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読んだ本の感想あれこれ。
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514NuYCHZUL__SX230_.jpg   発行年月:2012年3月


   追われた男はなぜ帰ってきたのか? 新・直木賞作家の心揺さぶる時代長編!


かつて一刀流道場の四天王の一人と謳われた新兵衛が、18年ぶりに山国の小藩に帰郷した。居候として迎えることになった若き藩士・藤吾は、迷惑なことと眉をひそめるが、やがて藩の不正をめぐる権力抗争が表面化する。

                              (角川書店HPより)



わたしのなかでは、今、一番好きな作家さんかも!!
今回の話もよかったぁ~。

冒頭のシ-ンから、感動してました。


地蔵院の庫裏に住む夫婦の会話・・・新兵衛と妻・篠のお互いを慈しむ様子が美しい。
妻・篠は病床の身。自身の命が短いことを知って、夫・新兵衛に頼みごとをする。
そして、新兵衛が、妻の頼みごとを受けて妻の死後、かつて暮らしていた土地に帰る。


18年前に藩の上役の不正を訴え藩を追放された伯父が帰郷したことに対して、新兵衛の甥・坂下藤吾は、当惑するが、母・里美は新兵衛を温かく家に迎え入れる。
里美は新兵衛の妻の妹。

藩に歯向かうことは自身の出世の妨げになると思いながらも抗争の渦に飲まれていく藤吾。
危ない目に遭うたび助けてくれるのは新兵衛。


新兵衛は若い頃、平山道場の四天王であった。
ほかに榊原才女、篠原三右衛門、坂下源之進。

源之進は藤吾の父であり、才女は藤吾が憧れる人物である。
才女の父・榊原平蔵は何者かに暗殺された。
藤吾の父・源之進は自害。
そして、新兵衛の妻・篠は、かつて才女の元に嫁ぐ寸前であった。


気になることが次から次へと出てきて、それぞれの真相は?と気になる気になる。


そのひとつひとつの疑問が少しずつ明かされていく面白さ。

いろいろな抗争のなかで非業の死を遂げる者もあり痛ましい部分もあったけれど、篠を巡っての才女と新兵衛の確執のようなものが解かれた終盤の二人の対峙する場面は感動した。
そして才女の一生を思うと、哀しい。

才女の母(実際は養母)の滋野も嫌な人だなと思って読んでいたけれど、本心みたいなものを知ったら哀れに思えた。

万事幸せとは行かない物語だけど、そんな状況のなかでも人を大切に想う気持ちの強さが伝わり、染入る感動があった。

ただ、最初は疎ましい存在と想っていた伯父・新兵衛を藤吾が頼りにし、里美も姉に代わり、新兵衛を愛おしく感じるラストは温かいものを感じた。

でも、再び、出て行ってしまうとは・・・・・・新兵衛ってどこまでも頑な人だな・・・・・格好いいけど・・・。


今回も十分に楽しませて貰いました♪


あ~早く、「蜩ノ記」読みたいなぁ~
まだ図書館本の順番待ちなのです・・・・^^;


★★★★★
 
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1f31b082.jpeg   発行年月:2012年5月


   「三十五歳。主婦。水瓶座。いいことがひとつもありません。誰か助けに来てください」----。いじめにあっているらしい長男、突然シメジしか食べなくなったりする娘、そして、ろくに働かずに毎晩「レイプ」してくる、自称フォトグラファーの夫。思い切ったことがしたくなったある日、ネットの掲示板に書き込みをしたことで、たまきの日常は「何か決定的に」変わりはじめる……直木賞作家が掬いあげるように描く、不穏で明るい家族の「恋愛」小説。


                            (朝日新聞出版HPより)


