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読んだ本の感想あれこれ。
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51AB4M2hRjL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2007年12月


戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかで最後まで落ちなかった支城があった。武州・忍城。周囲を湖で取り囲まれた「浮き城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約2万の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せず、僅かの兵で抗戦した城代・成田長親は、領民たちに木偶の棒から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。城代として何ひとつふさわしい力を持たぬ、文字通りの木偶の棒であったが、外見からはおおよそ窺い知れない坂東武者としての誇りを持ち、方円の器に従う水のごとき底の知れないスケールの大きさで、人心を掌握していた。武・智・仁で統率する従来の武将とは異なる、新しい英傑像を提示したエンターテインメント小説。
カバー・イラストはオノ・ナツメ。


                                         (小学館HPより)


今更・・・・ですが、話題になったときに読みそびれていました。
映画化が決まったと聞いて、そういえば、未読だったと図書館で借りてきた次第(^_^;)

のぼう=でくのぼう
のぼう様と百姓たちからも面と向かって言われても、平気で百姓たちと会話して、笑い合える武将。
そしてその愛称どおり、武将らしからぬ運動音痴とか。
なんとも愛らしく憎めない、のぼう様。
そんな長親が、知恵者と名高い石田三成をうならせるとは!


北条家の庇護の下にあった成田家は、北条側につくべきという意見と関白に逆らったら成田家は存亡の危機に瀕するとの思いから、北条家には内密で関白側につこうと一旦は決まったが・・・・
長親の一存で、関白側と戦うことになる。

2万の兵で攻めてくる石田軍。
最後は水攻めに遭うが、なんとか城を守り切る長親。


考え抜いた策だったのか?偶然だったのか?

しかし、長親の完全なる勝利。
読んでいて気持ちよかったなぁ~。

石田三成さえも完敗だと言わせた。

敵さえも魅せられてしまう長親の人間性が読んでいる側にもとても魅力的に思える。

実際はどんな容姿だったのか?

あまり知らなかった人物だったけど、興味が沸きました。

さて映画では誰がこの役をやるのかな?
と調べたら・・・・野村萬斎さんでしたか~。
大男と書かれていたから、ちょっと原作のイメ-ジとは異なりますね・・・・。
でも映画もちょっと観てみたいな。


                                          ★★★
 
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51rmYpKXv5L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2009年3月


仲間と一緒に大海原を駆けた、あの夏の日を、僕は永遠に忘れない――。
「かはたれ」「たそかれ」の作者 朽木祥の新境地――。

僕らの船は、風の靴になって、どこまでもどこまでも駆けていく。海が空にふれてひとつになり、空が天にとどくはるか高みまで――。

第57回産経児童出版文化賞大賞受賞


                                        (講談社HPより)


少し前に読んだ朽木さんの「引き出しの中の家」が面白かったなぁ~とふと考えていて・・・
そういえば、ほかの作品も是非、読みたいと思っていたのに忘れてた!!
と気づき、図書館で予約して借りたのが本書。
表紙の絵が、今の季節にピッタリで、とても美しいなぁ~と惹かれて・・・・。

そして、やはり素敵なお話でした。

物語は、4つ上の兄が高等科に通う同じ私立中学の中等科受験に失敗した海生。
ショックから立ち直れない最低の気分に追い討ちをかけるように大好きな祖父が急死の知らせ。
祖父との思い出は、ヨットだった。
祖父は風に靴を履かせたように滑るように進むヨットを操縦していた。
受験が終わったら、再び祖父とヨットに乗るはずだったのに・・・・・。

そして、思い立つ家出。
同級生の田明も一緒に、ヨットで家出を計画する。
海生の愛犬・ウィスカ-も連れて行くことにする。
2人と1匹のはずが・・・・・田明の妹・八千穂が強引に同行することに。

二人の少年の会話に八千穂が加わって更に楽しくなった。

ヨットで子どもだけで家出なんて危ないことが起きるに違いないなんて思っていたけど、そんな危ないことは起こらず・・・・けれど、思わぬことは起きて・・・・
でも、結果的には、そんなハプニングも素敵なことに繋がっていく。


少年の抱えていた重たいものが、最後には除かれて、前向きに進もうと気持ちが変わるところが気持ちいい。
周りの大人たちも海生の気持ちを聞いて反省するべきことは謝って、良い家族だなぁ~。
優等生の兄・光一も気遣いの出来る素晴らしい青年だったし、おばあちゃんも優しく見守っているかんじがした。

亡くなったおじいちゃんも素敵な人だったんでしょう。
遺言のように残したものも、その遺しかたも粋だった!


表紙の絵も素敵でしたが、挿画もとても丁寧に描かれた絵で
お二人の画家のほかの作品も見てみたいなぁ~なんて思いました。

そして、朽木さんのほかの作品もどんどんこれから読んでいきたいな。

児童書だけど、大人でも十分に楽しめます!

あとがきの言葉もまた素敵で、あとがきでも感動!


