忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[386]  [387]  [388]  [389]  [390]  [391]  [392]  [393]  [394]  [395]  [396
51FzGMSRNRL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2011年3月

2011年アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞、朝日、読売、日経、毎日 /全国学校図書館協議会選定図書


                
(河出書房新社HPより)




文字がひとつもありません。
読み手の想像力で物語を頭のなかで作りながら頁をめくる本です。

けれど・・・・おおよそのことはわかります。
ちょっとSFっぽいかんじですが、見知らぬ土地に開拓者として家族を残し、
一人で赴く男性。
見慣れない奇妙なことばかりで戸惑いつつも、
身振りで手振りで何とか意思疎通が出来、
新しい土地でなんとかやってけそうだと判断した男は、
残した家族を呼び寄せる。
そんなかんじかな?

見たこともない景色がたくさん。
文字もないのですが、色調がセピア色なのも、なんだかとても幻想的。

そして、絵のひとつひとつがとても丁寧な線で書き込まれているので、
サッと最後まで見た後はゆっくり1頁ずつ観察するように眺め、
そうすると先に気づかなかった物に気づいたりする楽しみもありました。

なにやら変わった動物(?)も出てきて、男の元に寄り添うように行動する
犬のような白い生き物(表紙絵にもありますが)がすごく可愛らしく思えました。

大型の本なので、見ごたえもあります。

ほかの作品もあれば、見たくなりました!

素晴らしい本だと思います!!


★★★★★
 
PR
51ZV8SGZS5L__SX230_.jpg    発行年月:2001年10月


   ぼく、夢をみているんだろうか、それとも……。
   空想少年ピーターのスリリングでちょっぴりせつない秘密の冒険。
   ブッカー賞作家が贈るとっておきの物語。


                         (中央公論新社HPより)




マキュ-アンの作品は幾つか読んでどれもかなり好みです。
ちょっと重苦しいかんじの物語でしたが、児童書を書いていると知り、興味があって
図書館で検索し借りて来た次第。

主人公は10歳の少年・ピ-タ-。
両親と7歳の妹・ケイトと、母親が高校生の頃から可愛がって飼っている
猫のウィリアムと暮らしている。

ここでは7つの冒険の話が短編連作の形で進行。
ピ-タ-は、感性が豊かで、目の前の情景からふと何かを思いつき、そうすると自分の世界のなかでの冒険が始まってしまう。
授業中であったり、動かないで座っていてと頼まれているときであっても・・・・・。
なので、他人からは「何を考えているのかわからない」と言われてしまうのだけれど・・・。

どのお話も良かったけれど、二番目の<ネコ>が一番好きだな。
ちょっと切ないかんじもするけれど、ネコのウィリアムと体が入れ替わってしまうお話。
ウィリアムが亡くなったとき、家族が哀しむなかで「新しい冒険に出発したんだよ」と言ったピ-タ-。
そしてウィリアムに感謝する。
優しい男の子だなぁ~。

ほかの話にも違うものに変身するお話がありますが、そういえば子どもの頃は
「もしも自分が〇〇だったら・・・」と想像して楽しむことがあったなぁ~なんて思ったりして
ちょっと懐かしい気持ちにもなれた。


著者のあとがきもよかった!
著者が言うとおり、子どもにもわかる文章で大人が楽しめる物語でした!

ますますマキュ-アンが好きになれた気がします。


★★★★★
51Uyh2b6UCL__SL500_AA300_.jpg
発行年月:2012年10月


関西の山奥の集落で、新型と思われる強毒性の鳥インフルエンザが発生した。一人、また一人と犠牲者が出る。医療チームが派遣されるが、感染経路をつかめないどころか、都市への感染拡大を恐れ、集落から出る唯一の道が警察の手で封鎖された。このまま自分たちは見殺しにされるのか……。
「明日現実に起こるかもしれない恐怖」を医療サスペンスの第一人者が渾身の力で描く衝撃のヒューマン・ドラマ!


