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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2007年10月


おかえり、ダグラス――。永遠の名作『たんぽぽのお酒』で描かれた、あの夏の日がよみがえる。あたらしい物語は一年後、夏の終わりにはじまる。子どもたちを支配する老人たちとの戦い、時計塔の爆破、はじめての異性への感情……。人生との和解を学びはじめた少年の心の揺らぎをあざやかに描いた、名手ブラッドベリによる少年文学の最高傑作。

                   (晶文社HPより)



「たんぽぽのお酒」の続編。

36年後に出された続編。
でも、ダグラスはまだ少年のまま14歳。弟のトムは12歳。

やんちゃぶりは、益々・・・^m^
トムも立派な相棒になっていて、兄を助けている。


今回は、老人カルヴィン・C・クォーターメイン(通称・キャル)
とその仲間たちとの対決。


少年たちは、老人たちがかつて子どもだったことがあるとは信じられず
何なら人間でもない、自分たちとは全く異質の敵だという。
そして、キャルのチェスの駒を全て盗む。
老人たちが自分たちを駒を動かして操っているんだという仮定のもと。

それから庁舎の古時計を破壊する。
時計がなければ、自分たちは自由になれるという仮定のもと。


でも、ダグラスのおじいちゃんが、それは違うんじゃないか?と
優しく諭す。はっきり否定するのではなく、自然とダグラスが
「あれ?間違えたかな?大変なことをしちゃったのかも!」と気づくように
持って行くのが凄い。


結果、老人とダグラスは、お互いを敵対心を持たずに近づく。
めでたしめでたしというかんじ。


「たんぽぽのお酒」より、こちらのほうがわかりやすいかな?

いずれにしても、最高な物語。



                      ★★★★★


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発行年月:1971年6月


夏の陽ざしの中をそよ風にのって走る12歳の少年ダグラス。その多感な心に刻まれるひと夏の不思議な事件の数々。輝ける少年の日の夢と愛と孤独を描ききった、SF文学の巨匠が贈るファンタジーの永遠の名作。

                (晶文社Hより)




夏が始まると読みたくなる。

これ、購入したのは、中学生になったばかり位だったかな~?
本好きな、母の知り合いからのお薦め。

この表紙の本はもう絶版みたい。
挿絵が長信太さんでそれも凄く気に入っている。


主人公は、12歳のダグラス少年。
好奇心旺盛で、やんちゃな男の子。
それでも鋭い、感性の持ち主。
夏の始まりを肌で感じ取り、自分はいま生きているんだ!と実感できる子。

弟のトムは、ダグラスより理性的というか大人っぽい考え方をする子。
ダグラスに振り回されているかんじかな?


舞台は1928年のアメリカのイリノイ州 の小さな町グリーンタウン。
夏が始まる直前、大人たちは収穫したたんぽぽでお酒を仕込む。

グリーンタウンの住人が色々登場するけれど、大人はなぜか高齢者が多い。

物語のなかでダグラスは、そんなお年寄りの死もみる。
大好きな、おおおばあちゃんも亡くなる。
亡くなる前のおおおばあちゃんの話は素敵。
こんな風に皆、穏やかに死を迎えられたらいいな~。

他にも殺人なのか?
ある女性の死も出てくる。

そんな体験を続けてしたダグラスは、感受性が強いためか医者も原因がわからない
という熱を出し意識不明の状態に。

いつもお兄ちゃんに振り回されているトムがオロオロする様子がかわいい。
大嫌いだと思っていたのに・・・・って。
兄弟ってそんな感じだろうな。


グリーンタウンの住人の色々な話がそれぞれ興味深いので
アッと言う間に読んでしまった。

続きの<さよなら僕の夏>も今から読もう♪


やはり、最高な1冊だったな。と今回も思う。



                     ★★★★★




発行年月:2022年11月


ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!
直木賞受賞第一作
猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

                   (集英社HPより)




高校生の堀川と松倉が再び謎を追う。

以下、備忘録としてここに記しておくのでネタバレ大。


今回は、本に挟まったまま返却された一枚の栞。
その本を返却した者の後ろ姿を見たのは堀川。

栞には猛毒のあるトリカブトの花が透明フィルムの中にあった。
後日、学校の教師が倒れ救急搬送されるが、その後、退院。

謎を追う二人は校舎裏で穴を掘り、何かを埋めている女子生徒・瀬野を見つける。
埋めていたのは枯れたトリカブト。

そして、もう一人気になるのは堀川と松倉と同じ図書委員の委員長の東谷里奈。
本に挟まってたトリカブトの花の栞を二人が管理していることはおかしいと
他の落とし物と同じ所で保管するべきだと、二人が貼った
栞の持ち主が申し出てという掲示物を剥がした。


