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読んだ本の感想あれこれ。
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2078193a.jpg発行年月:2011年7月

歴史的な悲劇から、
希望に溢れる神話が生まれた─

全米ベストセラー、人気若手作家による9・11文学の金字塔、ついに邦訳。9歳の少年オスカーは、ある鍵にぴったり合う錠前を見つけるために、ママには内緒でニューヨークじゅうを探しまわっている。その謎の鍵は、あの日に死んだパパのものだった……。全米が笑い、感動して、心の奥深くから癒された、時代の悲劇と再生の物語。ヴィジュアル・ライティングの手法で編まれる新しい読書体験も話題に。


                                           (NHK出版HPより)


雑誌にあった本の紹介で知り、気になって図書館で借りました。
かなり厚い本です。

主人公のオスカ-少年が9.11で亡くなった父親の遺品のなかから見つけたもの。
鍵と赤いペンで書いた「ブラック」の文字。
この鍵は何の鍵?
ブラックとは?


9歳にしては、しっかりしてるというか、賢いしマセテいるオスカ-。
いろいろなブラックさんを尋ね歩き、父親を知っているか?聞いて行く。
それと鍵が合う鍵穴も捜し回る。
時には笑える。でも何ら手がかりがつかめず・・・
それでもまた探し続けるオスカ-の姿がいじらしい。

そして、物語は、オスカ-の祖父母の若い頃の話にも広がる。
アメリカがかつてしてきた戦争のこと。
そのなかには、広島の原子爆弾投下のことも出てきて、ドキッとした。

父親を亡くしたオスカ-の物語であると同時に、世界中のある日、突然、命を奪われた人やその人を大切だと思っている人たちの物語でもある。

読者が自分の立場に置き換えて読み進めていける。


文章のなかにも今までなかったような手法が使われていたり、写真も豊富で視覚的にも刺激的。

ラストのイラストたち(写真)にも魅せられた!

あとがきを読んで、これ今年映画公開されるとか?
トムハンクスとサンドラブロックがオスカ-少年の両親役!?

わ~絶対に見たい!!!


★★★★
 
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51bsf46ABaL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年9月

徳川家康の子に生まれ、11歳で人質として豊臣秀吉の養子となった於義丸――二人の天下人に命を弄ばれた男が見た覇権の真実とは。
福井藩祖となった結城秀康の波瀾万丈の生涯。



                     (中央公論新社HPより)




ちょっと表紙の絵で引いたのですが・・・^^;
大河ドラマ「江」も見ていたし、徳川家康の次男として生まれた「秀康」に興味があって読んでみました。
長男・信康は悲劇的な切腹で生涯を閉じ、三男・秀忠は大河ドラマ「江」では向井理くんが演じ、家康の後を継いだのは知っていましたが・・・この「秀康」については殆ど知らず、読みながら、こんな波乱万丈の人生を送った人だったんだぁ~とわかりました。

生まれたときから、父親とは離れた場所。
三歳で初めて長男・信康の働きかけでやっと父・家康と会うことが出来た。
しかし、父に愛されているという実感を持てぬまま成長していきます。

11歳から6年間は豊臣秀吉の養子(人質)として豊臣家で暮らしました。
いつ命をとられるか?最初の頃こそ、いつ命を取られるか?緊張の日々を過ごしたけど、案外、秀吉や茶々、秀吉の母・仲とも仲良くしていた様子は、ちょっと心が和らぎました。
そして、17歳で結城家へ。

まつりごとの道具に使われている秀康ですが、こんな自分が役に立てるのならと思い命令に従う。

賢く、心優しい青年像で、こんな人が家康の子どもであったのなら、徳川の跡継ぎにふさわしいのに・・・なんて思ってしまう。

豊臣家に居たとき、仲や茶々から徳川と豊臣の絆となって欲しいと期待されたことも果たそうと、秀吉亡き後、命を追われる石田三成を匿ったりもし、なんとか命を救おうと努力した。
豊臣家が一大名として存続できるよう家康に頼んだりもして・・・

しかし、全て叶わぬ結果になってしまう。
父・家康に対して不満感を抱きつつ自分の力の無さを憂いたり

秀康は34歳という若さで病死してしまうのだけど、死ぬ間際に「私が死んだら父は嘆いてくれるだろうか?」と言う言葉にジ~ンと。

亡くなった後、その言葉を家康が聞き、涙を流した場面にもジ~ン。

まるで大河ドラマを読んでいるようなお話でした。

物語なので、著者独特の解釈は入っているでしょうけど・・・・
なかなか良い物語でした。

登場人物たちを極めて好意的に描いているので、みんなそれぞれの考えがあってしたことで、残酷だったり不可解な決断にも断腸の思いがあってのことと読める。

家康の忠臣と言われる石田数正についての解釈も独特で今までの認識を覆すようなものだったけど、なるほど・・・家康から秀吉に鞍替えしたのには、そういう理由だったのか?と納得出来るものだった。

文章が読みやすく、物語としても面白かった。
この著者のほかの書も読んでみたくなった!



