発行年月:2011年11月
鳴く声は、いのちの燃える音に似て------
幽閉先で家譜編纂と十年後の切腹を命じられた男。
何を思い、その日に向かって生きるのか?
心をふるわす傑作時代小説!
第146回 直木賞受賞作
(祥伝社HPより)
首を長くして待っていた直木賞受賞作の本書。
期待に胸を膨らませて読みました♪
そして、その期待を遥かに超えた感動作でした!!
泣けました・・・(/_;)
主人公は、戸田秋谷(とだしゅうごく)。
江戸で藩主の側室と不義密通を犯し人を一人斬ったという罪で幽閉の身。
幽閉先では、妻・織江 娘・薫 息子・郁太郎とともに住み、命じられた家譜編纂に励む。
そして、もう一人の男・檀野庄三郎が秋谷の監視役として幽閉先の地に向かう。
庄三郎は、城内で刃傷沙汰を起こした罪で死罪を免れる代わりに秋谷の家譜編纂の手伝いと監視を命じられていた。
監視役として秋谷の家族と共に暮らしながら、秋谷の人柄に魅せられていく。
そして切腹を命じられた罪そのものも、全く秋谷に非がないものであると知る。
なんとかして、切腹を赦される手立てはないものか?
読みながら、このまま切腹なんてことにならないでほしい!!と強く思いながら読みました。
けれど・・・・・・。
秋谷の思いが哀しく切ない。
そこまでいろいろなことを考えて自分が犠牲になることが一番、良いと考えたのか?
秋谷の息子・郁太郎は、そんな父の気高い武士魂を見て、きっと立派な大人に成長するだろう。
郁太郎の友・源吉も偉かった!
幼いのに、決死の覚悟で取り調べを受けて・・・・この場面が一番、辛かった!(;O;)
自分が生きると言うことよりも、自分がどう振舞ったら大事な人がこの後、生き易くなるのか?を考えている者たち。
庄三郎も一時はそんな思いで命賭けの行動に出た。
その行動に出る前のことばが印象的だった。
・・・・・・・・ひとは心の目指すところに生きているのだ。
心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば
命を絶たれることも恐ろしくはない・・・・・・・・・・・・・
秋谷も同じ思いであったのか?と考えると少しは救われる。
葉室作品、やっぱり凄いな。
鳴く声は、いのちの燃える音に似て------
幽閉先で家譜編纂と十年後の切腹を命じられた男。
何を思い、その日に向かって生きるのか?
心をふるわす傑作時代小説!
第146回 直木賞受賞作
(祥伝社HPより)
首を長くして待っていた直木賞受賞作の本書。
期待に胸を膨らませて読みました♪
そして、その期待を遥かに超えた感動作でした!!
泣けました・・・(/_;)
主人公は、戸田秋谷(とだしゅうごく)。
江戸で藩主の側室と不義密通を犯し人を一人斬ったという罪で幽閉の身。
幽閉先では、妻・織江 娘・薫 息子・郁太郎とともに住み、命じられた家譜編纂に励む。
そして、もう一人の男・檀野庄三郎が秋谷の監視役として幽閉先の地に向かう。
庄三郎は、城内で刃傷沙汰を起こした罪で死罪を免れる代わりに秋谷の家譜編纂の手伝いと監視を命じられていた。
監視役として秋谷の家族と共に暮らしながら、秋谷の人柄に魅せられていく。
そして切腹を命じられた罪そのものも、全く秋谷に非がないものであると知る。
なんとかして、切腹を赦される手立てはないものか?
読みながら、このまま切腹なんてことにならないでほしい!!と強く思いながら読みました。
けれど・・・・・・。
秋谷の思いが哀しく切ない。
そこまでいろいろなことを考えて自分が犠牲になることが一番、良いと考えたのか?
秋谷の息子・郁太郎は、そんな父の気高い武士魂を見て、きっと立派な大人に成長するだろう。
郁太郎の友・源吉も偉かった!
