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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年11月

主人公の幹は赤ん坊の頃、浜辺でわかめにくるまっているところを拾われた。大平家の家族になった幹は、亡き祖父が始めた実家のB&Bを手伝いながら暮らしている。美しい自然にかこまれた小さな村で、少し不思議なところもあるが大好きな家族と、平凡ながら満ち足りた暮らしをしていた幹だったが、ある日、両親が交通事故に遭ってしまう。大事にはいたらなかったが、それから家族が不気味なうさぎの夢をみたり、玄関前に小石がおかれたりと奇妙なことが続くようになる……。

神聖な丘に守られた小さな村。みなしごの主人公が手にした“幸せの魔法"とは?
この美しい世界に生きる希望を描ききった著者の最高傑作!
待望の最新小説。

                   (毎日新聞社HPより)


ちょっと不思議な話だけれど、読んでいて心地よかった。
主人公の大平幹は、海辺に捨てられていたのを大平家に拾われた。

両親のほかに、祖父と父の弟・章夫おじさん。
祖父はイギリスに住んでいたことがあり、そのときのことが忘れられず
美しい自然に囲まれた土地でB&Bを経営していた。
祖父が亡くなり、叔父さんも亡くなり今は母親が食事の世話をし、幹も手伝う。
母親の提供するフィッシュ&チップスはなかなか好評。

読んでいると、風景が目に浮かんでくる。
いいなぁ~のどかなかんじ。

しかし、大平家のすぐ横にはちょっと変わった人が住んでいた。
今は廃墟となったその家は、不気味な様相。


でもその廃墟に幹の友人・野村くんが引っ越して来る事に。
二人は30半ばになるが、子どもみたいな会話が微笑ましい。
野村くんは奥さんを病気で亡くして独り。


幹は夢のなかで、野村くんの奥さんに出会い、彼とのことを聞く。
同じく夢で若いころのおじいさんに会ったりする。

夢と現実がうまく絡み合って現実の生活の疑問点が解決していく様が
愉快。

人は亡くなっても、現実に生きる人のなかで生きていけるのだなぁ~
なんてことを思った。

あとがきで、ばななさんがお父様を亡くされて悲しくて仕方なかったときに
そんな気持ちを忘れるために一生懸命書き続けたとか。

そんな精神状態でもこんなステキな物語が書けるって、すごいな。

表紙の絵もすごく好き♪


                 ★★★★★



 
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発行年月:2013年11月


 恋人の春妃を失って以来、心に深い痛みを抱えてきた歩太。家にも学校にも居場所がなく、自分を愛せないで育った少女・茉莉。傷ついた二つの魂が惹かれあう…。天使の卵から20年、感動の最終章!     

                    (集英社HPより) 


ああ、天使シリーズも最終章かぁ~。
「天使の卵」 「天使の梯子」 「ヘヴンリー・ブルー」と読んできて
「天使の卵」で、19歳の予備校生だった歩太も30歳になったんだなぁ~。
絵を描くことを続けていたのも嬉しかった!

いろいろと傷ついて悩み続けての歩太が、この「天使の柩」では
15歳の家にも外にも居場所がない少女・茉莉にとって救いの人物となっていく物語。

歩太と共に同じように悩み続けた夏姫も、大きく成長して同じように茉莉を
温かく見守る。

傷ついて悩み続けた過去があるから、茉莉のSOSにも気付けたんだろうな。
SOSに気付いて貰えた茉莉は幸運でした!


これでおしまいなのかな?天使シリーズ。
歩太と茉莉のその後もちょっと知りたい気もするんだけど・・・。


                            ★★★★



発行年月:2013年8月

簪職人の源二郎と元銀行員の国政は、ふたり合わせて146歳の幼なじみ。ふたりを中心にまき起こる、人情味豊かで心温まる事件の数々。下町を舞台に繰り広げられる人情物語。三浦しをん、新境地!       

                  (集英社HPより)


つまみ簪職人の堀源二郎と大学卒で元銀行員の有田国政。
幼なじみじゃなければ、友だちにはならなかったと本人たちが言うとおり性格は大違い。
けれど、二人の関係は最高~!!

源二郎は、妻が40代の若さで亡くなり、子どもはなし。
国正は妻との間に2人の娘がいるが、妻は長女の家族の元にある日、突然
行ってしまった。
二人とも一人暮らし。
けれど、源二郎には、20歳の弟子・吉岡徹平が毎日そばに居る。
そんな師弟関係を羨ましくも思う国政。


娘家族と暮らすようになった妻・清子の元に訪ねて行っても自分の居場所がなく
落胆する国政だったが、徹平の結婚式の仲人を頼まれ、清子に必死の説得を
続ける。
毎日、葉書で説得の言葉を書き続け、自身の今までの行いも反省する国政に
清子の気持ちも少しほぐれていく様子が微笑ましかった。

最後の結婚式の場面は、温かくユーモアがあって最高でした!!

清子は、まだ帰って来そうにないけれど、前とは少し違った関係に
なれそうだし・・・。

挿絵のイラストで見ると、政も源も格好いい!
まだまだ70代は若い!

