発行年月:2012年6月
下着が人の気持ちを変える? 弾ませる? 東京のファッションビルの一角でランジェリーショップ「シフォン・リボン・シフォン」を成功させた水橋かなえは、母の介護のため、活気をうしないつつある地方都市に戻ってきた。まだ30代の彼女は、通信販売で固定客を得ていたこともあって、この街でも店を開く。機能的な下着から自由でチャーミングなものまで、いろいろ勢ぞろい。さびれた商店街にできたこのちょっと気になるお店に、やがて人々は引き寄せられる。かなえと同様に介護生活をおくる32歳の佐菜子、米穀商店の女装する若い息子、旧家の時代を忘れられない年配の女性……。レースやリボン、小さい花柄をあしらった下着が、彼らの人生をほのかに弾ませる。母と娘の屈託、息子と父の反目、嫁と姑の気詰まりをなぜかほどいていく。小さな人生模様がえがかれ、摩訶不思議でほのぼのとした小説集。
(朝日新聞出版HPより)
ちょっと寂れた商店街にOPENしたランジェリ-ショップ「シフォン・リボン・シフォン」。
店長は水橋かなえ。
東京でランジェリ-ショップを手掛けて成功していたが、母親の介護を手伝うために田舎の商店街に店を構えた。
そんなランジェリ-ショップに関わりを持つ人たちの物語が4話。
最初の話は、32歳の独身女性・佐菜子。
ちょっと太めで自分の胸が大きいことを気にしている。
両親と同居。母親は半身麻痺、父親は糖尿病。
両親の食事の支度やら細々した家事一切をこなしている。
しかし、母親は言いたい放題。父親も似たようなかんじ。
ああ、なんて窮屈な生活をしているんだろう・・・・と佐菜子に同情しちゃう。
そして、ランジェリ-ショップに入って、店長のかなえからアドバイスされ自分の大きすぎる胸をきにすることがないブラジャ-に出会う。
下着ひとつで気持ちが変わる。
こういう感覚は女性しかわからないかもね~。
佐菜子に店長が言う最後の言葉が素敵だったなぁ~。
「・・・あなたがあなたを大事に扱っているんだから」
第二話は男性がランジェリ-ショップに訪れる話。
商店街で米穀店を営む男性が自治会加入についての話をするために訪れるのだけど・・・。
家のなかで、そのランジェリ-ショップの紙袋を見つけて・・・。
「シフォン・リボン・シフォン」の店内にあった下着は、派手目な色合いで、お値段も高め。
家族の誰が買い物した?
妻なのか??
思わぬキッカケで息子の秘密を知る父親の心理。
なかなか面白かった。
第三話は、ランジェリ-ショップを営む、かなえ自身の話。
幼少時の想い出からショップを開くまでの経緯。
両親が教師。
親戚も教師が多い環境で、育ったかなえ。
勉強は出来てあたりまえなんて、息が詰まりそう。
家から出なければと家を飛び出し、大学卒業後は出版社に勤めるが、自分の店を持つことが夢でその実現のために頑張る。
ランジェリ-を扱う仕事を母親は理解出来ず、かなえが乳がんで手術をし左の胸を全て切除した時には
病室に来て「身勝手なことばかりした罰」と言う。
第一話の佐菜子と似た母娘の関係ですね・・・・(;O;)
酷い母親だなぁ~と思うけど、娘が憎くて言ってるわけじゃないんだよね・・・。
そんな母親がくも膜下出血で半身麻痺に。
母親の介護は、弟の嫁・由美香が主に背負うことに。
それを手助けするために田舎に帰って来た、かなえ。
母親の介護を時々しながら、思うあれこれ。
第四話は、年配のご婦人。
店内のランジェリ-を素敵だと褒め、買うそぶりを見せながらも土壇場でキャンセルを繰り返す。
昔はこの辺り一帯の地主だったのだと自慢話も毎回。