幼いのに、決死の覚悟で取り調べを受けて・・・・この場面が一番、辛かった!(;O;)
自分が生きると言うことよりも、自分がどう振舞ったら大事な人がこの後、生き易くなるのか?を考えている者たち。
庄三郎も一時はそんな思いで命賭けの行動に出た。
その行動に出る前のことばが印象的だった。
・・・・・・・・ひとは心の目指すところに生きているのだ。
心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば
命を絶たれることも恐ろしくはない・・・・・・・・・・・・・
秋谷も同じ思いであったのか?と考えると少しは救われる。
葉室作品、やっぱり凄いな。
★★★★★
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発行年月:2012年2月
私たちは逃げられない、女という面倒くさい性から。
17年前、厩橋で拾われた赤子は月子と名づけられ、
大人の香りを身に纏う美しい女に成長した。
一方、育ての母黎子は職場の図書館で会う「川向こうの男」の存在を意識して-----。
二人の女の揺れる思いが錯綜する長編小説
(角川書店HPより)
場所は、スカイツリ-建設途中の隅田川界隈。
16年前、隅田川にかかる厩橋の上で坂下夫妻(親雄と藜子)が月子を拾う。
いったんは養護施設に預けられた月子を夫妻は里親として引き取った。
月子は、年を追うごとに美しさを増していき、藜子は、いつかは誰かの元に返さなければならないのでは?という不安に駆られていく。
ある日、幼馴染の晋太郎がアルバイトとして、盲目の老女に朗読をすることを勧められ二人で老女の元へ。
朗読するのは、「たけくらべ」。
老女・墨は、月子の朗読を褒め、二人は定期的に老女の元へ通う。
藜子は、図書館の司書として働いている。
家から厩橋を眺めていたら、見知らぬ男に手を振られ、思わず自分も手を振り返す。
その男があるとき、図書館に現われるが、自分のことを覚えている様子はない。
自分からもあえて手を振り合った仲であることは言わず、それでも男の再来を待つ藜子。
朗読を月子に頼んでいる老女・墨は、元遊女だったと話す。
そしてその時代に好きで今も忘れられない男がいたことを月子に話してくれる。
「たけくらべ」のなかの美登里の世界と墨の生きた世界がどこか似ていた。
そして現代に生きている月子もなとなく美登里とダブる。
「たけくらべ」は、読んだことがないけれど、是非、読んでみたいと思う。
ラストはちょっと不思議な終わり方。
唐突なかんじもしないでもないけれど、個人的には凄く好きな終わり方でした(^^)
物語のなかに3.11の震災も出て来るし、建設中のスカイツリ-が少しずつ伸びていく様子も描かれる。
過去の隅田川界隈に生きた女性と現在に生きる女性達の物語かな?
なかなか面白い物語でした!!
表紙の絵も近代的なかんじもするし、どこか古風なかんじもして物語の雰囲気をよく表していると思う。
初読みの作家さんだったけれど、ほかの作品も読みたいと強く思った!!
