もしデブが宿命ならば、甘んじてそれを受けよう。宿命と運命とは違う、と言ったのは誰だろう。
デブは運命と思いたい。運命は変えられるのだ、きっと。
少女の頃からずっとなじみだったこの下腹の重みは、
時には軽くなり薄くなる。恋をした時には消滅したこともある。
恋も運命と同じように、デブも運命に違いない。
だから運命が、私にどれほどの肉を与えても、
いつか笑顔でふり落とそうではないか。(本文より)
贅肉とのネバーエンディングな戦いを繰り広げるマリコの恋とキレイのストーリーは、遂に第10巻。
美女エッセイの金字塔!
(マガジンハウスHPより)
ファッション雑誌anan連載「美女入門」シリ-ズ代10弾ですね。
相変わらず、ファッションの話と良い男の話とダイエットの話。
相変わらずですが、面白いなぁ~。
自分のことをデブと言ってるけれど、ちゃんと努力しているし、いつも綺麗でいなきゃいけないという意識を持っているのは同じ女性として偉いなと思う。
お金があるから、ダイエットの方法もお金をかけたものだけど・・・・^^;
もう林さんなら、嫌味に思えない(笑)。
実際、独身時代よりも今の方が綺麗だと思うし・・・。
公式ブログ「林真理子のあれもこれも日記」も見てみたら面白かったので、
これからは、そちらもちょこちょこチェックしよう♪
林さんが描くこのイラストもとても好きです。
★★★
うちらは、電車通学のことを、キシャツー、って言う。
部活に通う夏休み、車窓から、海辺の真っ赤なテントに住む男子を見つけて……
微炭酸のようにじんわり広がる、それぞれの成長物語。
(河出書房新社HPより)
北海道の片田舎。
電車通学をする高校生たちの夏休みのひとこま。
登場する高校生たちがみんな良い子たち。
明るくて友達思い。
はるか、このみ、あゆみは仲良し同級生トリオで高校2年生。
はるかの幼馴染で一つ上の酒井良夫(通称、よっしー)とは、タメ口OKの仲。
通学途中、電車のなかから見つけた赤いテントが物語の発端になる。
気になり、そのテントのある駅で降りて偵察するのは、人目を惹く美人な先輩・野島沙絵。
そして、同じ頃、偶然、よっしーと赤いテントの住人は出会っていた。
赤いテントの住人は、東京の高校3年生・宮谷光太郎。
なぜ東京からひとり北海道の海岸沿いでテント生活?
はるか達、高校2年生トリオと、3年生のよっしー、その友達・西遼太郎。
そして野島沙絵が、遼太郎のため、奮闘する物語。
高校生たちの会話が愉快。
楽しそう。
けれど、明るい彼らのなかにも生い立ちに、ちょっとした事情を抱えている子達がいる。
はるかは4歳のときに養子に来た子で、よっしーの生みの母は東京にいる。
そして東京から来た光太郎にも・・・・。
物語には、暗いものが一切ない。
みんな高校生活を満喫している様子が清清しい。
友情っていいな~(^^)
物語の最後には、6年後のことが書かれている。
みんなそれぞれの道を進んだんだな。
でも、高校時代、一緒に過ごしたこの夏のことは、それぞれの大切な思い出なんだろうなぁ~。
いつかみなで再会する日もあるといいな(^^)
30代後半の主婦ゆかりは、夫と小学生の長男と1歳半の長女とともに、穏やかで幸せな日々を過ごしていた。あの日、不意に運命が暗転するまでは。
生と死をしずかに見つめなおす傑作中篇4作品。
佐川光晴青春の原点ともいうべき、北大恵迪寮を舞台にした「二月」「八月」も収録。
(左右社HPより)
表題作を含む4つの短編集。
「静かな夜」
小学生3年生の息子を交通事故で亡くし、加害青年に判決が下された直後、夫も急死してしまい、幼い娘と2人の生活が始まった宮本ゆかり。
「崖の上」
中学で教師をしていたとき、職場の人間関係に疲れ、かつての優秀な教え子の突然の訃報と精神的に参ってしまい、うつ病を発症した津田五郎。
「二月」「八月」
北大2年のとき、留年が決定した長谷川和郎。
350名が暮らす学生寮の自治会執行委員長として大学当局との交渉に明け暮れた結果のこと。
授業料を稼ぐ為、与那国島のさとうきび農家に向かう。
その後、フリピィンへ。
4つの話(後ろ2つは同じ話だけど・・・)の主人公達の抱えるものは重たい。
