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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2000年6月

カフェと屋上、シナモンとチョコレート、幻のレコードと予期せぬ出来事。物語の世界に紛れ込む術をもつ不思議な黒猫シンクが運んできた、お洒落なファンタジー

                    (筑摩書房HPより)


図書館棚でふと目に留まった本。
吉田音?と思って手に取ると・・・あの大好きなクラフトエヴィング商會の娘さん!!
これは読まなきゃ!!と借りてきた次第。


物語なんだけど、著者の吉田音さんが登場。
彼女は、高校受験を控えた中学生。
小説家の円田さんとミルトリン探偵局を結成し、日夜謎解きのため意見交換している。
円田さんの飼い猫・シンクは、黒猫で赤い首輪をしているけれど、数日帰らないことも
しょっちゅう。
何処で何をしているのか、帰るたびにお土産を持参する。
カタカナばかりのメモ、チョコレートの包み紙、タクシーの領収書、カフェのマッチなど。

シンクが行く先々で出会う人々の物語も素敵。
行く場所で、呼び名が変わるシンク。
皆に愛されている。

シンクが関わった人々が不思議な縁で結ばれているのもいい。

南青山のスタジオで午前0時FM808で始まる「ルーフトップ・パラダイス」。
ラジオ番組からも素敵な人と人のつながりが生まれる。


人の縁って不思議だ。

黒猫シンクの物語は、本書は2作目のよう。
1作目もぜひ、読みたい!!

とても素敵な本でした!!


                         ★★★★★
 
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発行年月:2006年3月


 「FRaU」「Style」「ViVi」「VoCE」「with」連載リレー企画から誕生
「日産マーチ」とのコラボレーションで人気集中の雑誌連載から生まれた女性のための、美しく切なく心に響く1冊。読んでうるおう、心の「美容液」

響くエンジン音。行き先を決め、ハンドルを握っているのは“私”
「恋」から「愛」にシフトできない、不器用でチャーミングで我がままなすべての女性へ

                        
※特製刺繡しおり紐、奥 華子スペシャルCDつき


                         (講談社HPより)


なかなかオシャレな本でした♪
6人の作家さんが描く、女性たち。
少し切なかったり、微笑ましかったり。

やはり最初の角田さんの物語<ふたり>と谷村さんの<風になびく青い風船>がいい!

角田さんの<ふたり>は、結婚3年目の夫婦の喧嘩が描かれている。
売り言葉に買い言葉で、家を飛び出した妻。
車に乗って何処までも行ってやろう!と意気込むけれど・・・

ああ、こういう気持ち何となくわかるわ~。
女性なら共感しちゃう部分、多々あると思う。
最後は、丸く収まってホッ♪


一方の谷村さんの<風になびく青い風船>は、切ない。
35歳で一人パリに来て、先行き不安なところで偶然、出会った犬のブラン。
放っておけずに連れて行き、でもそのおかげでいろいろな出会いがあり幸せな日々。
でも別れなければならない事態に・・・。

なんか、パリとか行ったことないけど、情景が目に浮かんできた。
美しい夕日とか・・・。
優しくて切ない物語でした。


他の方たちの話もそれぞれ良かった。

付録のCDも素敵でした!
奥 華子さんの声、良いですね~(^^)
彼女のほかの曲も聞いてみたくなりました。


栞も可愛くて、写真もオシャレで女性好みの1冊ですね~。

   

                              ★★★★




発行年月:2013年6月


 お金に狂わされずに生きるって、本当に難しい――

貧乏中国人学生が臨時バイトで得た“高額報酬”の正しい使い途とは!? お金を巡る人間の喜怒哀楽と果てない欲望を描いた傑作長篇。

                    (文藝春秋HPより)


中国人留学生、林杏は、大学で法律を学ぶ。
中国からの仕送りを少しでも軽くするために学校が終わった夕方から5時間
時給900円で居酒屋のバイトをする。
夕食に賄い食が食べられるのはありがたい。

そんな林杏に同級生の藤森朗から弁護士の父親の通訳役として、中国人容疑者の元に
一緒に警察署に行って欲しいと頼まれる。
思わぬ臨時収入を手にして喜ぶ。
貰った報酬は1万5千円。
1万円札のおじさんと5千円札の品の良さそうな和服の女性。
1万円札を万太郎、五千円札をおせんと名付け、大事に保管。
けれど・・・食材を買うためにおせんを手放すことに。
再び会おうと言いながら・・・



