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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年3月

もしもまたホロコーストが起こったら、誰があなたを匿ってくれるでしょう――。

フロリダの旧友夫妻を訪ねてきたイスラエルのユダヤ教正統派夫妻。うちとけた四人は、酒を飲み、マリファナまで回してすっかりハイに。そして妻たちが高校時代にやっていた「アンネ・フランク・ゲーム」を始める。無邪気なゲームがあらわにする、のぞいてはいけなかった夫婦の深淵。ユダヤ人を描いて人間の普遍を描きだす、傑作短篇集。【フランク・オコナー国際短篇賞受賞作】

                       (新潮社HPより)

 



表題作を含む8つの短編から成る書。

最初が表題作「アンネ・フランクについて語るときに僕たちが語ること」
ユダヤ人の迫害の話は知っているけれど、それを今も引き継いで生きている
ユダヤ人の存在については、考えたことがなかった。

表題作は、そんなユダヤ人の心のなかに潜む不安を知る。
再びホロコ-ストの時代になったとしたら、自分はどうする?
ユダヤ人じゃない人はユダヤ人を匿うことが出来るだろうか?
二組の夫婦がそんな話に及び、自分だったら、どうするか?と自然と考えてしまう作品。


他の7編もユダヤ人が主人公。
ユ-モアを交えたものもあるけれど、ブラックが効いているかんじ。

現代に生きるユダヤ人は、ずっと心の中にホロコ-ストの闇を抱えているのかな?
日本人としては、想像するに余りある出来事だけれど、
全く知らない民族のことを学ぶには、とても興味深い書であった。


読むのに正直、時間がかかるし、理解し難い部分もあるけれど
こういう外国人の書物を読むことも大切だと感じた。


                            ★★★


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発行年月:2013年5月


「何もしない、動かない」ことをモットーとする社会人2年目の小和田君。ある朝目覚めると小学校の校庭に縛られていて、隣には狸の仮面をかぶった「ぽんぽこ仮面」なる怪人がいる。しかも、そのぽんぽこ仮面から「跡を継げ」と言われるのだが……ここから小和田君の果てしなく長く、奇想天外な一日がはじまる。朝日新聞夕刊連載を全面改稿、森見登美彦作家生活10年目にして、3年ぶりの長篇小説。

                     (朝日新聞出版HPより)

 


またまた京都が舞台のお話。
今回は、「ぽんぽこ仮面」を巡るお話。
怪人・ぽんぽこ仮面ってなに?と思ったら、単に狸のお面を被った人で
怪人と名がついているけれど、ちょっとした人助けはするし、
逆に追い詰められて困惑していたりとナンだかかわいい存在。

そんな怪人・ぽんぽこ仮面を追いながら・・・・なんて思ったら
すぐに対面しちゃうのが、この物語の主人公・小和田君。
そして、「後を継がないか?」と言われる。

小和田君は自分で怠け者と言うだけのことはあり、本当に動かない。
なのに、要所要所でナイスな行動。
逆に動き回っているのに、何ら成果を得られない、探偵事務所の週末探偵・玉川さん。
けれど、玉川さんも良い味出してる。

登場人物たちがみんな憎めない人たちというのが、森見作品の特徴かな?

京都の宵山祭りの夜のお話というのも、独特な雰囲気。

楽しく読ませていただきました。

挿絵のフジモトマサルさんの絵もほのぼの。
そんあ挿絵を1冊にまとめた本も同時発売されているそうなので
手に取ってみてみたいな~。

                          ★★★★




発行年月:2013年5月


そこは、かけがえのない場所。だから、あきらめない。裏鎌倉の保育園を舞台に新鋭が描く、家族と恋の物語。

保育士になって五年の美南(みなみ)とシングルファーザー1年と2ヶ月目の志賀隆平。隆平は定時退社しやすい部署に異動し、子育てに奮闘するものの、保育園は予測不能のことばかり。園内の事件や行事を通して、美南と隆平は気づき、育んでゆく、本当に大切にしたいものを。湘南モノレールの走る街で紡がれる、愛しい時間を描く傑作長篇。

