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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年7月


 真島圭太(29) 律儀で真面目、振り回され上手なモラリスト
繁田 樹 (33) 上昇志向が空回りする、女好きバツイチ研究者
仲杉幸彦(28) チャラい言動で自爆しがち、人なつっこい営業マン
斎木 匡 (30) 人の気持ちをはかるのが絶望的に不得意なイケメン

仲良くもなく、友だちでもない四人の青年。
ひょんなことから連れ立った旅先に、それぞれの人生の答えがあった!……のか?

                 (光文社HPより)




4つの章からなる連作集。

<敬語で旅する四人の男>の言葉通り、四人での会話はずっと敬語。
最初の話は、表題と同じで、四人が初めて知り合う話。

佐渡の居る母親に11年ぶりに会いに行くことに聞けた馬島圭太。
先輩の斉木が、一緒に行くよと言い、斉木と同じ大学出身の繁田、その繁田の
飲み友達である仲杉も佐渡行きに同行することになる。


11年ぶりに会った母と息子。
案外普通の再会で、これからは交流も頻繁にありそうなかんじ。


<犯人はヤス>
離婚した元妻と息子が暮らす京都に真島以外の3人で向かう。
元妻・花江は、実家で息子と共に暮らしていて、その実家というのが
地元の名士らしく、ちょっと気位が高い人たち。

空気を読まない斉木先輩の花江家族への言葉が痛快でした!
繁田と息子との関わりがこれからも続くといいなぁ~


<即戦クンの低空飛行>
住宅設備メーカー勤務の仲杉くんの仕事場での話。
前の話まででは、明るい好青年というキャラでしたが、一番大変そうな
状況でした!
職場では、上司に虐げられ、顧客には謝罪の日々。
恋人の詩織とのこともちょっと重たく感じていて、息が詰まるかんじ。

そんな精神的ピンチの仲杉のことを思いやる真島。
連休に仲杉が行きたいという鳥取砂丘に二人で向かう。

何故か、砂丘で斉木登場!しかもラクダに乗って・・・・^m^
シチュエーションを想像して大笑い。

仲杉くんの抱えていたもの、少し軽くなったのかなぁ~?
良い青年だから幸せになってほしい!!


<匡のとおり道>
人の感情を読むのが苦手で、変わり者扱いの斉木匡。
職場も特別枠入社ということで、周囲の評価も仕事の能力はあるけれど・・・・と
いうかんじ。
そんな斉木が惹かれたのは、会社内の掃除をしている望月アルエ。
掃除をしている所作の美しさに魅せられて声をかける。
アルエも斉木に好意を持つ。

斉木の亡き母が遺した「匡くんマニュアル」の存在に亡き母の思いが感じられた。
斉木を理解するには、なかなか大変そうだけど、アルエなら
斉木の本質を理解してうまく付き合っていけそう。


四人の男たちのそれぞれの物語としても面白かった♪
四人の話がもっと読みたい!!


                          ★★★★



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発行年月:2014年7月


 直木賞作家が描く、切なくて激しい純愛小説集。みつばち・金魚・トカゲ・猿・孔雀をモチーフにした恋愛を描きますが、甘い蕩けるようなものではない。重く・強い、読み手の心を鷲掴みにして離さない、たたきのめされるような短編集。

                    (双葉社HPより)




朱川さんらしい怪しい話が多かった。

どの話も恋愛話なんですが・・・ありふれた男女の愛とは違う世界。


<みつばち心中>
同性の指に欲望を感じる性癖を持つ女性。


<噛む金魚>
42歳主婦。夫は歯科医で恵まれた結婚生活を送っていると世間は見ているが、
実は処女のまま。自分を変えたいと出会い系サイトで一人の男性と知り合い
実際に会うことにする。


<夢見た蜥蜴>
蜥蜴のわたしは、サラと呼ばれ可愛がられている。
尻尾がなく、体中傷だらけのわたしをニンゲンの彼は優しく治してくれる。


<眠れない猿>
子どもの頃から「猿」と呼ばれて来た。
容姿からそれは仕方ないと諦めている。
けれど、自分に好意を示してくれる女性・尚美と知り合った。


<孔雀墜落>
弟のタケルが突然訪ねてくる。
ホルモン注射のため、見た目は女性になっている。
わたしには、8年間不倫関係の男がいるが、タケルはその男に脅迫電話をかける。



最初の話は、ちょっと気持ち悪かった。
人の性癖っていろいろだけど・・・^^;

一番ホラーっぽいのは、<夢見た蜥蜴>かな?
文章から映像を想像すると結構、怖い(;O;)

<眠れない猿>と<孔雀墜落>は、切なく哀しい。


どれもそれぞれ面白く読んだ。


                             ★★★




発行年月:2014年4月

余命一年で知った、本当の人生――

末期のすい臓がんで余命宣告を受けた53歳の出版社役員・菊池は、治療を放棄し、「病を癒す女」を探すため、神戸へ移り住む。

がんに侵されたのは、運命か必然か。未知の土地、これまでの生活とまるで異なる時間の流れに身を置き、菊池は体内にがんを生み出した「もう一人の自分」の声を聞く。
死に向かう人間の直感、思いがけない出会いの導きに翻弄されながら、偶然のひとつひとつが結びつき、必然へと姿を変えていく。やがて、彼の目の前に描き出される「神秘」の世界。その景色の中に求めていた答えを見つけ、男は新たな人生を歩み出す。渾身の最新長編小説。

                     (毎日新聞社HPより)




余命1年の宣告を受けた菊池三喜男53歳の物語。


がんと宣告され、余命1年と言われたら・・・・
大抵の人は、動揺し死期を待つしかないと諦めるでしょう。
抗癌剤治療の効果も期待できないほどの末期ガンということが幸いしたと
主人公は後で考えるが、なるほどね・・・・

医療にかかわることを放棄し、偶然、以前、電話で話をしただけの「山下やよい」を
探すことが自分の体を良い方向に向かわせてくれるという信念を持ち行動する。

やよいを探し出すまでの話で出会う人たちも後々、とても重要な意味をもつ。

人の出会いは、必然的なもの?と思える話で、
本当に神秘的な話でした!