続編あれば嬉しいな。


                          ★★★★
 




発行年月:2013年11月


 
あたしは猫であると同時に、音楽なの。
ねえ。あたしのメロディが聴こえる?

黒猫のクロエ、ゴールデンレトリバーのジュディ、
ドールハウス製作に打ちこむ栞、イラストレーターの優喜。
Cat Meets Dog そして、Girl Meets Boy──
いま、奇跡のような物語が、生まれる。

「ついに会っちゃいましたね」栞が冗談めかした調子で言うと、
「そうですね」優喜はうなずいたあとで、数秒の後に、
「やっと会えた」まるで運命の恋人に囁くみたいな科白を、
おそろしく無造作でありながら、
それでいて、掛け値なしに優しい声で言った。(本文より)

イノセンスは永遠だろうか。
ボリス・ヴィアンの『日々の泡』に捧げられた、
限りなく優しくて哀しい、どこか不思議な、GirlとBoy、猫と犬の物語。
                                       (祥伝社HPより)



ひょんなことから犬・ジュディのいる一軒家に住むことになった広瀬優喜(33歳)。
フリーランスのアーティスト。
一軒家を紹介してくれたのは、カフェを営む田中曜子。
一軒家の持ち主である家族とはそのうちの長女・日登美と友だち。
日登美たち家族は海外で暮らしていると聞くが・・・

そして、カフェの常連客の一人、遠山栞(31歳)は、黒猫のクロエと共にいつも居る。
クロエは元ストリートチルドレンだったらしい。


優喜とジュディ。栞とクロエ。
優喜も栞も失恋した相手への想いをちょこっと引きずっているかんじ。
人間同士の関わりと共に、ジュディとクロエの心理描写も描かれるのが
楽しかった。

犬とか猫って、こんな風に飼い主のことを、よ~く観察してるのかな?
人間の言葉で喋らないからわからないけれど、結構、深いところまで理解してたりして・・・。
今、犬とか猫を飼ってる人には楽しい物語でしょうね~。
ああ、また猫が飼いたくなってくる~(笑)。


しかし、ジュディは前の飼い主の日登美ちゃんのことを深く愛しているんだな~。
離れていてもこんな風に思ってくれていたら、日登美ちゃんも嬉しいだろうな。
再会できる日が来るといいな。


楽しい物語でした♪


                         ★★★



発行年月:2013年10月

待望の初エッセイ集!
――“宮下奈都”を形作るもの、すべてがここにある――

迷いながらも真摯に生きる登場人物の姿を、瑞々しい文章で丁寧にすくいあげる作風で、初の単行本『スコーレNo.4』刊行以来、静かな、けれども熱い視線を注がれ続けてきた著者。3作目の単行本『よろこびの歌』では、登場人物たちの成長が共感と注目を集め、シリーズ化を望む声に応え2012年に続編『終わらない歌』が上梓された。2011年刊行の『誰かが足りない』が2012年本屋大賞の第7位に選出されるなど、書店員からの熱い支持を受け、新作を待望される気鋭作家のひとりである。

単独の著書として10冊目にあたり、『終わらない歌』以来1年ぶりとなる本書は、著者初のエッセイ集。小説を書く理由、自著の創作秘話、三人の子供たちを愛おしむ日々、大好きな本や音楽と共にある暮らし……。2004年の作家デビュー以来9年間で紡がれたエッセイ81編と、単行本初収録となる掌編小説4編を収める、宮下ファン必携、極上の一冊の誕生だ!
 
                  (実業之日本社HPより)


初めてのエッセイだったんですね~。
小説はいくつも読んで、すごく好きな作家さんの一人。

作家デビューは、37歳で、三番目のお子さんが生まれて間もなくだったんですね~。
結構、大変な時期なのに、だからこそ、書きたいと思ったんでしょうか?

お子さんたちの話も興味深く読みました。
けれど、ご主人との出会いが小説になりそうなくらいステキです!!

付き合っているときに渡したバレンタインのチョコレートを20年経って、
思わぬ形で再び目にした宮下さん。
笑っちゃいました~^m^
ステキだなぁ~。


エッセイの間に出てくる掌編小説4編も、それぞれ良かった!
短いお話なのに、どれも温かい気持ちになれました。

<オムライス>
母子家庭の男の子が公園で拾った本に載っていたオムライスの作り方を
真似て母親のために、作るオムライス。

<あしたの風>
総合病院の会計窓口で知り合った老紳士。
娘の名前と亡くなった妹さんが同じ名前だという。

<ちゅうちゅう>
ちゅちゅうが怖いから幼稚園に行きたくないという妹を同じ幼稚園に通う
お兄ちゃんが懸命になだめる。

<サンタクロースの息子>
サンタクロースになるために家を出た夫。
そしてクリスマスの日、サンタになったお父さんが息子の元へ。


また、こんなエッセイ書いてほしいなぁ~。
ああ、楽しかった(^^)


                          ★★★★★

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