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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年9月


天下は豊臣から徳川へ-------

伊賀を追い出された"ニート忍者”風太郎の運命は、
ひょうたんのみぞ知る?

万城目ワールド全開の大長編

              (文藝春秋HPより)


746頁の大長編!!
いや~面白かったぁ~。


とある失敗から伊賀を追い出され、京都のあばら屋で一人のん気に、
その日暮らしを送っている風太郎。
一緒に伊賀から出た忍仲間の相棒・黒弓はほかに行くところがあると
別れていた。
が、ある日、ひょこり現れる黒弓。
何やら南蛮からの品物を手に入れ、それを売るという商売をしているとかで
羽振りがいい様子。

そして、黒弓が持ってきた、ひょうたん30個。
そのうちの1つに宿るのは、因心居士と名乗るもの。

ひょうたんを先ずはひょうたん屋に運べという。
それから物語は、あれよあれよと進んで、大阪城のなかに忍ぶこむという仕事まで
請け負うことに。

時代小説なのに、あまり歴史的な人物は登場しない。

高台院屋敷に忍び込んだねねと風太郎たちとのやり取りは、楽しかったけど。
秀吉没後の豊臣家は秀頼の時代。
大阪城の主である秀頼は、ちょこっと登場。


前半は、のらりくらりとした感じだったのに、強敵・残菊との終盤の闘いは
壮絶だった。
映像では見たくないくらい酷い。

風太郎よりずっと強かった者たちがどんどん最後の方で先に死んじゃって・・・(/_;)

風太郎は最後まで、命賭けで守るべき者を守った。

ちょっと最後は切なかったな~。

今回は、お気楽な雰囲気で終わらせらない話だったから仕方ないけれど・・・。


万城目さん時代小説もいいですね。
今度はもう少し、平和な時代物を書いてほしいな。


                          ★★★★




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発行年月:2013年5月

黄色いアサガオだけは追いかけるな-------。
この世に存在しない禁断の花をめぐり、驚愕の真相が明らかになっていく長編ミステリ。

                    (PHP研究所HPより)


久しぶりの東野作品。
面白かった!!

物語の伏線が気持ち良いほどに繋がっていくのは、気持ち良かった!
最初は、バラバラの話なのですが、これはきっと後で繋がると
思うと、一文字も漏らさず頭に収めようと読み続けました。


今回の事件の鍵は、黄色い朝顔。
この世に存在しないはずの花。
その花を育てていた、秋山周治が何者かに自宅で殺害される。
第一発見者は、孫娘の梨乃。

祖父の死の真相を知りたいと思う梨乃に接触してくるのが、蒲生蒼太。
梨乃は、元水泳のオリンピック候補者。
蒼太は、原子力を学ぶ大学院生。
お互いの立場に共感するものがあり、協力して事件の真相を探っていく。

そして、蒼太が10代のころ、朝顔市で知り合った伊庭孝美の存在。


真相を追ううちのわかってきた伊庭家と蒲生家の黄色い朝顔を巡る秘密。


事件の真相は、ああ、そういうこと・・・・と納得。

事件の真相究明にも興味あったけれど、梨乃と蒼太が自分たちの
これからの生き方をこの事件をきっかけに考え直し、それぞれが
前に進もうと決めたことが嬉しかった!!


余談ですが・・・文中、自分と同性同名の名前が出てきて一瞬、ドキッと
しました。
被害者側で命は助かったみたいなので、良かった^^;


やはり東野さんは巧いなぁ~と改めて感じた作品でした!!


                         ★★★★★



 




発行年月:2013年9月


 スペイン内戦下。片田舎の小さな村にも戦争の影は忍び寄り、じわじわと村人の生活を侵していき、やがて悲劇が訪れる。 戦争の本質を、読む者に静かに訴えかける。

                (福音館書店HPより)


物語は1930年代のスペイン内戦が舞台。
田舎の村でのどかに暮らしている人々。
遠いところで戦争が始まったらしいと聞くが、人々の暮らしは最初は
いつもと変わらず。
しかし、徐々に、品物が村に入って来なくなり、日常が少しずつ変化していく。
そして、ついに兵士が来て・・・・