私たちは逃げられない、女という面倒くさい性から。
17年前、厩橋で拾われた赤子は月子と名づけられ、
大人の香りを身に纏う美しい女に成長した。
一方、育ての母黎子は職場の図書館で会う「川向こうの男」の存在を意識して-----。
二人の女の揺れる思いが錯綜する長編小説
(角川書店HPより)
場所は、スカイツリ-建設途中の隅田川界隈。
16年前、隅田川にかかる厩橋の上で坂下夫妻(親雄と藜子)が月子を拾う。
いったんは養護施設に預けられた月子を夫妻は里親として引き取った。
月子は、年を追うごとに美しさを増していき、藜子は、いつかは誰かの元に返さなければならないのでは?という不安に駆られていく。
ある日、幼馴染の晋太郎がアルバイトとして、盲目の老女に朗読をすることを勧められ二人で老女の元へ。
朗読するのは、「たけくらべ」。
老女・墨は、月子の朗読を褒め、二人は定期的に老女の元へ通う。
藜子は、図書館の司書として働いている。
家から厩橋を眺めていたら、見知らぬ男に手を振られ、思わず自分も手を振り返す。
その男があるとき、図書館に現われるが、自分のことを覚えている様子はない。
自分からもあえて手を振り合った仲であることは言わず、それでも男の再来を待つ藜子。
朗読を月子に頼んでいる老女・墨は、元遊女だったと話す。
そしてその時代に好きで今も忘れられない男がいたことを月子に話してくれる。
「たけくらべ」のなかの美登里の世界と墨の生きた世界がどこか似ていた。
そして現代に生きている月子もなとなく美登里とダブる。
「たけくらべ」は、読んだことがないけれど、是非、読んでみたいと思う。
ラストはちょっと不思議な終わり方。
唐突なかんじもしないでもないけれど、個人的には凄く好きな終わり方でした(^^)
物語のなかに3.11の震災も出て来るし、建設中のスカイツリ-が少しずつ伸びていく様子も描かれる。
過去の隅田川界隈に生きた女性と現在に生きる女性達の物語かな?
なかなか面白い物語でした!!
表紙の絵も近代的なかんじもするし、どこか古風なかんじもして物語の雰囲気をよく表していると思う。
初読みの作家さんだったけれど、ほかの作品も読みたいと強く思った!!
★★★★★
発行年月:2012年2月
きっとまばゆい明日が待っているから。
「自分革命」を起こすべく親友との縁を切った女子高生、
家系に伝わる理不尽な"掟"に苦悩する有名女優、
無銭飲食の罪を着せられた中二男子……
森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語。
(角川書店HPより)
2000年から2012年まで、いろいろなテ-マで書いた9つの短編集。
どの話も良かった♪
最初の「ウエルカムの小部屋」からクスリ^m^
主人公の女性は、誰もが羨む婚約者がいたのに破談になり、結婚したのは自称発明家の夫。
夫婦の会話が笑える。
そして、その結婚も破綻するのだが・・・・・
トイレ=ウエルカムの小部屋・・・・その例えが可笑しくもあり哀しいお話でした。
一番好きだったのは、「ブレノワ-ル」。
フランスのブルタ-ニュ地方出身の男が主人公。
男は故郷の親戚たちが信心深く昔から受け継がれる因習に辟易し、故郷を飛び出してパリの二つ星レストランで働いていた。
そして、自分自身も融通が利かない性格のため多くの女性と付き合うが最後は愛想を尽かされていた。
が、初めて同志と呼べる女性・サラと出会う。
サラも同じ地方出身であったことから、とんとん拍子に結婚。二人で故郷に帰ることに。
そして、今まで自分が煩わしいと感じていた慣習だが、そこには母親の息子に対する深い愛があったのだと知る。
母親ってそういうものなのよね~としみじみした気持ちになりました。
表題作「気分上々」は一番最後にありました。
中学2年生の男子が主人公。
この頃の男子って・・・・・バカっぽくて愛らしい(笑)。
こちらも気分上々にさせて貰いました♪
楽しい短編集でした(^^)
★★★
きっとまばゆい明日が待っているから。
「自分革命」を起こすべく親友との縁を切った女子高生、
家系に伝わる理不尽な"掟"に苦悩する有名女優、
無銭飲食の罪を着せられた中二男子……
森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語。
(角川書店HPより)
2000年から2012年まで、いろいろなテ-マで書いた9つの短編集。
どの話も良かった♪
最初の「ウエルカムの小部屋」からクスリ^m^
主人公の女性は、誰もが羨む婚約者がいたのに破談になり、結婚したのは自称発明家の夫。
夫婦の会話が笑える。
そして、その結婚も破綻するのだが・・・・・
トイレ=ウエルカムの小部屋・・・・その例えが可笑しくもあり哀しいお話でした。
一番好きだったのは、「ブレノワ-ル」。
フランスのブルタ-ニュ地方出身の男が主人公。
男は故郷の親戚たちが信心深く昔から受け継がれる因習に辟易し、故郷を飛び出してパリの二つ星レストランで働いていた。
そして、自分自身も融通が利かない性格のため多くの女性と付き合うが最後は愛想を尽かされていた。
が、初めて同志と呼べる女性・サラと出会う。
サラも同じ地方出身であったことから、とんとん拍子に結婚。二人で故郷に帰ることに。
そして、今まで自分が煩わしいと感じていた慣習だが、そこには母親の息子に対する深い愛があったのだと知る。
母親ってそういうものなのよね~としみじみした気持ちになりました。
表題作「気分上々」は一番最後にありました。
中学2年生の男子が主人公。
この頃の男子って・・・・・バカっぽくて愛らしい(笑)。
こちらも気分上々にさせて貰いました♪
楽しい短編集でした(^^)
★★★
発行年月:2011年7月 (文庫)
家族とは何か。赦しとは何か。迫真のサスペンス巨編!
