いが始まる。
吉野は身なりは金持ち風。職業も大学で非常勤講師として働いている。

砂漠は、容姿は完璧な美女なのに、とても惨めな生活を送っている様子。
お金に対する執着心は強そう・・・・と思って読んでいたら・・・消費者金融に多額の借金を抱えていたとわかる。
そして裕福そうな吉野にある日「300万円貸して」という。
300万くらい貸してあげても・・・と言いながら・・・なんか変。
と思ったら。。。吉野自身も裕福そうに見えているけど、実際は奥さんの実家が資産家なため生活を維持しているけど、自身は学生時代に消費者金融から借りたお金を返済出来ていない状況。


物語は、二人のほかにも、吉野の妻・由乃、
吉野夫妻両方の友人である里子
古本屋店主・佐藤
もそれぞれが語り手となり、それぞれの人間関係が絡みあっていく様子を描いていた。

佐藤と砂漠の意外な関係もわかり、終盤になると面白さが増した。

そして、ばらばら死体が出来てしまう経緯。

う~ん。借金って怖い。

最初は、なんじゃこりゃ?と思ったけど、どんどん引き込まれて読んだ。
なかなか面白かった。


★★★
 
PR
61c0Qa6fU6L.jpg 発行年月:2010年8月

原発がクリーンエネルギーとして脚光を浴びるなか、世界各地で続発する大地震。いま日本を巨大地震が襲えば、原発はメルトダウンという最悪の事故を引き起こし、首都圏崩壊、日本全土が廃墟と化すおそれが高い。高速増殖炉もんじゅ再開、プルサーマル運転、高レベル廃棄物処分場など、原発推進がもたらす未来に警告を発する。


                         (ダイヤモンド社HPより)



読みながら恐怖感でいっぱいになってしまった!

この書が3.11の東日本大震災以前に発行されている事が一番怖い。
なぜなら・・・ここに書かれているとおりのことが、実際に起きてしまったから。

只、単に原子炉の事故が怖いということだけでなく、事故をひこ起こす要因になる大地震が、今の日本にはいつまた起きても不思議でない状況にあるという脅威も述べている。
阪神大震災が起きたということは、それに連動して地盤の変動も起きていて、続けてまた別の箇所で大震災が起きる可能性が大だと。

そして・・・・・それは起きてしまった!

この書では、東海地震から浜岡原発の引き起こす震災をシュミレ-ション化した物語も書いていて、そのリアルな描写は、東海地方に暮らす自分にとっては本当に怖かった!
日本のほぼ真ん中であるこの地で原発震災が起きれば、それは大都市圏の崩壊にも繋がっていく。

ああ~、そうして考えると、菅内閣が浜岡原発の全原子炉の運転停止を決めたことは、なんと大きな業績だろうか!!
このまま再開されることがないように・・・。


著者は、この書を震災前に書いて、結構辛辣に電力会社だったり、そこに雇われているような地質学者や地震学者を批判している。
さぞ、大きな圧力が著者を脅かしていたのではないか?
それでも伝えなければならないと書いたものかと思うと、感動する。


でも、これを読んで自分に出来ることは、なにかあるのか?

ず~んと重たい気持ちになってしまった。
でも、同時に読んで良かったとも思った。
上手く言葉に出来ないけど・・・・。



★★★★

    
    
 

2373a1dd.jpg発行年月:2011年7月

平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。




                    (集英社HPより)


6つの短編集。
どのお話も家族のなかで起きている問題が描かれていた。

「甘い生活?」
愛して結婚したし、家事も手抜きなくこなす妻に不満があるわれではないけれど、長く気ままな一人暮らしをしてきた為か、仕事後、家にまっsぐ帰ることが苦痛な夫。

「ハズバンド」
夫はもしかしたら、会社でお荷物になっているのだろうか?の疑問から夫の言動にいちいち「やはり・・・・」と関連づけて考えてしまう妻。

「絵里のエイプリル」
両親は離婚するのかもしれない・・・高校生の絵里の不安。

「夫とUFO」
夫がUFOを見たと言う。そんな夫を救出してあげなければ!と思う妻。

「里帰り」
結婚後初めて迎える両家への里帰り(北海道と名古屋)。
そこで思うあれこれ。

「妻とマラソン」
ランニングにはまってしまった妻を応援する夫と、中学3年生の双子の息子。




どの話にも家族内の温かい愛情が感じられる話で、読んでいるとホッとさせられるものがあった。
最初の「甘い生活?」は、ちょっと深刻なかんじもしたけど
喧嘩を機にもっと本音をぶつけ合えば、良い転機になれそうかな?

