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読んだ本の感想あれこれ。
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         発行年月:2013年1月


   貧乏侍の弥市と商家に婿入りした喜平次。
   国許を追われ江戸に暮らす二人は、
   十六年ぶりに初恋の女と再会し用心棒を引き受けるが……。
 三人の男女の儘ならぬ人生を哀歓豊かに描く傑作時代小説。


                           (幻冬舎HPより)




今回の話は、ちょっと今までと違う感じ。
面白かったけれど・・・・緊迫感があまりなく
2人の男の置かれている立場が、のんびりした感じだからかなぁ~。
藩内の争いに巻き込まれて運悪く、国許から江戸に出なければならなくなった
草波弥市と小池喜平次。

弥市は、剣術を教えることで細々とした暮らしをする独り者。
喜平次は、飛脚問屋に婿入りして武士ではなく商人として生きていた。

そんな2人に、任された仕事は、国許で上司であった猪口民部の娘・萩乃が江戸にいるので、用心棒をすること。
2人を裏切ったかたちの民部だが、その娘・萩乃には、2人とも好意を抱いていた。

弥市も喜平次もお人好しだなぁ~。
自分を裏切った人の娘を守る役目を受け入れるんだから・・・・
しかも萩乃には夫が居るんだから・・・。

2人が萩乃に会うのは16年ぶり。
それでも変わらぬ想い・・・萩乃は幸せな人。
でも、女のわたしには、イマイチ萩乃の魅力が伝わって来ず・・・

なので、弥市の見合い相手・弥生が出てきたときは、嬉しかった!!
仇名は大福餅の弥生。
なんだかすごく好感が持てる女性でした。

弥市と弥生・・・・・名前も似てるし・・・^m^
お似合いの夫婦になると思うなぁ~。


武士同士の真剣勝負の場面は、一気に緊迫感が増して、ハラハラドキドキ。

悪しき者は倒れる。

気持ちの良い終わり方は、今回も大満足でした(^^)


葉室作品は人気なので、新刊がなかなか図書館の順番が廻って来ません。
次の作品も、気長に順番待ちしてます。



 

★★★

    


   

 
PR
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発行年月:2013年3月


喪失と悲しみと、再生への祈りを描く
珠玉の7つの物語。

小学3年生、母を亡くした夜に父がつくってくれた"わが家”のトン汁を、避難所の炊き出しでつくった僕。東京でもどかしい思いを抱え、2ヶ月後に縁のあった被災地を訪れた主婦。あの日、同級生を喪った高校生。厄災で断ち切られたもの。それでもまた巡り来るもの。未曾有の被害をもたらした大震災を巡り、それぞれの位置から、再生への光と家族を描いた短編集。


                              (扶桑社HPより)


3.11の震災に纏わる話7つ。
どの話を読んでもジ~ンと来ます。

震災で家族や親しかった人をを喪った者、被災地に思い出がある者いろいろな立場で、いろいろな思いを
感じながらの物語。


一番、考えさせられ感動したのが4つめの話「記念日」。
被災地へ生活必需品でもある、カレンダ-を送ろうということで、家で使っていたカレンダ-を送る家族の話。
家族の記念日に印が付いているのは、失礼にあたると判断して、修正ペンで消して送るけれど・・・・

被災地の人が望むことと、被災してない人との考え方には、多少のズレがあって
言われてみれば、なるほど・・・・と思う事ばかり。
人のために何かしてあげたいという気持ちが、あっても、いろいろ考えると迷うことばかりだな。

けれど、カレンダ-を受け取ってくれた方との温かい交流が始まったのは、嬉しかった。


                                 ★★★★

 

 
10466901.jpg    発行年月:2004年8月


   芥川賞作家の真骨頂! 孤独に向き合う男女三人と役立たずの神様が奏でる不思議なハーモニー。芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。

                                       (新潮社HPより)


絲山さんの少し前の作品を図書館棚で見つけたので読んでみた。
これは純愛ですね。
切なくて優しくて温かい素敵な物語でした!!

