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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年8月


 麻酔医の貴之は、妻と一緒に行ったコンサートで不思議な夢を見る。粛な悲しみをたたえながら演奏する女性の姿だった。夢のことが頭から離れず、彼女の手掛かりを求めるうちに、意外な事実を知る――。「ミストレス」
ゲリラ活動を追っていた勝太郎は、十二年ぶりに日本へ戻る。音信不通にしていた妻のもとを訪れると、以前と変わらない態度で出迎えてくれた。だが、彼女には隠された秘密があった……。「宮木」

                   (光文社HPより)



官能的で不思議な話が5つ。
ちょっと篠田さんの今までの作品とは雰囲気違うかんじでしたが、まあまあ
楽しめました。


<ミストレス>
麻酔医の貴之は、妻とコンサートに行き、疲れからかウトウトしながらも不思議な
情景を見る。その場には居ないはずの演奏者の女性の姿を後日、折に触れ思い出す。
そして、その正体を知る。


<やまね>
恋人が居るのに、恋人の友人女性-・結衣と関係を持つ翔。
結衣は身長141cm、いつも眠そうで体力がなく、体は冷たい。


<ライフガード>
新婚旅行先のタイで、亡くなったと聞いていた元恋人とウリふたつの男性を見かける。
彼はタイ人で名前も違った。
ホテル近くの海でライフガードとして働いている。


<宮木>
ジャーナリストとして近隣の部族地域を移動しながら10数年現地の反政府武装勢力と
行動を共にしていた勝太郎。
共に行動していた通称・ヤスミンという女性の死を機に12年ぶりに帰国。
妻が住むマンションに帰るが、妻の容姿も周りの雰囲気も様変わりしていた。


<赤い蕎麦の実>
アルコール依存症から立ち直るために参加した農業活動。
そこのリーダー的存在の女性・岡野と知り合う。
そして彼女の背後には、ある宗教団体の影。



表題作の「ミストレス」は、なかなか雰囲気があって良かった。
ミストレスとは?愛人の意味もあるそうですが、
ここでは、コンサートミストレスのこと。
コンサートマスターの女性版をそう呼ぶそうで、オーケストラの主席奏者の
意味だとか。
なるほど・・・ひとつ勉強になりました^^;

官能的な話が多いなぁ~と思ったら、そういう趣向のものを書くという元で
書かれた作品たちだったとか。
ちょっと篠田さんの作品には今までなかったかんじで違和感ありでしたが
まあまあ全体的には面白く読めました。

「やまね」と「ライフガード」が個人的には面白かったかな?

しかし、篠田さんには、やはり長編作品を読ませていただきたい。


                            ★★★

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発行年月:2013年9月


 もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために--。

名手・吉田篤弘が贈る、おかしくく哀しく奇妙で美しい、
色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。

                       (文藝春秋HPより)


8つの短編集+あとがきのようなお話。

<ガリヴァーの帽子>
測量士のFの話。
祖父~父と受け継ぐ額の真ん中の1本の角。
角に導かれるように向かった小さな島国。


<イヤリング>
丸の内の古びたビルにある十文字(という名前)の相談所。
無くしたイヤリングを探してほしいという女性。
十文字の思いつきで、女性のイヤリングを見つけたことにする梶。


<ものすごく手のふるえるギャルソンの話>
手がふるえることを悩むギャルソンに「あまり深く考えるな」と忠告するお客。


<かくかく、しかじか>
奇妙なシャンパンの会話


<ゴセンシ>
40歳のわたしは、コピーライター。
今度、ミートソースについて書こうと思いつく。
そして高校生の頃の友人・ゴセンシとの思い出が蘇る。


<御両人、鰻川下り>
女房と言う名の男と、知り合い、川下りをしながら鰻を食べる。
そこで出会った首肯。彼の体験である首だけになる話を聞く。


<名前のないトースターの話のつづき>
別れた彼女が置いていった外国製の洒落たトースターについての話。


<孔雀パイ>
料理長の十二(名前)と小説家の私。
お互いの才能を認め合った仲。


ロイス・レーン相談所の話のつづき----あとがきにかえて



相変わらず不思議な話ばかり。
童話のようなSFのような・・・なんとも類なき独特の雰囲気の物語たち。
よく分からないものが多いのに、何故か、好きなんだなぁ~。
よくわからなくても心地良いからよし。

「イヤリング」「ゴセンシ」「名前のないトースターの話のつづき」は
そんな中で、比較的、物語として分かりやすく面白かった。

しかし、変わった名前が多く登場したっけ。
単なる呼び名のものもあるんだけれど。

装幀もイラストもいいなぁ~。
1冊丸まるが吉田篤弘・浩美夫妻の作品なんですね~。


                          ★★★



発行年月:2004年11月

デビュー作がブッカー賞候補に。サマセット・モーム賞、ベティ・トラクス賞受賞の傑作長篇。

イングランド北部のある通りで、夏の最後の一日が始まる。夕刻に起こる凶事を誰ひとり知る由もないまま――。通りの住人たちのいつもと変わらない一日が事細かに記され、そこに、住人の一人だった女の子の三年後の日々が撚りあわされてゆく。無名の人々の生と死を、斬新な文体と恐るべき完成度で結晶させた現代の聖物語。

                    (新潮社HPより)


とある通りに暮らす人々の日常が、時間を追って語られる。
どこかで人々をじ~っと観察しながらいる感じ。
人々が普通の日常を送ったある日の夕方、何らかのよくない事がその通りのすぐそばで
起きる。
何が起きたのか?知らされず・・・・終盤まで。
よくない何かが起きても、その後、再び人々はいつも通りの日常を送り
その様子がまた詳細に語られる。

そんななか、通りの22番地にかって住んでいた女の子の、そのよくない出来事の
3年後の日常が語られる。
今は別の場所で暮らすその女の子。
かつて通りの18番地に住むドライアイの男の子・マイケルと再会し、自分の今の悩みを打ち明ける。
家族にもまだ話せていない悩み。
マイケルの助けをかりて、両親にあることを告げに行く。

通りには双子が2組?
そして・・・・最後、また新たな双子の誕生!

