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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年4月

奥手なこじらせ系女子が、年上の草木染職人に恋をした。
奔放なのに強引なことをしない彼が、初めて唇を寄せてきた夜。
翌日の、いつもと変わらぬ笑顔――。
京都の街は、ほろ苦く、時々甘い。

                   (幻冬舎HPより)



京都が舞台の瀧羽さんの物語の雰囲気が好きで今まで読んできましたが・・
今回はちょっと・・・・今までと違うかんじ。


京都で、祖父の店を受け継ぎ、和食器と和雑貨を販売するお店を経営している、紫(ゆかり)。
年は、30代半ば。

パーティ会場で会話した染色工芸家・湊 光山(50歳)に次第に惹かれていく。
光山の工房を訪ねるとそこには女性の姿。
彼女は、藤代。工房の手伝いをしているが、光山とは、親しげなかんじ。

京都・宵山祭にブライアンと出かけた紫は、光山と藤代に偶然、会い、
ブライアンと藤代が意気投合したこともあり、4人で会うことに。

4人で会話している光景は和やかでいいのですが・・・・
その心の中は?と考えると結構意味深な雰囲気だったりして・・・。
ブライアンだけが、紫に恋焦がれていることをストレートに言葉に出したり
して好感が持てた。
それゆえ、紫はブライアンと一緒になれば幸せになれるのになぁ~
なんて思ってしまった。


光山って、人物に読んでいる限りではさほど魅力を感じなかったけれど
恋って他人がどうこういっても仕方ないものだからね~。

この後、この4人がどうなるんだろ??

最後まで、なんだかモヤモヤしたかんじが残ったけれど、
ま、面白かったです^^;
京都が舞台だと、なんでも許されちゃうな~。



                          ★★★
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発行年月:2014年5月


 これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への――。

一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の醜い女友達。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。そう、女の美醜は女が決めるから――。恋に堕ちる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書下し長編。

                 (新潮社HPより)




2部構成の物語。

<恋>
私大のオーケストラで指揮者をしている茂美星近。
恋人をコロコロと変えている男。
女たちは彼の恋人になることに憧れる。

そんな茂美と恋人関係になった一瀬蘭花。
母は元タカラジェンヌで花のように可憐な子。
しかし、茂美には、愛人がいるとわかる。
彼が師事する海外でも実力を認められている指揮者・室井の妻・菜々子。

蘭花の友人・美波と留利絵は、茂美なんかとは別れた方がいいと言うが・・・



<友情>
蘭花の友人・留利絵の語りで進む。
容姿には全く自身がないが、難易度の高い文学部美学美術史科で学び、父は
有名な画家。
同じ蘭花の友人・美波に敵対心を抱き、自分が蘭花の一番の親友でありたいと
強く思っている。

そんな留利絵は蘭花が付き合う茂美に嫌悪感を抱く。
愛人がいるのに、蘭花とも平気で付き合うことが許せない。

そして、起きる事件。



ああ、面白かったぁ~。
蘭花は悪い子じゃないけれど、恋人に選んだ相手が悪かった!
そして、親友と頼った相手も怖かった。
留利絵も決して悪い子じゃないと思うけれど、考え方が後ろ向き過ぎて・・・

この物語のあとのそれぞれの生き方が気になります。


この表題のつけかたは、巧いなぁ~!!


                         ★★★★★




発行年月:2014年5月


 関係のさめてきた恋人と同棲しながら、遊び人の医者と時々逢いびき。仕事は順調、でも何かが足りない――29歳、京都在住のイラストレーター神名葵。

彼女の日常に七年ぶりに舞い戻ってきた、大学時代の先輩ハセオ。互いに恋人がいても、なぜかいつも一緒にいた相手。理解しあう必要もないほどしっくりくる、男ともだち。

男ともだちは恋人じゃない。彼らには親密に付きあっている女たちがいるだろう。でもひょっとすると、男ともだちは女にとって、恋人よりずっとずっと大切な相手なのではないか。いつまでも変わらずに、ふとした拍子に現れては予想もつかない形で助けてくれる――。
29歳、そして30歳。
仕事と男と友情の、熱くてほろ苦い日常を描いた傑作長編小説。

                      (文藝春秋HPより)




同性としたら、葵みたいな女性は妬みの対象でしょうね~。

同棲中の恋人・彰人がなんだかとっても気の毒でした。

同棲中の恋人がいて、医者の愛人がいて、大学時代からの男ともだちがいるって
最強!!


でも物語として読んでいる分には面白かった。
ハセオと葵の関係は、特殊でしょう。
お互いに恋人がいたり、体の関係になる異性がほかに居ても、頻繁に連絡して
会って・・・でも二人の間には男女の恋愛感情はなし。
くっ付いて眠ることはあっても、体は重ねない関係。


葵には、ほかにも理解者が居るのが羨ましい。
そして葵にハセオとのことを忠告する言葉がまたいい!