特に最初と二番目の話は、本人たちに何ら落ち度はないのに、どうしようもない状況に置かされてしまう理不尽さに胸が痛くなる。
うしろ二つの話は、著者の学生時代のことが元になっているかんじ。
北大出身で在学中は物語の主人公のように寮生活をしていたらしい。
学生と言えど、寮と言うひとつの組織のなかでリ-ダ-的存在になってしまうと、こんな大変な思いもしなきゃならないのかな?なんてよくわからない世界の話なので、興味深かった。
いずれの主人公達も過酷な状況のなかで、ちょっとした気持ちに変化が置きて、前へ進もうとしているラストはホッと出来るものがあった。
しかし、精神的にかなり疲れました。
自分自身が落ち込んでいるときには、読めないかも・・・。
文章は読みやすく頁をめくる速度は落ちないんだけど・・・。
★★★
おちこんだり、かなしいことがあったとき、
元気をくれるすてきな場所「すずめいろ堂」。
心がわくわくおどりだすような、ふしぎなことがおこります。
(ポプラ社HPより)
朽木さんの作品を幾つか読んで、どれも素敵で、ほかに作品ないかな?と
探していたら、この書を見つけました。
児童書ですが、大人が読んでも癒されます。
バイオリンのレッスンに行きたくない女の子が、ある日、レッスンを休んで、降りた駅。
そこで、「すずめいろ堂」という看板の下がった建物をみつけ・・・
「ためらいは、いりません。すずめいろどきです。中へどうぞ」
と書かれたとびらを開けて中へ入って行きます。
この冒頭部分だけで既にワクワク。
何か待ってるんだろう~と期待が膨らみます。
そして、中で起きる不思議なことの数々。
アッと言う間に読み終えてしまうお話ですが、読んでいる間中、楽しかった♪
バイオリンのレッスンに、その後、嬉しい変化が起きるのもよかった。
不思議な時間を過ごしたからこそ得られた変化ですね。
挿絵も素晴らしい!
可愛らしい絵で、ほのぼのとします(^^)
女子中学生、鷹匠(たかじょう)になる!
九州の空を舞台に、生きる気流をつかむ青春小説
飛べない鷹と不器用な少女、「帆翔(はんしょう)」できる日はきっとくる
風を切って上昇気流に乗ってどこまでも高く飛んでいく。見えない風をつかまえて、かぎりなく空に近づいていく。どこまで飛ばせば、見えるだろうか。
(講談社HPより)
主人公は中学生の女の子・葉山理央。
両親とマンションで住んでいる。
理央には哀しい出来事があった。
親友の遥が一緒に下校していて分かれた直後、交通事故により亡くなってしまった。
その直前、ペットショップで鳥のヒナを見て、あのヒナがどんな鳥になっていくのか見に来ようと約束した。
そして、1年ぶりにペットショップに来て、立派に成長した鷹を見つける。
鷹を飼いたい!理央の申し出を受け入れる両親。
普通ならもっと躊躇しそうだけれど・・・・親友を亡くし精神的に参っている娘が変わるキッカケになるのならと思ったのでしょう。
結局、鷹はマンションでは都合が悪く、お寺の息子で幼馴染の上田康太の庭先で飼わせて貰う。
康太は普段は明るくお茶目だけどお寺の子らしく、時々、説法を口にする。
それが結構、良いこと言うので、「おぉ~」と感心してしまう。
康太は4歳のとき、お寺に養子に来た子で実母は離れた場所にいる。
理央と康太・・・良い友達同士だなぁ~と思っていたら・・・康太のことが好きな女の子・舞子が後半、登場。
2人の友情が変な風になるとイヤだなと思っていたけど、全くそういうことはなく・・・^^;
舞子も鷹の世話を手伝ったりで、3人になっても良いかんじ。
みんな素直で良い子でした(^^)
次第に鷹匠になりたいと思う理央。
実際に鷹匠として害鳥駆除にも貢献しているという高校生・平橋美咲を訪ね、いろいろ指導を仰ぐ。
著者のあとがきにあったけど、そんな女子高校生が実際に居て、その方に会って鷹の魅力、鷹匠の魅力を感じこの物語が生まれたそう。
知らなかったいろいろなことが学べる書でもありました。
そして、鷹のモコと理央の心が通じあっているから起こしたラストのモコの飛翔は感動でした!!
今回も画家の金子 恵さんの表紙絵、素敵です♪
★★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;