変な人たちの話でした・・・笑

2つの章からなり
最初の「夜をぶっとばせ」は、たまきと雅彦が夫婦だった頃のはなし。
たまきは、雅彦との結婚を間違いだったと思い、雅彦の全てが疎ましい。
19年ぶりの同窓会で同級生の当時好きだった原田くんに会い、友人の瑤子と3人で原田の薦めるパソコンを購入。
たまきはネット上でメル友募集と呼びかけ、次々と連絡のある男性と会う。
そんな風に会った男の一人から求婚されたり、雅彦からDVを受けていることを言うと家に雅彦を殴りに来たり・・・夫婦仲は最低になり離婚。

次の話「チャカチョンバへの道」は・・・・・
いきなり最初でビックリ!
え?雅彦は離婚のあと、たまきの友達・瑤子と暮らしてるのぉ~!?
ま、その出会いは偶然(?)だったらしいけれど・・・・・。
主に雅彦の語りで進む。
瑤子のことがすごく好きだと自覚し、たまきとの結婚は、間違いだったと改めて感じる雅彦だが・・・・
ある日、偶然(?)たまきを見かけて、それから可笑しなかんじになっていく雅彦と瑤子とたまき。


ホントに変な人たちでした。

雅彦とたまきの間に出来た子ども
朗くんと繭ちゃんは、2番目の話では元気そうだったけど、これ先、まともな暮らしが出来るのか?
ちょっと憂いが残った。

変な話だけど、第三者的に見てるには面白い話だった。


                                         ★★★
 
51p8yVpu8WL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年3月

そして、子供たちは目を輝かせる。
「PK」「超人」「密使」からなる“未来三部作”。こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が見ている未来とは-------。

その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。
●今から思えば、試されていたのかもしれない-----PK
●君も闘っているのか? 俺たちは楽じゃない------超人
●世界を救うのに、誰かが蔑ろにされるなんて------密使


                                      (講談社HPより)


三部作からなる物語。
それぞれは違う話のようで、複雑に絡み合っている。
前に出てきた人が次の話に出てきて・・・・「おぉ~!!そういうことね」なんて気づくのが楽しい。
一度読んだら、忘れちゃうだろうから、これは再読する度に楽しめそうな話だな。


最初の話「PK」は、正にサッカ-のPKの話。
過去の2002年のワ-ルカップの予選で、その試合に勝たなくては日本は決勝に進めなくなるという大事な試合のPKの場面を回想する。
そんななかPKを掴んだ小津選手。
しかし、小津選手のその日の試合中の調子は不調。果たして決めることが出来るのか!?
と蹴る寸前にチ-ムメイトの宇野選手が何か小野に囁いた様子。
そして見事にゴ-ルを決めた。

こんな場面が最初にあって・・・・
そのとき、何を囁いたのか?どうして不調気味の小津が見事なPKを決めたのか?とずっと気になっているという大臣。
大臣と秘書がそんな会話をする。



「超人」
作家が二人。
一人は奥さんに浮気がばれた。
警備会社の営業マン・本田が二人作家のところに来ての会話。
本田は幼いとき、大臣に命を助けられたと話す。
そして自分にはある特殊な能力があり、殺人を犯す者がわかるので、それを未然に防ぐために加害者となるべき人を殺しているのだと告白する。
そして、次の殺人者は政治家。10年後に1万人が死ぬらしい。

大臣が以前、自分が助けた男はどうなっているか、気になるので会いたいと思い、行動する。


「密使」
男はその日、握手をした人のその日の終わりの6秒間を盗むことが出来る。
より多くの時間を盗むために船隊ヒ-ロ-ショ-のヒ-ロ-に扮する仕事をし、ショ-の終わりの握手会で多くの人と握手をする。
その盗んだ時間を使っての使命が耐性菌の蔓延を防ぐこと。
その方法は、過去に密使を送り込むことだと男は説明を受ける。
その使命を果たすと人類の多くの命は助かるが自分は消えるらしい。



メモしたことを頭を整理するためにまとめてみたけど、モヤモヤ。

同じような話が出てきても、少し前に出てきた状況と変わっていたり・・・・
誰かが起こした行動が、何らかの変化を起こして、別の世界のおなじような状況を変化させるということだろうか?


