発行年月:2012年7月
忘却の堆積に埋もれていた驚愕の史実に当代一のストーリーテラーが命を吹き込んだ。
1945年8月15日、異端の石油会社『国岡商店』 を率いる国岡鐵造は、海外資産はもちろんなにもかもを失い、残ったのは借金のみ。そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。
しかし『国岡商店』は、社員ひとりたりとも馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながらも、たくましく再生していく。
20世紀の産業を興し、国を誤らせ、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて闘った男とは何者なのか-------
実在の人物をモデルにした百田尚樹作品初の本格ノンフィクションノベル!
(講談社HPより)
出光石石油の創業者・出光佐三が主人公なんですね~。
いやはや、凄い人物が昔はいたんですね~。
借金だけが残った絶望的状況のなかで、社員を誰一人、馘首せずなんて
今の時代では考えられないこと。
そして、そんな会社でもずっと残って働こうとする社員たちが殆どのことにもビックリ!
それだけ、この物語の主人公・国岡鐵造という人物に魅力があるということですが・・・。
第一章 朱夏 昭和20年~昭和22年
第二章 青春 明治18年~昭和20年
第二章では、鐵造誕生から学生時代を経て、就職、結婚なども描いていた。
大きな会社に就職せず、やがて独立して事業を始めることを頭において、
経営の基本を学ぶ。
最初の就職先である酒井商会の社長・酒井賀一郎や、独立のときの資金を援助してくれた
日田重太郎。
スタ-トの時点で2人の強力な助っ人がいたことが、後の国岡商店発展には
大きな力であった。
特に重太郎は自分の家屋まで売り払っても鐵造の創業資金を作ったりして、
身内でもないのに、そこまで鐵造の将来性を見込んでいたのには、驚きだった。
しかし、読み進めば読む進むほど、国岡鐵造という人物の魅力に
惹かれていく。
下巻では戦後の話が続く。
またまた苦労続きなんでしょうね。
国岡鐵造の生き様、下巻で続けて読みたいと思います。
★★★★★
PR
発行年月:2013年2月
最初から、こんなふうなものだと知っていた気がする――性のふしぎを描く瑞々しく荒々しい作品集。
なつかしいのは、男たちの弱さだ――。(ignis)/「それ」は、人生のさまざまな瞬間にあらわれては「子供」を誘い、きらきらと光った――。(mundus)……年齢も男女の別も超越し、生と死の交差する場所からあらわれては消えてゆく何ものか。いやおうなく人を動かす性の力をさまざまなスタイルで描きあげた魅惑的な作品集。全五篇。
(新潮社HPより)
タイトルからして、よくわからない抽象的なかんじですが、5つの短編全て
変わった話でした。
aqua・・・水
terra・・・土
aer・・・風
ignis・・・炎
mundus・・・宇宙
それぞれのタイトルはラテン語だそうですが、その話のタイトルがなぜ、
それなのか?と思ってしまう物も多かったな。
ちょっと分かるというものもちろんあったけれどね・・・^^;
印象に残ったのは、妊娠から出産後を書いた三番目の「aer」。
赤ちゃんのことを・・・「しろもの」と呼ぶのには、驚いた。
なんのこっちゃ?と思ってしまった(笑)。
しかし、出産の様子やら、その後の授乳の様子やらをリアルに表現していて
子どもを産んだ経験のあるひとなら「ああ、わかるそのかんじ」と思うでしょう。
全く難解だったのが最後の「mundus」。
話があちこち飛ぶというか、途中で違う話になって、また戻って、暫くすると、またまた別の話?と思うような本当に、よくわからず迷路のなかをグルグル彷徨ってるような
不思議なお話でした。
ああ、でも読んでいる間中は凄く楽しい。
これぞ川上ワ-ルド・・・(^^)
★★★★
発行年月:2013年5月
妻も、読者も、騙される! 『悪人』の作家が踏み込んだ、〈夫婦〉の闇の果て。
これは私の、私たちの愛のはずだった――。夫の不実を疑い、姑の視線に耐えられなくなった時、桃子は誰にも言えぬ激しい衝動に身を委ねるのだが……。夫婦とは何か、愛人とは何か、〈家〉とは何か、妻が欲した言葉とは何か。『悪人』『横道世之介』の作家がかつてない強度で描破した、狂乱の純愛。本当に騙したのは、どちらなのだろう?
(新潮社HPより)
タイトル、インパクトありますね~。
読む前から期待感UPでした(^^)
そして、面白かった!!
