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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年5月


 動かない事実がある。彼女は、もう戻らない。
別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。

東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。

                   (光文社HPより)




重たいテーマでした。

プロローグで登場の高校生の仁科史也と井口沙織。
この二人が本編の物語りで大きく関わってくるのは、中盤以降。



物語は、ペットの葬儀社を伯父から引き継ぎ営んでいる中原道正を主人公に進む。
11年前、8歳の娘を強盗により侵入してきた犯人により殺害された。
犯人は、一度も謝罪の態度を示さず、死刑判決が下され、その刑は既に執行された。

事件後、妻・小夜子とは離婚。
彼女はフリーラターとしての仕事を始めた。
が・・・その元妻・小夜子が刺殺されたと知る。

小夜子を殺害したのは、70代男性・町村作造。
その娘の婿という仁科史也から謝罪の手紙と会って話がしたいと小夜子の両親の元に
連絡があったという。


中原は、生前の小夜子のことを調べはじめ、小夜子が取材で知り合った
井口沙織の存在が気にかかる。
沙織は摂食障害を抱え、万引きを常習的にしてしまうと告白していた。
小夜子の取材記録では、「生きて居る価値がないので、盗んだものを食べることにした」と答えていた。


仁科史也と井口沙織が、同じ土地の出身であることに気づいた中原は、二人に
それぞれ会う。

そして、小夜子の殺害事件が、20年前のある事件と繋がっていることを知る。
小夜子は、二人に自首を勧めていた。



なるほど・・・・事件の真相が明かされると何とも切ない気持ちになりました。
娘を殺された小夜子が二人に対して、強い態度で自首を勧める気持ちは
十分に理解できます。
人を殺したら死刑が当然と、被害者家族なら思って当然でしょう。

けれど、この物語を読むと、果たしてそうだろうか?と考えを少し改めなきゃいけないのかも・・・・・なんて思ってあれこれ考えちゃいました。

難しいテーマです。

しかし、一気に読ませてくれる東野作品は、やはり流石です!!


                         ★★★★★
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発行年月:2014年6月

特ダネか、倫理か――再生医療の闇を暴くメディカル・サスペンス!

若手新聞記者の長谷部友美は、地方支局に飛ばされて腐っていた。本社異動のためのネタを掴もうと、市内の病院の赤ちゃんポストを張り込み続け、とうとう赤ん坊連れの女を発見する。しかしそれは、子どもなどいないはずの知人の姿だった――超先端医療と母親の切なる願い、そして記者のプライドが火花を散らす医療ミステリ。

                     (新潮社HPより)





新聞記者の長谷部友美が赤ちゃんポストの記事を書こうと市内にある全国2例目の

赤ちゃんポスト開設の病院に張り込みをする。
そこで見た赤ちゃんを連れた女性・石葉宏子は、時々、飲みに行くバーで働いていた
女性だった。
そして、バーナカジマを訪れマスターの中島から石葉宏子を探して欲しいと頼まれる。

記者として、知人として宏子を探す友美。
探すうちにわかってくる真実。

彼女は以前、結婚していて、息子を残し家を出ている。
彼女の使っていた携帯の履歴から複数の男性と出会い系サイトで知り合い、
それぞれと関係を持っていた。

宏子の自堕落的な行動には、意味があった!
残してきた一人息子のため。


医療は日々進歩していて、今回は、胎児細胞移植に絡んだ話。
中絶により命を絶たれた胎児の細胞を病気で苦しむ子供の治療に利用するという話。

中絶された児の命もひとつの大切な命だと考えると、この治療は倫理的には
どうだろう?

宏子のとった行動は、狂気にも思えるけれど、母親の立場で考えると批判する
気持ちにもなれない。
う~ん、難しい問題だ。


仙川さんの小説は、いつも考えさせられる。

医療従事者だった経験も記者だった経験も両方活かされた作品だったと思う。


                            ★★★★
 



発行年月:2014年3月


 卒業生4人が仕組んだ体罰教師への復讐は、恐ろしき連続殺人事件の始まりにすぎなかった。 高校の同窓会で久しぶりに再会した旧友4人。かつて生徒を囚人扱いしていた教師・樫村の変わらぬ姿を見た彼らは仕返しを計画。生きたまま置き去りにしたはずが、なぜか樫村は溺死体となって発見された。4人のうち誰が彼を殺害したのか。それぞれが疑心暗鬼に陥る中、また新たに起きる殺人事件が高校時代の衝撃的な秘密を浮き彫りにさせる! 過去を断ち切ろうとする者たちが大きな悲劇に巻き込まれていく、二度読み必至のミステリー。

                      (幻冬舎HPより)





高校の同窓会で再会した4人。

洋輔、八真人、希一、和康は、体育教師・樫村に受けた体罰めいたしごきに対して仕返しを
しようと話し合う。
暴力は振るわず、懲らしめるのが目的だったのに・・・拉致して廃墟化した工場内に
置き去りにした翌日、別の場所で遺体で発見された樫村。
誰が殺した?

