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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年2月


 恋に墜ちたことが、罪だったのか。恋愛捜査シリーズ「ドルチェ」感涙必至の極上長編。

41歳の純粋な男と27歳の儚い女。二人の不器用な恋愛が犯罪を導いたのか――? 中野署管内で身代金目的の誘拐事件が発生した。被害者は新鋭の飲食チェーン店専務の副島。提示された身代金は二〇〇〇万円。練馬署強行犯係の魚住久江は、かつての同僚・金本と共に捜査に召集される。そして、極秘裏のオペレーションが始動した

                    (新潮社HPより)



魚住久江が主人公の刑事物。

今回の事件は、身代金誘拐事件。
誘拐されたのは2人。

一人は、外食系チェーンの専務取締役・副島。
もう一人は、その関連の外食店に勤務する村瀬。
2人の接点になるのは、中国人の女性・楊白瑶(瑶子)。

事件解決の捜査にあたる魚住は、かつての同僚・金本健一と再びコンビを組むことになる。
金本の強引で乱暴なかんじと久江の後輩・峰岸のスマートなかんじは対照的。
どちらも久江にとっては、頼もしい仲間なんだけど・・・・。

事件を追う側の刑事たちより、その関係者である3人の事件までの経過を追うかたちの物語
の進行が気にかかった。

副島は悪い奴だったなぁ~(怒)
それに振り回された、白瑶と村瀬だったけれど、これからはきっと本物の夫婦に
なれるかな?と思うラストはホッとした。


                         ★★★


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発行年月:2011年3月

『珈琲屋の人々』が好評だった著者の最新作は、様々な家族の情景を切り取った短編集。娘を嫁に出す父親、自身の再婚と息子の問題で揺れる女性、不倫を清算したい会社員、食堂を切り盛りする女将と従業員の微妙な関係など、背筋が凍るような物語から心温まる物語まで8編を収録。 

                       (双葉社HPより)


心が温まるものは少なかったかも・・・^^;
一家団欒楽しい家族という場面はなく、両親のどちらかしか居ない家族が
多かった。片親だけじゃ幸せになれないというわけじゃないと思うけれど、
それ故に感じることとかが、ちょっと重たい問題を孕んでいる気がした。

<父の遺言>
母親が早くに亡くなり、父親が自分を育ててくれた。
そのことに感謝はしているが、結婚を控えた自分に父も再婚したいと言われ
そのことに嫌悪感を抱く娘。

<いやな鏡>
義父が宝くじの1千万円を当てた。
そして、そのお金を隠し子にあげたいと義父母がいう。

<若い愛人>
妻に先立たれた男。娘くらい年の離れた広美と知り合い、愛人とする。
月に決まった額のお金を渡していたら、ある日、通帳を見ると
そのまま手付かずのまま残してある。

<紅の記憶>
痴呆が進んだ元教師の母。
介護に疲れた妻は施設入所を希望する。
そして、息子は父が亡くなって2年後のある日のことを思い出す。

<不鈴>
妻子ある男が不倫相手の女性と、そろそろ別れようと思っている。
しかし、別れ話を切り出しても、逆に結婚話を切り出され困惑。

<十年愛>
17歳だった男は当時37歳だった女性とバイト先で知り合い、好きだと告げるが
女性から10年後にまた会ってみようと提案する。
そして10年後27歳になった男が待ち合わせ場所で女性を待つ。

<薄いカツレツ>
元気食堂の厨房担当の多津子と接客担当の育枝。
2人は同い年。
そして多津子はかつて店の主人だった夫と育枝の仲をずっと疑っている。
夫は1千万円の借金を残し失踪中。

<バツイチ>
母子家庭の麻子と小学3年生の武。
麻子は再婚を考えている男性がいるが、男性は結婚はしたいけれど、
自分の子どもでない子どもを育てる自信がないという。
再婚したい麻子は悩み・・・


感動したのは最初の話<父の遺言>。
自分勝手な娘のことを十分、理解しながら、娘の幸せを願っていたんだな~と
思ったら泣けて来た。

ほかの話は、それぞれ物語としては面白いけれど、重たい。
最後の<バツイチ>は、最初の話とは違う意味で泣ける。
武くんが健気。
その健気さに気づいた母親がこの先、武くんと幸せになることを考えて欲しいな。


読み終えると、この本の表題の意味がわかるかんじ。


                         ★★★








発行年月:2013年4月


良いニュースと悪いニュースがある。

多崎つくるにとって駅をつくることは、
心を世界につなぎとめておくための営みだった。
あるポイントまでは……。 

                 (文藝春秋HPより)


色彩を持たない多崎つくる。
高校時代は名古屋。そして大学進学のため東京へ。
高校時代に仲の良かった4人に突如言われた絶縁宣言。
わけもわからず受け入れ、進学のために東京へ。
残りの4人は名古屋市内で進学。

そして、つくるは、死ぬことばかりを考えるように。
原因はやはり高校時代の友人たちから受けた仕打ちか?


