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読んだ本の感想あれこれ。
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51y2xI7qoZL__SX230_.jpg   発行年月:2012年3月

   その笑顔が眩(まぶ)しくて、
   僕はそっと横を向いたんだ。

井嶋杏里(いじまあんり)は、中学一年の夏に引っ越すことになった。
場所は亡き父の実家で祖母が一人暮らす町・葦原(あしはら)。
私立中学からの転校で、なじめない中学の校舎の中、
ふと、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、
市居一真(いちいかずま)と出会う。

杏里の姿をみとめた一真は彼女に絵のモデルになって欲しいと
強く思い始めて……。

杏里、一真、それぞれの家族や友達との関係、
そして二人の友情と成長を描く、あさのあつこ最新作!


                                         (光文社HPより)


最後にあった
「・・・・進研ゼミ中一、中二講座に掲載されたものです」の文字を見て納得しました。
話が綺麗過ぎるなぁ~と思っていたのですが、こういう対象に向けて書かれた物語とわかれば、これはこれで良い物語だと思う。

友達の大切さ。
自分が大切にしたいと思える人との付き合い方。
家族との関わり方。

いろいろなことが物語のなかから読み取れて、中学生の立場なら、どの言葉も素直に自分の身に置き換えて入って来そう。



 

★★★


   
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417juZU-SCL__SX230_.jpg   発行年月:2012年4月


「ヘブン」に行けばきっと幸せになれる――自分の居場所はここではないという疎外感のなかで育ち、「地上の楽園」を求めて日本を離れた一人の少女を待ち受けていたものとは……。北朝鮮への帰国事業が引き起こした悲劇を下敷きに、少女の心の成長を描く。



                           (朝日新聞出版HPより)   


物語は、祖父が父に宛てた手紙にあった「ヘブン」を目指して日本を後にした少女・茉奈の物語と、
在日朝鮮人の北への帰国事業に関わった人物の手記の部分が交代に出て来る。
最初は、その二人の関係がわからないまま読み進むかたちになったけど、段々とその関係性が分かってくる。

史実が元となってはいるけど、どこかSFっぽいかんじもするのは、「ヘブン」を目指して辿り着いた国が、あまりにも日本とは違うため、異世界の雰囲気を感じるためかもしれない。

何者かに追われ、逃げる茉奈は、暗い洞窟のような場所に身を潜めるのだが、そこでいろいろと助けてくれた若い兵士との出会いがなければ命も危なかった。
そして、その兵士自身は、命を賭けて茉奈を助けてくれた。
兵士との別れの場面は、哀しかった。
そして、「ヘブン」の本当の姿を知り愕然とする。

その後も危ない目には遭いながらも、助けてくれる人が居て、茉奈は生き延びた。

茉奈の物語と一緒に進んだもう一つの話との関係性も最後には、わかる。

う~ん。
なかなかよく出来た物語だった!
あまり知らなかった史実のことも考える事が出来たし。

哀しい物語だったけど、最後に救いがあったのは嬉しかった。


この著者は、いろいろな話を読ませてくれる。
次回作も大いに期待します!!



 
★★★★
 
514ZNPupqXL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年2月


こんどこそ生まれてきてくれる――。赤ん坊の誕生という紛れもない奇跡。

京都、鴨川にほどちかい古い町屋に暮らす四十代の夫婦のもとに、待ちに待った赤ん坊が誕生する。産みの苦しみに塗りこめられる妻に寄り添いながら、夫の思いは、産院から西マリアナ海嶺、地球の裏側のチリの坑道まで、遠のいてはまた還ってくる。陣痛から出産まで、人生最大の一日を克明に描きだす、胸をゆすぶられる物語。


                                           (新潮社HPより)


著者の実体験から生まれた物語でしょうか?

40代夫婦・慎二と園子。
二人は最初の子を死産している。
そんな哀しみを超えて、迎えた新しい命の誕生の日を描いている物語。

出産という大きな出来事に、夫である慎二が思うあれこれ。
水の中のいきものの命に思いを馳せたり・・・
かつて旅した異国で見た景色を思い出したり・・・・

そして、現実に戻ると大きなおなかのなかに命を抱えた妻・園子がいて・・・
出産のクライマックスに徐々に近づいていく。

出産の体験のある女性が描くのなら思い出して書くのは容易いだろうけど・・・
側で見ていただけの夫が、ここまでリアルな出産シ-ンを言葉で描けることにビックリ!!