元々、その栞は中学生の時、瀬野が親友の櫛塚奈々美と二人で作りそれぞれ
持っていたものだという。

謎を追ううちに少し見えてくる栞の存在の目的。
色々なことに悩み、自分たちのお守り的な物として持っていたトリカブトの栞。


櫛塚奈々美の両親は離婚していて、奈々美は母親と暮らし、妹は父親と。
妹の名前は、和泉乃々花。
保健室横に掲示されていたポスターのモデル。
そのポスターは写真コンテストで入賞したものだが、モデルが手にしていたのは
トリカブトの花。


瀬野と親友・奈々美だけの栞が何故か他人の手にも広がっているのは
それを配っている者がいるから。
それは誰?
乃々花と付き合っている、図書委員の植田ではないか!?
と推察する。


奈々美の母と再婚した父親はクズ男だったが、ある日、亡くなる。
それから奈々美の不幸な暮らしは少しずつ改善された。
瀬野は義父が亡くなった原因はもしかしたらトリカブト?と疑っている。


色々な謎が膨らんでおおよその背景はわかってきた。
でも、本当のところはどうなのか?


謎を残したまま終わる。
けれど、謎のままでいい。
「俺たちの出番は終わった」と松倉が言うように、彼らは一高校生なのだから。

堀川と松倉、良いコンビだな。
また二人の物語が読みたい。



                    ★★★★






発行年月:2022年10月


カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

                 (双葉社HPより)



人の本当の姿を知るのには、時間がかかるのかもなぁ~と思った。
長く付き合っても本質を理解できない人もいるけれど・・・


原田清瀬が、恋人の松木圭太が意識不明で病院に搬送されたと聞き、動揺。
持っていた圭太の部屋の鍵で室内に入り、1冊のノートや女性宛ての
手紙を見つける。

圭太と一緒に同じような状態で病院に搬送された岩井樹は、親友で二人は
喧嘩して怪我をしたと現場を見ていたという女性・菅井天音(まお)が言う。
二人は小学校時代からの親友同士。
いったい何があったのか???


真相は段々、わかる。
圭太も樹も優しい人。

圭太が両親から大事にされていないというのは何で?と疑問。
清瀬が連絡しても母親は「あのことはもう関係ない」と冷たく突き放すのは
理解できなかった。
そういう人もいるのかな?
自分の思い通りに育たない子は排除?
圭太の本当の姿を親が全く理解していないのは、ショック。

樹もただ「頭のわるいこ」と親に思われているし・・・

でも、圭太と樹は、お互いの本質をよく理解している。
こういう理解者がそばにいてくれるのは心強いだろうな。

二人は、何があっても変わらず良き理解者であり続けるだろう。
二人が意識を取り戻し、日常生活に戻れて本当に良かった!!

物語のなかに出てくる物語の一文
『川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。』
は心に残る言葉だな。


ADHDとか識字障害とかも出て来て、色々考えさせられることもあった。
良い物語を読んだ。


                    ★★★★★



発行年月:2022年1月


一穂ミチ、最新長篇にして文句なしの最高傑作
第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞第3位
刊行以来、続々重版。大反響、感動、感涙の声、続々!
令和で最も美しい、愛と運命の物語
――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった――
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
――二人が出会った、たった一つの運命
  切なくも美しい、四半世紀の物語――

                   (文藝春秋HPより)


3つの章に分かれていて結珠(ゆづ)と果遠(かのん)が小学2年生で
知り合ったのが最初。
その後、第二章は高校生となり同じクラスになり、再び突然の別れがあり
最後の章で29歳になった二人が再び、出会った地で再会する。


途中まで、特殊な環境のなかで育った二人が精神的に強い絆で結ばれているという
話なのかと思っていたが、それ以上に強いものが二人を繋いでいたと知り
最後の二人の決断には、ちょっと待ってよ、勝手過ぎないか?と
軽い怒りさえ覚えてしまった。

でも世間の評価は、感動の物語としての位置。

う~~ん。


そんなに大切に思っている存在がいるのに、家庭を持って子どもまで生まれて
(ゆづは流産したけれど、子どもを持とうとしたんだよね?)
なぜ、その家族を手放し、二人で光のなかにいこうとるんだろう。


果遠の娘・瀬々ちゃんのことが心配で仕方ない。
子どもまで産んだのなら、その子の幸せを守ってあげてよ!
ゆづもかのんも母親のことで散々、悩んで辛い思いもしたのに、
それじゃあ、瀬々ちゃんも同じことになってしまうかもしれない。


ゆづの夫・藤田も良い人過ぎるほど、出来た人で、こんな決断をした、ゆづを
それでも許すんだろうか???
まあ、こちらは大人だから、なんとか折り合いを付けて生きていくしかないけど・・・。


この物語のなかで瀬々ちゃんという存在がなければ、まあ、こういうことも
あるのかな?で済んだけどね。

世間の評価が高いだけにちょっとガッカリだったなぁ~。



                      ★★☆
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