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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年9月


 もう二度と会うことはないでしょう。
46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ――
「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰!
大反響の毎日新聞朝刊連載に、大幅な加筆修正を施して書籍化。

                   (毎日新聞社HPより)


ああ、面白かったぁ~!
専業主婦の森村朋美46歳。
夫・浩光と息子(健太・優太・)2人の家族4人の生活。
夫は家計の一切を取り仕切り、朋美は生活費20万を受け取るだけ。
通勤の足がわりは朋美の運転する車。
次男の優太はゲームばかりやっていて部屋から殆ど出てこない。

朋美は誕生日のディナーを某レストランに4人で予約するが、次男は行かないと。
3人で出かける事にしたのがけど、車の運転は当然、朋美という態度の夫。
腹が立ったが、車じゃないなら行かないと言う長男。
仕方なく朋美が運転手で向かう。
駐車場が長蛇の列。男二人は用事を済ませたら直接レストランに行くからと
サッサと車を降りてしまう。
やっとレストランに着き、食事になるが、その料理に文句を言う浩光。

何もかもがイヤになり、朋美は「先に帰る!」と店を出る。
が・・・そのまま車で家出しよう!と決断!


最初から、面白かった!
朋美の受ける家族からの屈辱に一緒に怒りながら、家出は当然でしょ?がんばれ~!と
いう気持ち。

旅をする朋美側の物語と残された家族側の物語が交互に語られ、朋美は
どうするのかなぁ~?悪いことに巻き込まれたりしないだろうか?と心配しつつ。
そして車を盗まれて・・・ああ、嫌な展開になっていくのかしら?と
恐々読んでいましたが・・・・救う神あり。
でも、この人たちとの間に何か起きるってこと?とまたまた恐々読み続け
ラストは、予想外の結末でしたぁ~。

心配するほどの大きな事態には至らず、ホッ。
もっと凄いことが起きると、半分期待しましたが、まあ、よかった・・のか?^^;

読ませる力はさすがの桐野さんでした!!


                         ★★★★


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行年月:2013年9月

      「それが、それだけが、私の唯一の望み──」

ある一つの望みを未来に託し、ジョルジュ・サンドは永遠の眠りにつく。その昔、彼女は滞在していた古城で美しいタピスリーに魅入られた。そこに描かれた貴婦人が夜ごとサンドの夢に現れ、震える声で語りかける。「お願い、ここから出して」と──。「貴婦人と一角獣」に秘められた物語が今、幕を開ける。

                    (NHK出版HPより)


1冊丸まるアート作品という感じで、素晴らしい!!
原田さんの美術関連の本は良いですね~。

作家のジョルジュ・サンドの物語を描きながら、サンドが以前滞在したフランスの
古城・ブサック城の壁に掛けられていた6枚のタピストリーに出会い
そのなかに描かれている貴婦人との関わりが、その後、ずっと続く。

タピストリーのなかの貴婦人の物語が哀しく美しい。

何度も美しいカラーの図版を物語を読みながら、見つめた。

実際のジョルジュ・サンドの短編も収録されていて
サンドがこのタピストリーにどれだけ心を奪われたのかがわかる。


美しい美術品に纏わる物語、今後も期待しています!!


                        ★★★★★





発行年月:2010年8月


本当に幸せなのは誰か? 現代のおとぎ話7篇
シンデレラ、白雪姫、みにくいアヒルの子など代表的西洋童話を現代日本に置き換えた短篇集。童話の結末に疑問を抱く著者が見つけた、それぞれのハッピーエンドとは? 泉鏡花文学賞受賞後第一作。

                     (集英社HPより)


初読みの作家さん。
西洋童話のなかでも馴染みの深いものを日本版にした物語たち。
こうして考えると童話のなかの主人公たちって、みんな理不尽な目に遇っている
んですね。


<迷子のきまり  ヘンゼルとグレーテル>
母子家庭の兄と妹。
母親は酒びたりで子どもたちに暴力をふるう。
家に帰りたくない二人は家出する。
「こどもにひどいことをする奴は殺しちゃってもいい」


<鵺の森   みにくいアヒルの子>
小学校時代の同級生に偶然、出会う。
彼は同級生にいじめられていた。自分もいじめる側だった。
そして、当時の鵺の森の伝説を思い出す。


<カドミウムレッド   白雪姫>
以前美大生だったわたしは、今はその学校の事務をしている。
叔父が画家でその妻・美智子は、わたしの絵の先生だった。
美智子先生の嫉妬心が怖い。


