発行年月:2012年11月
国を越えた人の絆を描く感動長編
国を越えた人の絆を描く感動長編
台湾新幹線の着工から開業までの巨大プロジェクトに、
商社員や整備士、湾生の老人など、
個人のドラマを重ねて描いた著者の渾身作
(文藝春秋HPより)
台湾に日本の新幹線を走らせる。
そのプロジェクトに参加するため日本から赴任した入社4年目の多田春香。
日本の残した恋人・繁之も応援してくれていた。
春香には学生時代、台湾で出会った青年との思い出がずっと頭のなかに残っている。
物語には、ほかの人物の過去と現在を描いた話も織り交ぜられる。
かつて台湾に暮らしていた多くの日本人が居た時代、知り合ったふたりの男性。
戦争後、台湾から日本に帰国した葉山勝一郎。
妻は病気療養の末、亡くなったが、台湾に新幹線が開通したら一緒に行こうと約束していた。
日本人と台湾人の交流が、温かい感動を与えてくれる物語でした。
台湾って日本人にとって過ごしやすい国なのかな?
ちょっと興味が沸いてきました。
出てくる食べ物もすごく美味しそうだったし・・・・笑
他所の国の人と、こんな風に信頼し合える関係はいいなぁ~。
登場人物たち、それぞれが、これから生きていく方向をみつけていくラストが良かった。
450頁弱の長編ですが、スラスラ読めました。
★★★★
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発行年月:2012年8月
未来のために謎を解く緊迫のスパイ小説(ノベル)!
結婚して間もない七川小春は、勤め先のブラック会社を退職した。高齢化が進み年金負担が激増する社会で、小春は寿命遺伝子治療薬「メトセラ」を開発したアスガルズ社の採用に応募する。
じつは小春は19年前に受けた遺伝子治療の副作用で、聴覚が異常に発達していた。その秘密を知るアスガルズ社の黒崎は、「メトセラ」の製品化を阻もうとする子会社に、小春をスパイとして派遣する。
(講談社HPより)
主人公は28歳の七川小春。
事業者金融勤務をしていたが、そこは、パワ-ハラスメントが横行するブラック企業だった。
就職難なため、新卒で止む無く就職して6年だが、なんとか辞表を提出し、再就職先を探す。
小春には夫がいる。
けれど、夫の収入だけでは生活が厳しい。
冒頭の箇所を読んだだけで、なんだか嫌な世の中の状態だなぁ~と暗い気持ちになった。
物語は、近未来?
アルツハイマ-や認知症が病気として治療可能になっている時代。
小春は、19年前に受けた遺伝子治療により、聴力が発達していた。
そして、その能力を利用したい人物により再就職先が決まる。
そして、仕事は、ある組織に潜入してスパイ行為を行うものだった。
寿命を延ばし、その間、病気もなく健康に暮らすことが出来る薬「メトセラ」を巡ってのあれこれ。
う~ん、そんな薬、自分なら要らないけどなぁ~。
突拍子もない話だけど、実際、こんな風な問題も起きるときが来るのかも?
なんて考えたらちょっと怖い。
スラスラ読み終えた。
まあまあ楽しめたかな?
★★★
発行年月:2012年8月
この国には古来、「不思議」が満ちていた――京都の旧家で長子誕生の際に行われる謎の儀式を描く表題作ほか、節分の夜に鬼がやって来るという信州の「鬼宿」、長崎に伝わる不老長寿をもたらす秘密の石「崎陽神龍石」など、各地の“伝説”を訪ね歩いて出逢った虚実皮膜の物語。ゾッとするほど面白く、ホロリと沁みる奇譚集!