不倫物は沢山、読んでいるけれど・・・
妻・桃子と不倫相手・奈央の言い分が交互に語られて、
読みながら、どんどん、妻・桃子を応援したくなっていった。
世間的にも常識人なのは桃子だと思う。
多少、気に入らない義母にも巧く対応しているし、近所のゴミ置き場の清掃を
誰に言われるでもなくしていたり、カルチャーセンターでの講師ぶりも良い感じだった。
ただ、途中で奇行に走るのはビックリだったけれど、いろいろな事が積み重なって
爆発した結果だと思えば理解出来ないことはなし。
しかし、夫・真守には腹が立つ!
なんじゃこの男は!?(怒)。
桃子との結婚前にも実は奥さんがいたの?それでまた、今回も同じようなことを
繰り返すってこと??
不倫相手の奈央もまた桃子と同じような状況になりそう。
最後はどうなる?と思ったら
「ありがとう」の言葉に救われた桃子。
世間にはちゃんと見ていてくれる人はいるってことね。
自分を正しく評価してくれる人が誰かいれば、また前を向いて進んで行けるって
ことかな?
頑張れ、桃子!
慰謝料貰って、サッサと次の人生進んだ方がいいと思うな。
★★★★
発行年月:2013年6月
「元彼にかけられた殺人の疑いを晴らして欲しい」のどかな田舎町、月影市で探偵事務所を営むおれのもとに調査依頼が舞い込んだ。しかも依頼人の美女は元恋人の妹ときた。気合い充分、いざ殺人事件について調査をはじめると……。
のんきな月影市の住人たちを相手に、孤高のハードボイルドを貫く探偵・十村が事件の真相に迫るとき、驚愕の結末が待ち受ける!
『慟哭』の著者が仕掛ける、油断大敵!ユーモア私立探偵小説。
(東京創元社HPより)
探偵・十村の元に依頼に訪れた友梨は、元彼が殺人事件の容疑者になっているけれど
無実を証明して欲しいと言う。
十村の幼馴染で警察署長の新明佑に事件の背景を探りながら、真相究明に励む。
途中までは、面白かった。
十村の幼馴染の警察署長は東大卒のエリ-トなのに、発言がバカっぽくて
実際、こんな人いたらイヤだな・・・^^;と思いつつ
いや、最後には、このお坊ちゃまが凄い事をしてくれるに違いない!!
なんてちょっと期待しながら読みました。
けれど・・・・期待に反して・・・・
事件の真相は・・・そういうことね・・・とちょっと納得したけど
終わり方がなんだかモヤモヤ。
期待の警察署長は、行方知れずって・・・・(*_*)
う~ん。もう少し違う結末に出来んかったのか???
表題のドミノ倒しは、自虐の意味か?なんて思ってしまった。^^;
次回作に期待します。
★★
発行年月:2013年2月
彼らは希望を運ぶのだ――。鎮魂と再生への祈りをこめた痛快な航海記。
失恋目前のトモヒロが乗り込んだ瀬戸内の小さなフェリーは、傷ついたすべての者を乗せて拡大する不思議な「方舟」だった。双頭の船は北へと向かい、さまざまな乗客を大きな腕で抱きかかえるようにして停泊する。やがて500戸の仮設住宅の建設が始まって、新しい町と新しい家族が誕生し……。祈りと希望にみちた長篇小説。
(新潮社HPより)
何の前知識なしに読んだので、最初の「ベアマン」を読み終え次の「北への航路」が
全く違ったお話に感じて・・・短編集なのか??と思ってしまいました^^;
しかし、段々とこれは長編小説だとわかり、どんどん面白くなる展開。
最初の話に登場のベアマンも後ほど再登場。
動物を愛する優しい人でした。
そして、最初で出てきた語り手のわたしも千鶴という名前だと途中から分かる。
ちょっとファンタジ-の要素があるものの、3.11の被災地がやがて舞台となって
被災地以外から船でそこに向かった人たちと被災者の人たちが共に暮らす
新しい集落を船のなかに形成し、未来を描いていく話。
船のなかには、元々のリーダーの梶船長がいて、
そこに新たに加わった被災地での指導者的立場に立つ荒垣源太郎。
2人の性格は少し違うけれど、巧く人々をまとめていく。
双頭の船とは、この2人のリ-ダ-を指しているのかな?
被災地の人々のリアルな気持ち。
亡くなった人たちの思い。
それから亡くなった動物たちのこと。
いろいろ考えさせられました。
船のなかで暮らした人たちは、やがてそれぞれの考えで、そこから分かれて暮らす。
陸に留まりたいと思う者。
そこから離れて行きたいと思う者。
どこで暮らそうと、彼らには明るい希望があるのだと思えるラストは
良かったなぁ~。
ベアマンと千鶴はどこでどう暮らしているのかな?なんて想像したり・・・。
3.11が元にあるお話ですが、重くなり過ぎず、良いお話でした!
★★★★★
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(01/21)
(01/19)
(01/17)
(01/16)
(01/12)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア