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読んだ本の感想あれこれ。
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51lAZGl81TL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


突然消えた気になる先生。
後を追った悠奈が再会したのは別人のような鋭い目の男。
さらに「お迎えにあがりました」と謎の男達が現れて……。
超ドキドキの巻き込まれ型ドラマチックミステリー!



                       (幻冬舎HPより)



中盤までは、一気に読みました。
17歳の主人公・水島アイが、非常勤で数学を教えていた津田先生を追って行く。
目立たなく冴えない教師だったので、誰も先生の突然の辞任に気を止める者はなかったのだが、アイには気になる存在だった。
亡くなった父が生前、書いた本を図書館で津田先生が手に取っていたことから会話するようになっていたから・・・。
そして先生の実家があると思われる住所にも見覚えがあった!

中盤までは、先生に再会出来るのか?
亡くなった父親と何らかの関係があるのか?などなど謎がどんどん膨らみ、その真相究明が待ち遠しいかんじでした。

そして・・・結構、早い段階で先生には再会。
でも、学校で見た先生とは、まるで別人の雰囲気。

その後は、やたら出てくる登場人物たちの翻弄。
父親の死の真相も掴みたいと思っていたら、何やら訳のわからない場所に拉致されて・・・
父親と同時に火災で亡くなった津田美里の子どもだとか
自分は大金持ちのお屋敷の主・大公路誠太郎のひ孫に当たるとか?
代々継承されてきた巫女の血を引き継ぐ大事な存在だとか?
この辺から、ちょっと人間関係が難解になってきて、読むのに手惑いました^^;

昔からの家と家の確執問題から命まで狙われちゃうことになったり・・・何がなんだかちょっとわからない展開になって・・・・どうなるの?この物語は?

でも、津田先生の生い立ちやらがわかった辺りから、いろいろな謎が見えてきて、危険な目に遭いながらの悠奈も無事、元の場所に生還して、ホッとした。



もうちょい、スッキリした物語だったら読みやすかったんだけどね~。

でも、迷路に迷い込んで難儀しながら明るい場所に出られたようなスッキリ感は読後に味わえたかな?

この表紙絵はちょっと幻想的で本の内容にすごく合ってる!


★★★
 
PR
51ILBwnz8ML__SS400_.jpg発行年月:2011年5月


中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。



                         (集英社HPより)



中学生のリアルな日常が描かれている。
主人公の小林アンは、中学二年生。バスケ部に所属。

クラスのなかで親しく付き合う、倖と芹香から最近、無視されている。
そのキッカケは実に些細なこと。
仲良くしていた者と関係が崩れると、途端に教室内での居場所がなくなった気がする。

家に帰れば、専業主婦の母親が、温かく迎えてくれるが、どこか母親との感覚の違いに苛立つ。

そして、クラスメイトの徳川勝利とある日、川原で会う。
徳川は何かを入れた袋を下げていた。
中身はなに?気になり尋ねると・・・・殺したネズミだと。



アンは自分も殺して欲しいと徳川に頼む。
躊躇することなく承諾する徳川。

二人の打ち合わせの日々が始まる。
『悲劇の記憶』と題されたノ-トに、殺人方法、動機など書き込んでゆく。
今までに類のないインパクトがある画像を残そうと、貸しスタジオで、撮影のルハ-サルをしてみたり・・・・。
真剣に殺される側の意見、殺す側の意見をぶつける二人。
ちょっと異様な光景だけど、お互いのことを信頼してる。

ホントにこのまま殺人のオ-ダ-は決行されちゃうのか??

最後の最後まで、本当に決行される勢いで進むが最後は、急展開。
あ~よかった。
このまま殺しの場面になったらいくらなんでも物語として面白くない。


物語はアンがその後、高校に進学し、大学に進学する手前まで。
あんなに悩んだ友達関係も年が経てば、なんでもないことのようになっている。
それは大人になったからわかること。

悩んでいるときには、未来があるなんて想像すら出来ない状況なんだろうけど、死を選んで人生を終わりにしてしまうことは、勿体無い!

連絡を絶っていた徳川がラストに登場。
彼も中学時代とは良いように変わっていたのが嬉しかった!

そして、二人の友情がこれから育つんじゃないかな?と思えるのも良い終わり方だった♪


中高生くらいの子にも読んで欲しいので、娘たちにも薦めてみよう。



 
★★★★
51TfB7NJWBL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年8月


結婚式場で他人の幸せのために働く靖子。だが担当カップルの破局の危機や、近隣に現れた強敵の競合店など、毎日難題続き……。結婚式の舞台裏を描いた、笑いあり涙ありのハッピーお仕事小説!