ヒタヒタと忍び寄る恐怖がありました。
怖かった。

児童書ですが、これは大人が読んだ方が、戦争の始まる恐怖を感じられるかも。

主人公の少年の目からみた戦争を読みながら一緒に体感していくかんじ。

ラストは、なんとも残酷。

でもこれが戦争なんでしょうね。

イラストもとても迫力あるタッチでした。


                          ★★★★




発行年月:2013年11月


 「あの日、ちょっとだけ意地悪をしたんだよね、朝。春さんに。ごめんね、こっそり食卓にうなぎを出して、仲直りをすることもできない――」「大切なのは仕事ではなくて家族、とりわけ妻の久里子なのだと思い知らされることになった。何回生まれ変わっても、俺、また久里子と結婚する。決めた。約束する」――〈妻を失った夫〉と〈夫を失った妻〉の、それぞれの世界から、ふたりのかけがえのない大切な瞬間を紡ぐ究極の夫婦愛。大切なひとをなくした人に、そして、今、大切なひとがいる人にぜひ読んで頂きたい、人生の愛しさを描き切った書き下ろし長篇。

                (角川春樹事務所HPより)


一組の夫婦・春生と久里子。
最初の章は、妻の久里子の一周忌の場面から。
そして亡くなったときのこと。
妻は、病に倒れたあと、あっという間に亡くなったという。


そして、次の章では、夫の春生が亡くなった設定。
春生は帰宅途中の駅で倒れ、搬送先の病院で息をひきとった。


夫婦それぞれが、お互いを喪って思うこと、その後の生活を交互に描く物語。

両者ともそれぞれを思う気持ちは変わらない。
そばに居ないことが寂しく、思い出して、あのときこうしていれば・・・なんて考えたりしている日々。
でも、やはり女性の方が前向きなかんじかな?
同じように喪失感は抱えているのだろうけど、妻の方が明るい。
夫はメソメソしてる。


でも、やはり死は誰にでも訪れるものだし、ある日、突然かもしれない。
毎日を丁寧に生きたいなと思わせてくれる作品だった。


                          ★★★



発行年月:2013年11月


豊後(ぶんご)・羽根藩を舞台に”再起”を描く入魂作!

どん底を、なお生きてこそ--------
落ちた花を再び咲かすことはできるのか?
襤褸蔵(ぼろぞう)と呼ばれるまでに堕ちた男の不屈の生き様。

生きることが、それがしの覚悟でござる-----
俊英と謳われた豊後・羽根藩の伊吹櫂蔵は、狷介さゆえに役目をしくじり
お役御免、今や”襤褸蔵”と呼ばれる無頼暮らし。
ある日、家督を譲った弟が切腹。
遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。
前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の
際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を
促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固めるが・・・。

              (祥伝社HPより)



才能がありながら、ちょっとした不運でどん底生活をすることになった
伊吹櫂蔵26歳。
家族もやや複雑で、継母・染子とはそりが合わず、弟・新五郎に家督を譲っての
浮浪者生活。
隙間風が入りこむ廃屋での怠惰な生活を送り、唯一の癒しは、飲み屋でお芳の
料理をつまみながら酒を飲み、ときにはお芳を金で買う。

読みながら。。。。ああ、早くまともになって!と思うのですが、そのきっかけに
なることは、辛いこと。
家督を譲った弟が切腹したという知らせ。
腹違いの弟・新五郎がその前日、訪ねてきて、櫂蔵に告げたことばがじ~んと
蘇ってきて泣けました(/_;)。
新五郎は、櫂蔵のことを尊敬していたと。

弟の切腹には藩の裏切りがあったと知る櫂蔵。
飲み屋のお芳の店で知り合ったもと大店の大番頭・咲庵を家士に、お芳を
妻として屋敷に戻る。
が・・・最初は継母・染子は、お芳を妻とは認めず、女中として屋敷に留まる。

お芳の優しい気遣いに心を開き始めた染子だったけれど・・・・
ああ、またまた事件!!
辛いなぁ~。
井形清左エ門、なんて悪い奴!(怒)。


染子も事件後、動く。
井形の悪事を公にするために・・・。
おぉ~そんな繋がりを持っていたのか!?とややびっくりでしたが・・・^^;


最後は、事の真相が明るみに出て、めでたしめでたし。
けれど、お芳さんは生きていて欲しかったなぁ~。


やはり葉室さんは、実在の人物の伝記がらみのものより、こういう話の方が
いいな。個人的な好みですが・・・。


                         ★★★★
 
 
  
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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