深い喪失感を抱える少女・美緒。謎めいた過去を持つ老人・丈太郎。
世代を超えた二人は互いに何かを見いだそうとした……。
感動のサスペンス巨編。
(角川書店社HPより)
途中で・・・・「あれ?どこかで読んだかも?」と思ったら・・・・
2年くらい前に読んだ「七月のクリスマスカ-ド」を改題し、一部書き換えての文庫本でした^^;
でも、殆ど詳しいことを忘れていたので、再び楽しむことが出来ました。
物語は、始終重苦しいです。
けれど、そんな状況のなかでも必死でもがきながら頑張る主人公・美緒にはエ-ルを送りながら読みました。
物語は3部構成で、
第一部は、小学校時代の美緒。
ある日、突然、父親が自分と弟、母の元から去る場面から。
母は父親が出て行く前からアルコ-ル依存症。
そして、美緒の一番下の弟・穣が亡くなってから、家庭内の不和がより増していた。
小学生の美緒と弟の充は、母親の従姉妹の薫の元で暮らし始める。
第二部は、薫が営む店「ロ-ズ」の常連客である、元検事の永瀬丈太郎の話。
薫の紹介で、美緒と充も丈太郎に親しみを感じる。
丈太郎は、妻を病気で亡くし、一人娘の瑠璃は、幼いころ、誘拐されそのまま帰って来ない。
薫は瑠璃と幼稚園が同じで、瑠璃が連れ去られる場面を目撃していた。
第三部では、大人に成長した美緒が、瑠璃の誘拐事件の真実と、幼い弟・穣の死の真相を追究していく。
丈太郎も美緒も大切な家族を失い、そのほかに家族の行動のなかにも不審な何かを感じながら生きていた。
美緒は、まだ幼いうちからそんな状況のなかで、もがきながらいろいろな心の葛藤と闘って成長してきた。
そんな二人が偶然、知り合い、親子以上の年なのに、お互いの存在が生きるうえでの支えとなっていく部分は大きな救いであった。
物語は終盤に、いろいろな真実が明かされる。
真実を知って更に胸が痛くなる。
けれど、憎しみだけを持ち続けるのは、自分も辛くなる。
気持ちを赦しに変えることが出来たとき、自分も前に進めるということだろう。
丈太郎は、すべての真実を知ったうえで赦すことを選んだのか?と考えたら切なくなった。
美緒も丈太郎と同様に赦す努力をしようと決めたよう。
しかし、なかなか実際には難しいことかも。。。
う~ん。考えちゃうな~。
そうすることが正しいのか?
表題は、個人的には単行本として出た「七月のクリスマスカ-ド」の方が好きだな~。
家族とは何か。赦しとは何か。迫真のサスペンス巨編!