好きだったのは、「夫とUFO」。
最初は、とんでもないことを言う夫の精神状態を疑ったりしたけど、自分がそんな精神状態に陥った夫を救出しなきゃ!と思うのは、夫婦愛だなぁ~。
ラストも微笑ましいかんじでした♪


他人の家の問題を覗くかんじって結構、面白い(笑)。

「家日和」も読んでみようかな?


★★★
 
 
41HTA1yKUhL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


プラハで飲む黄金のビール、高所恐怖症の韓国登山、スモッグの向こうに霞む北京の太陽。出会えるかもしれない物語のかけらを求め、徹夜明けの目をこすりつつ、今日も作家は旅に出る。著者撮影の写真を多数収録、身体の隅に今も残る旅のイメージをくっきりと映し出す紀行集。おすすめの旅の本を一挙紹介したブックガイド付き。

                     (新潮社HPより)



いろいろな国(イギリス、チェコ、台湾、韓国、スペイン、中国)、いろいろな土地(郡上八幡、伊勢、日光、阿蘇、熊本、奈良)を旅する恩田さん。

飛行機が苦手だそうですが・・・海外にも結構出かけていて・・・
日本国内は、新幹線で行く。

観光の様子も楽しいけど、美味しいものをいただく場面がやはり楽しい。
お酒も相当お好きな様子。
そして、馬刺しが大好きだとか。

後半で登場の熊本の旅で、馬刺しや馬の肉を沢山食べて大満足の様子には驚き!
馬刺し・・・食べたことないし・・・・食べる気も起きないわたしだから・・・・。

熊本の石橋ツア-と称した橋を巡る旅には、興味が沸いた。
国指定の重要文化財の橋、わたしも見てみたい!
特に5000円払うと放水して水路橋として使われているという様子を見てみたい。
誰かが5000円ちょうど、払ってくれてその様子を見られた恩田さんはラッキ-だなぁ~。


写真も多く掲載されているけど、白黒のが多くて
「あ~カラ-ならいいのに・・・」なんて思ったけれど・・・

あとがきを読んだら、恩田さんが今でもイメ-ジとして身体の隅っこに残り続けている場所を書き留めたんだとわかり・・・・・それなら白黒でも仕方ないかと納得。


これらの旅から感じたものをまた作品として読ませて貰える日を待ってます!


★★★★
51yzECRl8kL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


電信柱が突き出た家に住むミドリさんの正体は!?
屋根から電信柱が突き出た不思議な家。そこに住む97歳の元気なおばあちゃん、ミドリさん。27歳の著者は、謎多きこの家とミドリさんにひかれ、電信柱のお屋敷に通うようになる。そして…。


                      (集英社HPより)



新聞に紹介されていて・・・これは面白そう!!と図書館で借りて読みました。

すごく面白かった!!
まず、この家にビックリ!
なんで、家の屋根からコンクリ-トの電信柱が出てるのぉ~!?


正にこの本の著者もこの家のそばを自転車で通るたびに気になっていたとか。
そして、大学進学で故郷を去るまえに、その家に勇気を出して訪ねてみたのが、その家の家主である木村ミドリさんとの出会いだそう。

当時、著者は17歳でミドリさんは87歳。
それから焼く10年の時を経て、本が出来たというわけで、二人はもう年の離れた友人というかんじ。

家の写真も冒頭に何枚かあるけど、すごくモダン。
ミドリさんもとてもお洒落なんだとビックリ!

カラクリ屋敷というとおり、家の中にはびっくりな仕掛けが沢山ある様子。
誰に見せるためでもなく、そこに住む人のために造られているカラクリ。

お屋敷になぜ、電信柱?の謎も段々に明かされるけど、その経緯も実にユニ-ク。
ミドリさんの亡くなったご主人もまたユニ-クな人だったんだなぁ~。

お屋敷のルーツとともに語られるミドリさんの生い立ちも実に興味深かった。
ミドリさんのル-ツを調べる為にミドリさんの両親がいた新潟~その後両親が移民として渡った北海道にまで足を運び地道に調査する著者の根性にも驚いた!
そして、関係する人たちに会える奇跡にような経緯もまた凄い!


現在、ミドリさんは97歳だそう。
まだまだ元気だとか。


楽しい書でした!!

開高健ノンフィクション賞次点だそうだけど、優勝作はなんだっけ??
これを凌ぐ作品があったのなら、そちらも読んでみたい。



★★★★★
 
 
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