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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年6月


大きな物語がなくなったあとの複雑な時代に、
新しい出会いや発見、悲しみや葛藤を経験しながら成長する子どもたち、
うつろいゆく大切なものもの。
それでもなお世代を超えて受け継がれる、
かけがえのない日々を描く新たな成長小説(ジュブナイル)


                (朝日新聞出版HPより)




七夜物語の灰田くんとさよちゃんが、それぞれ別の人と結婚して、その子どもたちが

クラスメートになっている!
表紙の絵を見て、女の子2人の話?と勘違いしていた(^^ゞ

灰田(ほのだ)くんの娘・りらちゃん
さよちゃんの娘・絵(かい)くん。

暫くは、りらと絵の語りが交互に。
それぞれの親になった、灰田鷹彦は、大学で科学を教えている。
妻と父と祖母も一緒に暮らす。
鳴海さよは、児童文学作家になって、息子の絵を一人で育てている。
さよの母・怜子がそばに住んでいて二人を近くで見守っている。

今回も小学4年生の、絵とりらの話。
二人はお互いを思いやり、それぞれ学校のなかでは別々に行動するのだが
気にかけている感じがいいな。

りらには友達がいない。
周りの子達には変わっている子」という認識なんだろうな。
自分たちと違う雰囲気のこをいじめる子達というのは、やはり存在していて
女の子3人組が、りらのことをバカにしたりして面白がっている。
りらは平気なふうをよそっているのだけど・・・・
それをみている絵も心を痛めていて、なんとも辛い。

簡単にそのいじめは解決しないけど、りらにはその辛さを耐えていることを
理解している存在がいる。
父親の鷹彦は、平気だという、りらに
「イジメっていうのは、その内容や程度に関係なく
美しくないことだから、だめだ」という。
鷹彦らしい!

終盤の夜の冒険に、出かけるりらと鷹彦。
夜の学校(鷹彦やさよの母校・欅野高校)へ。
そして、再会するおおネズミのグリクレル。
そこに、さよと絵も来て、校内を大切な物探しに行く、りらと絵。
その冒険を通じて、本当に大切なものをしっかり確認した二人。


終盤は、りらと絵の孫・さくらが登場。
大人になった、りらは、ロボット工学の研究室で働き、
絵は、写真家。

二人の孫の話は出てきたけれど、子どもの話が飛ばされている。
その辺は、そのままなのかなぁ~?


でも、素敵な物語だった。



                     ★★★★★
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発行年月:2024年2月


はかなく移りゆく濃密な生の営み。
人生の三つの〈時間〉を川の流れる三つの〈場所〉から描く、
生きとし生けるものを温かく包みこむ慈愛の物語。
  * * *
ひとが暮らすところには、いつも川が流れている。
両親の離婚によって母親の実家近くに暮らしはじめた望子。そのマンションの部屋からは郊外を流れる大きな川が見える。父親との面会、新しくできた友達。望子の目に映る景色と彼女の成長を活写した「川のある街」。
河口近くの市街地を根城とするカラスたち、結婚相手の家族に会うため北陸の地方都市にやってきた麻美、出産を控える三人の妊婦……。閑散とした街に住まうひとびとの地縁と鳥たちの生態を同じ地平で描く「川のある街 Ⅱ」。
四十年以上も前に運河の張りめぐらされたヨーロッパの街に移住した芙美子。認知症が進行するなか鮮やかに思い出されるのは、今は亡き愛す
る希子との生活だ。水の都を舞台に、薄れ、霞み、消えゆく記憶のありようをとらえた
「川のある街 Ⅲ」。
〈場所〉と〈時間〉と〈生〉を描いた三編を収録。

                    (朝日新聞出版HPより)




3つの場所で暮らす人たちの物語。

<川のある街>
両親が3年前に離婚して、母親と一緒に、母親の故郷に引っ越してきた
多々良望子(小学3年生)。
父親とは定期的に会って、楽しく過ごす。
母親の実家、母親の叔母とは放課後、母親の仕事が終わるまで
一緒に過ごす。

特に何もない小学生の日常なのだけど、ほのぼのしたり、ちょっと切なくなったり。


<川のある街Ⅱ>
東京からは離れている都市(北陸?)
産婦人科病棟に入院中の魚住夏子。
胎盤の早期剥離のため安静を強いられている。
同室の菊村は、妊娠による高血圧のために入院。
二人の会話に出てくる人物が、同じ部屋で会うときは、クスッと笑えた。

