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読んだ本の感想あれこれ。
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51JN9CDJDKL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2005年10月


あるきっかけで少女サキが住むことになった古びたビル。
長い間に、ビルには住んだ人たちの秘密がふりつもっていました。



                      (フレ-ベル館HPより)




お母さんの友達が営む画廊があるビル内に、家の改装中、1ヶ月間だけ住む事に決めたサキたち家族。
ビルは古くてちょっと不気味な雰囲気もあるけど、なんだかドキドキするサキ。
部屋には家具がついていて、大きな古びたタンスを開けると、そこに帽子がひとつ。
サキはその帽子が気に入って、早速、被ってビル内を探検。
そして、女の子・育ちゃんと出会う。
育ちゃんも自分が被ってる帽子とよく似た帽子を被っている。
ずっと前からビル内に住んでいる育ちゃんに案内してもらって、ビルのなかをあちらこちら見て廻るサキ。
モグラのおじさんを紹介してもらったり猫の事務所のなかを覗いたり・・・。

サキと育ちゃんは本当に仲良しになって・・・・
育ちゃんのおばあちゃんにもふたりの関係のような仲良しの友達との思い出が、このビルの中にあったと知る。
そして、その仲良しさんだった人との再会も!

偶然が重なって、なんとも素敵な人と人との繋がりが生まれる。

最初は、ちょっと不思議な育ちゃんは、実在しない女の子?なんて思ったけれど
それは間違いでした^^;

不思議なことは、全てわけを知れば、不思議ではないことだった。
それがわかるまでの過程が面白かったけど。

楽しい物語でした♪♪

出久根さんの絵も物語をより一層、楽しくしてくれていました!

★★★★★
 
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41jfL1vwlmL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年9月


なぜ出て行くかって? そりゃボクが生まれながらのヨソ者だからだよ。

金貸しが趣味のヒモ、おまけに変態プレイじゃなきゃ興奮しない屑。そんなボクが東京から逃げ出したら、本気で人を好きになった。でもまた出て行かなくちゃいけないんだ、だってボクは不愉快な本の続編みたいな奴だから――。嘘つき男は新潟・富山・呉を彷徨う、太陽と時間が溶け合う永遠へ向かって! 21世紀の『異邦人』誕生。

                                          (新潮社HPより)

またまた変わった物語だったなぁ~。
よくこんな話を思いつくものだと感心(勿論良い意味で・・・笑)

主人公の男・乾ケンジロウは、実に変。
自分でもそれは自覚している様子なので、やや同情もしたくなるんだけど・・・・。

頭も悪くはなさそうで、実際、大学もそこそこ名の知られたところに通っていたらしい。
けれど、何故か、退学しまたまた何故か、フランスに留学したとか。

大学時代の友人・イサオにはポンと50万円を貸したりと優しいところもある。
けれど・・・・やっぱり言葉の端々に変な人と思ってしまう。

広島で生まれて、大学で東京に出て、友人・イサオの実家のある新潟に移り、そこで好きな人も出来て結婚するけど、離婚して、富山に移り住み再び広島に戻る。


どこに行ってもヨソ物の感覚があり、居場所が定まらない・・・・なんとも切ない(/_;)。


「誰がモデルなのかしら?」・・・言ってはいけないという言葉だけど、少し思ってしまった^^;


★★★★


 

41l10W4jeLL__SX230_.jpg   発行年月:2011年10月


OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦……

相手にされなくても。変人に思われても。
一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、
それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。

丸くなったら、つまらない。
縫製工場に勤める大神は、
若いころと違って事なかれ主義で働いていた。
そこに、職場体験に中学生がやって来る。
年下の同僚とともに、中学生の面倒を見るはめになった大神。そ
こで、ある問題が生じて――(「一匹羊」)

表題作ほか、7編を収録。

                                 
 (光文社HPより)



「狼なんて怖くない」
高校生の麗子が高速バスでボ-イフレンドの小篠くんに会いに行く。
バスで隣の席になったミユキさんとの会話が愉快
小篠くんに会えた場面がいいなぁ~♪

「夜中に柴葉漬」
居酒屋でバイト中のナオト。
先輩のトリイは、40過ぎで劇団を主宰し芝居に夢中。
芝居での収益は殆どなし。
いい大人が・・・・と半分バカにしていたけど・・・・

「野和田さん家のツグヲさん」
中学1年のぼく。
未来がないこの町を早く出て行きたいと思っている。
近所を一日中ブラブラしている30過ぎのツグヲのことも敬遠していた。
けれど。。。ツグヲと親しくなる。そして、少しだけ前と違う気持ちになる。

「感じてサンバ」
島で唯一のキャバクラで働く女達。
観光に来たついでにお金を稼ぐのが彼女たちのやりかた。
お金を稼いだら、また別のところへ。
島で暮らすうち、ここでとどまるのもいいかな?と思う。

「どきどき団」
ボランティアで子どもたちに月2回ほどお手玉を教えている富音子。
もうすぐ70歳になる。
夫は先月、定年を迎えた。
一人息子は3年前、自分より5歳年上でバツイチだという女性を連れて結婚すると告げた。
夫が興信所を使い調べると年は7つ上でバツサンだった。
夫が結婚に猛反対すると息子は相手側の婿養子になってしまった。
何かと意見が対立する夫との関係が、どきどき団を通じて変わろうとする。

