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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2014年11月

話したかったことと、話せなかったこと──。心の底の思いを物語にした珠玉の作品集。

ことばは、こばとになって飛んでゆき、またことばになる──。少年のはじめての秘密。自分の行く末が不安でたまらなかった頃の夢。少女のゆれ惑う性の兆し。つないだ手の先の安堵と信頼。限りなく近くまで来て、再び遠ざかってゆく死。記憶の底にしまってあった繊細な情感を丁寧に掬って描く『夏の庭』の著者による胸に沁み入る小説集。

                    (新潮社HPより)




6つの短編、どれも良かった。
少し暗く重たい話が多いのですが、文章が綺麗で惹きこまれるかんじ。
いろいろな記憶の物語。

<緑の洞窟>
生まれつき病弱だった双子の弟・ヒロオとの思い出

<焼却炉>
ミッション系の女子高時代、掃除のあと、使用済み生理用品を焼却炉に運ぶ

役目を自分から仕方なく買って出た。
手伝ってくれたカナちゃんとの会話の思い出。

<私のサドル>
母が使っていた自転車を使っていた高校時代の思い出。
好意を持っていた男子が女性教師との噂で退学騒ぎ。
自転車のサドルが慰めてくれた。

<リターン・マッチ>
虐められっこのあいつは虐めている全員にケットウ状を送り一人ずつ
校舎の屋上に呼び出す。
俺は、あいつを巴投げで投げつけ失神させてしまう。
が、それが機になりあいつと親しくなる。

<マジック・フルート>
小学6年から2年ほど、母方の祖父の元で暮らしていた。
祖父のピアノを弾き、ピアノの先生の元にも通わせて貰ったが、先生の姉の
ちょっと変わった網枝さんとの関わりの方が深かった。

<夜の木の下で>
両親が早くになくなり、弟の面倒を見ながら二人で生きてきた。
その弟が今28歳。今は自転車に乗って居たときタクシーと接触し頭を強く打ち
人工呼吸器で静かに眠っている。



どれも主人公にしかわからない心の深いところの記憶を語ったもの。
切なく少し重い話もあったのですが、<焼却炉>は、女性ならではの
体験が綴られていて、なんだか似たようなシチュエーションを体験しているので
懐かしくその時の情景が浮かんで来ました。

表題作は、一番最後。
哀しい結末は嫌だな・・・とドキドキしながら読んでいたけれど
希望が見えるラストでホッとしました!!

文章がとても繊細で美しいと思う作家さん。
ほかの作品も読みたいなと思いました。


                          ★★★★★

 
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発行年月:2014年11月


 「本間は、作中で少年の死体が発見された今日この日まで、少年が死を選ぶなど、露ほども
考えてはいなかった。」
大学院を目指すという名目のもと、亡き祖父の家で一人暮らしをしながら小説を書いている
本間。ある日、その主人公であるモイパラシアが砂漠で死んだ――彼の意図しないところで。
原稿用紙の上に無造作に投げ出された少年の左腕。途方にくれながらも本間が、黒インクが
血のように滴る左腕を原稿用紙に包み庭に埋めようとした時、そこから現れたのは少年が飼
育していたトカゲの「アルタッド」だった……。
幻想的かつ圧倒的にリアルな手触りを持つシームレスな小説世界と、その独自の世界観を支
える完成された文体、そして「書くこと」の根源に挑んだ蛮勇に選考委員が驚愕した「青春
小説」の傑作誕生! 第51 回文藝賞受賞作。

                     (河出書房新社HPより)




最初にモイパライア少年が死んだ話には、???でした。

主人公・本間が書いている作中の人物の死が現実の世界で本間が予期せぬ死と
言われて混乱。

でも、その後の展開は、なかなかユニークで独特な世界観に引きこまれて読みました。

モンパライアは電車に轢かれて、その切断された左腕を本間は持ち帰り、原稿用紙に
包んで庭に埋めようとする。
するとその中から現れるアルタッド。
少年が可愛がっていたトカゲ。
夢のなかでアルタッドを頼むと言われた本間はその通り、アルタッドを毎日
世話する。

爬虫類は好きじゃないので、エサを食べる様子には、ちょっと抵抗ありました^^;
でも、昆虫などのほかにはコーンが好きらしいと気づき、それをあげるシーンは
なんだか和みました。
読んでいるうちにアルタッドも段々、愛おしく思えて来たし・・・・



アルタッドと本間の生活が淡々と語られるほかに特に面白いことが
起きるわけではないんだけれど、最後まで楽しんで読めました。

デビュー後2作目も期待したい作家さんです!


                          ★★★



発行年月:2014年8月


 心理描写の名人上手が、小説技法と男女観察の粋を尽くした、きらめく宝石のような小説たち!

罠と浮気。カネとライバル。煩悶と純心。明けない夜と、白茶けた朝。いつまでも瑞々しい老婆、フェティシズムに目覚めた小学生男子、結婚できないカップル、闇の中で胸をときめかせる政治家――。〈恋ごころ〉という厄介きわまるものを抱えた男たち女たちのミステリアスな心情と希望を描く、作者会心の珠玉短篇集。

                  (新潮社HPより)




ササッと読めて、まあまあ面白かった短編集かな?


