あのとき一緒にいたなあ、って記憶を、ときどきみんな思い出したりするのかな。――“あの頃”を一生懸命生きていた少女たちの青春グラフィティー。
私たち、漫才トリオを結成します!?
<トマト>優等生の依理(いり)
<ケチャップ>ちょっとクールな葉(よう)
<ス>おっとり者のゆな
さえない女子高生・連翹(れんぎょう)ゆなは、同級生の漆原(うるしはら)依理と山口葉から漫才トリオに誘われる。学校で1、2を争う美人で、しかも成績優秀なふたりからの唐突な勧誘に、ゆなは戸惑う。それぞれ家庭に事情を抱える三人のトリオ「トマト・ケチャップ・ス」はどうなるのか? そして、彼女たちのこれからは?
(講談社HPより)
お気楽な女子高校生の日常を描いたお話?
いやいや東さんなら、もっと何か違う展開があるはず・・・・なんて思って読みました。
その予想は、ちょっと当たっていたかなぁ~?
最初は、お気楽なかんじで漫才トリオを結成した3人の女の子の会話やら、漫才のネタに
微笑ましく思うものがあったのですが・・・
段々と3人の家庭には、ちょっと重たい事情があることがわかってきて、どうなるんだろ?と先を読むのが早くなりました。
葉(よう)が、一番深刻な状況だったかな?
波乱万丈の急展開だったし・・・。
ひとりひとりが抱えるものはあるのだけれど、やはり友達って、そういう重たい気持ちも紛らせてくれる存在なんだなぁ~。
高校時代の友達って一生の友達になれるから、彼女たちもきっとずっと親交を深めていくんだろうな・・・なんて思って本を閉じました。
全体的には、爽やかな青春小説というかんじで、なかなか楽しめました。
東さんの作品のなかでは、意外と普通なのかも。
★★★
ふっくら、ことこと、こんがり、とろり。
悲しい時もせつない時も、ごはんが元気を連れてくる
おいしいものいろいろ詰め合わせ 心がほっこりあたたまる極上お料理小説
とくべつな日ではないけれど、それぞれのごはんがごちそうになる
今日も明日も、ごはんを食べる。一人で、二人で、家族そろって。誰にでもある、ごくふつうの日の料理の風景を繊細に丁寧に綴った23の物語。それぞれのメニューに材料リストつき。
(講談社HPより)
料理名がついたお話23編。
のり弁 うどん トマト味の煮込み 煮豆 漬け物 ポトフ オレキエッテ
クロックマダム お好み焼き 素麺 味噌漬け ラタトゥユ ホットコ-ヒ-
団子 ココナッツミルクのカレ- シャンパン ロ-ストチキン
どの話も日常の一こまを描いたような、どこにでもある、普通の話。
でも題名の料理がどういう風に登場するのか楽しかった♪
オレキエッテは・・・パスタの一種だけど、どんなのだっけ?と後でちょっと調べたら・・・
なるほど!平べったい耳のような形のパスタでしたっけ!
クロックマダムは知らなかったなぁ~。
物語のなかにも作り方があったけど、簡単そう!
今度、是非作ってみようかな?
しかし、橋本さんって確か、男性だと思ったけど、いろいろな料理知ってるんだなぁ~。
題名と一緒に料理材料まで記載されていたのが楽しい♪
ひとつひとつの話が短いので、空いた時間にちょっとずつ楽しみました♪
★★★
音楽を愛する死神の前で繰り広げられる6つの人生
ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に、
ある時は本格推理風に……様々なスタイルで語られる、
死神の見た6つの人間模様
(文藝春秋HPより)
伊坂作品のちょっと前の作品。
面白いと人から聞いて・・・まだ読んでなかったな・・・と読んでみた。
うん!面白かった!
死神っていうと不気味なかんじだけど、ここに登場の死神は、なかなかユニ-ク。
人間界に紛れ込んで生活し、担当者の死を「可」か「見送り」か判断する。
殆どの場合は「可」だそうですが・・・・例外もありました。
人間界では「千葉」と名乗り、時には青年。
時には中年会社員と姿を変えて担当者に接触する。
6つの話の4番目「恋愛で死神」がよかった!
