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読んだ本の感想あれこれ。
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51NDllZAMqL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年4月

息詰まる情報戦の末に巨万の富を得るのは誰か? 
金、性愛、名誉、幸福……
狂おしいまでの「生命の欲求」に喘ぐ、
しなやかで艶やかな男女たち。
人間讃歌の新スパイ・エンターテイメント!


                   (幻冬舎HPより)



結構、動きの激しい物語で、映画の原作を読んでいるようなかんじでした。
物語、冒頭はベトナムの病院内での射殺事件。
そこには、新たな油田開発に伴う利権争いがあって・・・。

主人公は鷹野一彦。
AN通信社勤務で、部下の田岡と一緒に油田開発事業に関わる人物たちの情報収集に当たっている。
仕入れた情報は、それを欲しい者に高額で売り渡す。
同じように情報を手に入れようと鷹野たちに対抗するディビット・キム。

ほかにも気になる人物が続々登場。
国会議員の五十嵐とその秘書・丹田。

謎めいた女性・AYAKO。
鷹野たちのスパイ活動に参加したいという青木優。

油田開発絡みの情報操作は、その後、宇宙太陽光発電システム開発に伴う情報戦に変わっていく。

パネル製作者・広津陸。
日本人でありながら、AYAKOと広津は、その開発をアメリカに売ろうと企む。
がしかし・・・・・。

情報社会になると、こういうことも実際にありえるのだろうか?


魅力的な登場人物たちだけど、人物背景があまり描かれていないような気がして、読んでいてもあまり面白くなかったなぁ~というのが正直なところ。
鷹野に関しては、ちょっと重い過去があったけれど・・・・。

話は、つまらなくないんだけど・・・・う~ん・・・自分にとってはいまひとつかな?
男性ならもっと楽しめるのかも??

吉田さんには、やはり心理描写をもっと丁寧に書いた作品を書いて欲しいなぁ~。
個人的な勝手な感想ですが・・・・^^;



                                          ★★★

 


 
 
PR
51K0TP34ARL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2002年1月
 


樺太は半島か島か------。
極寒の地・樺太の探検に情熱を注ぐ松田伝次郎と間宮林蔵。
二人の苦難の行程と葛藤を描き、両者の人物像を活写する力作!

表題作のほか「東韃靼への海路」「遥かなる氷雪の島」を収録。

第25回歴史文学賞受賞作!
 
                                            (本の帯文より)



3つの話からなる書ですが
最初の話「北夷の海」と「東韃靼への海路」は、ひとつの話と言ってもいいかも。
当時、樺太が島なのか、地続きの半島なのかわからず、それを調べることが正しい地図を作るうえで必要なことだった。
松田伝次郎がその検分を託され、間宮林蔵は従者として同行する。
限られた時間で効率よく検分するために二つのル-トに分かれて進もうと言う伝次郎。
伝次郎の隊は西ル-ト。林蔵は東ル-トを行くことに。
自分のル-トの方が困難だと判断した林蔵は伝次郎より早く出発し、先に半島か島かを突き止めようとするが・・・・

3つめの話「遥かなる氷雪の島」は主人公が変わる。
主人公は近藤重蔵。
先の伝次郎や林蔵と同じように、国後(クナシリ)や択捉(エトロフ)島などの北方の探検をした人物。
晩年、息子の犯した罪の責任で幽閉の身となる。
そんな身で語る若き日の探検の苦労話。


よく知らなかった人たちですが、国のためにわが身を犠牲にしてまでも、国の行く末を思って困難に立ち向かい自分の意志を貫き通した精神力は凄いな~と感嘆する。
林蔵にも重蔵にもそんな姿をみて協力する人が現われる。
一生懸命、事を成し遂げようとする人には自然と大きな助けが集まってくるのかも?

あまり知られていないけれど(わたしが無知なだけかも?^^;)、凄いことを成し遂げた人たちの話でした。

歴史文学大賞受賞作品、ほかにも読んでみたくなった!

因みにこの書は先に読んだ同じく歴史文学大賞受賞の葉室作品「乾山晩秋」の巻末に
紹介があったので知りました。



 
★★★
 
 
51e7NTRVAFL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年7月


不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。
ふつうの家庭、すこやかな恋人、まっとうな母親像・・・
「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は。ミ
リオンセラー作家の真骨頂


                     (中央公論新社HPより)



変わった人たちの人間模様を描いた作品。
感動はしなかったけれど・・・面白かった。


直子と智親子は、他人の善意に甘えて生活を続けていた。
誰かが必ず、親子を拾う。
そして、一時期、一緒に暮らしていた男性の連れ子・泰子という自分と同い年の女性の存在がずっと思い出としてあった智は彼女を探す。
意外とすぐに見つかり、泰子も実は智のことを忘れていなかったことがわかる。

泰子には結婚を考えた男性が居たのに・・・・智のことが大好きというわけではないのに・・・

2人は流れるまま子どもの頃、一緒に過ごしたように2人の時間を重ねる。

う~ん。
他人のこととしてみていると理解しがたいようなかんじだけど、案外、こういう状況になったら、楽チンでズルズル関係が続いちゃうのかもなぁ~。なんて思ったりして・・・。