そんな人間の日常を観察しながら生活しているカラス目線の話も
面白かった。
本当にカラスって人をよく見ている生き物かも。


<川のある街Ⅲ>
オランダに愛する希子と周りを気にせず一緒にいるために移住した芙美子。
最近は物忘れがひどく、自分の家への道順もわからなくなることが多い。
愛する希子を亡くした今は一人暮らしだけど、気にかけてくれる人たちも
いて、なんとか生活している。
そんなことを心配して日本から姪(弟の娘)の澪が来る。
伯母の様子を見て必要なら帰国を勧める役目を追ってくる澪。
伯母の老いた姿に驚きながらも伯母の考えを尊重しようとしている
様子はよかった。
出来ることなら、このままオランダで生活させてあげたいところ。
ちょっと切ない話ではあったけれど、
オランダの川のある風景も素敵なんだろうなと思いながら読んでいた。


表紙も素敵。
江國さんの文章もいつもながら美しい。




                    ★★★★★




発行年月:2024年6月


1999年に日本でピルが承認される約30年前に、ピル解禁と中絶の自由を訴える一人の女がいた。派手なパフォーマンスで一躍脚光を浴びるも、その激しいやり口から「はしたない」「ただのお騒がせ女」などと奇異の目で見られ、やがて世間から忘れ去られてしまう――。謎多き女をめぐる証言から、世の“理不尽”を抉りだす圧巻の傑作長篇。


                   (中央公論新社HPより)




主人公の塙玲依子は、ピル解禁同盟(ピ解同)のリーダーだった、

「女の泣き寝入りを許さない会」もそのなかにあり、男たちに傷つけられた
女性たちが駆け込む場になっていた。

そんな塙玲依子の実像を知ろうと、関係者に取材するフリーライタ。
物語は、インタビュー形式で進む。

夫が不倫の末、別れたいと言ってきたことが許せないと行って来た女性が
「夫には恥をかいてほしい」と言われ、医師の夫が出かけた学会先に
ピンクのヘルメットを被った<ピ解同>のメンバーが押しかけ抗議する。

同じような方法で、訴えた女性の夫が勤める会社に抗議に行ったりと
なかなか、激しい。
逆に企業側から脅迫されたと訴えると脅されたりで活動は徐々に消えて
塙本人も姿を消した。


実際、<中ピ連>というピンクのヘルメットを被った女の人たちが
世間を賑わしたことがあったな・・・・とこれを読みながら思い出した。

やり方がちょっと「?」というものだったけれど、声をあげ続ける女性が
いたことで、少しずつ変わってきたこともあると思う。


今回も凄い話だったな。
表紙の絵もインパクトあり!



                       ★★★★




発行年月:
2024年4月



「俺は世界を戦慄せしめているか?」
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。
一人の天才を巡る四つのspring。
構想10年、待望のダンサー小説!


                  (筑摩書房HPより)


バレエの世界の話。
全く無知な世界なので、読むのに難儀した箇所も多々・・・(^^ゞ
でも、登場人物たちは、とても魅力的。
最初からある程度、その道に進む環境が用意されている。
それを迷わず進む人たちの物語。
大きな挫折もなく、淡々と成長していくので、読んでいてストレスがないのも
良かった。


主人公は、表題にもなっている萬春(よろずはる)
両親は陸上選手の父と体操選手の母
彼をバレエの道に導いたのは、母親の弟・稔の存在が大きい。
両親より春の才能を理解しているかんじで、春自身も自分の踊りを観ておいて
くれればいい存在の一人としている。
もう一人はドイツ留学での師・ジャン・ジャメ。


他のバレエ仲間、深津純、滝澤七瀬、フランツ(その母・ユーリエ)との
関係も、いい。
天才ばかりが集まると、こんな感じなんだろか?
ただただ圧倒される物語だった。




                   ★★★★



発行年月:2024年1月


成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、
近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、
幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 
読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

                 (新潮社HPより)



成瀬あかり・・・膳所高校3年生。

ゼゼカラの相棒で幼馴染の島崎みゆきは、受験後、東京の大学へ進学。
両親も揃って引っ越し。

あかりは、京都大学に進学。
受験の日の話も面白かった。
お父さんは心配性で2日間の受験に付き添い、
1日目の帰りに高知からヒッチハイクで受験にきたという城山友樹を家に
泊めることになる。
大学敷地ないで野宿するとテントを用意していたところを、あかりが声を掛け・・・
「?」と思ったことには、近づいて確かめる、あかりの性格は、なかなか
出来ないこと。
城山もその言葉かけで助かる。
この二人の今後の絡みも楽しみだな・・・・と思ったけれど、その後は
少し登場したのみだった。
次回作があれば、その辺も読んでみたいところ。


地元を愛し、地元から大学に通う。
休みの日には、率先して観光大使として動く。
人間関係も広がっている。

最後の話<探さないでください>では、登場人物総動員で、どこに行ったか
わからない、あかりを探す様子が楽しかった。
絶対、何かわけがあってのことだと思いながら・・・
そして皆に行き先を知らせず、携帯も持たなかったわけにも・・・
あ~あかりらしい・・・・^m^


あ~楽しかった。
最高でした♪


                      ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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