商店街では、ある意味、有名な人物だと知る。
そして、そこに嫁いだのが、かなえの高校時代の同級生・美保子だった。
義母は認知症なのだと話す美保子。
そして大切にされることに飢えている人なのだと気づく。
四話とも心に沁みる良いお話でした♪
下着が人の気持ちを変える? 弾ませる? 東京のファッションビルの一角でランジェリーショップ「シフォン・リボン・シフォン」を成功させた水橋かなえは、母の介護のため、活気をうしないつつある地方都市に戻ってきた。まだ30代の彼女は、通信販売で固定客を得ていたこともあって、この街でも店を開く。機能的な下着から自由でチャーミングなものまで、いろいろ勢ぞろい。さびれた商店街にできたこのちょっと気になるお店に、やがて人々は引き寄せられる。かなえと同様に介護生活をおくる32歳の佐菜子、米穀商店の女装する若い息子、旧家の時代を忘れられない年配の女性……。レースやリボン、小さい花柄をあしらった下着が、彼らの人生をほのかに弾ませる。母と娘の屈託、息子と父の反目、嫁と姑の気詰まりをなぜかほどいていく。小さな人生模様がえがかれ、摩訶不思議でほのぼのとした小説集。
(朝日新聞出版HPより)
ちょっと寂れた商店街にOPENしたランジェリ-ショップ「シフォン・リボン・シフォン」。
店長は水橋かなえ。
東京でランジェリ-ショップを手掛けて成功していたが、母親の介護を手伝うために田舎の商店街に店を構えた。
そんなランジェリ-ショップに関わりを持つ人たちの物語が4話。
最初の話は、32歳の独身女性・佐菜子。
ちょっと太めで自分の胸が大きいことを気にしている。
両親と同居。母親は半身麻痺、父親は糖尿病。
両親の食事の支度やら細々した家事一切をこなしている。
しかし、母親は言いたい放題。父親も似たようなかんじ。
ああ、なんて窮屈な生活をしているんだろう・・・・と佐菜子に同情しちゃう。
そして、ランジェリ-ショップに入って、店長のかなえからアドバイスされ自分の大きすぎる胸をきにすることがないブラジャ-に出会う。
下着ひとつで気持ちが変わる。
こういう感覚は女性しかわからないかもね~。
佐菜子に店長が言う最後の言葉が素敵だったなぁ~。
「・・・あなたがあなたを大事に扱っているんだから」
第二話は男性がランジェリ-ショップに訪れる話。
商店街で米穀店を営む男性が自治会加入についての話をするために訪れるのだけど・・・。
家のなかで、そのランジェリ-ショップの紙袋を見つけて・・・。
「シフォン・リボン・シフォン」の店内にあった下着は、派手目な色合いで、お値段も高め。
家族の誰が買い物した?
妻なのか??
思わぬキッカケで息子の秘密を知る父親の心理。
なかなか面白かった。
第三話は、ランジェリ-ショップを営む、かなえ自身の話。
幼少時の想い出からショップを開くまでの経緯。
両親が教師。
親戚も教師が多い環境で、育ったかなえ。
勉強は出来てあたりまえなんて、息が詰まりそう。
家から出なければと家を飛び出し、大学卒業後は出版社に勤めるが、自分の店を持つことが夢でその実現のために頑張る。
ランジェリ-を扱う仕事を母親は理解出来ず、かなえが乳がんで手術をし左の胸を全て切除した時には
病室に来て「身勝手なことばかりした罰」と言う。
第一話の佐菜子と似た母娘の関係ですね・・・・(;O;)
酷い母親だなぁ~と思うけど、娘が憎くて言ってるわけじゃないんだよね・・・。
そんな母親がくも膜下出血で半身麻痺に。
母親の介護は、弟の嫁・由美香が主に背負うことに。
それを手助けするために田舎に帰って来た、かなえ。
