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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年5月


 ヴェニスを訪れた二組の夫婦。
やがて彼らは翡翠色の海に囲まれた土地で、欲望と退廃の魔に取り憑かれてゆく。
衝撃の官能心理小説!

慎司と耀子、徳史と芙祐子。二組の夫婦はヴェニスにやってきた。翡翠色の海に囲まれ強烈な日差しが降り注ぐ色艶やかな街で、観光スポットをめぐりレストランで憩う四人。旅の終盤、芙祐子の失踪という小さなアクシデントが、それぞれの関係のきしみをあぶりだす。

                          (講談社HPより)



二組の夫婦がヴェニスへ。

榊慎司と耀子・・・慎司は容姿は冴えないが、経済的豊かさと社交性を持ち、
妻の耀子は夫より頭一つ分背が高く誰が見ても洗練された美しい女性。

小谷徳史と芙裕子・・・徳史は美男だが、それを自覚している様子はなく謙虚で人当たりが良い。
芙裕子は肥満体型で背も低い。


ヴェニスへの旅を誘ったのは、慎司。
小谷夫妻は喫茶店を経営していて、慎司はその常連客。
旅に誘ったのは、慎司の思惑があってのこと。
美しい妻と小谷徳史を旅先で、肉体関係を持たせようと考える。
慎司自身は、妻の姪にあたるまだ17歳の少女と男女の関係を続けていて
妻がほかの男と・・・・と想像することに喜びを感じる。

変な男、キモチワルイ。

そんな慎司の思惑はなかなか思い通りいかないのだけど・・・・
旅の途中で、芙裕子が失踪し、それを3人で探すうちに、事態は変化していく。


物語の前半は、それぞれの妻たちの本音と建前の言葉が、面白かった。
お互いが、相手に自分のないものを羨ましく思いながらも、好きになれない。

こんな旅行、楽しいはずないのになぁ~^^;


で、扶裕子がまず、自分の思うままに行動し始め、それを機に、残りの3人も
自分たちの快楽を求めて本心をさらけ出していく。


自分が旅行の言いだしっぺである慎司がやはり、一番快楽を味わったんじゃないかな?


変な話だけれど、なかなか面白かったとわたしは思う。
好き嫌いが分かれそうな作品でもあるかな?


                         ★★★★
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発行年月:2013年3月

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。だが翌日、翠は事故死する。本当に事故だったのか? 良夫とその弟で大人びた小学5年生の亨は、翠を追いかけ回していた芸能記者・玉田と知り合い、事件に首を突っ込み始める。姉、母まで望月一家が巻き込まれて、謎は広がるばかり――。
朝日新聞夕刊の人気連載が待望の単行本化。物語の語り手はなんと本邦初!?の「車」。町を走る様々な車たちの楽しいおしゃべりが全編にさんざめく、前代未聞のユーモアミステリーにして、のんきな長男・大人びた弟…と個性的なキャラが揃った家族の暖かいエピソードに溢れた、チャーミングで愛すべき長編家族小説!

                    (朝日新聞出版HPより)


緑のデミオが主役の楽しい物語。
車の所有者は、望月家。

母・郁子
長男・良夫(20歳の大学生)
長女・まどか(17歳の高校生)
次男・享(10歳の小学生)

車を運転するのは、母親と長男の2人。
そして、良夫がデミオ運転中に出会った、女優・荒木翠がその後、事故死するという
ニュ-スを知り、その事件に首を突っ込んでいく。
小学生の享が常に冷静沈着。
大人びているゆえ、学校では苛められていると、淡々と告白もする。

女優を追跡取材していた玉田憲吾とも知り合い、接していくうちに、荒木翠の事故死の
真相を推理していく享。

デミオの話相手は、すれ違う車だったり、出先の駐車場で隣になった車だったり・・・
車同士で互いに情報交換している様子も愉快だった。
でも、一番の話相手は、隣家の車・ザッパ。
それぞれの所有者の家族のことを、よく理解していて
車がこんな風に思っていてくれたら楽しいだろうなぁ~なんて思った。


家族と居られるっ時間は限られているとデミオとザッパが会話しているところは
なんだかジ~ンとしたなぁ~。
一台の車は10年もしたら乗り換えるからね・・・。
ちなみにわたしは、今の車をそろそろ乗り換えようかと思っているので余計
そんな車同士の言葉が沁みました。


最後のエピロ-グは、嬉しかった♪
伊坂氏らしい気の利いたラストにも、にんまり(^^)

楽しい物語でした!!
 
 
                        ★★★★★




発行年月:2013年2月


舞台は江戸の町。産んではいけない子どもを孕んだ女に堕胎処置を施す、「闇医者」のおゑん。憔悴した患者を優しく、時に厳しく受け入れるおゑん自身にも、実は哀しい過去があり――。もがき苦しみながらも新しい人生に踏み出そうとする女たちが迎える、3つの季節の物語。

                    (中央公論新社HPより)



あさのさんの時代物は読みやすくて好き。
今までの時代物の主人公は、若い女性が多かったけれど
今回のはちょっと影のありそうな女医・おゑんが主役。

3つの話があるが
<春の夢>と<空蝉の人>は、おゑんの元に来た女性達を医師として、女として
彼女たちを診て、適切なアドバイスをする。

<春の夢>の、お春は、奉公先の若旦那との間に子どもを宿すが若旦那には
良縁話があり、子どもを産むことは諦めなくてはならないと、おゑんの元には
堕胎を頼みに来た。

二番目の話<空蝉の人>は、鬼の子を宿してしまったから堕ろしてほしいと
頼まれる。お屋敷の奥方の頼みでお屋敷に連れて行かれるおゑんだけど、腑に落ちない
ことが多々あり、その真相を探る。

