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読んだ本の感想あれこれ。
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51fyzxL4T9L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年2月


みんなで暮らせば、なんでもできる。そう思える瞬間が、確かにあった――。

やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人+管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!

                                          (新潮社HPより)


物語の設定は、どこかで似たようなの読んだようなかんじのものですが、
最初から最後まで楽しく読めました。

元内科医院をしていた場所を改装してシェアハウスに。
家主の小助川鷹彦(タカ先生・58歳)は母屋の方で暮らす。
シェアハウス入居者は6名。


・沢方佳人(19歳)・・・昼間は酒屋でアルバイト。タカ先生には子どもの頃、患者としてお世話になった。
・大場大吉(37歳)・・・イタリアンレストランでウエイタ-をしている。
・三浦亜由(22歳)・・・幼稚園の先生
・細川今日子(18歳)・・・駅の本屋さんで働く
・柳田茉莉子(40歳)・・・歯科医院で歯科衛生士として働く
・橋本恵美里(18歳)・・・4月から大学生。

それから、シェアハウスの管理を行っている会社の社員・相良奈津子。

入居者たちは、最初から意気投合して、仲良くなり、ひとつ屋根の下で、いろいろな約束ごとを作りながら良い人間関係を築いていく。
理想的な暮らしぶりで、ちょっと憧れるなぁ~。

話が進むなかで、個人個人が抱えているちょっとした問題が発覚したりで、それらを解決するためにお互いが意見交換したり。
ちょっと出来過ぎなかんじもしたけど、まあ物語としては、読んでいて気持ち良かった。

もしかして、続きがある?
あったら、また読みたい。


★★★
PR
51ahQYFNW-L__SX230_.jpg   発行年月:2012年3月


   図書室の本に挟まれた、
   助けを求めるメッセージ。
   あなたは誰?

    若美谷中学1年5組の塚原マチは、
    自分の意見を主張できない、頼み事を断れない、
    そんな性格を直したいと思っている。

ある日、図書室で本をめくっていると、一枚の紙が滑り落ちた。
そこには、ていねいな文字で「サクラチル」と書かれていた。
貸出票には1年5組と書いて、消された跡がある。

書いたのは、クラスメイト? 

その後も何度か同じようなメッセージを見つけたマチは、
勇気を振り絞って、返事を書いた。

困っているはずの誰かのために--。(「サクラ咲く」他2編収録)


                                     (光文社HPより)



3編の青春小説が収められていて、どの話も良かったぁ~。

最初の「約束の場所、約束の時間」は、SFっぽい話。
100年先の未来から現在の中学2年に転校してきた菊池悠を巡っての話。
自分のことより大事な友達のことを気遣う中学生たちの姿が清清しい。
最後はちょっと切なかったけど、離れていても忘れないでいるっていいな。


表題作は「サクラ咲く」は二番目の話。
こちらも舞台は中学校。
中学生になったばかりの一年生。
自分の考えをはっきり表に出せないことを悩む塚原マチが、少しずつ変わっていく様子がよかった。
周りの同級生もみんな良い子たち。
そして見た目は明るく活発な子も心のなかでは、それぞれの悩みがある。
そんなお互いの悩みも信頼できる仲間がいれば自然と克服できることってある!と思わせてくれる。


最後は高校生の物語「世界で一番美しい宝石」。
映画同好会の2年生男子3人が映画の主役になってくれる人材を探し、3年生の元演劇部・立花亜麻里に声をかける。断られ続けながらもめげない3人。
亜麻里の演劇部をやめた理由がわかってからの展開がおもしろかった。
亜麻里も3人にきっと救われたんだろうなぁ~。


これは対象が中学生以上とあるからそのくらいの年代向けに書かれた作品でしょう。
でも、大人が読んでも十分、楽しめる作品でした!

表紙の絵もかわいい(^^)


★★★★
51Qv2rNnq0L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年1月


ラジオ局を訪ねてきた少年は、行方不明者のリストを握り締めていた。ペルー系アメリカ人作家による初長篇。

行方不明者を探すラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」。その女性パーソナリティーのもとを、一人の少年が訪ねてくる。彼が手にしていた行方不明者リストには、彼女の夫の名前もあった。次第に明らかになる夫の過去、そして暴力に支配された国の姿。巧みなサスペンスと鮮烈な語り。注目の新鋭による、圧倒的デビュー長篇。


                                             (新潮社HPより)