<ハズバンズ>
元妻と彼女が再婚した男とそれぞれ親しくしている男の話。

<ピンポン>
一緒に暮らしたいと言われたので「無理」と答えて大ゲンカ。
彼が翌日、突然訪ねて来た。

<僕が受験に成功したわけ>
中学受験を考えている真吾は、転校生の奈月につきまとわれる。
彼女のマンションに呼ばれて行き、そこで彼女の母親の脚に釘付け。

<内緒>
孫娘が電車内で男の子とキスするのを目撃した。
その後の孫娘と祖母の会話。

<アンバランス>
33歳の瞳子は同棲中の彼とすれ違いの生活が続き、潮時かな?と思う。
一方の彼は、彼女にナイショで新居購入、その後の二人の生活を考えている。

<早朝の散歩>
白い杖を握る男性が電車に乗るのを助け、電車内で会話。

<キープ>
15歳の初恋のとき、神様に「もう二度と誰かを好きになったりしない」と
誓ったばかりにその後の結婚も5年で破たん。
夫の事は好きじゃなかったんだと気づく。

<三年目>
共働きなのに自分だけ家事に追われ不公平だと思って居る妻。

<それは秘密の>
暴風雨のなか車を運転中、トンネル内で土砂災害のため取り残された
全く他人の男女。



一番最後の表題作は面白かった。
状況としては大変な目に遭っているわけですが・・・
「それは秘密の」が、ひみつのアッコちゃんだったのは愉快♪

話としてとても良かったのは、超短編の
「早朝の散歩」。
こんな何気ないひと時の男女の関わりいいな。


短編集と知らずに読みましたが、やはり長編作が次は読みたいなぁ~。
表紙の絵は、個人的にあまり好きじゃないわ~^^;


                        ★★★



発行年月:2014年11月

「刺青のエンペラー」とよばれた男の一生!

 1913年、ニューヨーク。ハドソン川で若い女性の死体が発見され、ニューヨーク市警は女の肩にヘビの絵柄とともに彫られていた「H・C」のイニシャルをもつ刺青家の捜索を開始する――
 時は遡って1859年。駿河の下級武士の家に生まれた宮崎匡(のちの彫千代)は運命的に出会った刺青に心を奪われ、放浪の末、彫り師を志す。欧米人には「刺青のエンペラー」と称賛され世界にその名を轟かすまでになるが、遊女・お蓮との初恋は悲しく砕け散った。古風な実兄との確執、師匠からのいじめ、右目の失明……数々の苦難を乗り越えて、新しい時代の”美”を追求した彫千代を待ち受けていたのは、さらなる悲劇だった。
 自由奔放でわがまま、しかし繊細で常に”小さき命”への慈しみを忘れなかった男、彫千代。かつてないほど人間臭い英雄が、守るべきもののために下した衝撃の決断とは――!?
 いま最注目の実力派作家が実在の伝説的彫り師の生き様を描いた、感動の歴史エンタテインメント!!

                   (小学館HPより)




彫千代と言う刺青師の一生を描いた物語。

時代は明治~大正。

宮崎匡という男が駿河の地で下級武士の子どもとして生まれる。
父親からは学問を学ぶことの大切さを説かれるが、虫やカエルや鳥などの
絵を帳面に描く楽しみを覚え、絵を学ぶために塾に通いはじめる。

そして、刺青という人の肌に直接描く手法に魅せられ、自身もそんな技を身につけたいと
弟子入りの口実に、背中に鬼子母神の刺青を入れて貰い、彫った彫安の元で
修行を積む。


時系列がやや前後するので、少し戸惑いもありましたが、彫千代という名前で
名を馳せた男の一生を面白く読みました。


男女を問わず愛されるキャラクターだった。

最後の方の青池マツの回想で、彫千代の家族や弟子の清吉のその後が語られ
時代を物語った最期だったなとちょっと切なくなりました。


巻末の参考文献の多さにはビックリ!
実在するモデルも居たのかな?

なかなか読みごたえある作品でした♪


                          ★★★★
 




発行年月:2014年9月

人を愛すること、想うことは、どこまで透明でありうるだろうか。

 構想7年――志摩半島を舞台に、代表作『海猫』以来、海に生きる人たちに取材した傑作長編。

 

 幼い頃に母を亡くし、大海女と呼ばれた祖母のもとで志摩の漁村に育った野井山孝子は、その地に生まれた女の宿命として、高校卒業後は海女となるはずだった。しかし、神主となるべく修行を積む白川武雄との邂逅によって、ふたりの透明な魂は響きあい、孝子は定められた生き方と、ひとりの女性としての目覚めの狭間で揺れうごく。

 己の体ひとつで海の底から生きる糧を獲る少女と、伊勢神宮の伝統ある志摩の神社の跡取りの青年とが出会ったとき、運命はふたりを思いもかけぬ方向へと導いていく――。

 志摩の美しい自然の中で紡がれる、あまりにも清らかで切ない恋愛小説。

                  (PHP研究所HPより)




切ない恋愛小説でした。
代々海女をしている家に生まれ、自身も海女になることを選んだ孝子。
最初に会った時から、惹かれるものがあった神主の修行中の武雄との恋が
成就しないんだろうな・・・・・と読みながら思いました。

本人同士の気持ちが優先出来ない事情あり・・・・切ない(/_;)。

武雄との恋は上手くいかなかったけれど、孝子のことをずっと想っていた
新助(いがぐり君)と幸せな家庭を築いて正解!と思っていたら・・・・


海女として生きる女性の強さと哀しさ。
生まれた美福ちゃんがどうか幸せでありますように・・・。


一気読みできる面白さだったけれど、なんとなく後味の悪さが残るのは
なんでだろ???


いそぶえとは、海女さんが漁の途中でする呼吸音らしい。
海面に顔をだし、素早く呼吸をしてまた潜る。

そんな呼吸の音だそうで、人それぞれ、音が違うのだとか。


海女さんの漁の様子見たことないので、機会があれば見てみたいな。
そしていそぶえも聞いてみたいと思いました。


                        ★★★
 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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