 

★★★★★

7c8883fe.jpg発行年月:2011年11月

泥棒稼業はとっくに引退したはずの老紳士。
商店街の厄介事が気になり、昔取った杵柄の
“泥棒”のワザで事件を解決。
楽しくて時折ほろ苦く、じんわり温かい物語。



                     (ポプラ社HPより)


楽しかった!
矢車聖人70歳・・・・イギリス人で日本に聞かして今は花咲小路に娘と住んでいる。
イギリスでは、1950代末~1960年代、国中の美術品や金品を上流階級宅から盗みまくり決して捕まらず世紀の大泥棒<泥棒紳士セイント>の話は有名。
そのセイントが、矢車聖人なのだ!
こんな設定から、何かワクワクする。

イギリス人紳士だけど、日本の商店街の住人として、日常を送っている。
娘の亜弥(25歳)は、近所の小中学生を対象に英数塾を開いている。
そして、亜弥の幼馴染たち(亜弥より4つ年下)、北斗と克己は、聖人の人助けと称した盗みに手助け。

みんな仲良しなかんじもいいなぁ~。


しかし、商店街が外国企業に丸々買収される危機が迫る!

どうするんだ!?

なるほど・・・そういう作戦だったかぁ~!とにんまり(^^)

誰も傷つけないし、こういう頭の切れる頼れる人の存在は格好いい!

表紙の絵も雰囲気に合っていて◎!



 

★★★★

51Q2MpezD3L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月


この味を忘れることは決してないだろう──運命の料理をめぐる七篇の物語。

母親から丁寧に伝えられたおみそ汁、離れて行く恋人と食べる松茸料理、何も食べられなくなったお祖母ちゃんに食べてもらえた思い出の一品……。ある時、ふいに訪れる、奇跡のような食卓。大好きな人と一緒に食べる歓び、幸福な食事の情景を巧みにくみこんで、ありきたりでない深い感動を誘う、七つのあたたかな短篇小説。

                                           (新潮社HPより)

「バ-バのかき氷」
「親父のぶたばら飯」
「さよなら松茸」
「こ-ちゃんのおみそ汁」
「いとしのハ-トコロリット」
「ボルクの晩餐」
「季節はずれのきりたんぽ」

それぞれのお話に出てくる美味しそうな食べ物。
美味しいものの記憶って、いつまでも残るものだし、そこに大切な人と一緒に食べた記憶があれば、尚更特別な思い出として、記憶される。

どのお話にも切ない別れがあるけれど、温かい気持ちになれるお話たちだった。

中ほどの「こ-ちゃんのおみそ汁」と「いとしのハ-トコロリット」が特に好き!


「こ-ちゃんのおみそ汁」
亡くなる前に母親から特訓を受けたみそ汁をずっと父親に作り続けてきた娘が嫁ぐことになる話。
おみそ汁・・・こんなに丁寧に作ったこと、恥ずかしながらありません^^;
今更だけど、このお話にあったとおり、作ってみようかな?


「いとしのハ-トコロリット」
亡き夫と一緒に外食をしたときに食べたコロッケの思い出を、再現する老婦人の話。
ハ-トコロリットとは、コロッケのことでした。
なんと可愛い呼び名でしょう!
実際、そんな風に昔は言っていたのかな?


小川さんのお話は、いつも美味しそうなものと温かい愛情に満ちている。
小川さん自身もきっとお料理上手なんでしょうね~(^^)


★★★
510zhd9QGWL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年9月

某出版社とのお歳暮を巡る「闘争の記録」、大江健三郎先生とスパークするディスコミュニケーション、そして「人力発電」提案まで、世界がユラユラ反転し始める待望の最新エッセイ集。

                       (平凡社HPより)



最初から最後まで、笑える。
著者本人が日常で、あれこれ考えることが可笑しい。
中には、共感するのも結構あるけど・・・そんな風に普通思わないでしょ?みたいなのもあって読みながら、ツッコミを入れたくなる。

最初の「蕃爽麗茶」から面白かったなぁ~。
こんな商品名を出しながら、はっきり不味いと言っちゃってる勇気が凄いな、この人と先ずは驚いた!
そして更にお歳暮に贈られたそのお茶を「不味いから要らない」とハッキリ言っちゃうのも凄い。
ま、結構、気を遣いながら断っているのだけれど・・・・
相手側が謝りながら、承知するのに、その後も贈り続けるというのも妙で、その度にガックリする著者の様子が可笑しい。
蕃爽麗茶・・・飲んだことないけど、逆に飲んでみたくなった(笑)

最初からこんなに面白い話で、このまま面白さは持続するのか?と思って次を読むと・・・・
またまた笑える。
もう全部可笑しい!
どこから読んでも笑える。

そして、最後にある補足みたいな話では、写真を載せてくれていたり・・・

スヌ-ピ-好きなわたしとしては
「世界的に有名なビ-グル権のニセモノコレクション」が一番気になった。
文中には、写真がなかったので、
どんなの?見たいよぉ~!と思ったら・・・巻末の「補遺」に、そのニセモノコレクションの写真が載っていてひとり歓喜した!(笑)
ニセモノでも結構、可愛い♪
わたしもコレクションしたいくらいだ!



この著者の作品は、数冊しか読んでないけど、
芥川賞を受賞していたのは、知らなかった^^;
その受賞作品「猛スピ-ドで母は」が気になるので、近いうち読んでみよう!

表題からして気になる!


                                       ★★★★★


 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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