周三は大手都銀で不良債権処理に追われる日々を送った。20年後、早期自主退職した周三は趣味の山登りを再開するつもりだった。だが、ある弁護士の恩義に報いるため、母子家庭支援のNPOバンク設立に向けて奔走することになる。任務に充足感を憶え始めた矢先、周三を襲ったのは…? 社会で働くことの意義を見つめる傑作長編!
(双葉社HPより)
一流大学を出て、名も知れた銀行に勤め20年で自主退職した主人公・大鉢周三。
なんでまた!?と思ったけれど・・・・
過去に遡っての話では、いろいろ抱えていたものがあったんだと分かった。
親子関係が特殊。
母親は有名人で結婚しないで、出産した。
父親が誰だか知らされず、祖父母の家で暮らしていた時期が長かった。
周三は母親の考え方が理解できず、憎しみさえ感じていた。
母親との関係のほかには、大学時代の山岳部OBの先輩の死など、周三の胸のうちに秘める重苦しい思いが物語のなかにちらほら。
退職後は山登りをしようとしていたが、ひょんなことから新しい仕事をすることになっていく。
そして、そのことが周三を危険な目に遭遇させることになるのだけど・・・・
ずっと避けてきた母親が周三を救ったかたちになり、親の愛情を感じるラストは良かった。
今までの作品ほど、大きな感動は正直、なかったけど、まあまあ楽しめました。
発行年月:2012年4月
笑いと涙あふれる、著者初の自伝的実名小説
昭和30年代、長崎。カステラの香りに包まれた記憶の中には、明るくて、ちょっと迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回された家族の姿があった――。『精霊流し』『解夏』『眉山』など、数々の名作を綴る作家・さだまさしが父に捧ぐ、「もうひとつの“精霊流し”」。フォークデュオ・グレープとして、ソロとしても『雨やどり』『関白宣言』『秋桜』『親父の一番長い日』『北の国から』など、温かな涙の果てに、涙あふれる独壇場世界を紡いできた著者の、真骨頂とも言える、初の自伝的実名小説。
(小学館HPより)
さださんのお父さんが危篤の状態だというところから話は始まり・・・・
父親の過去、さださん自身のルーツも語る本書。
とても男らしくて、格好いいお父さんでした!
金利取立てのやくざを見事に追いやり、逆に慕われてしまう話は最高でした!!
みんながその死を残念がって、でも悲しみに暮れているだけは、喜ばないと
皆が最後は笑顔で送り出す姿に温かい気持ちが伝わってきた。
最後の家族写真・・・・・いいなぁ~。
★★★
新のりたけワールド!親子で楽しむ絵本登場
絵本「しごとば」(ブロンズ新社)シリーズで不動の人気を確立し、「ぼくのトイレ」(PHP研究所)で2012年の第17回日本絵本賞読者賞を受賞、今や大人気作家の仲間入りを果たした鈴木のりたけ氏の書き下ろし絵本です。
仲良し三人組で結成された「おしりおしり隊」。ぼくたちのねらいはズバリ、「おしりのことをもっとシリたい!」。おとなが「おしりに火がついた」って言ってたけど、火なんか全然ついてない。どういうこと?おしりはどうして、ぷりっとふくらんでるの?そもそもおしりは、どこからどこまで?等々…。
こどもたちの永遠のキラーコンテンツ、「おしり」。最初は興味本位で、読み進めていく内に、ちょっと勉強になり、そしてだんだん、おしりの偉大さがわかってくる内容になっています。親子で読み進めていけば、「おしりがつく言葉、ほかに知ってる?」「人の進化とおしりって、関係があるんだね」など、親子のコミュニケーションも期待できます。
のりたけ氏得意のユーモア、遊び心もところどころにちりばめ、子ども達を飽きさせません。親子で楽しく読んで、読めばちょっと物知りになれる、そんな絵本の登場です。
(小学館HPより)
鈴木のりたけさんのセンスに脱帽!
「おしごと」シリ-ズも大好きですが、これも最高です!!
この表紙の絵もタイトルもインパクト大!
1冊、丸ごとおしりの話。
面白くて、笑えるけど、ちゃんと勉強にもなります。
ぜひ、大人の方も読んでほしいなぁ~と思える絵本です。
★★★★★
この裁判は仕組まれていた!? 最後の証人の登場に呆然となる法廷。
驚天動地の完結篇!
