発行年月:2013年9月
超ダメ男「電気ちゃん」に拾われた16歳の家出少女・鳥子(とりこ)。
乳がんの宣告をされた26歳OLの寿寿(じゅじゅ)。
凄腕の料理で男を次々と部屋に誘う38歳バツイチのきみ夜。
男性より女性を愛する超美人ホステス、紫(むらさき)。
「電気ちゃん」という奇妙な縁に引きよせられたのは、生きることがあまり上手ではない女たち。
ひとりぼっちの魂をそっと包み込む五つの物語。
気鋭のスト―リーテラーによる鮮烈な渾身作!
(毎日新聞社HPより)
最初の<電気ちゃん>を読んで次の<歯がた>に進んだら、
全く別の人たちの話になったので「あれ?これは短編集なのか?」と思いつつ、
続けて読んで行くと後半、登場人物たちが次々と繋がり始めた。
<電気ちゃん>だけ、何処かに行っちゃったままだけど・・・・
16歳で電気ちゃんに拾われた鳥子は、電気ちゃんの住むボロアパートで一人で
生活を続けている。
突然、耳の奥から響いてくる音は、治っていない様子だけど
今、周りにいる人たちの中では、逃げ出したくならないみたい。
両親も鳥子の居場所を知っていて、好きにさせてくれている。
同じアパートの住人・きみ夜や
電気ちゃんの知り合いで鳥子のことも気にかけてくれる紫。
それぞれ、抱えるものはあるけれど、鳥子は家族の元で生活していたときより
逞しくなったかんじがする。
でも鳥子がコンビニで出会った<ざらめ>は不思議な存在だったけど、何だったんだ?
奇妙な物語だけど、何とも言えない魅力がある物語だった。
初めて知った作家さんだけれど、他の作品も読んでみたいな~。
★★★★
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発行年月:2013年10月
人生の半ば、迷い抗う大人たちを描く、著者15年ぶりの長編小説!
故郷を飛び出し、静かに暮らす同窓生夫婦。夫は毎日妻の弁当を食べ、出社せず釣り三昧。行動を共にする後輩は、勤め先がブラック企業だと気づいていた。家事だけが取り柄の妻は、妹に誘われカフェを始めるが。
(角川書店HPより)
15年ぶりの長篇だったんですね~。
物語の舞台は三浦半島の端っこ、久里浜。
横浜の京浜急行の景色などが背景にあって・・・・学生時代、近くに住んでいたので
懐かしい思いも少し感じたりしながら読みました。
地元の長野県で、同じ高校の先輩・後輩の関係である佐々井夫妻。
妻の冬乃は夫のことを今でも佐々井君と呼んでいる。
地元では一番優秀な高校を卒業したけれど、家庭の事情で就職を選んだ佐々井くん。
そして、現在は久里浜で生活している。
冬乃の妹・菫も近くに住んでいたけれど・・・住んでいた家でボヤを出して住めなくなり
姉夫婦の元に居候。
仲良く暮らす夫婦とその妹という和やかな雰囲気だったけど、佐々井くんの勤務する
会社の様子がわかると、なんだか重たい雰囲気に。
会社の後輩・川崎哲生が登場して、変わった人だなと思っていたら・・・・
もっと変わったモリが登場。芸能関係のお仕事?
菫の彼?と最初は思ったら、そうじゃないらしく、単なる友だちの関係みたい。
たくさん人が出てきて、少々、混乱したけれど、公園で冬乃が会えば言葉を交わす
所さんが良かったなぁ~。
名前は韮崎和夫なんだけど、所ジョージが年を取ったような雰囲気ということから
姉妹で読んでいる呼び名が「所さん」。
会社が劣悪な状況になり、佐々井くんの後輩・川崎が辞職。
冬乃と菫が始めたカフェを手伝うことになり、モリも時々、経営などに助言して
なんとか良い感じで続くのか?と思いきや・・・・
人生いろいろですね~。
うまく行かないこともあるけれど、色々な人に支えられて人は
何とか前に進んでいけるのだなぁ~なんて感じながら読み終えました。
淡々とある夫婦を軸に描いた人間模様。
でも、いろいろな人が繋がっている雰囲気はよかったな。
佐々井夫婦の今後が明るいものでありますように・・・
★★★
発行年月:2013年9月
センセイ、僕たちを助けてください。
小説家であるセンセイに、少年から謎の手紙が届く。「僕たちはゼツメツしてしまいます」生き延びるための旅に出た2人の少年と1人の少女。でも、彼らはいま、どこに? エミさん。ツカちゃん。ナイフさん。このひとたちは、いったい、誰――? これは物語なのか、現実なのか。全ての親と子に捧げる、再生と救済の最新長編。
(新潮社HPより)
ちょっと変わった形式。
小説家の元に届いた手紙。
それを元に、小説家は物語を書く。
中学二年の少年・タケシが小学校5年生の少年リュウと少女ジュンと共に、
ゼンメツしないための旅に出る。
どれが現実で、どれが小説家が想像力で書いた物語か、多少混乱しますが・・・
3人はどうなるのか?
