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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年3月

「作家は不安でしょうがないんだ」
作家という業、女という性を抱える樺山ひろ江。

全身全霊で作品に挑む、彼女の心の叫びは、
哀しい、苦しい、そんな平凡な言葉では足りない。

「誰からも称賛されなくても、貧乏で終わっても、他人から見たら可哀相な一生であったとしても、業のままに生きたなら、それは素晴らしい人生なんだよ」
不器用に生きる女の人生の浮き沈みを描く、桂望実の最新作!

                     (光文社HPより)




巷で売れている作家さんというのは、凄い成功者なんだなぁ~と
この物語を読んで思った。

主人公は、作家の樺山ひろ江。
そして、自身も作家を目指すが、叔母である、ひろ江に作品を評価してもらえず
作家の夢をあきらめ、叔母のひろ江をサポートする役目を担う、明子。

売れるまでの苦労。
売れてからの周りの豹変。
そして、また売れなくなっての周囲の反応。

シビアな世界だなぁ~。

どんな時でも、ひろ江の作品を愛し味方であり続けた明子の存在は、言葉にしなくても
ひろ江にとってあり難い存在だったんでしょうね。

変わり者のひろ江の発言や行動にフォローをして、周囲の人への誤解を最小限にしながら・・・

そんな明子を裏切った夫の敦には、腹が立った!
でも、静かな復讐・・・いいね!
ひろ江もそんな明子を「よくやった!」と誉めたときは、にんまり(^^)

同じように、ひろ江がイケメン俳優の、みのるに復讐した時も爽快!!


ひろ江が書く、作中作も面白かった。


我慢ならない女という表題ですが、我慢しなくて当然!
ひろ江は正しい人でした!!


                            ★★★★


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発行年月:2014年8月

江戸時代、“女性”という立場で、清心尼はいかにして有象無象の敵を前に生き抜いたのか。「
武器を持たない戦い」を信条とした、世にも珍しい女大名の一代記。
著者初の歴史小説にして新たな代表作

                   (集英社HPより)




歴史小説だけれど、ファンタジーも交えたお話で読みやすかった。

物語は、後に女領主となる袮々が一本しか角を持たない羚羊に出会う場面。
お互いに見つめ合い何か惹かれるものを感じる。
そして、やがて、袮々に起きる一大事の度に知恵を授け助ける存在となる。

羚羊(ニホンカモシカ?)のほかにも動物がいろいろ登場。
中でも河童が愉快。

袮々とあるとき遭遇した河童が苦しむ袮々に薬を与え助け、親しくなり「嫁に来ぬか?」と
求婚されるが、断る。
河童はその後も袮々のことを想い、妻に迎えた河童は袮々に似た河童で
名前を袮々子として夫婦仲良く暮らしたとか。


袮々の周りでは哀しい出来事が起き、親しい者を次々、世を去っていくが
周りの者に助けられながら、困難に立ち向かい、知恵で家臣や領民を守り抜く。


剃髪し、清心尼として晩年は静かに暮らした様子。
大河ドラマの題材にもなりそうな人物だなぁ~。
無知ゆえ、この物語で初めて存在を知りましたが・・・^^;


八戸から遠野に移り住むことになった袮々たちと共に河童たちも移動。
遠野が河童伝説で有名になっている所以も絡んでいるのが楽しい。


中島さん、初の歴史小説でしたが、他の歴史上の人物でも、また
何か書いて欲しいなぁ~。


                             ★★★★★



発行年月:2014年8月


 二度は出会えない、貴重な旅の記録

旅好きだけど、旅慣れない――そんなスタイルだからこそ出会えた人や出来事。
日本国内から海外まで、旅の記憶を集めたエッセイ集。

                 (文藝春秋HPより)




角田さんの旅のエッセイは以前も読んで楽しかったので、これも

楽しく読みました。
方向音痴なのに、好奇心旺盛で、海外へ一人旅に出かける角田さん。
困った状況では、必ず助けてくれる神様に、各所で出会うのも
人柄ゆえかな?

楽しく読んでいたら・・・
最後の第四章では、ちょっと衝撃的なお話が出てきてビックリ!

