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読んだ本の感想あれこれ。
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41V9ckahQhL__SX230_.jpg   発行年月:2012年4月


   強くたくましく人生を切り開いていくシングルマザーのビルドゥングロマン!




   珊瑚、21歳。生まれたばかりの赤ちゃん雪を抱え、
   途方に暮れていたところ、様々な人との出逢いや助けに支えられ、
   心にも体にもやさしい、惣菜カフェをオープンさせることになる……。


                                         (角川書店HPより)


変わったタイトルだな・・・と思ったら登場人物の名前だったんですね~。

山野珊瑚は家庭の金銭的事情で高校を中退。
母親とは別れて暮らし、20歳で結婚するけど、すぐに離婚。

子ども・雪は知り合いの助産婦見習いの友達・那美に取り上げてもらった。

生まれたばかりの雪と共に食べていくためには働かなくてはならない。
どうしたらいい?そんな状況で見つけた「赤ちゃん、お預かりします」の貼り紙。
貼り紙の主は、薮内くらら。
珊瑚の救世主とも言うべき人物になる。

くららさんの作る料理が全部おいしそうだった~!
美味しい料理は、人を前向きな気持ちにさせてくれるんだなぁ~とつくづく思った!

赤ちゃんの雪を、くららに預けて、以前勤めていたパン屋さんで働く珊瑚。
しかし、パン屋さん夫妻は近いうちに外国に行くという。
さて、どうする?

珊瑚は、パン屋さんでの日々とくららの作る料理やいろいろな料理法を聞くうちに自分でもからだに良い「食」を提供したいと思い、カフェ&お惣菜のお店を開くことに決める。


オ-プンまで大変なこと。
経営面(資金繰り)のことやらカフェメニュ-についてなどを乗り越えて無事にオ-プン。
オ-プンしてからも大変なことだらけだけど、周りの人の助けをかりながら、乗り越えていけそう。


単なるサクセススト-リ-に終わってないところは、さすが、梨木さん。
珊瑚と母親との関係。
珊瑚と元・夫とその母親との関係など、いろいろな難しい感情面についても触れながら
人は一人では生きていけないし、人に助けてもらう為にプライドもときには捨てなきゃ生きて行かれないんだな・・・・


そして、食を提供するって母親なら毎日、子どもたちにしていることだけど、改めて、とっても大事なことなんだから毎日、手抜きはしても愛情は込めなきゃなぁ~なんて思ったりもした。



あと、こんな素敵なお惣菜カフェが実在したら、いいなぁ~なんて。

★★★★★
 
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7cd697d2.jpeg発行年月:2012年3月


闇のなかに白い影が浮いた。ゆらり、揺れ続ける。「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」いまは亡き友の声だ――胸騒ぎを感じたおいちは、友の必死の訴えに耳を傾ける。

 本書は、この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、岡っ引きの仙五朗とともに複雑に絡んだ因縁の糸を解きほぐしていく好評「おいち不思議がたり」シリーズ待望の新作!


                                         (PHP研究所HPより)

このシリ-ズも長く続いて欲しいなぁ~。
おいちちゃんがだいぶお医者さんに近づいて来ました。
父親は町医者の松庵先生。
母親を幼いときに亡くし、以後、父と二人暮らし。
母親代わりの伯母(母の姉)・おうたさんも相変わらず威勢が良くて会話が楽しい。

けれど、哀しい事も起きてしまう。

おいちの友達、おふねちゃんとお松ちゃん。
仲良しトリオだったのに・・・
けれど、いつまでも友達想いの3人の絆は変わらない。
そんなところにも感動。


毒殺事件も起きて、話がどんどん謎めいて行き先を読まずにいられない展開でした!
そして、そんな事件を追ううちに明かされた、おいちの出生の秘密。

なるほど・・・・・そういう真相があったんだ~。

シリ-ズ1作目よりも断然、面白かった!!

おいちが医者として成長する姿も読みたいので、まだまだこのシリ-ズは続いて欲しいな。



 
★★★★★
51N2mQyQKnL__SS400_.jpg発行年月:2012年4月

山名順一・48歳・「主夫」兼「翻訳家」。
結婚20年目にして「離婚」という一大決心をした彼の家へ
突如ホームステイすることになったのは、
世界的ベストセラー作家の娘だった!? 

佐川光晴の新境地!!


                       (河出書房新社HPより)


面白かったぁ~!
翻訳家が主役の物語ってあまり読んだことないので、へ~と翻訳家の裏事情を垣間見たかんじで興味深かった。

そして、主人公の山名順一の奥さん・遼子もなかなか個性的で良かった。
妻は中学校の教頭で毎日、仕事を終えての帰宅は遅く、順一は家で家事をこなしながら遼子の帰りを待つ生活に辟易している。
こんな生活が続くのはイヤだと離婚を考えるが・・・・自分にはお金がないという現実。
そこに持ち込まれた話が、世界的ベストセラ-作家の娘をホ-ムスティさせてあげて欲しいという依頼。
それがうまくいけば・・・・・・。
ちょっとした計算も働きその話に乗る順一。

最初は、家事を全くやらない遼子をちょっとそれはないんじゃない?なんて順一にやや同情もしたけれど・・・・話の後半部分で、遼子の本音もわかり、順一にはやはりお似合いの夫婦なんじゃないか?と思いこの夫婦は本当に離婚しちゃうのかなぁ~?なんて心配になって・・・・


最後は、ほんわか良いかんじで終わってよかった♪

佐川さんの作品は、これで3作目だけど、人物設定がなかなか個性的でいいな。
またいろいろ読んでみたい!