その証人はおずおずと証言台に立った。瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配していった。事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。告発状の主も、クリスマスの雪道を駆け抜けた謎の少年も、死を賭けたゲームの囚われ人だったのだ。見えざる手がこの裁判を操っていたのだとすれば……。驚愕と感動の評決が、今下る!
(新潮社HPより)
面白かったぁ~!!
1巻1日ペ-スで3日で読了!!
以下、やや内容暴露の箇所ありなので、これから読む予定の人はスル-してください。
自分の覚書として記したいと思うので・・・m(__)m
柏木卓也の死から始まった物語。
自殺かと思ったら・・・・殺人だった。自分はそれを見ていたという告発状が現れ
犯人は誰もが不良と認識している大出俊次。
俊次はやっていないと否定。
告発状を出したのは俊次にいじめられていた三宅樹理。
警察では既に事件性はなく卓也の死は自殺と解決済みだが、このままでいいのか?と思った
生徒たちは自分たちの法廷の場を設定する。
舞台となった城東第三中学の生徒のなかに、ただ一人その法廷で俊次の弁護人として参加した
神原和彦は他校の生徒。
柏木卓也とは、学習塾で親しくしていたという。
最初から神原和彦の存在が、この事件の真相を握っているのでは?と気づくが、それがこの3巻めで明らかにされた。
神原和彦と柏木卓也の関係が語られた部分は、衝撃的だった!
彼は、卓也の死は自殺によるものだと確信していたから、被告人となっている大出俊次の弁護人を引き受けた?
いや、それよりも秘密にしていることも可能な自分の知っているすべてを多くの人に知って貰いたいという気持ちの方が大きかったんだろう。
和彦の証言により、俊次の罪は無罪と陪審員の判定も一致。
法廷は閉じられた。
物語の最後、それから20年経った場面がちょっと書かれている。
裁判で、神原和彦と同じく弁護側であり、卓也の遺体の第一発見者であった野田健一の近況が
わかる文章。
中学の法廷の経験がプラスに働いたんだなぁ~。
ほかのメンバ-たちもきっと立派な大人になっていると想像出来きたのも嬉しかった!
素晴らしい法廷を傍聴させてもらった気分です!
★★★★★
期間はわずか15日。有志を集め証人を探せ!
14歳の夏をかけた決戦、カウントダウン!
もう大人たちに任せておけない----。保身に身を窶す教師たちに見切りをつけ、一人の女子生徒が立ち上がった。校舎を覆う悪意の雲を拭い去り、隠された真実を暴くため、学校内裁判を開廷しよう! 教師による圧力に屈せず走り出す数名の有志たち。そして他校から名乗りを上げた弁護人の降臨。その手捌きに一同は戦慄した……。
(新潮社HPより)
いや~面白い!!
一人の生徒の死を自分たちで、もっとちゃんと考えようとする生徒たちの姿は、頼もしい。
大人顔負けの判断力とそれぞれの決意。
学校での裁判を開くための準備の話でこの1巻は終わるけど、実際の裁判を見たことがない
彼らなのに、自分たちの出来る範囲でその配役を決めていく作業のなかに、それぞれのこの事件に対する思いが込められている。
弁護側の神原和彦のみ他校の生徒。
そして同じく弁護側につく野田健一は遺体の第一発見者。
1巻では、やや頼りないかんじの野田くんが、この事件を機に、どんどん逞しく成長していくかんじがする。
検事側には、優等生の学級委員・藤野涼子。
最初は、弁護を引き受けるためにこの裁判を起こそうとしたのに、検事を引き受けることに。
事務官として涼子を補佐する佐々木吾郎も1巻では殆ど目立たなかったけれど、良いかんじで涼子を補佐していて頼もしい。
判事の井上康夫は学年トップの成績で、自分しか適任者はいないとこの役を受けたけれど、
嫌味なかんじはなく、発言のひとつひとつに説得力があり流石、優秀な頭脳を持つ生徒と感心。
さてさて、役者は揃った!
学校裁判が、いよいよ最終巻で展開される。
読むのが、楽しみ!
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;