主人公の河野勝男は32歳。無職。独身。
でも大金持ち。
29歳で宝くじで3億円を手にして、会社を辞め、縁もゆかりもない敦賀に家を買い一人暮らしを始めた。

ある日、突然、現れたファンタジ-と名乗る神が居候として住み付き・・・。
またある日、偶然、港で出会った中村かりん・38歳と親しくなる。

かりんは住宅メ-カ-の設計士。
中抱く時代からあだ名は<部長>。けれど会社では課長。

かりんと恋人同士のようになるが、河野にはセックスにトラウマがあり、2人の関係はプラトニックのまま。

そして、河野がまだ東京でデパ-ト勤務だった頃の、同僚・片桐妙子は、河野のことを密かに想っている。
恋人が出来ても、彼が再び一人になっても想いは変わらず・・・
ああ、切ないなぁ~。

河野もそんな妙子の気持ちに気づきながらも友人としての付き合いで突き通す。

終盤、次々、起きる不幸なこと。
かりんと河野、うまく行ってたのに・・・・・(/_;)

でも、哀しいだけのラストじゃないのが救われた。


絲山さんの文章はスラスラと読めて心地良いなぁ~。

幾つか、読んだ絲山作品のなかで、これ一番好きかも。


★★★★★
51y9-ek296L__SX230_.jpg    発行年月:2011年1月
 


   「魔女の宅急便」の著者が、死別した母との再会を描く自伝的小説! 


74歳のイコさんは東京から岡山まで、5歳の時に死別した母の生家をバイクで訪ねるという、思い切った行動に出る。イコさんはその家で、自分は幽霊だという子供の頃の母そっくりの少女に出会うが…!?


                                       (角川書店HPより)


74歳の山野イコ。
母親の生家をバイクで訪ね、そこで出会った少女・ふみこ(通称:ふーちゃん)。
ふーちゃんは12歳。
自分が唯一持っている母親が子どもだった頃の写真と同じ顔。
ふーちゃんはイコさんの母親!

母親と娘なのに、12歳と74歳という年齢が面白い♪
幽霊のふーちゃんが素直で可愛い。

2人で居ると、見えないはずの幽霊になった人たちと出会ってしまい、幽霊たちの未練を断ち切る
アドバイスなんかしたりして・・・。

あの世に行けない幽霊は、未練を残しているから・・・・・
ならば、ふーちゃんの未練は??

幼いイコさんを残して逝ってしまったこと?と予想していたら、
見事にハズレでしたが、なんだか、ふーちゃんらしい。

イコさんのことを娘と気づいて良かった(^^)

さて、2人でこれから、どんな風に暮らすのやら?
想像するだけで楽しいな。

素敵なファンタジ-でした!

70歳過ぎても、こんなユ-モアと元気を持っていたいものです!

角野さんの自伝的小説とあるけれど・・・・角野さんもこんなバイタリティ溢れる方ということかなぁ?


                                           ★★★★
 
51oF8c5PlwL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2013年3月
 

舞台は江戸深川。主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。

 ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。

 厳しい現実を心の奥底にしまい、貸本屋・治兵衛が持ってきたくれた仕事に目を開かれ、「桜の精」との淡い恋にやきもきする笙之介の姿が微笑ましく、思わず応援したくなる人も多いはず。

 人生の切なさ、ほろ苦さ、そして長屋の人々の温かさが心に沁みる物語。ストーリーテラー・宮部みゆきの新境地!


                                   (PHP研究所HPより)


宮部さんの時代物、良いですね~(^^)
長いですが・・・飽きませんでした!

主人公の笙之介は22歳。
父親は、冤罪で切腹。その介錯をしたのは2歳年上の兄・勝之助。

父親、母親の不仲。
母親は、気弱な父親を見下したところがあり、兄の勝之助も同様。
気は弱いが尊敬していた父を亡くした笙之介は、母と兄とは縁が薄くなる。
実の母や兄なのに、気持ちが通じないという哀しさ。
しかし、一人で生活すれば、新しい人間関係が生まれる。

暮らしていた長屋の近所の人たちは皆、気が良い人たち。

そして、世話になっている佐伯老師の遣いで、江戸に向かってからも素敵な出会いあり。
仕立て屋和田屋の娘・和香と段々と親しくなっていく様子が微笑ましかった。

江戸で生活しながら、父親の汚名をはらす真相を追う笙之介。
そして、やがて知る真実は、ちょっとショックなものでした。

けれど、笙之介のことを心配する人たちが居て、一緒に歩んで行きたいと思ってくれる和香の存在が
これからの笙之介を憎しみだけ抱える生き方から違う生き方に導いてくれそう。

表紙の絵や、途中の挿絵が物語りの雰囲気を明るく和やかにしてくれていました。


                                        ★★★★
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