女ともだちの美穂(既婚者)のことば
・・・ハセオを失いたくなかったら絶対にセックスしちゃだめ。
しない限り、神名は特別でいられるんだから・・・・


そして、飲み屋のママ・露月のことば
・・・あんたから何も奪わずに守ってくれる。だから、あんたにとっては
最高の男なの・・・・


ハセオって考えたら、良い人だよなぁ~。
軽いかんじだけれど、仕事もちゃんと堅くやってるし(製薬会社のセールスマン?)
話し方は軽いけど、まっとうなこと言っていて、葵のことをホント理解して
支えているかんじ。


ホントに二人の間に恋愛感情なしなのか???

本音が最後までわからなかったけど、本当に羨ましい関係だ。


                        ★★★★



発行年月:2014年6月

デビュー以来、奇想天外な発想と破壊的なモチーフを用いて、人間の根源的な悪をえぐるように書いてきた吉村萬壱が満を持して放つ長篇。

B県海塚という町に住んでいる小学五年生の恭子。母親と二人で古い平屋に暮らすが、母親は神経質で隣近所の目を異常に気にする。学校では担任に、市に対する忠誠や市民の結束について徹底的にたたきこまれる。ある日亡くなった級友の通夜で、海塚市がかつて災害に見舞われた土地であると語られる――。

「文學界」に掲載後、各紙誌で絶賛され、批評家を驚愕・震撼させた、ディストピア小説の傑作

                   (文藝春秋HPより)



とっても不思議な読後感。
すでに大人になった大栗恭子が子どものころのことを回想する話。
語り手は小学校5年生の恭子。
淡々と送られる日常のなかに、だんだんと不穏な空気感が大きくなっていって
すごく不安ななんとも言えないいや~な気持ちになってくる。

海塚という町にかつて起きた大きな災害が背景にあるようですが
詳しくは語られない。

その災害を機に町は復興を目指して結束を固めてきたけれど、そんな風景に
ある種の違和感みたいなものを感じる。

恭子の通う小学校のクラスのなかでも、事件が起きる。
なんだったんだろ?
亡くなった級友・木村アケミちゃんの死もなんだか不可解だし、
担任の先生が突然、来なくなった理由もよくわからず・・・・

わからないまま、終わった物語でした。

でも、すごく強烈な不安感みたいなものが残って、その余韻がしばらく持続。
不思議な小説でした。


表題の「ポラード」とは、文中にも出て来ましたが、船を繋ぎとめておく柱のこと
だそうです。
「ポラード病」・・・・なるほど、読んだあとから考えると
なんとなくしっくり来る表題です。

この表紙の写真も、物語にマッチして、不気味です。


よくわからないけれど、凄い小説でした!

     
                   

                           ★★★★
 




発行年月:2014年3月


「とても疲れている」と感じているあなたに。

きっと気持ちが落ち着くわよ。
坐ってみてどう変わるか、自分で確かめるしかないでしょう───
「恋愛」「容姿」「家族」……尽きせぬ煩悩に効く物語

本当の自分が見つけられない30代無職女子、
悩みを捨てきれぬ40代女流作家の不思議な出会い。
「特に女性にとって恋愛はストレスなのよ。知っている? 女は男の二倍も恋愛でストレスを感じるのよ。うまくいっている時はいいけれど、およそあんなに疲れるものはないわね。そこに、仕事や家族の悩みが加わってごらんなさいな、老(ふ)けこむに決まっているわ」
「悩む。そうね、あなた方はどういうことを悩むと呼んでいるのかしら。多くの場合、恋の悩みは相手が自分の思い通りにならないことでしょう。相手が自分の望むことをしてくれない、相手が自分を好きになってくれない、だから苦しいのではないかしら」

                   (祥伝社HPより)




二人の女性が、坐禅を通じて過去の自分と向き合う話。


作家の羽鳥ようこは、3.11から1年後、ささやかな慰霊祭を東京の知人のお寺で開催する。
そこに参加していた松下りん子。
慰霊祭が終わった後も会場に残っていて、「助けてください」とよう子から離れず
仕方なく自宅に連れ帰る。
そして、居候生活スタート。

よう子の知り合いのアイリーンが来日し、座禅会を開くというので、そこに、りん子も連れて参加するよう子。
3日間の坐禅会。
アイリーンは日本人とアメリカ人のハーフ。
ニューヨーク在住。
坐禅の意味を説きながら、坐禅をするよう子とりん子の問いかけにアドバイスする。


二人とも過去に重苦しいものを抱えている。
それに坐禅をすることで、素直な気持ちで向き合い、これからの生き方を
前向きに考えて行く。
特に、りん子が自分から今後の生き方を決めた姿には「よかった!」と思った。


なるほど、坐禅とはこういうものなのかぁ~。
イヤイヤ、子どもの頃、体験したことはあるけれど、今やったら
何か心のなかで変わるものあるかな?
ちょっとだけ興味を覚えた。


                            ★★★
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