母親の介護を時々しながら、思うあれこれ。
第四話は、年配のご婦人。
店内のランジェリ-を素敵だと褒め、買うそぶりを見せながらも土壇場でキャンセルを繰り返す。
昔はこの辺り一帯の地主だったのだと自慢話も毎回。
商店街では、ある意味、有名な人物だと知る。
そして、そこに嫁いだのが、かなえの高校時代の同級生・美保子だった。
義母は認知症なのだと話す美保子。
そして大切にされることに飢えている人なのだと気づく。
四話とも心に沁みる良いお話でした♪
★★★★★
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発行年月:2012年7月
人気作家の日常。締切を前に白紙の恐怖に怯え、
店員とのやりとりに傷つき、ハダカデバネズミに心奪われる。
たとえ何があっても、愛犬と散歩すれば前に進める・・・・
心温まるエッセー集
(毎日新聞社HPより)
大好きな作家さんの日常を知るのは楽しい♪
小川さんの優しい人柄が随所に現われている文章。
心地よいなぁ~。
これは毎日新聞社に4年間連載されたエッセイを集めた1冊だそうで、お話は46編。
どのお話も興味深かったけど、やはり本の話が出てくると読んだことのある作品には「うんうん、そうそう!」と思うし、まだ読んでない本については是非、読んでみたいと思った。
特に中勘助の「銀の匙」は、読んでみたい。
それから、「ノルウェイの森」も再読してみようかな?と思った。
時が経つとまた別の発見があるらしいから・・・・。
表紙の絵は、小川さんの愛犬、ラブちゃんとお散歩する様子を描いているんだと思うけど、愛犬に対する愛情の深さもよく伝わってきた。
ほかの動物にも愛情を感じている小川さん。
特に興味深かったのは、その名前もユニ-クな「ハダカデバネズミ」。
どんな動物でしょうか?
後で探してみよう!
ラブちゃんとの散歩がなにより大切な日課だった小川さんですが、そのラブちゃんも14歳と6ヶ月で天国へ逝ってしまい、今は一人で散歩しているとか。
一人で散歩しながらもラブちゃんのことを考えているんでしょうね~。
散歩って、子どもが小さい頃はしたけど、もう全然、してないなぁ~。
一人で散歩は、なんだかつまらないからしない。
そうか、犬を飼えば散歩も日課になるんだなぁ~。
犬を飼ってる人がちょっと羨ましいな。
小川さんの物語も大好きだけど、エッセイも好き♪
★★★★
人気作家の日常。締切を前に白紙の恐怖に怯え、
店員とのやりとりに傷つき、ハダカデバネズミに心奪われる。
たとえ何があっても、愛犬と散歩すれば前に進める・・・・
心温まるエッセー集
(毎日新聞社HPより)
大好きな作家さんの日常を知るのは楽しい♪
小川さんの優しい人柄が随所に現われている文章。
心地よいなぁ~。
これは毎日新聞社に4年間連載されたエッセイを集めた1冊だそうで、お話は46編。
どのお話も興味深かったけど、やはり本の話が出てくると読んだことのある作品には「うんうん、そうそう!」と思うし、まだ読んでない本については是非、読んでみたいと思った。
特に中勘助の「銀の匙」は、読んでみたい。
それから、「ノルウェイの森」も再読してみようかな?と思った。
時が経つとまた別の発見があるらしいから・・・・。
表紙の絵は、小川さんの愛犬、ラブちゃんとお散歩する様子を描いているんだと思うけど、愛犬に対する愛情の深さもよく伝わってきた。
ほかの動物にも愛情を感じている小川さん。
特に興味深かったのは、その名前もユニ-クな「ハダカデバネズミ」。
どんな動物でしょうか?
後で探してみよう!
