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読んだ本の感想あれこれ。
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41J09tb5sbL__SX230_.jpg    発行年月:2008年8月


    麻雀、合コン、バイトetc……
    普通のキャンパスライフを送りながら、
    「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、
    もがく5人の学生たち。
    社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、
    あっという間に過ぎゆく日々を送る若者群像を活写。

     
                                        (実業之日本社HPより)   


ちょっと前の作品。
大学進学のため、仙台で一人暮らしを始めた若者たちの4年間を描いた作品。
大学生時代って、こんな風だったかなぁ~?
と懐かしい気持ちで読みました(^^)

なかでもユニ-クなのが西嶋。
独特な世界観を持つ人物で、最初は「なんだこいつ?」と思うのだけど
彼の講釈はなかなか面白い!

後から語る高校時代の話も意外だったけれど、そういうことがあって西嶋という人物が出来たんだ~と妙に納得してしまった。
美人の東堂さんに好かれながらも振って、後で後悔して、告白して付き合うことになったり
一番、話題を提供してくれていた人物。

ほかにも
ブテック店員・鳩麦さんと付き合う、北村。
事故で片腕を失いながらも前向きな鳥井。
鳥井を支えると決めた超能力を持つ南。
と出てくる皆が良い感じ。
良い人間関係を築いて、卒業した彼らの今後も気になる。

なかなか面白かった。


★★★
 

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41MqexW835L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年12月


美術館学芸員4年目の今田弾吉は、学生時代に応援団在籍という変りダネ。
個性豊かな先輩たちにコキ使われる日々を過ごしていたが……!? 
著者渾身の美術館お仕事青春小説!!


                             (中央公論新社HPより)




お仕事小説、今回は、美術館の学芸員。
美術館は、たまに行くので、そこで静かに座っている学芸員の方たちのお仕事ぶりが知れる
今回のお話は興味深かかった!

しかし、仕事内容そのものよりも、そこで働くメンバ-たちの人間関係が楽しかった♪
元応援団員の今田弾吉も個性的だけれど・・・・・
飲み会の締めで弾吉の応援団時代の応援の様子を披露させるというのも愉快。

作品の搬入をする丙午運輸のサクラちゃんとの絡みも面白かった♪
サクラちゃんはボクシング選手。

弾吉とサクラちゃんの恋は今後発展するのかなぁ~?

物語では、展覧会の準備中の話で終わっているけれど、美術館の作品展が、こういう風に
準備されているんだ・・・とわかって、また美術館にすぐ足を運びたくなった♪

さて、今度はどんなお仕事を小説にしてくれるかなぁ?



 

★★★

 
41q9RekpLpL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2013年1月


ホテルだけが知っている、やわらかな孤独
湿原を背に建つ北国のラブホテル。訪れる客、経営者の家族、従業員はそれぞれに問題を抱えていた。閉塞感のある日常の中、男と女が心をも裸に互いを求める一瞬。そのかけがえなさを瑞々しく描く。


                   (集英社HPより)




ラブホテル「ホテルロ-ヤル」に関わる人々の話が短編7編で綴られます。
ラブホテルが舞台なので・・・そういう場面もありますが・・・・いやらしい感じは不思議とせず
そこには、なんとも言えない哀愁が漂っています。


最後の話「ギフト」は、ホテルの出来るまでの話。
ホテルを建てた田中大吉は、今は入院中。
娘の雅代がホテル経営を引き継いだ。
前の話、雅代が語る「えっち屋」と一緒に読むと、ホテル経営の家族の物語がはっきりわかる。

父・大吉は、母・るり子とは再婚。
娘の雅代は、両親が結婚するまえに出来た子ども。
しかし、雅代が高校卒業後すぐに母は家を出て行った。
噂では、ホテルに出入りしていた飲料水メ-カ-の男性と一緒とか。


最後の「ギフト」では、ホテル経営を始める前の大吉とるり子は仲睦まじかったんだと
知れたのは、ちょっとホッとしたところ。

全体を通して、切なくて暗いかんじが漂っていて・・・・決して読んでいて楽しくはないんだけれど
桜木さんの書く物語は、何か惹かれるものがある。


ホテル廃業後の雅代の生活が気になるなぁ~。
るり子のその後も気になるし・・・・。

続編はないのかな?