3年前に起きたよくない出来事も人々の起こした奇跡によって事なきを得ていた。
その奇跡と言っていい事実は誰にも気づかれないこと。

なるほどね。。。。

今、普通に生活している自分も気づかないけれど、多くのいろいろな奇跡によって
成り立っている事なのかもしれないなぁ~。


なかなか深い話でした!!

読むとタイトルの意味に納得です!


                           ★★★★



発行年月:2009年4月


 キョウコ45歳。独身。有名広告代理店に勤務していたが、おべんちゃらとお愛想と夜更かしの日々から解放されるため、早期退職を決行!都内のふるい安アパート(家賃3万円台!)「れんげ荘」に引っ越しし、月10万円で暮らす貯金生活者となった。そのアパートには、60歳すぎのおしゃれな女性、クマガイさんや、職業“旅人”で外国人好きのコナツさん、暴力割烹で働くサイトウくんなど、個性豊かな人々が暮らしていた。冬はすきま風、梅雨時はカビ、夏は蚊などと闘いながらも、鳥の声、草の匂いをかぎ、丁寧に入れたお茶やコーヒーを飲む・・・・・・。わたしたちが忘れかけている、静かでおだかやで、時にささやかな事件がおこる暮らしを暖かい眼差しで描く長篇小説。

                         (角川事務所HPより)


月10万円での貯金生活かぁ~。
独身なら可能かな~?
こんな風に生きるのもいいかもね。

格安アパートの住み心地は・・・夏は虫に悩まされというところで、わたしは断念(;O;)
トイレとシャワーが共同というのも無理かも。。。。
しかし、隣に住むクマガイさんとの交流は、ほのぼのしていていいな~。
ちょっと不思議なコナツさんも悪い人じゃなさそうだし・・・。
サイトウくんは実家で暮らすことになって出て行ったけれど
もう登場しないのかな?
暴力割烹でめげずに修行したのだから、料理人として成功した姿を読みたいと
思うのだけど・・・・・

続編を楽しみに待ちましょう。
(図書館本で順番待ち・・・・^^;)

しかし、こんな母親、鬱陶しいね~。
お兄さん夫婦と、その娘・レイナちゃんが優しい気遣いの出来る人なので
救われるけれど・・・。


群さんの作品、このところ続けて読んでいるけれど、楽しいな♪
過去の作品もいろいろありそうなので、読んでみよう。


                          ★★★




発行年月:2010年11月


すべてが、この時、つながった。
錨を上げよ----後世必ずや日本文学史上に残る、怪物的傑作。


なぜ自ら嵐に飛び込むのか。それとも、この男が嵐を呼び寄せるのか。
大阪を 飛び出した又三は、東京へ、そして日本最北端の地へ------
予想もつかない大展開!又三の航海に終りはあるのか!

16世紀の悪漢小説(ピカレスクロマン)を現代の日本を舞台に蘇らせた
途方もないエネルギーに満ちた物語。感動の最終章!

作田又三、24歳、すべてをなげうち、大阪を飛び出した。
何の目的もあてもない。
「どこかへ行きたかっただけだ。行く先などどこでもよかったのだ」
昭和50年代の東京を漂流した又三は、ついに北海道根室に立つ。
緊迫する北方領土の海に跋扈する特攻船!
又三の航海に暴風が吹き荒れる!
果たして錨を下ろす「終着の港」にたどりつけるのか?

                 (講談社HPより)



下巻も長かったぁ~。
疲れたぁ~。
こんなに疲れる話は始めてかも~。
内容は面白いのだけど、又三の人生、破天荒なことばかり。
それも次々と・・・・終りのないジェットコースターにずっと乗らされているかんじ。

大阪を飛び出して、東京の弟・竜之介の元を訪ね、彼が一番兄弟のなかで優秀だったけれど
なんだかちょっといけ好かない金持ちになってたのはガックリだったなぁ~。

三男の剣之介も、優秀だったのに大学受験からコケて、ちょっと転落人生というのも・・・。
末っ子の正樹も成長したら不良街道まっしぐらだし・・・^^;
又三の破天荒さに比べたら、他の兄弟の人生なんて平凡に見えるけど。


いろいろな女性と出会い、恋をして振られて。。。。の繰り返し。
でも行きつけの飲み屋のママだった白武久子や遊びで通ったビリヤード場の店員・宇野保子
には、自分から別れを告げる。

ハチャメチャしていても好きになった相手の過去や過ちは許せない男なんですね~。


最後は何か劇的なことが起きるのか?と思いながら読んだのに
う~ん、ちょっと肩透かしな終わり方。

考えてみればこんなに色々なことがあったのに、まだ30歳くらいなんだよね~。
まだまだ彼の人生は長く続く。
こんな調子で人生続いたら、疲れるなぁ~。
読むだけで疲れたもの・・・・^^;

でも感動できる何かが欲しかったな・・・。



                           ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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