ラブちゃんとの散歩がなにより大切な日課だった小川さんですが、そのラブちゃんも14歳と6ヶ月で天国へ逝ってしまい、今は一人で散歩しているとか。
一人で散歩しながらもラブちゃんのことを考えているんでしょうね~。
散歩って、子どもが小さい頃はしたけど、もう全然、してないなぁ~。
一人で散歩は、なんだかつまらないからしない。
そうか、犬を飼えば散歩も日課になるんだなぁ~。
犬を飼ってる人がちょっと羨ましいな。
小川さんの物語も大好きだけど、エッセイも好き♪
★★★★
発行年月:2012年5月
心をそっと包みこむ、等身大の成長小説
未熟児として生まれ、ばらばらの父母のもと、
欠落感と一緒に育ってきた私は、介護ヘルパー先の
横江先生の家で額装の仕事に出会う。
ずっと混線していた私の心が、ゆっくり静かにほどけだす-----。
(集英社HPより)
音楽がらみの話を書かれる宮下さん。
今回も表題からして、音楽の話かな?と思ったら・・・ちょこっと違っていました。
でもガ-シュウィン作曲で知られる「サマ-タイム」は、主人公の佐古(名前は??)にとって特別なものでした。
佐古は早産で生まれいろいろな機能が未発達のままだった。
成長しても人とはちょっと馴染めず、その要因のひとつは、相手が話す言葉のなかに意味不明の雑音が混じるため、返答がうまく出来ないという。
しかし、高校を卒業し、運よく薬問屋に就職できたが、半年で会社は倒産。無職となる。
その後、ホ-ムヘルパ-の資格を取り、ケアセンタ-に派遣登録して、最初の派遣先が
物語の場となる元教師の横江先生宅。
先生の話口調は穏やかで、佐古の耳にもすんなり入るため会話に困ることがない。
意思疎通がウマくいくって良い人間関係を築くには大切ですからね。
先生の息子さん(名前は?)はお客さんが持ち込む絵の額装をするのが仕事。
先生の住む家の隣でお店を出していて、佐古はその手伝いも兼ねるようになる。
それから、先生の孫・隼とも出会う。
隼は、佐古の中学時代の同級生だった。佐古と同い年の19歳。
2人の会話も良かったなぁ~。
隼は、仕事に就くのが夢と佐古に言う。バイト先では怒られてばかりで、長続きしないとか。
こうすればいいとかそれは良くないとか言うわけではない佐古との会話で、隼は救われたかんじ。
佐古は良い子だな・・・・。
物語の後半、小学校のとき、行方知れずになった父親が突然、帰宅する。
平然と受け入れる母。
最初は違和感を抱きながら、自然と父と娘としての会話が成り立つ過程がウマく描かれていた。
良い事があると知らず知らずのうちに口ずさんでいた「サマ-タイム」を父が聞き
「楽しいことがあると歌っていたな」という場面が素敵だった。
父親が好きでよく聞いていたというCD「エラ・イン・ベルリン」は佐古も気づいたら好きになっていて
そのCDを見つけて「おまえも好きなのか?」と言うシ-ンも良かった。
わたしは知らなかったので、ちょっと視聴してみたけど
おぉ~!!凄くいいじゃん!!と感動した。
ジャズなんてあまり普段は聞かないけれど、この歌声は良い!
CD欲しくなった。
宮下さんは、やはり音楽に詳しいなぁ~。
わたしが無知なだけか?^^;
佐古は、優しい人たちが周りにいて、良かったな~。
ちょっと人と違うと、そのことを偏見で判断したりする人がいるけど
そういう社会は、佐古みたいな子は生きにくいだろうね。
その人の良い部分を最大限に引き出してあげられる人が一人でも居たら
その人は、自分が生きていくことに自信を持てるだろう。
なんて、偉そうに書いてる自分がちょっと上から目線っぽくてイヤだけど・・・・^^;
兎に角、良い物語でした!!
