発行年月:2013年11月
悲しみが、苦しみが、怒りが、祈りが、そして希望が――
この年、真っ赤な奇跡へとつながった。
原爆が投下され、街が燃え尽きてから30年。弱小球団・広島東洋カープができてから26年。カープの帽子が濃紺から赤に変わり「赤ヘル軍団」となった頃、一人の転校生が広島にやってきた。
1975年、広島カープ初優勝の年。三年連続最下位だったカープは、開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、やんちゃな野球少年のヤスと新聞記者志望のユキオは、東京から引っ越してきた“転校のベテラン”マナブと出会った。マナブは周囲となじもうとするが、広島は、これまでのどの街とも違っていた――。
(講談社HPより)
1975年の広島が舞台。
広島といえば・・・・原爆が世界で初めて投下された地。
8月6日の午前8時15分。
物語は中学生の少年たちが主。
片桐康久・・・父親が亡き後、母親が片桐酒店を一人で切り盛りしている。
店の手伝いも時々。野球好き。
北山幸男・・・新聞記者を目指す。スポーツ記事を独自の取材(片桐酒店のおじさんたちからの
情報が多い)で書いている。
橋本学・・・東京から転校。父親と二人暮らし。父親は楽してお金を稼ぐことばかり
考えているお気楽者。
3人が仲良くなって友情を築く。
父親の儲け話を信じ、ヤスの母親が大損した時の話は、泣けた(/_;)。
ヤスの母親の心の広さには感動。
その思いをどうか、ヤスの父親が理解して、違う生き方をしてほしいな~。
広島の原爆のことにも触れて、今まで知らなかった8月8日の福山空襲のこと。
似島という島に原爆でけがをした人々が船で大勢運ばれ、そこで亡くなった人が
大勢いたということなどを知り、衝撃的でした。
そんな絶望を味わった地でのカープの優勝は、人々にとって大きな希望となったんですね。
あまりプロ野球には興味ないので、野球の解説箇所の部分は、ちょっと
飛ばし読みしちゃいましたが・・・・^^;
この時代の広島のことが、よくわかるお話でした。
ヤス、ユキオ、マナブは、大人になってから再会できたのかな~?
★★★
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発行年月:2013年1月
「選択」に迷う人へ――。芸能界を題材に描かれる、"再起"の物語
「初めてあの音を聞いた時、触れたことのない場所に触れられたようだった――」。情熱を失ったマネジャー、復活に賭ける女優と舞台に招かれる元女優。三人の「運と運命」をわけるものは? 入魂の長編小説!
(角川書店HPより)
芸能界というなかでの人間関係を描いていて、最初から興味深く読めた。
主人公の大崎藍子は、女優・河野みさきのマネージャー。
みさきは離婚後、やや人気低迷の女優。
気位が高く、扱いにくさは業界内では有名。
ほかには、みさきの付き人・今野。
彼女は元は女優志望だったが、女優としてはデビュー出来ず、芸能界で働くためならと
付き人をしている。頭の回転がよく、よく気が付き、付き人としての才能を
周りからは高く評価されている。
それから衣装・小道具係の野沢。
皆、目立たない仕事を懸命にこなし、ひとつの映画やドラマを作るのに
こんなに多く陰で働く人が居るんだ~と思った。
そして、ロケ先の田舎で藍子が見つけた、見た瞬間から気になった親子。
母親の片山愛とその娘・真菜。
愛は、元アイドルとして芸能界に居た経験を持つ。
現在は離婚して、幼い娘と二人暮らし。
愛の父親はアイルランド人。
アイルランドのティンホイッスルを真菜はいつも手にしていて
言葉を話すより、その笛を吹くことで感情を表現する。
登場人物たちの背景にあるものが、どんどんうまく繋がっていく。
巧いなぁ~話の進め方が!
あまり期待せずに読んだけれど、女優としてより作家としての才能がある方なんだと
思った。
テレビのコメンティターとしての活躍もされていて、話すことが
凄くしっかりしているなぁ~と思っていました。
ほかの書も読んでみたい!!
★★★★★
発行年月:2014年2月
ブラジルで起きた、小さな奇跡!
リオデジャネイロに住む15歳のアリコは、初めて一人で映画を見に行った日、帰り道で不思議な少女に出会う。自由奔放なナーダに魅せられたアリコは、だんだんと仲を深めていくが… 。友情と恋愛の成長物語。
(角川書店HPより)
まず、本を手に取って、このカラフルな表紙の絵に惹かれました!