深い喪失感を抱える少女・美緒。謎めいた過去を持つ老人・丈太郎。
世代を超えた二人は互いに何かを見いだそうとした……。
感動のサスペンス巨編。
(角川書店社HPより)
途中で・・・・「あれ?どこかで読んだかも?」と思ったら・・・・
2年くらい前に読んだ「七月のクリスマスカ-ド」を改題し、一部書き換えての文庫本でした^^;
でも、殆ど詳しいことを忘れていたので、再び楽しむことが出来ました。
物語は、始終重苦しいです。
けれど、そんな状況のなかでも必死でもがきながら頑張る主人公・美緒にはエ-ルを送りながら読みました。
物語は3部構成で、
第一部は、小学校時代の美緒。
ある日、突然、父親が自分と弟、母の元から去る場面から。
母は父親が出て行く前からアルコ-ル依存症。
そして、美緒の一番下の弟・穣が亡くなってから、家庭内の不和がより増していた。
小学生の美緒と弟の充は、母親の従姉妹の薫の元で暮らし始める。
第二部は、薫が営む店「ロ-ズ」の常連客である、元検事の永瀬丈太郎の話。
薫の紹介で、美緒と充も丈太郎に親しみを感じる。
丈太郎は、妻を病気で亡くし、一人娘の瑠璃は、幼いころ、誘拐されそのまま帰って来ない。
薫は瑠璃と幼稚園が同じで、瑠璃が連れ去られる場面を目撃していた。
第三部では、大人に成長した美緒が、瑠璃の誘拐事件の真実と、幼い弟・穣の死の真相を追究していく。
丈太郎も美緒も大切な家族を失い、そのほかに家族の行動のなかにも不審な何かを感じながら生きていた。
美緒は、まだ幼いうちからそんな状況のなかで、もがきながらいろいろな心の葛藤と闘って成長してきた。
そんな二人が偶然、知り合い、親子以上の年なのに、お互いの存在が生きるうえでの支えとなっていく部分は大きな救いであった。
物語は終盤に、いろいろな真実が明かされる。
真実を知って更に胸が痛くなる。
けれど、憎しみだけを持ち続けるのは、自分も辛くなる。
気持ちを赦しに変えることが出来たとき、自分も前に進めるということだろう。
丈太郎は、すべての真実を知ったうえで赦すことを選んだのか?と考えたら切なくなった。
美緒も丈太郎と同様に赦す努力をしようと決めたよう。
しかし、なかなか実際には難しいことかも。。。
う~ん。考えちゃうな~。
そうすることが正しいのか?
表題は、個人的には単行本として出た「七月のクリスマスカ-ド」の方が好きだな~。
★★★★
発行年月:2003年2月
「文革が始まってから、私はいつも独りぼっちだった。」
文化大革命のさ中に多感な少女時代を過ごした中国人作家が、
瑞々しい日本語で綴る自伝的長編。
(幻戯書房HPより)
図書館の棚を見て廻って、なとなくピン!と来た本。
大抵こういう本は当たりなのです。
著者の名前から「中国の人の話?」と想像出来ました。
そして表題の「父の帽子」の意味は、文化大革命により、右派のレッテルを貼られたことを意味する言葉でした。
著者は、北京で幼少期を過ごす。
近所の子達と遊ぶ和やかな様子や両親に愛され育つ著者の様子が微笑ましい場面が先ずは描かれている。しかし、その背景にある文化大革命が、著者の暮らしのなかに少しずつ暗い影が広がっていく。
著者の両親は、知識人で
父親は、大学で教えていたり、仏中辞書の編集に関わったりしていた。
母親も女学校の教師。
そして、父親は、母親がいうところの出しゃばりであったため、帽子を被せられることになったと。
文化大革命は1966年~1976年。
著者の父親は、共産主義を信じ共産党に入党し、毛沢東を信じていたのに、裏切られることになった。
そして、母親の同僚たちも革命の犠牲になった。
父親の従兄弟は、小心者ゆえ、自分の過去も問題にされるのでは?と不安に耐え切れず自ら命を絶った。
そんな状況が日常のなかに起きているのに、著者は周りの空気に感化されず、母親の言うところの犯罪分子の頭とされた女リ-ダ-・大洋馬(ダ-ヤンマ-)を慕ったりしていた。
そのために学校や周囲から忌み嫌われる存在になってもいつも平常心でいられるところが凄い!