ま、2人がこの先、成り行きまかせでなく、ちゃんと考えて幸せな暮らしを築いていってくれたらいいな。
それでなければ、生まれた明日香ちゃんが、また成り行き任せの人生を歩むことになって、
この生き方が受け継がれていきそう。
あ、でもそれはそれでいいじゃんと2人は思うか?(笑)。


表題の意味はどういうところからだろうか??
考えたけれど・・・・・わからない^^;


★★★
41qrIiAjzuL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年8月


稀代のストーリーテラーが集めた「泣ける」話
冲方丁が出会った人々から集めた実話を元に創作した、
33話の「泣ける」ショートストーリー&エッセイ集。
2009年から3年間に亘る、
小説すばるでの人気連載を一冊に凝縮!


                     (集英社HPより)



ひとつひとつの話が結構、短いのでアッと読めていいです。
そしてどの話もちょっと泣ける。
実際にもらい泣きはしなかったけど・・・・・・^^;タイトルとしてはいいと思う。

33の話の中で結構、グッと来たのは・・・
「教師とTシャツ」
厳格な元教師の父親が内心では疎ましく、実家から離れて暮らす。
社会人になり父の意外な一面を知る話。
こういう不器用だけれど実は娘のことを思っている父親の姿って・・・ちょっと泣ける

「地球生まれのあなたへ」
天体観測が好きな妻が夫に贈ったのは、星に夫の名前をつけてのプレゼント。
星なんて興味ない夫だけど、妻は震災で亡くなって・・・・
妻の残したバ-スディカ-ドの言葉にグッと来た。

「先に行きます」
駅の掲示板に書かれた言葉。それと一緒に描かれた落書きは自殺を予告するものだった。
しかし、そこにどんどん他者が書き込みしていく。
何とかして一つの命を救いたいと思う人々の気持ちが温かくて泣ける。


ほかにも著者のあとがきの後に公募作品が幾つか載っていた。
それも結構、ジ~ンと来ました。




 
★★★
 
51JfHEo55RL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年8月


昭和のよそゆきのお出かけとは、家族でデパートに行くことでした──。

大食堂でお子様ランチを食べたら、屋上遊園地へ。かつて家族の贅沢な楽しみだったデパートも、時代と共に変わってきました。百貨店の成り立ち、包装紙のオキテ、店員のおじぎの角度や独特の言葉遣い、店内アナウンスや雨が降った時にかかる曲名まで、勤務経験者でないと知り得ないデパートの秘密いっぱいの愉しい読み物。

                                           (新潮社HPより)


著者とは確か同年だったと思う。
なので、昭和の時代の懐かしいデパ-トでの思い出話を語る気楽なエッセイかな~?なんて思っていましたが・・・・結構、深いデパ-トのお話で大変、勉強になりました。
80年代前半ころには、実際にデパ-ト勤務の経験のある著者。
知らなかったぁ~。へ~そうなの?と驚きの裏話も多く楽しかった。

そして、デパ-トの歴史も詳しく解説。
老舗百貨店の前身は呉服店だったんですね~。

昔の呉服屋さんは、商品が並べてなくて、お客さんの求めに応じて品物を出して見せて
値段は、掛け値。正札はなかった。
なるほど、お客とお店の交渉による取引だったんですね。
それを正札をつけ現金取引に限定して、その後は陳列販売を始めたそうで、その形が出来たのは
1900年(明治33年)だとか。
そのとき、女子3名を採用しこれがデパ-トガ-ルと呼ばれる最初だそうです。
1904年に三井呉服店は三越呉服店と名を変え百貨店として開店。
三越が老舗百貨店と言われる所以がよ~くわかりました。

ちょっと堅めの百貨店の歴史のほかに、著者が勤務していた百貨店での決まりごとなどもあれこれ語っていて、どれも興味深かった。
包装紙はゴミ箱に捨てない。
なぜなら会社の大事な顔だから。
包装作業で失敗して破けてしまったりしたものも保管しておき決まったところに集められていたとか。
今はそうではないようで、ちょっと微妙な気持ちになると書いていたのが印象的だった。

また子どもの頃のデパ-トの思い出は、わたし自身も共通の思い出があり、懐かしく自分の子どもの頃が自然と頭に浮かんできた。
そうそう、子どもの頃はデパ-トに行くって、ワクワクしたなぁ~(^^)

今は、地元に百貨店と呼べるお店は1つだけ。
政令指定都市で人口も80万人を超えたのに・・・。
郊外の大型ショッピングセンタ-はどんどん増えるのに・・・・。
しかし、ネットショッピングも出来る時代に変わったのだから仕方ないか?
なんて、自分なりにもあれこれ考えてしまった。


そうそう、この表紙絵もよく見ると実に楽しい。
アドバル-ン、お子様ランチ、店員のおじぎ。
表紙がそのままデパ-トの包装紙みたいなデザインなのも素敵です♪


                                         ★★★★

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