謎の少年と花の少女、奇跡と秘密の物語
〈奇跡の蜂蜜〉を作るポロウ村に転校してきたレオ。
蜂蜜の秘密に関わる旧家の娘サリーは、
以来次々と不思議な出来事に出会う……。
(文藝春秋HPより)
ポロウ村の蜂蜜は有名。
村ではハチを驚かすような大きな音の出るものがない。
ロウゼ家は蜂蜜の蜜になる花や果物を育てる家。
サリ-はそこの跡継ぎ。
ゼンダ家は代々続く養蜂家。
ジャックはそこの跡継ぎ。
そんな村にレオという少年がやってきた。
サリ-とジャックと同年で、3人は仲良しになる。
しかし、レオがポロウ村に来たのには、ある使命のためだった。
とってもファンタジックで、自然豊かな風景が浮かぶような読んでいて気持ちいい物語でした。
日本とは別のどこか外国の昔話というかんじ。
妖精も登場!
外国の児童文学に近いかんじした。
小路さん、こういうお話も書けるんだぁ~。凄いな。
蜂蜜色の表紙も素敵♪
★★★★★
「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」
就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
(新潮社HPより)
大学生たちの就職活動の過程を描いた物語かと途中まで思っていましたが、
それだけではなかった。
SNSで、自分の考えをあれこれ述べる彼ら。
皆でいるときに話していた雰囲気と違ったり、本音の部分では・・・そんなふうに思っているのか!?
なんてこともわかって、
SNSってなんだか怖いな。
なんてアナログ人間のわたしは思ってしまった。
この作品が直木賞を取ったのには、それなりの評価があるのだと思うけれど、
正直、わたしには、それほどの価値のある作品とは思えず・・・
話としては、普通に面白かったんだけど・・・・
これがリアルな大学生の就職活動かと思ったら、ちょっと暗い気持ちになってしまった。
結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。
憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。
おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。
(光文社HPより)
東京の高層マンションに住むママ友たち5人の交流を描いた物語。
子どもたちは、それぞれ幼稚園にもうすぐ入る年齢。
それぞれの母親のことをお互いが子どもの名前にママを付けて呼び合う。
主人公は岩見有沙。娘は3歳の花奈よって呼び名は<かなママ>。
夫は単身赴任でアメリカ在住。
離婚話が持ち上がっているが・・・・。
ママ友同士は、会えば和やか。
ママ友のリ-ダ-は、竹光裕美、子どもは、いぶきちゃん。呼び名は、いぶママ。
他には、美雨ママ、芽玖ママ、真恋ママ。
みんな一様に、子どものことは大事に育てている様子なのは安心。
有沙の過去が、中盤、わかり、夫との間に出ている離婚話の理由がわかる。
でも最後は、有沙夫婦は、修復出来そうでホッ。
他のママたちのなかには、もっと深刻な状況の人も現れたけど・・・・
都会のママたちって大変だなぁ~。
見栄も張りたくなったり・・・・
本音で付き合える友達が他に居ないと精神的にかなりキツイだろうな。
ま、他人事として読めたので、面白かったです。
同じような状況の人が読んだら、どんな感想を持つのか?ちょっと気になるけど・・・。
事件はすべてのはじまりにすぎなかった――
エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!? 貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。
(実業之日本社HPより)
殺人事件の犯人・仁藤俊実についてを書こうとする小説家の「私」が彼の過去の出来事などを調べていく。
妻子を殺して川に放置した仁藤のことを彼を知るだれもが「信じられない」という。
日本最難関の大学を現役入学し、大手都市銀行に入行。
見た目の良い感じの誰もが憧れる存在。
職場の同僚たち、大学時代の友人たち、そして高校時代以前の仁藤を調べる。
大抵の人が仁藤に抱いている印象は、好意的なものだけれど、
少し違う印象を受けている者も現れる。
そして、彼の身近では事故死している人が数人いることがわかる。
それから彼のそばに居る女性の名前が「ショウコ」。
殺された妻の名前もショウコ。
偶然なのか?
小学校時代に彼と仲良くしていた女性・ショウコの話では、彼が正義感が強い、
心優しい少年だったことがわかりちょっとホッとした。
最後の最後が、「?」という終わり方で、ちょっとモヤモヤした感じが残ったけれど
話は面白かった。
もう少し、最後、仁藤という人間が妻子殺しに至る心理を明らかにするような
ことばがあればなぁ~。
読んでいる途中で出てくる疑問が、そのまま解決されずに進むので
本の残り頁が少なくなるにつれ「え?これでおしまいになるの?」と不安になり
最後、その気持ちが解消されずに終わるのが虚しかった(/_;)
表紙の絵が不気味で怖い。
人間じゃなくてマネキンのような変にピンク色の唇。
本心から笑ってない笑顔って不気味。
★★★
取り戻そうと思えば、いつでも取り返せる──闇の扉を開く新しい長編。
いい匂い。あの街の夕方の匂い----人生の黄昏時を迎え、一人で暮らす雛子の元を訪れる様々な人々。息子たちと幸福な家族、怪しげな隣室の男と友人たち、そして誰よりも言葉を交わすある大切な人。人々の秘密が解かれる時、雛子の謎も解かれてゆく。人と人との関わりの不思議さ、切なさと歓びを芳しく描き上げる長編。記憶と愛を巡る物語。
(新潮社HPより)
物語を読み進むうちに段々と、登場人物たちの相関関係がわかってくるという話で
なかなかそ面白かった。
マンションで一人暮らしをする雛子は54歳。
最初に結婚した夫とは死別。
その後、再婚したが、離婚して一人。
次々に登場する人物達の話もなかなか面白い。
覚書として人物たちを書いておこう。
<父親違いの雛子の息子たち>
長男・正直・・・妻・絵里子と生後半年の娘がいる。
次男・誠・・・・法学部の学生。美人のガ-ルフレンド・亜美
<同じマンションの住人たち>
丹野夫妻・・・60台?夫の龍次は、たびたび、雛子の部屋を訪ねて来る。
岸田夫妻・・・70代後半~ 丹野夫人と岸田婦人は飼っている犬を通しての関わりがある。
これとは、別に、雛子の妹・飴子の話も。
飴子は雛子とは音信普通になっていて、雛子はそれでも妹のことが気になっている風で、度々、現れる
架空の妹と会話しながら生活をしている。
途中から、その妹は、カナダの日本人学校の教師として働いていることがわかる。
そこの生徒である小学校3年生のなつきの話から、飴子の近況もわかってくる仕組み。
なつきちゃんは、両親には言えないことでも小島先生にならわかって貰えると信頼している様子。
物語の最後で、姉妹は連絡を取り合ったり、再会したりするのかな~?なんて期待で読みましたが
それは期待はずれでした。
でも、いろいろなことが、中途半端なままで終わるこの終わり方が何故かとっても
心地良い。
江國さんの文章も、やっぱりいいなぁ~。
こん表題の意味も読んだあとだと、いろいろな解釈が出来ていいな。
ちょうちんそで・・・・いまの言い方だとパフスリ-ブ?
懐かしい子ども時代に着ていたブラウスを思い出しました。
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;