                     (新潮社HPより)



保育園が舞台の物語。
主人公は、保育士の小川美南。
真面目で可愛らしく園児たちにも愛される人柄。
そこに子どもを預けに来る保護者たちとの関係から、いろいろなドラマが生まれる。

子どもを幼稚園しか預けてない、わたしには、保育士さんたちとここに出てくるような
濃い付き合いはなかったけれど、幼い子どもを預けながらシングルマザ-としてだったり
シングルファザ-として働く親にとっては、保育士さんは、かなり頼れる存在なんだろうなぁ~。

ここでは、美南とシングルファザ-の志賀隆平の恋の行方も話の軸になっていて
そこも楽しめた。

保育園なので、いろいろな絵本が登場するのも楽しい。
子どもが幼いときに一緒に読んだ本が多数出て来ました。

ひさしぶりに読みたくなった絵本も幾つか。

最初の話に出てきた『こんとあき』は未読かも。
ちょっと探してみよう。


                            ★★★




発行年月:2013年6月


名門橘第一高校の入試前日、教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」の貼り紙が見つかる。迎えた入試当日。振り回される学校側と、それぞれ思惑を抱えた受験生。謎に充ちた長い長い一日が始まった……。

                    (角川書店HPより)
 
 
「高校入試」が事件の現場になるという発想は凄いな。
大学受験でその後の人生が左右されるっていうのは、わかるけど
たかが高校入試で???なんて読み始めは思っていました。


「入試をぶっつぶす!」と書いたのは誰?
在校生?教師?受験生????

怪しいと思った人が犯人でした。
でも、そう思う気持ちは、なんとなく理解できました。

中学生から高校入試に向かう者にとっては、それで人生決まっちゃうくらいの
一大事なんだと、自分の過去を振り返って、当時の気持ちを思い出しました。


入試という制度が抱える問題も提起していたかな?
しかし、採点ミスはなくならないんじゃないかな?
人間の手で行われるものだし・・・・。

読んでいて、あまり面白い話じゃなかったな。
登場人物が多くて読むのに難儀したし・・・

次回作に期待します。

これドラマもやっていたんですね?
後から知りました。
ドラマを見ていたら、もうちょい楽に読めたんでしょうね。


                                ★★






発行年月:2013年6月


遠い遠い未来でいい。
あの人に出会えるなら、
いつまでだって待っていられるーー。
切なくも優しい連作ミステリー。ベストセラー「ささら」シリーズ第三弾!

ある日、僕の前に「はるひ」という女の子が現れる。初めて会ったはずなのに、なぜか彼女ば僕の名前を知っていてた。「未来を変えるために、助けてほしい」と頼まれた僕は、それから度々彼女の不思議なお願いをきくことになり……。
時を越えて明かされる、温かな真実。
切なくも優しい連作ミステリー。
ベストセラー「ささら」シリーズ第三弾! 

               (BOOKデ-タべースより、発行:幻冬舎)



『ささらさや』『てるてるあした』に続く佐々良シリ-ズの完結編だそうです。
大好きなシリ-ズだったので、これで終わりなのは、ちょっと寂しい。


本書では、少年・ユウスケとはるひという名の少女が出会い、2人は
別の時代の別の時空で再び出会ったり、また別れたりを繰り返す。
そして、2人はすでに死んでしまった人をみることができ、この世に未練を残している気持ちを汲んで行動する。

SFとかホラ-とかの類になるのかな?
不思議だけれど、ただ怖いだけじゃない温かい心の交流みたいなものが
あって、読んでいるとジ~ンと来る。


あとがきの加納さんの言葉にちょっと、気になる箇所があり・・・
少し調べたら、大変な病気で療養していたんですね!?
ビックリしました。
そして、その闘病記も出ていると知り、早速、図書館で予約入れました。

今は完治されたのかな?

まだまだ加納さんの新作を沢山、読ませていただきたいので
お体の具合が心配です。


                         ★★★★

 
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