                                       ★★★★★


 
41tw37SYxxL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年9月

東京の私鉄沿線の、小さな町のささやかな商店街の中に「ここ家」がある。こだわりのご飯に、ロールキャベツ、肉じゃが、コロッケ、ひじき煮、がんも、あさりのフライ、茄子の揚げ煮、鰺のフライ・・・・・・、「ここ家」のお総菜は、どれもおいしい。オーナーの江子は61歳。友だちとダンナが恋仲になってしまい、離婚。麻津子は、60歳。ずっと想いつづけている幼ななじみの年下の彼がいる。一番新入りの郁子は、子どもにもダンナにも死に別れた60歳過ぎ。3人は、それぞれ、悲しい過去や切ない想いを抱きながらも、季節ごとの野菜や魚などを使い、おいしいお総菜を沢山つくり、お酒を呑み、しゃべって、笑って、楽しく暮らしています。

                                      (角川春樹事務所HPより)

食べ物が沢山出て来るお話は楽しい♪
60代女性3人が働く様子も活気があっていい。

仕事を離れたところでも、それぞれはパワフル。
オ-ナ-江子は、元夫白山に好きな人が出来たことで離婚したけれど、時々連絡したりしていて、お店に出入りする米屋の青年・進と冗談か本気かわからないが「結婚」を迫ったりしている。

麻津子は、2つ年下の幼馴染・旬のことが好きでずっと思いを秘めている。

そんな二人の様子を少し冷静に観察する一番、後からお店に勤め出した郁子。

美味しそうな食べ物が沢山出て来るけれど、表題の「キャベツ炒め」の話がやはり良かったなぁ~。

郁子の亡くなったご主人との思い出の料理。
美味しいキャベツはササッと炒めて食べるのがわたしも好きだな。

井上さんご自身もきっと料理が好きなんでしょうね~(^^)


60歳でもこんな風に毎日、明るく元気に過ごせたらいいな。
まだまだいろんなことに貪欲でもいい年齢なんだ!と思わせてくれて気持ちが前向きになるかんじ♪



 

★★★★

 
51-Qy0B8eML__SS500_.jpg発行年月:2011年7月


同じ保育園に子どもを託している、作家のユカ、主婦の涼子、モデルの五月。三人の若い母親たちが抱える、痛みにも似た孤独と焦燥、母であることの震えるような幸福。彼女たちは何に傷つき、何に憤り、何に慰撫されているのか。作家が自身の体験のすべてを注いで描きだす、現代日本の「母」、そして「家族」。渾身の最高傑作!



                                             (新潮社HPより)



途中、読むのが苦しくなった。
ここに書かれている3人の母親が感じた孤独感やら焦燥感は、よ~く理解できるし、自分も同じことを思った!という場面も多かった。
たぶん、子育て経験者には似たことを感じるんじゃないだろうか?


育児って、やはり母親の方が、精神的、肉体的に断然、大変だと思う。
母親なんだから・・・と世間も自分も思う部分があって、追い詰められていく。
十分な睡眠が取れないのが辛かったなぁ~と自分自身の経験も振り返ったりして・・・・。

ここに出て来た3人のうち一番、普通な生活をしていた主婦・涼子の気持ちに共感する部分があったかな?
涼子は息子・一弥を一生懸命、愛情持って接しているけれど、それゆえ自分の考える通りに事が運ばないとイライラして一弥に暴力をふるってしまう。
そうしてしまう自分を冷静に見つめ、一弥にとってこの先、どうすることがいいのか?を考えて行動した部分は偉いな~と思った。

ほかの二人も、それぞれ抱えている問題を解決していくだろうと思える終わり方だったので、最後は少しホッとした。

しかし、読み難かったぁ~。
なんでだろ?難しいことが書かれているわけじゃないんだけど・・・・。
かなり疲れた~(;O;)



芥川賞受賞の「蛇にピアス」を読んだときにも感じたけれど、
この方の文章そのものとわたしは相性がよくないみたい・・・^^;
でも今後の作品も話題性があれば読んでみたいとまた思うかも?


                                            ★★
 
41WiqRjBZ2L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年5月


その男は、ある日突然に「消えた」----母の元恋人を捜す娘が見つけた、切なすぎる真実。

昭和二十七年。何の前触れもなく姿を消し、二度と戻らなかった恋人。それから五十年……末期ガンを宣告された母に代わって消えた男を捜す娘は、いつしか母の想いに諦めたはずの自分の恋を重ねはじめる。函館の街を舞台に、昭和と平成、二つの時代を挟んで向き合う二組の恋人たちの行き着く先は-----衝撃の結末が胸を揺さぶる渾身の恋愛長編。

                                           (新潮社HPより)



久しぶりに切ない恋愛小説を読んで感動しました!
谷村さんは、北の地方が舞台のお話が多いけど、今回もそうでした。


余命短い母親・美月が母の看病のためといい東京の仕事を辞めて来た娘・季恵に話す、夫と結婚する前に好きだった人・大橋藤一郎の話。
その人は、ある日、突然、自分の目の前から姿を消したという。
なにが起きたのか?その後の彼はどういう暮らしをしていたのか?
娘に探してほしいと頼む。

最初は、父親の前に好きだった人を今まだ忘れられずにいるという母親の気持ちに戸惑う季恵。
しかし、母の望みを叶えてあげたいと必死に大橋を探す。

探偵事務所の古賀と出会い、大橋の友人だった喜多門と出会い、いろいろな真実が明かされていく。

母親と大橋が交わしていた手紙の文面も書かれ、二人がお互いのことを深く愛していたことがわかる。
しかし、それなのになぜ消えた!?という疑問も大きくなっていく。

そして、最後は姿を消す前の大橋の気持ちが綴られる。

青函連絡船の遭難事故という史実も絡みながら、ラストはなんとも切ない(/_;)。

読み終えた後も、静かな余韻に浸っていました。


★★★★★

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