著者本人がきっと、妻の出産に最初から最後まで付き添い、その一部始終を見守っていたんだろうな~と想像した。

自分の出産のときの感覚を思い出してしまい、一緒になって、陣痛の痛みに耐えたかんじ^^;
生まれたときには、慎二と園子と一緒に感動した!

一組の夫婦が臨んだ出産のドキュメンタリ-ドラマを読んでいるというかんじで良かった♪


★★★★★
79bde4c3.jpeg発行年月:2012年4月


チャイ、17歳。ミーミー、7歳。
二匹の猫と寄り添うぬくもりの日々を、
やわらかな筆致で描く感動作。
チャイとの二人暮らしから、結婚を経て
5人家族となるまでの、響き合う命の時間。


                     (河出書房新社HPより)



動物は好きなのに、猫にはあまり興味がなかった谷村さんが猫を飼うことになる。
そういえば・・・北海道大学農学部ってプロフィ-ルみて、北海道だからスケ-ルの大きな酪農なんかにも興味あったのかなぁ~?動物好きなんだろうか?と漠然と思っていました。

貰った猫が「チャイ」。
人見知りの猫だったとか。
段々と谷村さんに慣れていく様子が微笑ましい。
独身時代に貰って猫との生活を楽しみ、やがて結婚して、娘さんが誕生して、二匹目の猫「ミ-ミ-」をご主人が知人から貰って来て5人家族になるまでの話がひとつの物語のよう。

谷村さんの著書は幾つか好きで読んでいるけど、結婚してひとり子どもさんを産んだあと、病気されたのは知らなかった。
辛いことも乗り越えたんだな・・・・と思ったらなんだかジ~ンとした。

あとがきにある言葉からも改めて、チャイとミ-ミ-に対する愛情を感じました♪
2匹の写真が載ってたのも嬉しかった♪
家族も仲良さそうだし・・・
ファンとしては、近況を知れることも出来たのが収穫(^^)



★★★
 
 
41f0snactHL__SS400_.jpg発行年月:2012年3月



高校最後の卒業式、7つのさよならの物語。
校舎取り壊しが決まっている高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎えるそれぞれの別れを、瑞々しく描く連作短編集。恋愛あり、友情あり、成長あり、ミステリ的仕掛けあり。青春の全てがここに!


                        (集英社HPより)



少女目線で描かれた高校卒業の物語。
男性の著者なのに、よく女子のこと見てるなぁ~なんて感心した。

7人の女子高校生が、おんなじ高校を卒業するいう背景のなかでの話が七つ。

「エンドロ-ルが始まる」
卒業式の朝、図書室の先生に「本を返却」をしたいからと会う約束をお願いした。

「屋上は青」
卒業式がもうすぐ始まるけれど、幼馴染でこの高校を辞めた尚樹と屋上にいる。
優等生のわたしが始めてサボる。

「在校生代表」
2年生の生徒会役員のわたしが型破りな送辞を述べる。
それは一人の卒業生に向けた衝撃の告白。

「寺田の足の甲はキャベツ」
女子バスケ部部長のわたしと男子バスケ部の寺田は公認のカップル。
卒業を機に新たな道にそれぞれ進む。

「四拍子をもう一度」
毎年恒例の卒業ライブ。
けれど、トリを飾るビジュアル系バンドの衣装が紛失。メイク道具も音源も・・・・。
犯人の思惑は?

「ふたりの背景」
東棟校舎の壁に描かれた壁画。
ここに描かれた絵の意味するものを思う美術部員のわたし

「夜明けの中心」
卒業式の済んだ夜、校舎に忍び込んだわたし。
おなじように考えた男子生徒と共通の思い出の友を語る


同じ高校に所属する者たちの話なので、人物が少しリンクしている。
学校の東校舎には幽霊が出る・・・・こんな噂もなんだか懐かしい。
そして、この噂が物語のなかでもちょいちょい出てくる。

それぞれの進路に進む彼女たちの想いが、遠い過去だけど、
高校卒業を経験したときの気持ちを蘇らせてくれた。



★★★


 
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