NGO「プラン・ジャパン」のキャンペーンに参加した話。
発展途上国の子どもや生活を支援しているというプラン・ジャパン。
2009年から「Becaue   I  am  Girl」というキャンペーンを行っている。
発展途上国では貧困から女性や子どもがいろいろな犠牲を負わされる現状があり
そんな現状をレポートするよう依頼されての訪問だったとか。

作家活動以外にもすごい仕事もしてるんだ~と先ずは驚いたけれど、
訪れたアフリカ、インド、パキスタンで暮らす女性たちの何と過酷な目に
遭わされていることかと胸が痛くなってきた。

こういうレポートを通じて世界に発信することで、彼女たちの未来が少しでも
生きやすい世の中になったら・・・と願う。


                           ★★★★



発行年月:2014年8月


 主人公は翠川真緑(みどりかわみどり)。通称グリーン・グリーン。県立農林高校の新米教師だ。畜産科には山羊と豚がいるし、園芸、栽培科には花、果樹、野菜の畑や、ビニールハウスが並んでいる。林業科には研修林や、炭焼き窯まで揃っている。都会で育った真緑は失恋のショックを炊きたてのおにぎりで、救われたことがある。お米の美味さに感動した真緑が出会った農林高校での驚愕と感動の日々! あさのあつこが農業高校を舞台に描く青春ドラマ。

                    (徳間書店HPより)




「グリーン・グリーン」って何?と思ったら、主人公のあだ名でした!

翠川真緑(みどりかわみどり)・・・ちょっとお笑い芸人みたいな名前^m^

でもとっても楽しいお話でした。

新米教師として赴任した農林高校。
そこに赴任しようと決めた理由もなんだかユニーク。
生徒たちも素直で可愛い。
先輩教師たちも個性的だけど、優しい。

そして、豚の201号との会話が良かったなぁ~。


あさのさん、ホントにいろんな話を書くな~と感心しちゃう。


                            ★★★



発行年月:2014年8月

幕府に翻弄される庄屋、圧政に苦しむ百姓、身命を賭して民を守る名君。
九州・久留米藩を舞台に、大庄屋の次男・庄十郎が医師を志す成長物語。
名も無き人々への慈愛に満ちた渾身の長編小説。

                 (集英社HPより)



農村が舞台の物語で、歴史上の著名人の登場はなく、地味な物語。
最初は読み進むのに難儀しました。
が・・・・読み続けていくと次第にそこに居る人々の暮らしが
どうなっていくのか気になり読むスピードも上がりました。

主人公の高松庄十郎は、大庄屋の家の次男として生まれた。
父の孫市は、農民の気持ちを汲んで苦しい暮らしを訴える農民の要求を藩に
認めさせるため奔走した。
そして同じように働いた御家老・稲次因幡。
しかし、藩に背くものは邪魔者として稲次は処罰を受ける。

その稲次の家を父と訪ねたときに目にした掛け軸の文字
<天に星、地に花、人に慈愛>の言葉が庄十郎の心に強く残る。
そして、疱瘡に掛り命を落とす手前をは助けてくれた医師・鎮水の元で医術を学ぶため
家から離れる。
庄十郎の疱瘡は母にも移り、母は命を落とし、そのことがあってか、兄とは
わだかまりが出来たままの故郷を後にする。


時代は飢饉が起き、農民たちがそれでもなお、年貢を納めなければならないという
苦しいときが背景にあり、飢えで亡くなる人たちの様子は本当に惨くて
読むのが辛くなった。

そして、そんな農民から年貢を取り立てなければならない大庄屋の人たちの苦悩も
描かれていて、本当に辛い場面ばかり。

農民がたまらず一揆を起こすのも当然の成り行きで、その怒りの矛先を受けた
大庄屋の悲劇も何とも惨い。

一番責められるべき者はもっと上のものでしょうけれど・・・。

こんなに辛いことばかりの物語のなかでも、主人公・庄十郎が医師として
働く姿を読める場面には感動があり、それがあるから読み終えらかも。

しかし、生きるためにこんな困難を強いられた時代があったということを
学べたことも良かったかも。


                        ★★★★★
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