四人は男子2人に女子2人。
男子・・・赤松、青海
女子・・・白根、黒埜

つくるだけ名前に「色」を持たない。
そして、性格上にも色彩が希薄だと思っていた。

成人して36歳になった、つくるは、東京の電鉄会社に勤務している。駅をつくることに携わっている。
死にたいと思っていた時期をなんとか乗り越えた。
そして2つ年上の沙羅に出会い、高校時代の友人のことを話す。
彼女は4人の現在の近況を調べ、それを機に、つくるは彼らに会いにいく。


つくるにとって、沙羅と出会ったことは幸運でした!!
彼らに会いに行き、何故、自分は縁を切られたのか?長年の疑問をぶつける。
そして、わかったこと。

なるほど・・・そいいう事情でしたか?
その為に、つくるは死を考えるまで精神的に追い詰められたのか?
もうちょい、誰か何とかフォロ-してあげてよ!!(怒)

話としては、まあ面白かったけど、ちょっとつくるが気の毒。

でも、これからは、たぶん、明るい未来が待っているはず!!
頑張れ、つくる!!


文章は、やはり独特。
村上作品を読んでる感に浸れました。
こう感じさせるのはさすがだな・・・。


                            ★★★


 




発行年月:2013年7月



奇跡を接続する人たち----その涙。
新人駅員の若菜直は、個性的な同僚たちとアクシデントに七転八倒。
それでも彼女はまっすぐ進む。彼の気持ちを知るために。

「大事なことを三つ言っとく。緊急時は非常停止ボタン。間に合わなければ走れ。線路に落ちたら退避スペースに入れ」
酔っ払う乗客、鉄道マニアの同期、全自動化を目論む副駅長に
強烈な個性の先輩たち。
毎日100万人以上が乗降する東京駅に配置された若菜は、定時発車の奇跡を
目の当たりにし、鉄道員の職務に圧倒される。初日、足が棒になった若菜が
絡まれたのは、かつて自分に手を差し伸べてくれた人だった----。

臨場感あふれる筆致で駅を支える人と行き交う人を描ききった
書き下ろしエンターテイメント!

                   (講談社HPより)



主人公の若菜直。
高学歴の彼女がなぜ、鉄道員に?
それは、亡くなった弟が鉄道マニアだったから。
そして、駅で自分が倒れたときに、多くの人が通り過ぎるなか、足を止めて
助けてくれた人をいつか探し出せるのでは?と思ったから。 


同期の犬塚俊則や、最初の指導員であった藤原は、初対面の印象は最悪なかんじ。
こんな人間関係のなかで、やっていけるのか?と心配しましたが・・・
本性は、みんな良い人でした~(^^)

しかし、駅員さんって大変な仕事ですね~。
鉄道マニアなことを隠して就職した犬塚のような人も実際、多いんでしょうね。
それでなければ、なかなか選ばない仕事かも。

台風などで遅延、運休の場合や
人身事故のときの対応は、リアルなかんじでした。
取材したんでしょうね。

人のために働いているのに、文句を言われることの方が多い仕事。
好きでなければ勤まらないな・・・・。


若菜自身、すごく優しくてシッカリした女性なので、好感が持てました。
駅の知らないこともいろいろ知れたのも面白かった。


深く関わることになる乗客がかつて自分を助けてくれた人というのは
ちょっと都合よすぎたかんじだったけど、まあ物語なので
その辺は良しとしよう。


                        ★★★★




発行年月:2012年11月
ベテラン作家ソノミは気楽な一人暮らし。高齢の母に翻弄され、来る老後に不安を感じつつも、日々をつつがなく送っていて・・・。ため息と笑いの日常小説。

                 (毎日新聞社HPより)


ソノミは60歳手前の作家。
一人暮らしのマンションで日々執筆活動している。

母エイコは82歳。
ダンス教室に通う元気な女性。
夫が亡くなった後、ソノミを看護師をしながら育てた。

母の妹・シゲコ
荒物屋を営んでいるが、そろそろ閉店を考えている。



母親とは電話口でいつも最後は喧嘩。
しかし、年老いて独り暮らしなので、気にはかける。
同じく独り暮らしの叔母のことも。

作家の日常として読んでもなかなか興味深かった。
昔は手書きだったけれど、今はパソコンで文章を打つようになり
なんとなく書いたという実感が沸かないとか。

群さん自身が感じていることなのかなぁ~なんて想像しながら・・・・

そして、母親との関係。
うんうん、わかるぅ~!!という箇所多し・・・^m^
自分の用件だけ言えば、こちらの返事はあまり聞いてない。
前にも言ったでしょ?ってことを度々、言ってくるとか(^^ゞ


物語なんだけど、ちょっとエッセイっぽい雰囲気でした。
主人公が作家だからかな?


                         ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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