★★★★

31lm6cHA3hL__SX230_.jpg    発行年月:2013年1月

  
    芥川賞受賞! 75歳の「新人女性作家」鮮烈なデビュー作

    蓮實重彦・東京大学元総長の絶賛を浴び、
    「早稲田文学新人賞」を受賞した75歳「新人女性作家」の、
    若々しく成熟したデビュー作。


                          (文藝春秋HPより)



芥川賞受賞の表題作「abさんご」は、ひとりの子どもが成長するまでの話。
「昭和」の時代の懐かしいかんじが読んでいる間、心地いい。
内容は・・・・よくわからない。
大して重大なことが起きるわけでもなく・・・日常のひとコマひとコマを描いたようなかんじなので
ちょっとエッセイのようなかんじもした。
物語を楽しむよいうよりは、文章を愉しむというかんじで、こういう文章には、今まで出会わなかったので、
なんだか新鮮でした。

それに比べて・・・表題作のほかの3篇
「鞠」
「タミエの花」
「虹」
は、タミエという同一人物が主人公。
幼いころの話では、なんだか懐かしい遊びも出てきて微笑ましい。
けれど・・・最後の虹で明かされるタミエの告白には、ビックリ!!
全く想像しなかったラストでした。


ちょうど中ほどにある「なかがき」が、面白かった。

これがデビュ-作ということですが・・・ず~っと文章を書き続けて来た方なんですね。

好きか嫌いかを問われたら、割と好きな文章ですが
万人受けはし難いかも・・・・。



 

★★★



 
    
41jaq9AQcEL__SX230_.jpg    発行年月:2013年1月


   サラダ工場のパートタイマー、野菜生産者、学校給食の栄養士は何を見たのか?
会社の不祥事で故郷に逃げ帰ってきた元広告塔・栄実、どん詰まりの地元農業に反旗を翻した野菜生産者・剛、玉の輿結婚にやぶれ栄養士の仕事に情熱を傾ける聖子。真夜中のサラダ工場で、最先端のハイテク農場で、閉塞感漂う給食現場で、彼らはどう戦っていくのか。
食い詰めて就職した地元のサラダ工場で、栄実は外国人従業員たちが次々に体調不良に見舞われるのを見る。やがて彼女自身も……。その頃、最先端技術を誇るはずの剛のハイテク農場でも、想定外のトラブルが頻発する。
複雑な生態系下で迷走するハイテクノロジー。食と環境の崩壊連鎖をあぶりだす、渾身の大型長編サスペンス。週刊朝日連載の単行本化。


                                       (朝日新聞出版社HPより)


いろいろと考えさせられる物語でした。

東京で名前もそこそこ名前も知れるくらいに成功した栄美が故郷に戻り、勤めたのが深夜のサラダ工場。
女性の外国人労働者が多く勤めるその職場で、栄美は、彼女たちが次々と体調を崩す様子に危機感を覚える。

地元の元同級生たちにもそのことを相談し、独自調査するがハッキリした因果関係は認められず・・・・。


ス-パ-やコンビニで見かけるサラダなどがなんだか急に恐ろしく思える。
しかし、今は泥つきの野菜は殆ど手に入らないし、実際、虫だらけの野菜は触りたくない。
綺麗に処理された野菜の方が安易に手に取り易い状況である。

これを読んだからと言って、すぐにパック詰めのサラダ=危険なものとは、判断しにくいけれど
いろいろ食の安全性については、勉強しなきゃいけないな~とは思わせてくれる。

そして、外国から研修という名目で働きに来る労働者たちの過酷な労働状況には驚いた。
セクハラ上司の男性・片岡は、彼女たち外国人には頼りになる存在で、片岡の行動は、ちょっと嫌悪感を覚える部分もあったが、こういう人でも頼りにせざるを得ない状況にいる彼女たちが気の毒だった。

ラストは、ちょっとよくわからないまま・・・^^;

でも沢山の人から話を聞いて書き上げただろう本書、読み応えはありました!


★★★
 
 
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