なかなか面白い始まりでした。
そして、その過程で4人がそれぞれを疑い始め事件の真相が段々と明かされていく。

そして、登場の洋輔の兄えもんには、力が抜けました~^^;
美郷もこんな怖い人だったとは!



真犯人たちの樫村を殺した動機がやや疑問。

そして、ラストは、「え~っ?」こんな風に終わりですか?


気持ち悪い終わり方だし予想外の展開で驚いたけど、ま、なかなか楽しめました。


記録を残している読書メーターでのほかのかたの感想は

結構、酷評が多かったけど、そこまで悪くはないかな?

でも正統派ミステリーをこの著者には、期待したいとかつての作品を
知ってる人は思うだろうな。


                           ★★★



発行年月:2014年5月

「初めまして、お父さん」。
元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが……荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。宅急便会社の仲間や、ホストクラブの経営者で女装のジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らをも巻き込んでの大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。2012年にはその後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、人気となっている「ホリデー」シリーズから誕生した、初のスピンアウト短編集が本作『ホリデー・イン』である。
今回は親子の物語ではなく、彼らを取り巻く愛すべき人々のもうひとつの物語。ジャスミン、雪夜、進らそれぞれを主人公にした6編が収録された。
01「ジャスミンの部屋」 …… クラブ経営者が拾った謎の中年男の正体は?
02「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった
03「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ!
04「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢様ナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由
05「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には――
06「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間

                        (文藝春秋HPより)



読んで行くうちに、ああ、この人!と思いだした大好きな「ホリデー」シリーズ。
何と言っても魅力的なのは、ホストクラブ経営者のジャスミンさん。
ジャスミンさんの人柄がきっと素敵な人たちを呼ぶんでしょうね~。

そして、元ヤンキーで元ホストのヤマトがしっかり者の進くんと再会した時の
話が一番、感動的だった!

ああ、この続きでヤマトと進くんとお母さんが一緒に暮らせる日の話を読みたいなぁ~
素敵な家族になりそうなんだけどなぁ~。


6つのお話で、「ホリデー」シリーズのメンバーたちのことが詳しく知れて
楽しかった♪


                          ★★★★
 



発行年月:2014年3月


 ファッション誌の編集者になる!という夢を抱えて出版社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)が配属されたのは校閲部だった! 担当する原稿や周囲ではたびたび、ちょっとした事件が巻き起こり……!?
読んでスッキリ、元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ☆

===
憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、根性と気合と雑誌への愛で、 激戦の出版社の入社試験を突破し 総合出版社・景凡社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。

入社して2年目、苦手な文芸書の校閲原稿に向かい合う日々。 「こんなところ早く抜け出してやる」とばかりに口が悪い演技をしているが、 段々自分の本性がナマイキな女子であるような錯覚に陥ってくる毎日だ。
そして悦子の原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルや事件が巻き起こり……!?

                 (メディアファクイトリーHPより)





今まで文芸編集者のお仕事小説は幾つか読んだけれど、校閲のお仕事小説は初めてだったので、

仕事の内容も非常に興味深かった。
国語力がないと務まらないお仕事ですね~。
いや、大変そうだわ!

そんな校閲部に入社以来配属されて2年の河野悦子24歳が主人公。
ふつう校閲担当者は、担当した作家さんの前に姿を現すことはないそうだけど、
悦子の場合、みんなと会っちゃうのが可笑しい。
そして、結構、私生活の方でも関わることになって・・・。


早く校閲部を抜け出し、元々希望だったファッション雑誌の編集に関わりたいと願って
わざと口が悪いキャラで上司や作家に接するけれど、それが意外にも受け入れられちゃう。
元々、良い人なんだろうなぁ~。
嫌だといいながらも、しっかり校閲の仕事はこなしているし、
結構、担当の作家さんからも頼られたりして。


文芸部で働く東大文学部出身の藤岩とのやりとりも楽しかった。


お仕事小説は、はずれがないな。
途中にあった、登場する作家さんたちが書いた文章もユニークで楽しめた。

是永是之の文章、なんじゃこりゃ?だけど、意外と好き。
クールに振る舞うムール貝・・・このゴロ合わせ最高♪





                            ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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