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読んだ本の感想あれこれ。
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51oVQLYK6nL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月

“迷っても、扉をあけて進め。”
十一月荘ですごした日々を、爽子は「物語」に書きはじめる――。
「ちょっと大人の青い鳥」スタート!

二か月だけ「十一月荘」で下宿生活をすることになった中学二年生の爽子(そうこ)は、個性的な大人たちや妹のようなるみちゃんとの日々、そして、「十一月荘」で出会った耿介(こうすけ)への淡い恋心を物語にかえて、お気に入りのノートに書きはじめる。
「迷うことがあっても、十一月なら前に進むの。」閑(のどか)さんの言葉に勇気づけられ、爽子は少しずつ、考えるのをさけていた転校後の生活にも、もっと先の未来にも、希望を感じられるようになってゆく。


         
                          (講談社青い鳥文庫HPより)

先日に引き続き、読んだ高楼方子さんの本。
これまた児童書で、青い鳥文庫から今年発行された本。

でも、この本、過去に2度発行されていて・・・
最初は1999年にリブリオ出版から単行本で、2006年には新潮文庫でも出ています。

今回の出版にあたっては改稿し全体にルビをふり、イラストは高楼さんの実姉による千葉史子さんのイラストを多数加えての贅沢な本になっています。

わたしは、今回初めて読みましたが・・・
これは、素晴らしい本です!

内容はお父さんの転勤により東京への引越しが決まった一家の長女・爽子は、自分だけこの地に残りたいと告げ、偶然、見つけていた「十一月荘」で下宿することになる。
ただし、期限は二学期が終了するまで。

十一月荘の住人は・・・
管理人の閑(のどか)さんは、独身で、元は英語の教師。
小学1年生のるみちゃんとその母親のふくこさん。
建築家の苑子さん。

さんとふくこさんと苑子さんは高校の同級生で、元々、十一月荘は同級生たちで老後は一緒に暮らせたら良いねと若い頃から言っていたのを実現させようと閑さんが自宅を建て替えて作ったものだそう。

爽子は、そんな十一月荘の住人たちと家族のような暮らしをし、自分ひとりでもキチンと生活しようと勉強も頑張る。
住人たちとのやり取りが温かい。
さんの元に英語を習いに通う中学3年生の耿介(こうすけ)君への想いも年頃の女の子の気持ちが初々しく描かれていた。

そして、爽子が書く物語が途中で登場するのだけど、これがまた面白い。
これだけでまとめても一冊の本が出来そう。
「ド-ド-森の物語」と題した物語は、森の住人である動物たちが出てくるのだけど、爽子の実生活のなかに登場する人物だったり、ぬいぐるみだったりがモデルで、話の内容も、実体験にシンクロしていく。
物語に書いたことが、実際の生活のなかでも似たようなことが起きたり・・・

そして、やがて東京の家族の元に向かう爽子の気持ちの変化もここで生活し、いろんなことを感じたがゆえの成長の様子が見えたようで、微笑ましかった。

素敵な体験が出来た爽子が羨ましい!

挿画もとても素敵!

この本は、何度でも読み返したいかんじ。
特に11月に読むのがいいかも。。。。

あ~楽しいお話でした。

高楼さんの本、絵本ばかりを読んでいたけど、もう少し大きい子向けに書かれた本も凄く良いので、未読のものを順番に読んでいこうかな?



 
★★★★★
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61Y3J8YE8NL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2003年4月


なぜ、ルチアさんは光っているの?
ふたりの少女の家にやってきた、
あたらしいお手伝いさんのルチアさん。
ふたりの目にだけ、その姿がぼうっと
光りかがやいてうつるそのわけは・・・


                                 (本の帯文より)


久しぶりに、高楼さんの本が読みたくなり、児童書コ-ナ-で手に取った本2冊。
そのうちの1冊がこちら。
ルチアさんという表題の響きにもなんだか惹かれたし、この表紙の絵も素敵!