心をそっと包みこむ、等身大の成長小説
未熟児として生まれ、ばらばらの父母のもと、
欠落感と一緒に育ってきた私は、介護ヘルパー先の
横江先生の家で額装の仕事に出会う。
ずっと混線していた私の心が、ゆっくり静かにほどけだす-----。
(集英社HPより)
音楽がらみの話を書かれる宮下さん。
今回も表題からして、音楽の話かな?と思ったら・・・ちょこっと違っていました。
でもガ-シュウィン作曲で知られる「サマ-タイム」は、主人公の佐古(名前は??)にとって特別なものでした。
佐古は早産で生まれいろいろな機能が未発達のままだった。
成長しても人とはちょっと馴染めず、その要因のひとつは、相手が話す言葉のなかに意味不明の雑音が混じるため、返答がうまく出来ないという。
しかし、高校を卒業し、運よく薬問屋に就職できたが、半年で会社は倒産。無職となる。
その後、ホ-ムヘルパ-の資格を取り、ケアセンタ-に派遣登録して、最初の派遣先が
物語の場となる元教師の横江先生宅。
先生の話口調は穏やかで、佐古の耳にもすんなり入るため会話に困ることがない。
意思疎通がウマくいくって良い人間関係を築くには大切ですからね。
先生の息子さん(名前は?)はお客さんが持ち込む絵の額装をするのが仕事。
先生の住む家の隣でお店を出していて、佐古はその手伝いも兼ねるようになる。
それから、先生の孫・隼とも出会う。
隼は、佐古の中学時代の同級生だった。佐古と同い年の19歳。
2人の会話も良かったなぁ~。
隼は、仕事に就くのが夢と佐古に言う。バイト先では怒られてばかりで、長続きしないとか。
こうすればいいとかそれは良くないとか言うわけではない佐古との会話で、隼は救われたかんじ。
佐古は良い子だな・・・・。
物語の後半、小学校のとき、行方知れずになった父親が突然、帰宅する。
平然と受け入れる母。
最初は違和感を抱きながら、自然と父と娘としての会話が成り立つ過程がウマく描かれていた。
良い事があると知らず知らずのうちに口ずさんでいた「サマ-タイム」を父が聞き
「楽しいことがあると歌っていたな」という場面が素敵だった。
父親が好きでよく聞いていたというCD「エラ・イン・ベルリン」は佐古も気づいたら好きになっていて
そのCDを見つけて「おまえも好きなのか?」と言うシ-ンも良かった。
わたしは知らなかったので、ちょっと視聴してみたけど
おぉ~!!凄くいいじゃん!!と感動した。
ジャズなんてあまり普段は聞かないけれど、この歌声は良い!
CD欲しくなった。
宮下さんは、やはり音楽に詳しいなぁ~。
わたしが無知なだけか?^^;
佐古は、優しい人たちが周りにいて、良かったな~。
ちょっと人と違うと、そのことを偏見で判断したりする人がいるけど
そういう社会は、佐古みたいな子は生きにくいだろうね。
その人の良い部分を最大限に引き出してあげられる人が一人でも居たら
その人は、自分が生きていくことに自信を持てるだろう。
なんて、偉そうに書いてる自分がちょっと上から目線っぽくてイヤだけど・・・・^^;
兎に角、良い物語でした!!
★★★★★
発行年月:2007年5月
----------御首の在所を知らず------------
右大臣拝賀式の夜、甥の公暁によって殺された源実朝。
血で血を洗う骨肉の惨劇。
忽然と消えた実朝の首をめぐって繰り広げられる権謀術数。
(本の帯文より)
実朝は、父・頼朝の次男。
家督を継いだ兄・頼家が亡くなりその跡を継ぎ、右大臣拝賀の式典に向かい、その場で暗殺される。
斬りつけたのは、頼家の息子・公暁。親の仇と叫びながら・・・・・。
首を切り離し、奪って逃げるが、追っ手により討たれる。
そして、首は公暁の従者・弥源太に託され・・・・・。
はっきり言って、頼朝の死後の藤原摂関家とか北条家とか朝廷のその後の話は、よく知らない^^;
実朝の名前も・・・ああ、そんな人居たかな?くらいの知識でした(笑)。
けれど、面白かったです!!
正直、登場人物が多く、読むのに難儀はしましたが・・・。
物語の冒頭で、実朝は首を切り落とされてしまいます。
甥である公暁が何をそんなに恨んでいたのやら??と歴史に疎いわたしとしては疑問でしたが、ま、読んでいくにはその辺は置いておいて・・・
公暁は従者の弥源太とともに実朝の首を持って逃げます。
そして、一時は逃げ延びますが、やがて捕まり、公暁は討たれ弥源太が首を持って逃げていき、このままでは逃げ切れないと土の中に埋め、身を隠し、その後、掘り返してみると・・・・ない!