もう1回再読したらもうちょい見えなかったものが見えてくるかな?

ミステリ-というよりこれはSFですね。

完璧に理解してないけど、難解な部分も含めて、こういう雰囲気は好き♪
楽しませて貰いました♪

 
★★★★

 
41ppjgG6FfL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年1月


15歳の晴海は、旅先のニューヨークで母親が突然姿を消し、とまどっていた。「高校へ行かない」と言い張る自分に対する、怒りの表明なのか? しかし晴海の胸のなかには、両親に口が裂けても言えない〈秘密〉があった。高校に行きたくない理由となる、ある〈秘密〉が・・・・・・。一方、母親の可南子にも、決して小さくない〈秘密〉があった。フィギュアスケーターとして活躍していた自らの10代にまでさかのぼる、ある〈秘密〉が。胸の奥底に、棘のようにずっと刺さったままの過去と向き合うために、彼女は、娘を置いてペルーへ向かう――。少女のモノローグとペルーで綴られた日記とで織りなされた、迷っている人の背中をそっと押すような、前向き度100パーセントの母と娘の物語


                                   (角川春樹事務所HPより)


アメリカに置き去りにされ困惑する15歳の娘・晴海。
何で?と思ったら。。。。。。ちょっと理解に苦しむ理由だった。

それから、話は、母親の可南の若い頃に遡り、フィギアスケ-トの選手だった時代があり、可南の過去の恋の話まで発展する。
その恋人だった人との思い出を巡るたびに一人で行ってしまったということだけど・・・・。
ま、その行動はよくわからないけれど、旅行先での話は良かったなぁ~。

南米・ペル-。
よくわからないけれど、惹かれるかんじ。
クスコ大聖堂とかマチュピチュ・・・・・行ってみたいなぁ~。

母親の日記を帰国後、見つけて読む晴海。
母親のかつての恋を知りながら、自分の恋についても考える。

二人は似てる。
15歳の晴海の考えていることは、可南の考えていることに通じるものがある。

ときどき、登場の可南の夫であり晴海の父である、宗ちゃん(名前は何だっけ?)がほのぼのしてて良かったなぁ~。



 
★★★

 

 
41bvBSVup5L__SS400_.jpg発行年月:2012年1月

地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語!
斬新なスタイルで描かれる太田光、渾身の書き下ろし小説



                     (ダイヤモンド社HPより)




22編の短い話から成る物語。
バラバラの話と思って途中まで読んでいましたが、これは同じ方向性に進んでいるんじゃないか?と気づく。

今の文明が進化し続けたあとの世界を描いてるのかな?
とすると、人間は??
ちょっと途中から怖くなった。

鳥とか空とかがよく登場する。
今見渡せばあるような風景はあまり描かれていないので、別の世界のことを描いているようなかんじもするけど、それがこの今の続きにある世界なのか???

短い話が重なって出来ている話だけど、

博士が発明した人類の願いを叶えるマシ-ンから生まれた空飛ぶクジラに乗って冒険する博士の孫・ワタルと途中で冒険に加わるマナブの話が登場するのが楽しみだった。
二人の冒険話だけでも、十分、SFファンタジ-的な物語が楽しめた。

可笑しかったのは
<傍観者~首相はつらいよシリ-ズ3>
ゴキブリが発端で離婚したいというこの妻の気持ちは、すごくよくわかる!
そうそう!こういうのって、たまらなく腹が立つのよ!!

太田さんって、テレビを見てると、次から次へとよくも喋ることが浮かぶものだと思ってたけれど、この書もそんなかんじ。
次々出て来るいろんな話。
SFだったり、ブラックユ-モアだったり、時にはすごくロマンチックだったり。

なかなか面白かった♪

「マボロシの鳥」もそのうち読んでみよう。


                                           ★★★★
 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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