ルチアさんは、近所の人たちから「たそがれ屋敷」と呼ばれるお屋敷に
新しいお手伝いさん。
体は丸っこくて、可愛らしいかんじ。
そのお屋敷に住む幼い姉妹のスゥとルゥルゥには、ルチアさんが初めてお屋敷に向かって歩いて来た様子を見て水色に光るたまが近づいてくるように見えました。

ほかの人には、そんな風に見えないのだけど・・・・
そして、その理由を知りたいと、密かにルチアさんの後に付いて行き、家でルチアさんの娘さんの
ボビ-とも知り合う。

ルチアさんの謎めいたかんじは、その後もはっきりとした正体を明かすことなくなぜ、水色に光るのかは想像止まり。
そういうわけだったのかぁ~!とはっきり判らない程度に明かされる不思議なことはあるのだけど。。。。

幼い姉妹はやがて成長し、いきなり後半では、かなりの年月が経った話になっている。

あれだけ同じような感性を持っていた姉妹だったのに、
姉のルゥはお屋敷のあとに出来た学校で教師になり現実的な生活を送り、妹のルゥルゥは非日常に憧れを抱いたまま世界に飛び出して行ったきりという。

ふたりはバラバラになっていることもなんだか切ない。

そんな姉のルゥの元に、ある日、ボビ-が訪ねてくる。
ひさしぶりの再会で、昔話をするうちに姉のスゥにも忘れていた、かつては妹と憧れのような気持ちを抱いた水色に光るたまのことを思い出す。

そして、どこにいるのかわからないルゥルゥのことを思う。

ふたりが再び会えるといいのになぁ~。
なんだかスゥの気持ちが痛いように伝わってきて、凄く切ない気持ちになりました(/_;)


う~ん、この感動のような不思議なかんじは、大人じゃないとわからないかも。
児童書コ-ナ-にあったけど、子どもが読んだあとは、きっとその親が読んで
感動する書だと思う。

高楼さんの物語は、やはりいいなぁ~。

さて、もう1冊の方も続きを読んでしまおう!


 

★★★★★
51TK833CPDL__SX230_.jpg   発行年月:2003年3月


   オペレ-タ-ル-ムに配属された梶本大介。
   その社内では奇妙な事件が発生する。
   書類紛失、保険外交員墜死、マルチ商法勧誘社員の台頭、
   派遣女性員の突然の昏倒、ロッカ-ル-ムの泥棒、
   切り裂かれた部長のぬいぐるみ、黒い液体で汚されたトイレ。
   オフィスを騒がす様々な<日常の謎>を女性清掃員の
   キリコたちがたちまちクリ-ンにする本格ミステリ-。


                                        (本、裏表紙の解説より)


最近、読んだ「モップの精と二匹のアルマジロ」が、シリ-ズ物の4作目だったと知り、シリ-ズ最初の本書を読んでみました。

最新刊では、キリコと大介は夫婦なんだけど、この本では、まず、大介が新人社員として会社に勤め始めるというところ。
その会社のあるビルの清掃員として働いていたのがキリコ。

キリコはまだ10代後半という設定で、ビル内を一人で清掃していて、そのファンションセンスは奇抜で清掃員らしくない。
しかし、仕事は完璧で、ビル内はいつもピカピカ。
社内の人間関係も鋭い洞察力で察知していて、大介の周りで起きる奇妙な事件も独自の推理で真相を究明していく。

いろいろな事件が起きるたび、キリコと大介の距離が接近していく様子も楽しかった。

そして、最後の方で。。。。結婚までいっちゃうのはちょっとビックリ。
第一巻からここまで行ってたんだぁ~(笑)。

サバサバして物事に動じない風のキリコにも、内面に抱えたものはあって、それを大介がカバ-してる。
お似合いの二人だわ~。


シリ-ズ2作目、3作目もそのうち読んでみよう(^^)


                                        ★★★


41o72G6Y7zL__SX230_.jpg   発行年月:2011年7月

銀行の取引システムを支える技術屋たちの奮闘を描く。統合を控えた2つの銀行の、違うタイプのエンジニアが最後に得るのは不信か友情か。度重なるトラブルに立ち向かう熱い人間ドラマ。期待の超大型新人が、毎日を懸命に生きるサラリーマンにエールを贈る!