死神の担当は、23歳の青年・荻原。
同じマンションに住む女性・朝美に片思いし、その後、彼女がスト-カ-被害に遭っていることを知り、撃退しようとして逆に殺されちゃう。
何で「見送り」にしてあげなかったのよぉ~!!と思ったけれど・・・・・
死ぬ間際に死神に言った言葉にドキッ!
そうか、彼はこれで満足だったのか?と思ったら切なくて泣けて来た(/_;)
そして6番目の「死神対老女」では、4番目の話と嬉しい繋がりがあって
それを知ったときは、嬉しかった♪
ササッと読めて面白くて・・・・
これは、ほかの人にも薦めたくなる本だと思った!
伊坂作品、過去作品にまだ読んでないのがあるので、また読んでみよう!
★★★★★
2011年本屋大賞第2位! 傷つき迷う心にそっと寄り添う希望の物語。
僕の中から湧いて出た初めてのこの感じ。つまり性欲? でも、それだけじゃないはず――高校一年、斉藤卓巳。好きだった同級生に告白されたのに、なぜだか頭の中は別の女のことでいっぱい。切っても切り離せない「性」と「生」を正面から描き、読者の熱い支持を得た驚異のデビュー作
(新潮社HPより)
読み始めは、「なんだこりゃ?」と思いました・・・^^;
高校生男子の自堕落な生活?
我慢して読んでいくと・・・・ふむふむ・・・・なかなか面白いじゃん!
物語は短編連作のかたちで、先の話に出てきた人が次の話の主人公になっていく。
登場人物たちの相関図が頭になかに自然に出来上がっていくのが面白かった。
最初の話で登場の斉藤卓巳くんもあんずも後の話を読めば、普通の常識ある人だったので安心した。
ほかの登場人物たちも少しずつ抱えているものがあって悩んでいたりする。
卓巳の同級生・福田くんや松永七菜。
福田くんは、わけあって祖母と二人暮らし。祖母を食べさせるためにバイトを掛け持ちして頑張っている。
しんどい生活なのに、明るい。
七菜は、勉強の出来る兄がいるけど、その兄のことで気がかりなことが起きて悩む。
ほかにも自宅で助産院を営む母親の話だったり、福田君のバイト先の先輩である元塾講師の田岡の話だったり、どれも惹き込まれる話だった。
それぞれひとりひとりは、悩みを抱えているけど、それぞれがお互いを気にかけたり思いやったりしている様子がいい。
最後の出産の場面は、明るい終わり方でよかった!
これがデビュ-作というけど、これからの作品も是非、読みたいと思わせる作家さんがまた増えて嬉しい!
カワイイ至上主義の世界に放り込まれた男子の運命は!?
少女向けファッション誌の新米男子編集者・佳孝は
くせ者揃いのスタッフや年下のモデル達、
かわいい洋服や小物に囲まれ悪戦苦闘!
(文藝春秋HPより)
以前、読んだ本屋さんでのお仕事の奮闘振りを描いた「平台がおまちかね」「背表紙は歌う」も面白かったけれど、今回のお仕事の話も面白かったぁ~。
文芸誌担当を希望する出版社勤務3年目の若者・新見佳孝が主人公。
入社から今までは時事ネタ満載の週刊誌にて勤務。今度こそ文芸部門に・・・・と思っていたら、異動先はロ-ティ-ン向け月刊誌を編集する「ピピピ編集部」。
先輩編集者は、女性。
そして、その雑誌の専属モデル(ピピモ)たちは、中~高校生の女の子。
そこでの通称は、南吉(なんちゃん)。
モデルたちにもその愛称で親しまれる。
最初は、全く希望していない部署での仕事に戸惑う佳孝だけど、与えられた仕事を真面目にこなしていく姿は好感が持てた。
がんばれ~!!と心の中で応援したくなる奮闘振り。
失敗もあるけど、腐らずに、誠意ある対応でカバ-していく。
うんうん、いい!
こういう経験大事だと思う!
雑誌づくりの裏側も知れて、なかなか興味深かった。
華やかな専属モデルたちの裏の姿もなかなか凄いものがあったなぁ~。
仕事をするって、厳しいこともあるんだよね?
こういうお仕事の裏側がわかるお話は面白いな。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;