強い女性なんだな・・・。
学校の革命教育の一環として、死刑公開判決大会に参加するよう先生に言われてクラス長と一緒に見学に行った先でも、家から離れようと辿り着いた駅で眠ってしまい、警察の事情聴取を受けたときにも、恐れを知らない行動にはビックリ!
ひとつ間違えば命も落とすことになったのでは?と思われる出来事も実に淡々と書いている。
日本語も上手。
只者じゃないな・・・・この人!
1977年、文革で廃止されていた大学入試試験が再開されると同時に試験を受けて大学生となり、その後、日本に渡り日本人と結婚し日本に住んでいるそうです。
名誉を回復した父親は教授として勤務する大学の宿舎で母親と暮らしているとか。
1997年、再びかつて住んでいた地をたずねたときのことが最後に書かれていたけれど、その辺をもう少し詳しく書かれたものもあるようなので、また読んでみたいと思う。
読み応え十分の書でした!!
★★★★★
「文革が始まってから、私はいつも独りぼっちだった。」
文化大革命のさ中に多感な少女時代を過ごした中国人作家が、
瑞々しい日本語で綴る自伝的長編。
(幻戯書房HPより)
図書館の棚を見て廻って、なとなくピン!と来た本。
大抵こういう本は当たりなのです。
著者の名前から「中国の人の話?」と想像出来ました。
そして表題の「父の帽子」の意味は、文化大革命により、右派のレッテルを貼られたことを意味する言葉でした。
著者は、北京で幼少期を過ごす。
近所の子達と遊ぶ和やかな様子や両親に愛され育つ著者の様子が微笑ましい場面が先ずは描かれている。しかし、その背景にある文化大革命が、著者の暮らしのなかに少しずつ暗い影が広がっていく。
著者の両親は、知識人で
父親は、大学で教えていたり、仏中辞書の編集に関わったりしていた。
母親も女学校の教師。
そして、父親は、母親がいうところの出しゃばりであったため、帽子を被せられることになったと。
文化大革命は1966年~1976年。
著者の父親は、共産主義を信じ共産党に入党し、毛沢東を信じていたのに、裏切られることになった。
そして、母親の同僚たちも革命の犠牲になった。
父親の従兄弟は、小心者ゆえ、自分の過去も問題にされるのでは?と不安に耐え切れず自ら命を絶った。
そんな状況が日常のなかに起きているのに、著者は周りの空気に感化されず、母親の言うところの犯罪分子の頭とされた女リ-ダ-・大洋馬(ダ-ヤンマ-)を慕ったりしていた。
そのために学校や周囲から忌み嫌われる存在になってもいつも平常心でいられるところが凄い!
強い女性なんだな・・・。
学校の革命教育の一環として、死刑公開判決大会に参加するよう先生に言われてクラス長と一緒に見学に行った先でも、家から離れようと辿り着いた駅で眠ってしまい、警察の事情聴取を受けたときにも、恐れを知らない行動にはビックリ!
ひとつ間違えば命も落とすことになったのでは?と思われる出来事も実に淡々と書いている。
日本語も上手。
只者じゃないな・・・・この人!
1977年、文革で廃止されていた大学入試試験が再開されると同時に試験を受けて大学生となり、その後、日本に渡り日本人と結婚し日本に住んでいるそうです。
名誉を回復した父親は教授として勤務する大学の宿舎で母親と暮らしているとか。
1997年、再びかつて住んでいた地をたずねたときのことが最後に書かれていたけれど、その辺をもう少し詳しく書かれたものもあるようなので、また読んでみたいと思う。
読み応え十分の書でした!!
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HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
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