菊池の別れた妻・藍子との離婚に至るまでの出来事が、後々、そこに隠されていた
真実を知ることで感動的な、また人と人との結びつきを知ることとなる。


面白かったぁ~。
よく考えられた話で、そんな偶然あるかな?と思う前に、
これは全部、必然的な人と人との出会いの物語なんだと納得させられてしまう。


分厚い本だけど、最後まで頁を捲るスピードは緩まない内容でした!


                            ★★★★★
 



発行年月:2014年6月

警視庁保安課の刑事・上月は中国語の通訳捜査官・城らとともに池袋の雑居ビルに家宅捜索に向かう。容疑は入管法違反。取り調べると、拳銃や覚醒剤が出てきた。拳銃の線を洗うと、「竜生九子」という在日華人の組織が浮かぶ。在日華人の人脈を持つ城が独自に捜査を進めると、一人の中国人の名が。その矢先、城の妻子が拉致される。――日本と中国。二つの国の間で揺れる男たちの葛藤を描く警察小説。

                     (双葉社HPより)






日本に在住している中国人たちの闇社会を描いた小説でした。

日本の犯罪に関わってきている中国人たち。
彼らがどんな生い立ちで存在しているのか、小説のなかから知り、なんだか
恐ろしくなった。
実際、こんな風に在住している中国人がいるんでしょう。。。
ま、中国人に限ったことではなく他のいろんな国からの人が。


警察官・上月千里と城正臣のコンビはいい!
彼らの活躍する話がまた読めないかなぁ~?

城は、警視庁通訳センター勤務。
妻が出奔し、5歳の娘・ホノカと二人暮らし。隣に住む上月の妻が時々、ホノカを
預かる。
その出奔していた妻・凜子が突然、戻って来たところから、いろいろな事件が
発生していく。


凜子の人柄がイマイチ掴めずでしたが、このまま留まって、再び娘の元で
暮らしてくれたらいいな~最後は思った。


物語としては、あまり面白くなかったかな?
文章は読みやすいので、スラスラ読めたけれど・・・。


                           ★★★
 



発行年月:2014年7月


 送別会の幹事だった私は、忘れ物として黒い女性用のカーディガンを渡された。
だが、それを着ていた出席者はいなかった……。
名手が描く、死者と生者の世界が交錯する、珠玉の幻想怪奇短編集。 

                    (集英社HPより)




7つの短編集。

小池さんの書く怪談ってどんなかんじだろ?と読む前からワクワク。

最初の話が一番怖かった!
ちょうど、寝る前に読んだからかもしれないけれど。。。



<岬へ>
20年前、かつての友人が身投げした岬近くのペンションを訪れる。
身投げした友人から好意を示されてもいつも冗談ぽく交わしていた。
自殺したのは、自分の態度がいけなかったのか?    


怖かったぁ~。
夜中、目が覚めて部屋を出て、冷蔵庫の飲み物を出して振り返ると人が・・・・
ああ、それだけでドキッとしたのに、更にその人との会話が・・・



他の話は、まあちょっと不思議という感じでさほど怖くはなかったかな?

<座敷>
親友の嫁いだ屋敷を訪れる。
その屋敷は、とてつもない広さで、親友は先に亡くなった夫の弟と再婚したが
再婚してから、亡くなった夫が現れるのだという。

亡くなった先のご主人は、どんな思いで現れるのだろう?


<幸福の家>
散歩の途中、公園で1人寂しげに座っている老人と会話する小夜子(22歳)。
老人は妻を亡くし愛猫もその後亡くしたと語る。
小夜子は、その日から公園を訪れるのを日課とし、老人と会話する日々が続く。
そして、ある日、老人を家に招待したいと申し出ると
「遊びに行きたくても行かれない」と。 

小夜子がまさかこの世の人じゃないとはね。


<同居人>
森の中の一軒家に1人で住んでいる80歳の女性。
でも少しも寂しくないし、不便は感じていないと、電気メーターの検針員の
女性と会話する。

なるほど・・・そういう同居人がいれば寂しくないかもね。
不思議と怖くない。


<カーディガン>
貸切にした店での同僚の送別会幹事をしたヨウコ。
帰り際、店主から「忘れ物」と渡された黒いカーディガン。
仲間の誰かの忘れ物かと預かったが、誰の物でもなかった。
自分たちのほかに店に居たというもう1人の物?その人の住所がわかり
そこへ持って行くことに。

ヨウコは、この後、どうなっていくんだろ?


<ぬばたまの>
西洋美術史を大学で教える男性。
妻は13歳年下の元教え子だったが、病死した。その妻がこのところ頻繁に
現れる。

この男性は、妻のことを本当に愛していたんだなぁ~。
とても切ない話。


<還る>
二人部屋で入院中、隣のベットの老女が話す不思議な話。

死者もあの世で成長するのかなぁ~?
身内ならどんな姿になって出て来ても、わかるかな?



いろいろな怪談話。
怖い話は苦手なわたしも楽しんで読めたので良かった♪


                           ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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