首は自分が掘り起こしてほかの所にあるから付いて来いと武常晴に言われ、付いて行った先には朝夷名三郎義秀がいた。
義秀の剛勇ぶりは広く知られていた。
そして屋敷には、義秀の甥であり、実朝の忠臣であった和田朝盛の姿もあった。
弥源太は実朝の首奪還に動き出す幕府側と対立する彼らと行動を共にする運命に。
実朝の首がいろいろな人たちを動かす。
朝廷と幕府の対立関係だけでなく、北条家と藤原家の関係などなど、この時代の人たちが心の中に持っていた憎しみやら欲望やら哀しみやら不安やらが入り混じって、それが亡き実朝の首を巡って現されていく。
凄い物語でした!
よく知っている人物は北条政子と後鳥羽上皇くらいでしたが、2人の周囲に居た人物達の方が物語を作っている。
しかし、やはり政子は凄い人だったんだ~!と改めて知った。
頼朝と作り上げた鎌倉幕府をたとえ身内に犠牲者が出ようと守りきらなければと思う気迫は
なるほど尼将軍と呼ばれた人だと納得。
そして、後半では、首を斬られ哀れな最期を迎えた実朝の本心が書かれていて、泣けた。
葉室作品には、必ず哀しく切ない主要人物の胸の内が描かれる。
京の文化に憧れ、和歌の素養を磨き、歌才を持っていた実朝は、政子が危惧していた通り、武門に生まれるべき人ではなかったのかもしれない。
そのことを本人も感じていたとしたら・・・・切ないなぁ~。
葉室作品のかなり初期の作品ですが、十分な読み応えでした!!
まだまだ未読のものを探して読んでいこう(^^)
----------御首の在所を知らず------------
右大臣拝賀式の夜、甥の公暁によって殺された源実朝。
血で血を洗う骨肉の惨劇。
忽然と消えた実朝の首をめぐって繰り広げられる権謀術数。
(本の帯文より)
実朝は、父・頼朝の次男。
家督を継いだ兄・頼家が亡くなりその跡を継ぎ、右大臣拝賀の式典に向かい、その場で暗殺される。
斬りつけたのは、頼家の息子・公暁。親の仇と叫びながら・・・・・。
首を切り離し、奪って逃げるが、追っ手により討たれる。
そして、首は公暁の従者・弥源太に託され・・・・・。
はっきり言って、頼朝の死後の藤原摂関家とか北条家とか朝廷のその後の話は、よく知らない^^;
実朝の名前も・・・ああ、そんな人居たかな?くらいの知識でした(笑)。
けれど、面白かったです!!
正直、登場人物が多く、読むのに難儀はしましたが・・・。
物語の冒頭で、実朝は首を切り落とされてしまいます。
甥である公暁が何をそんなに恨んでいたのやら??と歴史に疎いわたしとしては疑問でしたが、ま、読んでいくにはその辺は置いておいて・・・
公暁は従者の弥源太とともに実朝の首を持って逃げます。
そして、一時は逃げ延びますが、やがて捕まり、公暁は討たれ弥源太が首を持って逃げていき、このままでは逃げ切れないと土の中に埋め、身を隠し、その後、掘り返してみると・・・・ない!
首は自分が掘り起こしてほかの所にあるから付いて来いと武常晴に言われ、付いて行った先には朝夷名三郎義秀がいた。
義秀の剛勇ぶりは広く知られていた。
そして屋敷には、義秀の甥であり、実朝の忠臣であった和田朝盛の姿もあった。
弥源太は実朝の首奪還に動き出す幕府側と対立する彼らと行動を共にする運命に。
実朝の首がいろいろな人たちを動かす。
朝廷と幕府の対立関係だけでなく、北条家と藤原家の関係などなど、この時代の人たちが心の中に持っていた憎しみやら欲望やら哀しみやら不安やらが入り混じって、それが亡き実朝の首を巡って現されていく。
凄い物語でした!