(新潮社HPより)
日本各地の言い伝えに纏わるお話6つ。
どこまで本当?と思ってしまう。
ノンフィクションっぽく書かれているのですが・・・・。
<第一話 はかぼんさん>がやはり一番、印象的でした。
舞台は京都。白衣袴姿の少年の遺体が川に浮いていたという事件が背景にあって・・・
その地方で行われている儀式に、ビックリ。
亡くなった少年は、その儀式での「はかぼんさん」だったのでは?という推理。
今も何処かで実際にあるのかな?なんて本気で思ってしまった。
<第二話 夜神、または阿神吽神」
金沢の漁師町でのある儀式。
<第三話 鬼宿>
信州のとある地方の節分の夜、鬼宿の家では鬼のための寝床を用意するという儀式。
<第四話 人魚の恋>
青森に伝わる人魚の肉を食べるといつまでも若くいられるという言い伝え。
<第五話 同行三人>
四国のお遍路先で遭った行者は、人が入るべきでない場所に立ち入った人間に神罰が下るのを避けるためのお祓いをするという話。
<第六話 崎陽神龍石>
長崎の不思議な力が宿る石の話。
本当かどうかわからないけれど、恐れや感謝を持って人々が言い伝え通りの儀式を行っていることって日本全国には沢山、あるんだろうなぁ~。
不思議なお話でしたが、面白かった。
さださんの語りには惹きつけられるものがあります。
この国には古来、「不思議」が満ちていた――京都の旧家で長子誕生の際に行われる謎の儀式を描く表題作ほか、節分の夜に鬼がやって来るという信州の「鬼宿」、長崎に伝わる不老長寿をもたらす秘密の石「崎陽神龍石」など、各地の“伝説”を訪ね歩いて出逢った虚実皮膜の物語。ゾッとするほど面白く、ホロリと沁みる奇譚集!
(新潮社HPより)
日本各地の言い伝えに纏わるお話6つ。
どこまで本当?と思ってしまう。
ノンフィクションっぽく書かれているのですが・・・・。
<第一話 はかぼんさん>がやはり一番、印象的でした。
舞台は京都。白衣袴姿の少年の遺体が川に浮いていたという事件が背景にあって・・・
その地方で行われている儀式に、ビックリ。
亡くなった少年は、その儀式での「はかぼんさん」だったのでは?という推理。
今も何処かで実際にあるのかな?なんて本気で思ってしまった。
<第二話 夜神、または阿神吽神」
金沢の漁師町でのある儀式。
<第三話 鬼宿>
信州のとある地方の節分の夜、鬼宿の家では鬼のための寝床を用意するという儀式。
<第四話 人魚の恋>
青森に伝わる人魚の肉を食べるといつまでも若くいられるという言い伝え。
<第五話 同行三人>
四国のお遍路先で遭った行者は、人が入るべきでない場所に立ち入った人間に神罰が下るのを避けるためのお祓いをするという話。
<第六話 崎陽神龍石>
長崎の不思議な力が宿る石の話。
本当かどうかわからないけれど、恐れや感謝を持って人々が言い伝え通りの儀式を行っていることって日本全国には沢山、あるんだろうなぁ~。
不思議なお話でしたが、面白かった。
さださんの語りには惹きつけられるものがあります。
★★★★
発行年月:2012年9月(文庫)
*単行本は2000年4月(理論社で発行)
小学五年生のミオと妹のヒナコの毎日は、小さな驚きに満ちている----。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』の著者の初期傑作。
(ポプラ社HPより)
小学校5年生の頃の女の子の気持ちがよ~く表されていました!
特に下に兄弟の居たひとには、共感できるエピソ-ドが最初の話で出て来て
自分も弟がいるので、お姉ちゃんだから味わう、ちょっとした理不尽さを思い出して
ちょっと懐かしい気持ちにもなりました。
短編連作の形で6つのお話が収録。
表題の「天のシ-ソ-」は4番目のお話。
2ヶ月前に転校してきた男子・佐野くんのことをお友達のエリちゃんと探る話。
放課後、後をコッソリつけて家まで行って、佐野くんのお父さんらしい人を目撃。
何やら作業の途中らしく薄汚れたその姿を見て思わず、笑ってしまった。
そして佐野くんもそんな父親のことを避けるような素振りをしてしまう。
ミオちゃんの優しいところは、そんな風に後をつけていって、笑ってしまったことを悪いことをしたと思って佐野くんに謝るところ。
そして佐野くんも自分も父親を避けてしまったと話し、二人は公園のシ-ソ-に乗る。
どちらの罪が重い?と考えるミオたち。
ほかの話もそうだけど、普通ならそんなに深刻に受け止めなくてもいいんじゃない?というようなことでもミオは結構、思い悩んでしまう性格のよう。
優しい良い子だけれど、このまま大人になると、気苦労が耐えない人になりそうだな・・・。
なんてちょっと思ってしまった。
でも、どの話も好き。
ちょっと切なかったりするけれど・・・・。
この文庫本の表紙も可愛いなぁ~。
*単行本は2000年4月(理論社で発行)
小学五年生のミオと妹のヒナコの毎日は、小さな驚きに満ちている----。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』の著者の初期傑作。
(ポプラ社HPより)
小学校5年生の頃の女の子の気持ちがよ~く表されていました!