装画は大野 舞さん。
舞台はブラジル。
そこで暮らす15歳のアリコが主人公。
日本人の父親との二人暮らし。
母親はポルトガル人で、母国に帰国後亡くなったらしい。
ある日、アリコは映画館で「世界の始まりへの旅」という映画を一人で見る。
監督は88歳のポルトガル人の男性。
その映画を見たあとで、知らない赤毛の女の子・ナーダに声を掛けられ
誘われるままカフェに同行。
同い年だというナーダは、自由奔放なかんじだけれどなんとなく惹かれるものがある。
その後も急にアリコの前に現れては、いろいろなところに連れて行き
いろいろな人に巡りあう。
そして、ジットという男の子と知り合う。
ジットと親しくなり、好意を抱くが、ナーダは「死んでしまった人だから・・・」と
仲良くすることを反対するような言葉を言われ混乱するアリコ。
ナーダも同じようにジットが好きなんだなぁ~と気づいたら、なんだか
微笑ましい。
同じ子を好きになったら女同士が少し陰湿な関係になるのが常だけど
二人の友情はその後も続く。
そして、終盤、わかった事実。
なるほど・・・・
そして、ナーダの導きで母親の故郷のポルトガルに旅立つアリコ。
そこで出会った母親の親戚たちとの交流。
ラストも素敵だった。
あとがきで、書かれていたブラジルでの著者の思い出話も興味深かった。
角野さんのブラジルでの体験を書いたというデビュー作も読んでみたいな。
★★★★★
発行年月:2014年1月
少女の強く切なる祈りが起こした、やさしい奇跡。
『楽園のカンヴァス』の著者が長らく温めてきた、心ゆさぶる再生の物語。
(ポプラ社HPより)
1995年1月17日(火)午前5時46分52秒
阪神淡路大震災発生。
パン屋さんを営む阿藤家の朝は早かった。
両親はパンの仕込中。
子どもたち3人は、まだ二階の部屋。
そして、突然家が倒壊。
両親は、家の下敷きになり亡くなる。
幼い3人は、その時、足に大けがを負った丹華(にけ)を助けてくれた
お医者さんの養子として育つ。
主人公の丹華(にけ)は当時小学校3年生。
兄の逸騎は小5.妹の燦空(さんく)は保育園の年中。
そんな兄と姉妹が成長していく姿を描いた物語。
震災時の状況は、リアルで胸が痛くなりました。
それを実際に目の前でみて、自分の家族がそこに居るとわかっていながら
助け出せなかった無念な思いを抱えて今日に至る人たちがどれだけいることか?
それを想像したら堪らなくなった。
3人は、幸い、面倒をみてくれる人に巡りあえ両親は亡くしたけれど
ひとりぼっちという孤独は感じずに済んで幸運だった。
実際はもっとつらい状況を経験した人の方が多かったでしょう。
丹華たちの成長過程は微笑ましく、良い物語だとは思うけれど、
やや物足りなさを感じたのは、なぜだろう?
★★★
発行年月:2013年12月
構想10年! “ハイパー・ゴシック・エンターテインメント”堂々完成!
大和文化を信奉する「ミヤコ民」と物質文明に傾倒する「帝国主義者」に二分された近未来の日本。そのミヤコで美青年剣士の紫風が臨む生徒会長選挙で妨害工作が続発。それは第三の勢力「伝道者」の宣戦布告だった!
(角川書店HPより)
冒頭読んだとき、時代物?と思いましたが・・・
これは近未来だったんですね~。
日本は2つに分かれている。
主人公たちは、「ミヤコ民」。
そこで行われる生徒会選挙が大きな意味をもつ。
なぜならそこの生徒会長は、自治大臣と教育省の高官も兼ねるミヤコの権力者の
ひとりだから。
現生徒会長は、春日紫風。
春日家は、ミヤコの中では由緒ある家系。
春日蘇芳と春日萌黄は、紫風の従妹に当たる
いずれも剣の達人。
選挙の候補者は、紫風のほかに2人。
及川道博と長渕省吾。
及川道博は、派手目なスター。
蘇芳と婚約関係?
登場人物たちのキャラクターがしっかりしていて、すぐにイメージが
頭に残るかんじ。
なので、登場人物が多くても混乱せずに読み進められた。
美男美女ばかり。
そんななかでの権力争いの話?
と思ったら・・・・あらら・・・最後はビックリ!
なるほど・・・そういうことでしたかぁ~。
結末の〆はやや脱力でしたが、そこまでの話が面白かったので、こういう話も
いいか?と思った。
しかし、及川光博とか長渕省吾とか、完全に遊んでるぅ~。
こういう遊び心は嫌いじゃないのでOKです^m^
これ、漫画とかアニメ化したら面白そうだな。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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