よく知っている人物は北条政子と後鳥羽上皇くらいでしたが、2人の周囲に居た人物達の方が物語を作っている。
しかし、やはり政子は凄い人だったんだ~!と改めて知った。
頼朝と作り上げた鎌倉幕府をたとえ身内に犠牲者が出ようと守りきらなければと思う気迫は
なるほど尼将軍と呼ばれた人だと納得。
そして、後半では、首を斬られ哀れな最期を迎えた実朝の本心が書かれていて、泣けた。
葉室作品には、必ず哀しく切ない主要人物の胸の内が描かれる。
京の文化に憧れ、和歌の素養を磨き、歌才を持っていた実朝は、政子が危惧していた通り、武門に生まれるべき人ではなかったのかもしれない。
そのことを本人も感じていたとしたら・・・・切ないなぁ~。
葉室作品のかなり初期の作品ですが、十分な読み応えでした!!
まだまだ未読のものを探して読んでいこう(^^)
★★★★
発行年月:2012年4月
夜だけ開く、たとえようもなく豪奢で魅惑的な夢のサーカス。
そこを舞台に競い合うよう運命づけられた、二人の天才魔術師を待つものとは。
世界30カ国で刊行、映画化決定の傑作ファンタジー、ついに登場!
(早川書房HPより)
このタイトルと表紙の絵から、ファンタジックな世界を想像して、ワクワク。
夜だけ開くサ-カスなんて・・・・。
でも読み始めたら、想像と違ってました。
今まで見てきたサ-カスの世界とは全く異質な世界。
日暮れに開場、夜明けに閉場 侵入者は放血される
そこは魔術師同士の対決の場になっていたのです!
天才魔術師を父に持つ、シ-リアとマルコは対決を運命付けられた2人。
しかし、やがて、2人は惹かれあい愛し合うようになる。
2人が対決をやめれば、サ-カスは崩壊してしまう。
さてさて、どうなる??
登場人物たちは多く、軽業師のツキコ、占い師のイゾベル、サ-カスの時計を作った時計職人のフリ-ドリッヒ・ティ-セン、サ-カス内で生まれた双子のウィジットとポペット。
人間の男の子・ベイリ-が物語の最初の方でサ-カス内にもぐりこみ、双子の女の子・ポペットと出会うけれど、それが後々まで親交を深めてサ-カスの危機も救うことになる。
最初から最後まで、ファンタジックな雰囲気で、夢のような美しい世界観に浸りながら楽しめた。
こういう物語は、やはり海外の作家さんでなくては書けないかも・・・。
映画化決定と知り、映画も是非、観たい!!と強く思いました。
夜だけ開く、たとえようもなく豪奢で魅惑的な夢のサーカス。
そこを舞台に競い合うよう運命づけられた、二人の天才魔術師を待つものとは。
世界30カ国で刊行、映画化決定の傑作ファンタジー、ついに登場!
(早川書房HPより)
このタイトルと表紙の絵から、ファンタジックな世界を想像して、ワクワク。
夜だけ開くサ-カスなんて・・・・。
でも読み始めたら、想像と違ってました。
今まで見てきたサ-カスの世界とは全く異質な世界。
日暮れに開場、夜明けに閉場 侵入者は放血される
そこは魔術師同士の対決の場になっていたのです!
天才魔術師を父に持つ、シ-リアとマルコは対決を運命付けられた2人。
しかし、やがて、2人は惹かれあい愛し合うようになる。
2人が対決をやめれば、サ-カスは崩壊してしまう。
さてさて、どうなる??
登場人物たちは多く、軽業師のツキコ、占い師のイゾベル、サ-カスの時計を作った時計職人のフリ-ドリッヒ・ティ-セン、サ-カス内で生まれた双子のウィジットとポペット。
人間の男の子・ベイリ-が物語の最初の方でサ-カス内にもぐりこみ、双子の女の子・ポペットと出会うけれど、それが後々まで親交を深めてサ-カスの危機も救うことになる。
最初から最後まで、ファンタジックな雰囲気で、夢のような美しい世界観に浸りながら楽しめた。
こういう物語は、やはり海外の作家さんでなくては書けないかも・・・。
映画化決定と知り、映画も是非、観たい!!と強く思いました。
★★★★
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HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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