<金の指輪   シンデレラ>
親の莫大な財産を分けて貰い、働かなくても悠々自適な生活が出来るが
金持ちであることは知られないように生活をしている。
子どもの頃に習ったピアノ教室で出会った女の子のことが記憶に強く残っている。
父親が亡くなった後、一度家を訪ねてきてくれたそうだけど、会えず。
そのとき、彼女のものらしい金の指輪が落ちていた。
それを大事に持っている。
その指輪はとても小さいサイズ。
そして、ある日、伯母の家に介護ヘルパーで来ている女性と知り合う。

唯一、この短編集のなかで、温かい気持ちになれたお話。


<凍りついた眼   マッチ売りの少女>
売春宿で働かされている少女。
箱のマッチをお客を取るたびに燃やし、全部のマッチを燃やし尽くしたら
自由にしてあげると雇い主の老婆から言われている。

う~嫌な話でした。


<白梅虫   ハーメルンの笛吹き>
梅についた虫を退治する鈴を借りる。
恋人とふたりで育てている梅に鈴の効果で虫が居なくなる。
鈴を貸してくれた女性に嘘をついて、鈴を返さずにおくと恋人の体に湿疹が広がってきた。


<アマリリス  いばら姫>
83歳の祖母は認知症。
さやちゃんと呼ばないと巧く会話が成立しない。
20歳以上年上の妻子持ちの男性と不倫をしている、わたし。
祖母の姿を見ながら、自分のこれからを考えるわたし。

この話もまあまあ良かった。
後味悪い話も多かったけれどなかなか面白い短編集でした。


                        ★★★





発行年月:2013年10月

震災直後のスーパーマーケットでの強欲おばちゃんに辟易、「クツ」を「クソ」と読み間違えて自己嫌悪、「一つ買ったら三つ捨てる」を習慣にして物減らしに挑戦、黒い網タイツの女子学生に吃驚、親子の因果を改めて確認、インターネットの罵詈雑言に憤然、エンディングノートの書き方に逡巡。生きてると何かとあるけれど、控えめな気合いを入れて、淡々と暮らしていこう。我が道をいけばいい。―人生の視界が広くなるエッセイ。

               (BOOKデータベースより/幻冬舎)


群さんは常識人なので、安心して読める。
そして共感することばかり。
最初の「正しいおばちゃん」には、読みながら群さん同様の怒りが・・・。
震災後の物資の流通が滞ったときの話。
自分さえよければと言う考えからか、買いだめに走る人たちの姿。
ああ。イヤだ。
規定の数以上を買おうとして店員に注意されても文句言うなんて
信じられないわ~。

まだまだ共感した話は沢山あったけれど、最近の成人式の着物の着方。
そうね。わたしも同感。
着物はまあ、安いぺらぺらの物しか用意出来ないのなら、それは家庭のお財布事情も
あることだから仕方ないにしても、髪とお化粧が夜の商売みたいなかんじは
イヤだなぁ~と思ってました。
再来年は我が家の長女も成人式ですが、清楚なし上がりになるように
してあげたいものです。

しかし、群さん、年老いたお母様と弟さんのためにご自身のお金を結構、使って
らっしゃるのね?
驚いちゃいました。
そして、ちょっと気の毒になったわ。
あっけらかんとその辺も書いているけれど、絶対弟さんより先に死なないで!!
なんて思っちゃいました。


猫好きにも嬉しい話もあれこれ。
昼間に猫の集会に遭遇した話が羨ましい!!
わたしもそんな集会に遭遇してみたいなぁ~。


                       ★★★

 



発行年月:2013年3月


週刊文春の好評連載2012年分をまとめたエッセイ。
被災地支援から写真集発売、文士劇出演までアクティブな
日々を綴る。

                   (文藝春秋HPより)


真理子さんの文章はいいね。
小説も好きだけど、エッセイも良い。
自分の日常をあれこれよく書いてくださる。ファンには嬉しい♪
ダイエットは相変わらず続けていらっしゃる様子・・・^m^

今回のエッセイ、結構、ご主人の悪口が多かった?
結婚当初の優しい面差ししか浮かばないので、え?案外冷たいのね?とか思っちゃいました。
車を運転するとき怒ってばかりとか、ああ、イヤだわ~。
真理子さんよく耐えてらっしゃる!
ご主人に頭が上がらない風な様子は、なんだかとっても可愛らしい。 
こんな人気作家さんなのにお高くとまった感じがしないのがいいのよね~。


最後の雅子さまの20年間を考えるお話は、共感すること多々。
わたしは紀子さまも好きですが・・・・
雅子さまのお立場を考えるといろいろな心労がおありでしょうね・・・。
国民の一人として今後の皇室がどうなっていくのか少々気になりますが
温かく見守るしかないですね。


エッセイのなかにあった医療小説を週刊誌に連載中の作品『平成版白い巨塔』
早く読みたいな。
単行本化はいつごろだろうか?


                        ★★★★
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