                                            (徳間書店HPより)


表題どおりの封鎖された、とある集落。
強い毒性を持つ病原菌により、次々と悲惨な死を迎える人たち。
住民たちのなかには、パニックを起こす者も。
いつ自分も犠牲になるかわかならい状況のなかで、右往左往。
一家揃って、車で強行突破を図ろうとする者がいる反面、亡くなった人はキチンと葬ってあげなければ・・・と自分が犠牲になるのを覚悟で、遺体の焼却を任せてほしいと申し出る高齢者もあり。

そんななか、集落の医師・新島は、看護師・静香とともにほかの地にいる知り合いの医師に真相究明を依頼する。
国立研究機関室長の女医・紺野がその助けをする。
集落に足を運び、現状を視察。

そして、国際的にも新型インフルエンザ対策で有名な医師・松下が率いる医療チ-ムも派遣されてくる。

封鎖され見捨てられた感じだった集落の住民は、少し安心するが・・・・

松下医師の下した対策は、究極の策だった!
紺野医師の起こした行動も凄い。


それぞれの医師の立場で、行う行動は、どれもその立場に自分がなったら?と考えたら
真っ当なものなのかも。
医師たちの心の葛藤を想像すると辛い。

生き延びた看護師・静香が今後、この経験を活かし、辛いけれど意義ある仕事に進んでいこうと
する姿にはエ-ルを送りたい!
 

似たような話は過去にも読んだけれど、最初から最後まで引き込まれるように読んだ。


★★★★
                                  

 
 
51NEHjco5vL__SX230_.jpg    発行年月:2012年10月


    ギョ-カイお仕事コメディ。
    あたしが編集長!?一体どうしたらいいの!?

    27歳経理部、高沢久美子の生活が一変。
    多忙な仕事と恋の板挟みに!?


                             (詳伝社HPより)



主人公の久美子は、社内恋愛の学・31歳と結婚を考えた付き合いをしている。
交際期間3年。
出版社勤務の久美子だけど、勤務するのは経理部。
編集のことなど、さっぱりわからない。
そんな久美子の企画書が社長の目に留まり、新しい雑誌の編集長として勤務することに
なったから一大事!!
最初は、ダメダメなかんじで
久美子のほか4名の部員たちのリ-ダ-であるべきなのに何をしていいのかオロオロ。
その4名の部員のなかに学もいるのが心の支え。
仕事面でも頼りっぱなし。

しかし、途中で、学の進める仕事はちょっと違うと気づき始め、意見を述べ
自分のやりたい方向に持っていく。
当然、学との関係はギクシャク。

でも、仕事の方は、部員のなかの年長者・白沢の人脈から良い方向に進み出し
学との関係も久美子の妊娠発覚により元通り。

そして、驚いたのは、学の決断。

いやはや、すべてがウマく行きすぎですが・・・・
ま、楽しく読めたのでいいでしょう(^^)

                                      ★★★
 
513ztNfNdOL__SL500_AA300_.jpg
 発行年月:2012年6月

会えない人と、死んでしまった人と、どこに決定的な違いがあるのだろうか。

世界は変わってしまったと騒ぐけど、いつのまにか戻っている。戻ったみたいに、なっている-----。大阪で、ユーゴスラヴィアで、墨田区で、アフガニスタンで、世田谷で、イラクで、瀬戸内海で、ソマリアで……、わたしは、かつて誰かが生きていた場所を、生きていた。今この時を確かな言葉で捉えた作家の放つ、圧倒的飛躍作。


                                          (新潮社HPより)


タイトルから惹かれるものがあった。
主人公の36歳・平尾砂羽(さわ)は離婚して引越した。
休みの日は一人で戦争に関するドキュメンタリ-番組を見るのがすき。
そして偶然、ネットで見つけた作家・海野十三の敗戦日記を知り、文庫を買い求め、
終戦間際の海野氏の日記を読みながら、あれこれ考える。
自分の祖父も1945年の広島でホテルのコックをしていたと聞く。

砂羽の日常はごくごく普通。
職場の同僚とのたわいない会話。
友人の中井は、自由気ままに旅を続け、その様子を帰って来ると報告してくれる。
そして、中井との会話にたびたび登場の行方知れずの葛井(クズイ)。

ごく普通の生活をしながら、ふとした瞬間に、自分が居るこの場所の
過去に起きたこと、そこに居た人のことを思う砂羽。
旅行中には、たびたびそういう気持ちになることがあるけれど、
自分が今、ここに存在しているのは、いろいろな偶然が重なってのことなんだと
改めて気づかされた。


砂羽が読む『海野十三敗戦日記』・・・ちょっと読んでみたい。



なかなか深い話だった。

★★★★

 
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 3 4
6 7 9 10 11
13 14 15 18
20 22 24 25
26 27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]