惹き込まれる様に読みました。
とある国に起きた内戦を巡っての物語。
内戦なので、戦闘により命を落とす場面が多く出てくるのか?と思ったらさほどではない。
でも、単純に戦闘により命を落とす危険よりも更に根深い何か目に見えない恐怖が伝わってくる物語だった。

物語は人気ラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」のパ-ソナリティを勤めるノ-マの元にある日、現われる少年・ビクトルとの出会いから始まります。


ビクトルは貧しい人々が暮らすジャングルのなかの1797村というところから来た。
手には村の人たちから託された行方不明者のリストを持っていて、ラジオ番組でリストにある名前を読み上げて欲しいという。

ノ-マは少年・ビクトルをしばらく預かることに。
そして、物語は過去を織り交ぜていく。

ノ-マの夫・レイも行方不明者なのだが、二人が一緒に暮らしていた頃の話。
レイの少年時代の話。
レイが自身の仕事(民族植物学者)の関係でジャングルのなかの村を訪れていた頃の話。

そして、段々とわかってくるレイの失踪するまでの様子とその後のこと。


時系列が一定方向じゃないので、やや面食らったけど、分かりにくくはない。
始終、よくわからないなんともいえない閉塞感がつきまとう。

内戦が終わっても、いまなお人々のなかの戦いは終わらないのかな?

架空の国の物語とはいうけど、凄いリアリティを感じた!


                                       ★★★★★


 
51D9bT7ZnZL__SX230_.jpg   発行年月:2011年11月


   傷はいつかふさがり、ふたたび生まれ変わるだろう――



月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って肌をあわせる男と女。死の淵の風景から立ちあがる、生の確かなきらめき。つまづいても傷ついても、人生は何度でもやり直せる、きっと――。今注目の著者による傑作小説!

                                          (角川書店HPより)



期待を裏切らない作家さんのひとり。
新刊を心待ちにしてました!!

今回のお話は、今までのとは、ちょっと雰囲気違って・・・でもとても素敵なお話でした♪

短編連作のかたちで、登場人物に関係ある人が、それぞれ主人公になってお話が進む。
そして、最後は、みんなが集う場面で・・・
心が温まるお話になっていました♪


最初の話に登場の柿崎美和。
その後の話にも出てくる、瀧澤鈴音と八木浩一。
おなじ高校で共に医学部進学を目指していた親友。
八木だけ、学力、経済面など考えて放射線技師の道に進んだけれど、親交は続いていた。

鈴音が癌に侵され、自身が営む病院を美和に託したいと願い、美和はそれを受ける。
けれど、鈴音を助けてみせる!と心に決めて・・・・

鈴音と元夫・志田拓郎。
病院看護師の浦田寿美子と元患者の赤沢。
本屋の店長・佐藤亮太と元店員の詩緒。

それぞれの恋バナもなかなかよかったなぁ~。

八木だけ、ちょっと切なかったけど・・・・

物語の冒頭は、なんだか暗く重たかったので、、どんな話の展開になるのか??と不安だったけど良い意味で予想を覆す温かい物語でした♪


しかし、いろいろな話を書ける作家さんだな~。

ますますファンになった!!


                                          ★★★★★

 
79de6178.jpeg   発行年月:2011年11月

   戦国の世、信長の娘が選んだ「女いくさ」
   信長の血をもっとも色濃く受け継いだ娘、冬。
   生まれながらに背負った運命に翻弄されながら、
   夫・蒲生氏郷への愛と父への崇敬を胸に自らが信じる道を歩んでいく。
   その数奇な半生を辿る歴史長編。


                                (集英社HPより)




信長に娘がいたことは知っていましたが、名前までは知らず・・・
冬姫という人がこんな一生を送った人ということも本書で初めて知りました。

物語に主人公になる人は、多少脚色されて魅力的に描かれるものだとは思いますが、
冬姫の考え方や生き方には、共感できる部分があってとても好感が持てました。

今まであまり世の中に知られていないのが不思議なくらい。

信長の娘であり、それなりの誇りも持っているけれど、嫁いだ先の蒲生家のなかで夫・忠三郎(のちの氏郷)を支え、蒲生家が安泰に存続することを常に願って立ち振る舞う姿は慎ましかった。

キリシタンとなった夫を見守る広い心も持っていたし・・・。

本能寺の変以後、あれこれ噂された、安土城炎上の真相は、なかなか興味深かった。
作者の仮説だろうか?


信長の妹・市とその娘・茶々が、ここでは気位の高いやや嫌な女性として描かれているのも今までにはなかったので新鮮だった!



とにかく最初から最後まで、読みやすく楽しめた。

★★★★
 
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