「テディベアの恩返し」
元プロ野球選手の熊田のあだ名はテディベア。
鮒村敦は、熊田と再会。
ふたりは同級生だった。
再会し、熊田から言われた言葉で、もう一度自分のやりたかった事に向き合おうとする。

「踊り場で踊る」
32歳の鮎川彩。
家具店に勤めて10年。
お客で来たバカップル、元彼の婚約者などの相手をしながら、日々の接客に追われる。
そして、老人ホ-ムから脱走(?)の珍客から、今後の生き方を見直そう!と思う。

「一匹羊」
縫製工場勤務の大神亮治40歳。
会社の決まりで、初めての来客時には、目印に羊の形のバル-ンを揚げる。
そして、6名の中学生が職場体験で訪れる。
女子のなかに一人きりの男子・キクチくん。
「今の仕事に満足していますか?」の質問を全員にする。
中学生を相手にしてるうち、気づくこと。




それぞれの主人公たちがあることを機に、少し意識を変えて進んでいく様子が描かれている。
読んでいると、自分も頑張ろう♪と思える。
この著者のお話はいつも心を温かくしてくれる。

表紙の羊のおしりが可愛いぃ~!


★★★
                                     
 

 
41E4Nhso67L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月

五十歳になった私は、ある日、訪れた美術館で
展示中の「受胎告知」の世界に迷い込んでしまう。
現実と絵の中がまじりあい、描かれたものたちの声が
立ちあがる、試みにみちた長編小説。



                  (中央公論新社HPより)



またまた不思議な物語でした。
でも、読み終えるのが惜しいと思える読んでいて心地よい物語でした。

大学で学生に芸術を論じる先生の私が体験する物語。
助手のイノウエくんを「アノウエくん」と呼ぶ。

先生の最初の不思議体験は、上野の美術館で「受胎告知」を見ているとき・・・
絵に吸い込まれるように・・・と思ったら次の瞬間には、絵の中に入り込んでしまった!
そして、自然と再び元の世界へ。

そして、次は、アノウエくんの家を訪ねて行き、そこでアノウエくんが一番大切にしているという絵画のポスタ-「クリスチ-ナの世界」の中へ。

次はビルの11階でひっそり営まれている美術館に足を運び、「風神雷神図」の中へ。
その後も銭湯の富士山の絵の中、坊主が屏風に上手に描いた絵の中へ・・・。

どうして絵の中に入ってしまうのか?なぜまた戻って来られるのか?
アノウエくんとあれこれ意見を交わす様子も可笑しい。

先生は50歳だから、ほぼ自分と同じ年代なんだけど、「50歳の男は世の中から疎外されている」と感じる気持ちはよくわからないけど、説明されれば、なるほど~と思わず唸ってしまった!
凄いところに気づくな・・・笑


エッセイのような書物が多いけど、長編も面白いので、また是非、長編を書いて欲しいなぁ~。



 

★★★★★

 
41s8AmhfwDL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月

姉妹のルールは好きな人を<共有すること>

ブエノスアイレス近郊の日系コロニアで育った佐和子とミカエラの姉妹は、少女の頃からボーイフレンドををルールにしていた。留学のため来日した二人だったが、誰からも好かれる笑顔の男、達哉と知り合う。達哉は佐和子との交際を望み、彼女は初めて姉妹のルールを破り、日本で達哉と結婚する。同じく達哉に好意を抱いていたミカエラは父親がはっきりとしない命を宿してアルゼンチンに帰国する。20年後、佐和子は突然、達哉に離婚届を残して、語学学校の教え子であった田渕ともに故国に戻る。一方、ミカエラは成長した娘アジェレンと暮らしていたが、達哉が佐和子を追いかけてアルゼンチンにやってくると……。

                                       (小学館HPより)

登場人物たちの考え方、行動、どれにも全く共感は出来なかったなぁ~。
でも、それぞれの行動に嫌悪感みたいなものは、なく淡々と恋の行方を傍観してるかんじで読んでいた。

姉・佐和子(カリ-ナ)は、達哉と結婚し、日本で暮らしていたが、ある日、一方的にアルゼンチンに帰国してしまう。
そして、ほかの男と暮らし始める。

妹・十和子(ミカエラ)は、娘のアジェレンと暮らしているが、アジェレンの父親が誰なのかは明らかにされない。
そして、かつては達哉に好意を抱いていた。

アジェレンは、母親(ミカエラ)の上司である男性(妻子あり)と恋愛中。


結婚したら、恋愛なんて・・・・と思ってる自分には全くもって自由奔放な登場人物たち。
ある意味、うらやましいかも(笑)。
似たもの同士だから、大して問題にもならず、成り行き任せのかんじで過ぎていく。

日本とアルゼンチンの両方が舞台で、ちょっと異国のかんじも味わえて面白かった。

江國さんのその場の情景が浮かぶような文章なので、楽しく読めた。

表紙の写真も雰囲気あって◎!



表題の「金米糖の降るところ」の意味も文中にあるけど、ロマンチックな発想で素敵だった!

★★★★
 

 
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