気になり最後まで一気に読みました。
タケシもリュウもジュンも、みなとても辛い状況にいる。
周りの大人はそれに気付かない。
なぜなら、子どもたちは気付かれないようにしているから・・・。
親としては、それでも気付くべきなんでしょが・・・
親の立場としては、少年たちの親達を責めることは出来ない。
だから、こういう小説を読んで、「生きて!」という思いを理解して
生きて欲しい。
それが一番、辛いことなんだよと言われたら、どう答えていいのか
わからないんだけど。。。
辛いことから逃げてでも生きて欲しい。
本当に辛い物語。
でも、こういう小説は、沢山の子どもたちに読んで欲しい。
★★★★
発行年月:2013年8月
目が覚めると砂漠にいた。
突如現れたのは不思議な電話ボックスだった。
混乱した「僕」がそこで手にした真実は、あまりに不可解で…。
予測不可能な世界を描く傑作長編! 文庫書き下ろし。
(集英社HPより)
初読みの作家さん。
SFミステリーの部類でしょうか?
主人公・田辺志朗に起きた不可解なこと。
ベッドで寝たはずなのに、目覚めたら砂漠・・・そんな馬鹿な・・・
な状況が冒頭から。
灼熱の砂漠のなかに突如、現れた電話ボックス。
日差しを避けるために、入るのだけど、入ることによって何かが起きるのでは?
と警戒しながらの志朗。
中に入って、非常用通話で119番に連絡してみると・・・通じる。
「火事ですか?救急ですか?」
けれど、自分の置かれた場所を特定して貰えず・・・。
そして、同じような状況に置かれた女性と電話で話すことが出来た。
彼女は、海の上。
突然、電話が堕ちてきたという。
物語は砂漠の電話ボックスにいる現在と、過去のパートが交互に語られる。
志朗の周りの人間関係。
家族とのやや込み入った関係。いつも味方でいてくれた姉のこと。
大学で知り合った2つ年上の遠藤桐子とのこと。
社会人になってのこと。
電話ボックスのなかで会話できる、海の上の女性と119番で通じる男性。
男性から知らされる衝撃的情報の数々。
そして、記憶を辿って気付くこと。
さて、最後は志朗、どうなる??
ラストは、なるほど・・・と納得でした。
よくわからないこともあるけれど、十分に楽しませて貰いました!
なかなか面白かった!
★★★★
発行年月:2013年11月
雪踏文彦。
ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。
中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったバーで行動をともにするようになった。
音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こった。
(小学館HPより)
音楽を通じて仲良くなった少年たちが、大人に成長するまでの物語かと思いきや・・・
いやはや、とんでもない結末で、ビックリ!
音楽以外のことには、まったく無関心な雪駄くん。
そんな雪駄君とのことを小説家になった島崎哲が綴る。
最初の出会いは小学校2年生。
幼いころからピアノを習っていた島崎哲は、ピアノを習ったこともないのに自分が弾くピアノ曲を3回聞いた後に、完璧に弾いてみせたことに驚く。
雪駄くんと哲は、一緒に音楽を演奏する日々。
2人が同じ学校に通っていたのは小学校まで。
その後、それぞれ別々の友達ができたりするけれど、連絡を取ったりしながら交流は続く。
ああ、このまま二人が音楽に関わりながら成長するのかな?と思っていたが
哲は音楽は好きでもそれを仕事にすることは諦め、別の仕事に就く。
一方の雪駄くんはピアノを弾き続け、作曲も手がけるようになっていく。
このまま雪駄くんが音楽を作って世間に認められるようになっていって欲しいな
と思っていたのに、後半、登場した津々見勘太郎。
何者?と思っていたら・・・・
えぇ~っ!?
こんな風に雪駄くんに関わって来たのか?
なんだか嫌な結末になっちゃってガックリ(ノД`)・゜・。
途中まで面白かったのにな・・・。
なんだか一気に冷めちゃったな。
雪駄くんが可哀想過ぎる。
最期に何を思ったんだろうな~。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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