物語は、留学生・林杏の話と、林杏から離れあちらこちらの財布へと流転の旅を続けるおせんの話が代わる代わる語られる。
お札が語るって・・・・なんだか妙だけど、可笑しかった。
おせんは、その後、中国でミスターモウと出会い、アメリカでフランクリンとも出会う。
それぞれの会話が愉快。
結構、時事問題なども語ったりして・・・。


一方、苦学生の林杏の臨時収入のバイト、中国人容疑者・王連仲との会話。
通訳なのに、そのまますべて訳さずだったり問題はあったけど
結果、大元の犯人を突き止めた。

林杏みたいに留学している中国人の家族は仕送りのため、大変な苦労もしているんだろうな~。
臓器売買とかには驚いたけど、そんな話もあるのでしょう。


楊さんの物語は、実体験も含まれてるのかな?と思わせてくれるリアルさがある。



                            ★★★★★




発行年月:2014年3月


 古い団地に移り住んだ青年がめぐりあう、なつかしくも奇妙な昭和の暮らし。誰もが団地生活にあこがれた“あの頃”が鮮やかによみがえる、著者初の団地小説!

                    (毎日新聞社HPより)




20代後半の安彦くんが1960年~1970年代に集中的に建設された

旧来式の森中団地に引っ越し、そこでの暮らしぶりを描いた物語。
とはいえ、安彦くんの話よりも団地雑学が主なかんじかなぁ~。

安彦くんのお隣の是清昭子さんは80歳。
昭和38年に入居した時には、ご主人と息子さんの3人暮らしだったそう。
是清さんから昭和30年~40年くらいの団地が語られる部分は面白かった。
なるほど・・・そういうかんじだったのかぁ~と団地暮らしの経験のない
わたしには初めて知る事実。

昔は、内職の斡旋などもあったとか。

今は、我が家の近所にある公営の団地も見た感じから寂れている。
だんだんと入居数も減ってきているかんじ。
今の若い夫婦はなかなか住みたがらないかもね~。


安彦くんの話をもっと展開させてくれたら面白かったのになぁ~。
長野さんの作品にしては、ちょっと残念なかんじ。


                             ★★




発行年月:2014年1月


 失われた時間は、かつての自分は、莫大な金で取り戻すことができるのか? 熱い論争を巻き起こした痛快なイギリス小説。

昏睡状態から目覚めた「僕」は、自分が事故で記憶の大半を失ったことを知る。「事故について何も語らないこと」を条件に巨額の示談金を得た彼は、広大な土地を買い上げ、大勢の役者を雇い、執拗に練習を繰り返して、おぼろげな過去を忠実に再現しようと試みる――。滑稽、不可解、それでいて切ない。異色の話題作、遂に邦訳。

                    (新潮社HPより



事故に遭い記憶を亡くした男。
昏睡状態から覚めリハビリにより肉体的には回復したが記憶は戻らない。
事故については何も語らないことを約束に手にした示談金850万ポンド。

ある日、男はバスルームのひび割れた壁を見つめているうちに既視感を覚える。
何かが思い出せそうで、でも思い出せない。

そのもどかしさを埋めるため、巨額の金を投じての一大プロジェクトを開始する。


自分のイメージ通りの建物を見つけそれを買収し、そこに自分の思い描く人物たちを配置し
演じて貰う。
その人物選考はオーデションで。

バイク狂いの男役からレバーを焼くおばあさん役、退屈なカップル役、ピアニスト・・・

そして建物を更に自分のイメージ通りに内装を変え選び抜いた小道具を配置し・・・・


ここまでは、まあお金もあるわけだし・・・と愉快に読んでいました。
が・・・近くで起きた事件を再演したいと言いだし、お金でそれを実行しようとする姿は狂人というか怖かった。

最後はもう無茶苦茶です・・・苦笑。

でも、ここまでやると笑えてきた。


映画化も考えられているとか。
これは映像で見るとどんなかんじになるのか、凄く興味があります。


                             ★★★
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