                      (河出書房新社HPより)



この著者のお仕事小説は、楽しくていいなぁ~。
今回は、表題通り、ウエディングプランナ-のお仕事をする人たちの話。

主人公は28歳、独身、恋人なしの井倉靖子。
ただ今の担当カップルは、親が金持ちのハリ-&メメロン(本名は出てきたかな?^^;)。
招待客は300人。ゆえに式場である寿樹殿(じゅじゅでん)にとっても、この式をぜひとも成功させなければ・・・・。

ハリ-&メメロンの披露宴の打ち合わせと同時に他にもやらなければならない事があれこれ。
大変なお仕事だなぁ~。
ライバル会社のル・ボゥ・マリア-ジュへの偵察やら、見学会での催しの企画やら・・・・。

見学会に来ていた高校生カップルは場違いだな・・・と思ったら・・・実に親思いの高校生男子の計画だったり、
同じく見学会に来ていたあるカップルは、お金がないのでここでの模擬結婚式を自分たちの結婚式本番と考えると聞いたり・・・・

そんないろいろな想いで訪れる人たちがみな、ここで幸せになっていく。

明るいスタッフたちの気持ちが温かく、読んでいて幸せな気持ちになれたお話でした♪


ラストには靖子にも、恋の兆しがあって、尚更ハッピ-♪♪

表紙の絵も可愛い。


★★★★
 
 
41P19kTanML__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年7月


必ず、二人でここを出よう----初めての、心からの友達なんだから。

夏休みの最初の午後。中学生の健太郎は、海に浮かぶ謎の城に閉じ込められてしまう。城には同じように迷い込んだ十数人の大人たちと、暗い目をした少年、貴希がいた。次第に覇気を失う大人を尻目に、健太郎と貴希は城を出ようともがき続ける……。孤独で清らかな二つの魂がからみあう、ひと夏のファンタジック・サスペンス。



                                          (新潮社HPより)


SF青春小説かな?

海の向こうにあった巨大建造物・・・四龍海城。
健太郎は、ある日、偶然その建物のなかに入り込むことになる。
今までの社会とは全く異質な場所。
中学1年生の健太郎は、吃音のため、友達と会話することが思うように出来ず、言葉を話せば嗤われるという生活。
両親は揃って教師で、そんな健太郎を吃音を治す言葉の教室に通わせるようにするけど、健太郎はその教室へ行くことも苦痛だった。

入り込んだ城のなかで出会った人々。
自分の吃音を全然、嗤わず接してくれる貴希と仲良くなる。
やっと友達が出来たと喜ぶが、城のなかで定時間に流れる音楽に貴希は異様な拒絶反応を示す。
その音楽は、城のなかにある電力会社の社歌という。
その会社に勤める人々は、能面のように覇気がない。
それは城人化した人たちだからと聞く。

健太郎と貴希は、城から脱出する方法を探る。
必ず二人でここから出て行こう!
そして、元の場所に帰ったら一緒にまた友達として会おうと。

二人は果たして一緒に出られるのか?

ハッピ-エンドを期待しながら読んでいたので、ラストにはショックを受けた。
え~っ!?

切ない。。。。。。

読み終えて表紙絵を見るとちょっと泣けてくる(/_;)。

わからないことが山積みなんだけど、不思議な魅力がありスラスラ読めた。


★★★
 
5105AK3P4NL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2001年9月


『朗読者』の深い感動をもう一度。

ベルンハルト・シュリンクが「愛のかたち」を
描いた最新傑作短編集


                     (本の帯文より)



7つの短編からなる本。
どれも深い物があり、さすがシュリンク!!


「もう一人の男」
最愛の妻が病死した。バイオリニストだった妻。
その妻に届く、ある男からの手紙。
そして、その手紙に妻に成りすまし返事を書き、どんな男なのかを探る

「脱線」
ベルリンの壁崩壊後、知り合った東西の男達。
友情を感じ、親交を深めるが段々とある疑惑が浮かび上がる。

「少女とトカゲ」
幼い頃から家の壁に飾られていた少女とトカゲが描かれた絵。
その絵を父親は、ある経緯で家に持ち帰った。
その絵のことは他の人には知られない方が良いと言っていた意味を知る僕。

「甘豌豆」
妻子ある身ながら、別の女性に恋をしその女性との間にも子どもを儲ける男。
それぞれの家を行き来することに疲れた男は、更に別の女性に安らぎを求める。
だけど、いつの間にか女性達が結託して・・・・

「割礼」
ドイツ人の男性がユダヤ人の恋人との関係に行き詰まりを感じ、悩んだ末の決断は
割礼を受けることだった。

「息子」
戦地で、あれこれかつての結婚生活、息子との関係に思いをめぐらす男。

「ガソリンスタンドの女」
以前から見る同じような夢。
ガソリンスタンドにいる女性の夢。
妻とは銀婚式を迎える準備をしていたが、祝うことなど何もないことに気づき
いつのまにか愛は消えて逃げていったと感じる。



どの作品もこうして振り返ると男性目線で書かれた物語だと気づいた。
そして、ドイツ人作家らしいドイツという国が歩んできた歴史のなかにある様々な問題も含まれている。
ユダヤ人とドイツ人。
東西ドイツだった時代を生きた者達。

逃げてゆく愛という表題どおり、あまりハッピ-な内容のものはないけど、何故か読んでいて安らぐという不思議な感覚。
シュリンクのワザなのか?訳者のワザなのか?

読んではずれのない作家さんには間違いないとまだ数冊しか読んでないけど思った!
まだ読んでない作品も読ませてもらおう。


★★★★★
 
 
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