                             (双葉社HPより)



読み始め暫くは・・・・理解不可能でした^^;

銀行の子会社でシステム管理をする会社MSS(明徳銀行システム株式会社)で起きたトラブル。
それを直すために悪戦苦闘するエンジニアたちの様子が書かれているのですが。。。。
出てくる言葉が専門的で???????の連続でした。
こりゃ~困った。この物語を理解出来ない(;O;)

でも頑張って判らないなりに読んでいくと・・・・会社のなかのメンバ-たちのやり取りから、トラブル対処に追われながらもカリカリしたあまりなく、良い人間関係だなぁ~なんて思った。

MMSでプロジェクトマネ-ジャ-を務める横田大志を皆が慕っているかんじ。


MMSの親会社である明徳銀行は、東邦銀行と合併することが決まっていて、その東邦銀行方の同じようにシステム管理をする会社TSK(東邦システム開発)エンジニアには、中瀬川という男がいる。

トラブルについて、電話で横田と中津川が話す場面では、中津川の威圧するようなキツイ物言いが、腹立たしく、この両社は合併して大丈夫なのか??と心配になる。

 

トラブルがひとつ片付くと、また次のトラブル発生と苦難が続く。
こんな仕事していたら、胃の痛むことばかりだろうなぁ~。

でもMSSの若手社員のひとり、佐武範子(愛称・ノリノリ)は、仕事になんとなくやる気を失っていたが、トラブルの原因を突き止める。

ここら辺から、なんだか苦難の終息が見えて来て、明るい方向に・・・。

トラブルは最悪なんだけど、そんな状況のなかで芽生える人間関係もあって、最初は敵対心みたいな感情をお互いに持って接していた、それぞれの会社のエンジニア、横田と中瀬川にもトラブルを終息させたことで絆が生まれるという美しい終わり方でした。

合併後のMSSとTSKは、どうなっていくのかなぁ~?
ちょっと気になる。


読み終えてみれば、なかなか面白かった!
途中放棄しなくて、ホント、良かったぁ~。

著者の福田さんの経歴を見ると・・
金融機関でシステムエンジニアとして勤務していたことがあるそう。

なるほど・・・・だからこんなリアルな状況の物語が書けたんだ~。

同じような仕事をしている人なら、わたしが途中放棄を考えた最初の部分から没頭して読めるんでしょうね・・・。


★★★★    
 
510yaMtPEzL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2010年11月


主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。
 一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。
 帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。
 そうした中、企業調査がスタート。厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。 


                                         (小学館HPより)



この著者の作品は売れているらしいと知っていながら、なかなか読まずにいました。
が・・・今年度上半期の直木賞受賞作品のこの作品は読まなきゃ!!と図書館に予約しやっと順番が来て読みました。

主人公の佃航平は、43歳。
以前は宇宙科学開発の研究員だったが、自身が手がけた人工衛星の打ち上げ失敗で研究から退き、父親が亡くなったことも重なり、その会社・佃製作所を引き継ぐ。

競争相手の企業から特許訴訟を起こされ、資金繰りに四苦八苦。
相手企業のアクドイような戦法にはハラハラしたけど、なんとか優秀な弁護士が窮地を救ってくれた。
会社経営って大変なのね~。
良い物を作っていれば成功するという単純なものではないんだとわかった。

作っているものが、莫大な価値のあるものだから、余計にそれを狙う企業もあって・・・。
でも対する企業のなかにも本物を認める者が、居たのが救いだった。

そして、ロケットエンジンを作ることへの夢とプライドが見事に成功への道を歩ませてくれたラストは清清しい気持ちになれた。

こういう企業のなかのお話ってあまり今まで読んだことが無かったので、新鮮だった!

面白かったぁ~。
さすが直木賞受賞作品!!

ほかの作品も読んでみなくちゃ!

 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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