特に下に兄弟の居たひとには、共感できるエピソ-ドが最初の話で出て来て
自分も弟がいるので、お姉ちゃんだから味わう、ちょっとした理不尽さを思い出して
ちょっと懐かしい気持ちにもなりました。
短編連作の形で6つのお話が収録。
表題の「天のシ-ソ-」は4番目のお話。
2ヶ月前に転校してきた男子・佐野くんのことをお友達のエリちゃんと探る話。
放課後、後をコッソリつけて家まで行って、佐野くんのお父さんらしい人を目撃。
何やら作業の途中らしく薄汚れたその姿を見て思わず、笑ってしまった。
そして佐野くんもそんな父親のことを避けるような素振りをしてしまう。
ミオちゃんの優しいところは、そんな風に後をつけていって、笑ってしまったことを悪いことをしたと思って佐野くんに謝るところ。
そして佐野くんも自分も父親を避けてしまったと話し、二人は公園のシ-ソ-に乗る。
どちらの罪が重い?と考えるミオたち。
ほかの話もそうだけど、普通ならそんなに深刻に受け止めなくてもいいんじゃない?というようなことでもミオは結構、思い悩んでしまう性格のよう。
優しい良い子だけれど、このまま大人になると、気苦労が耐えない人になりそうだな・・・。
なんてちょっと思ってしまった。
でも、どの話も好き。
ちょっと切なかったりするけれど・・・・。
この文庫本の表紙も可愛いなぁ~。
★★★★★
「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。
誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。
その原因は……
デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、
待望の第3作。表題作書き下ろし。
(朝日新聞社出版HPより)
表題作ともう一編「キャッチアンドリリ-ス」が収められていました。
表題作のほうは、30歳目前で、一緒に住んでいた男性・向井くんが出て行かれた沙登子が主人公。
イラストを描く仕事をしているが生活は、ギリギリ。
向井くんは、高校時代の同級生で、3年前にバイト先のサンドイッチ屋さんに買い物に来て再会。
それから、沙登子の暮らしが経済的に苦しいのを見かねて一緒に住まわせてもらう形で同居生活がスタ-トした。
向井くんはサラリ-マンで、沙登子へ結婚をほのめかすが、沙登子自身は、その気持ちに
同意できないものがあり・・・・向井くんは出て行ってしまったというところかな?
それから、沙登子のちょっと複雑な家庭環境が語られる。
母親は沙登子が中学生になった頃、出て行った。
父親は浮気を繰り返していて・・・・母親が居なくなってからは父親の姉が母親代わりで育ててくれた。
しかし、伯母のことが煩わしく、20歳で沙登子は家を出て独立。
その後、伯母が亡くなり、弟も家を出た。
伯母の死後、母親の居場所がわかり、再会したのが3年前。
ちょうど、向井くんと暮らし始めた頃というわけですね・・・。
向井くんが家を出てから一人で母親とその再婚相手の暮らす家を訪ねていく沙登子。
母親の再婚相手の男性は気さくで良い感じ。
沙登子の訪問も歓迎してくれて。
母親の家に泊まり、翌日、母親の姉妹たちに一緒に会いに行き、楽しそうな会話のなかで
母親の妹・克子おばさんの言う言葉が印象的だった。
気象予報士の勉強中というおばさん。
クラウドクラスタ-とは、積乱雲のかたまりだそうです。
その下は、突風が吹いたり、豪雨が降ったり・・・・。
沙登子の母親のことを「お姉さんみたいだと思ったよ」と。
自分を捨てて出て行った母親だけど、沙登子は、これからも母親として慕い続けていけそうだな~。
再会出来てよかった。よかった。
向井くんとの関係がちょっと気になるけど・・・・
二編目は、両親が離婚した二人の小学生の話を交互に語る。
同じ塾に通い、マンションが向かい同士。
お互いの境遇が似ていることで、気持ちを共有したり・・・。
こどもって案外冷静な目で見てるものだな。
それぞれにこの先、楽しいことが沢山待っている人生を送れたらいいな・・・。
ササッと読めた作品二編でしたが
それぞれ、良かった!
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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