三番目の話<冬小立ち>は、最初は、やはり堕胎希望で訪れた母と娘。
母親は、娘を不埒だと言う。
良い縁組が決まったのに、別の男の子どもを孕んだのが許せないという母。
娘の本音は別のところにあった。
そんな母と娘から、自身の生い立ちを語り始めるおゑん。
話し相手は、最初の話で、おゑんの元で見習いとして働いている、お春。

おゑんの槽祖父母の話まで遡り、語られる哀しい一族の歴史。
祖父が異国の人間であったことから始まる惨い歴史。
祖父が医者であったことが、おゑんが医者として弱い立場にある女性の気持ちに
寄り添う医者であるル-ツ。


おゑんのことがもっと知りたい。
闇医者ではあるけれど、心身ともに救われる女性が多い。

もっといろいろな話が読みたいな。
シリ-ズ化されるかなぁ~?


                          ★★★★






 
  
  
  
  発行年月:2013年6月


 ありえない関係のラブコメ登場!

一見大人しく内心毒づきОLの皓乃の副業はエクソシスト。
イケメン有能上司に振り回されっ放しの皓乃だったが、彼の本当の正体は…。

               (文藝春秋HPより)


主人公の真崎皓乃(あきの)は27歳。
生物多様性助成機構に勤務する。
副業は悪魔祓い(エクソシスト)。

ホラ-っぽいけれど、怖くない。
突如、赴任してきた上林薫。非常に有能だということでその肩書は異例の
部長待遇特殊主任。
ク-ルな容貌は女子職員の心をつかむけれど・・・皓乃は無関心。
しかし、なぜか気に入られ度々、外部調査に連れ出される。

皓乃は職場にエクソシストであることは秘密。
しかし、上林赴任後、不可解な事件が続き、皓乃は秘密の力を駆使せざるを得なくなる。


皓乃には交際5年の恋人・義斗がいる。
義斗は善良な青年。
結婚話も具体化してくるなか、エクソシストであることをいつ、
どのように告白するべきか悩む。

一方、上林も皓乃に好意を寄せて来て、どうする?皓乃!と思いながら途中から
読んでいました。

そして・・・なるほど、こういうラストかぁ~。
ときどき現れる、エクソシストとして皓乃をスカウトし、アドバイスするヨセフも
好きなキャラだった。


あり得ない状況だとわかるから、思い切り娯楽作品として楽しめた♪


                              ★★★




発行年月:2013年2月

誰もが、誰かの、かけがえのない大切な人。 失ったものは、家族の一員であると同時に、幸福を留めるための重要なねじだった――。 突飛で、愉快で、愚かで、たまらなく温かい家族が語りだす、愛惜のモノローグ。感涙の傑作長篇小説! 「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」 ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。二人の兄妹に父側の弟が加わり、さらにその後、次女が生まれる。それは、幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、一家の姿は激変する。母がアルコール依存症になり、家族は散り散りに行き場を失ってしまう。やがて、それぞれは自分に似合った悲しみを選択し、自身と家族の再生を目差すのだが……。 かつて誰も言葉にしてくれなかった「人生のアイディア」がちりばめられた、著者渾身の新たなる代表作。

                  (幻冬舎HPより)



妻に先立たれた男・澄川誠と夫の女性関係が元で離婚した女・美加。
誠は4歳の創太を連れて、美加は長男・澄生と長女・真澄を連れての再婚。
そして、再婚後生まれた千恵。

物語は第一章から第四章まで、主に子どもたちが、それぞれ語る。

<第一章 私>
30歳を過ぎた真澄の語り。
両親が離婚して母親が親権を持ち、兄と3人で暮らしていたが、新しい父親が
できた時のこと。
兄の澄生は17歳のとき落雷に打たれて亡くなったこと。
それ以後、母がアルコ-ル依存症になり入退院を繰り返すことになったことなどを
家族の歴史を大まかに語る。


<第二章 おれ>
社会人になった創太の語り。
大学時代の食堂で働いていた50歳過ぎの女性・真知子と付き合っている。
自分の本当の母親は病死しているが、新しい母親に自分の存在を認めて欲しくて
必死だった子ども時代のことを語る。


<第三章 あたし>
澄川家になかで唯一、みなと血がつながっている千絵の語り。
家族のことを冷静な目でみている。


<第四章 皆>
現在の澄川家の話。
真澄は恋人のロバ-トと付き合っていて、かれには病気の妻がいたが・・・・
アルコ-ル依存症の美加をなんとか立ち直らせたいと思う子どもたちの気持ちが
美加に通じたようなラストは胸がジ~ンとした。


澄川家の家族は、澄生の死を抱えて、長く苦しい時期を過ごしたけれど、最後は
皆で良い方向に向かっていけそう。

澄生と真澄の曾祖母が遺したことば
「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」が冒頭に出てきたけれど
生きていれば、いろいろあるのは皆同じ。
だけど、最後にそんな風に思えるのって理想だな。


明日死ぬかもしれない・・・・こんな時代だからこそ、
このことばを胸に留めながら日々の暮らしを大切に送りたい。
なんて思った。


                            ★★★★
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