 

★★★★
 

 
51JucR2vL1L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年4月


入学早々、バスケ部に入ろうとしたジュンペ-。
でも、2年生が1年生はいらないと言う。
どうなるの!?

高校バスケ部を舞台にした青春小説。


                       (PHP研究所HPより)



これは児童書に近いかなぁ~?
特別な感動とか起きないのは、もう既にこの物語のなかの人物たちと年が違いすぎ、彼らの親の方の目線で読んでしまうということだろうか??

主人公は超名門校の私立・国分高校に奇跡的に合格した斉藤順平。
入学前からバスケ部に入りたいと思っていた。

が・・・・3年生が警察が介入する事件を起こし、1年間の対外試合禁止の措置のバスケ部。
それでも入部したいと申し出るが、2年生からは「1年はいらない」と言われてしまう。
それでもなんとか入部させて貰うもののコ-トに入るのを禁じられ部活は見学のみと。


この設定は、ちょっと変わっていて面白いな・・・と思った。
その後、順平はほかの入部したい1年生をなんとか5人集めて、試合をし、勝ったら部活動を認めて貰うことを約束する。
そして、試合。


ま、結果は、入部を認めて貰い、部活動参加が決定するわけだけど・・・


名門高校に入ったのに部活ばかりで、勉強はクラスの平均点を下げる「バカ王」という順平には
親の気持ちになったら・・・もう少し勉強にもその根性を注いだら?と言いたくなる(笑)。

顧問の先生が、順平にその辺りのことを言うんだけど、そのまま・・・。
勉強も頑張る様子があればよかったのになぁ~


ま、軽く読める青春小説としては、良いのか?


アリウ-プ・・・・バスケのシュト時の技で、ボ-ルを受け取ったらそのまま空中でゴ-ルすることらしい。
ふむふむ、そういうの見たことある。
アリウ-プって言うんだ~。
この表紙は、その瞬間ですね。



         ★★★
 
 
 
51U9DhbI8QL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年4月


曙光の人もある。夜陰を照らす月のごとき、脇役の人生もある。
「私は歴史の敗者を描きたい。彼らの存在に意味はなかったのかと」
50歳で創作活動に入り、アラカン世代で直木賞を受賞した歴史・時代小説家、初めての随筆集。

ひたむきに生きる人々の姿を、和歌や漢詩を引用しながら香り高く描いた作品がファンを広げている葉室麟氏。
小説のモデルとなった人物や、敬愛する作家、自身の読書遍歴、
50代で創作活動に入った思いなどをつづった。
直木賞受賞後に書かれた随筆のほか江戸時代の福岡・博多を舞台にした短編小説「夏芝居」も収録。



                                        (西日本新聞社HPより)


こんなに格調高いエッセイは、今まで読んだことないなぁ~。

歴史は学校で習ってはいるけど、人物については意外と深くは知らない。
葉室さんの本では、今までの知っている歴史上の人物のほかにもあまり聞き馴染みのない人物も多々登場。
そして葉室さんの取り上げる人物たちに共通しているのが、ひたむきさ。
真摯に自分のできることを世のため、人のために黙々とこなしていく。

この随筆集を読むと、葉室さん自身にそんな雰囲気がみえる。


北重人さんとの思い出を語った箇所は感慨深かった。
北さんの作品をわたしも幾つか読んで、まだまだ作品を読ませて貰いたいと思っていたのに61歳という若さで2009年に亡くなって、とても残念に思っていたので、その北さんとのエピソ-ドを読んで、ジ~ンと来るものがあった。


そして、若い頃、読んだ書をもう一度読むことにより、記憶のなかの懐かしい自分と対話する時間を持てるという部分には、なるほど~!と思った。

葉室さんが若い頃に読んだという「心変わり」(ミシャエル・ビュト-ル/著 清水徹/訳)を、読んでみようかなぁ~。


最後の短編「夏芝居」も良かった!
若い頃、夏芝居を父親と見に行き、そこで知り合った男性と駆け落ち騒動まで起こしたことのある、お若が10年ぶりにその男性・市助と再会する話。
お若の夫・治三郎が粋だなぁ~。

短編は読んだことないけれど、面白かった!
過去の作品には短編集もあるのだろうか?
探してみようかな?

表題の意味も随筆を読むとよくわかる。

どうか長く作家活動を続けてください!!と言いたい作家さん。


★★★★★
 
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