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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年9月


 食品の安全神話を深くえぐる問題作登場!

天使の卵か悪魔の卵か……。
吉祥寺にある有名自然食品店で売られている卵は、極上の味、『極卵(ごくらん)』と呼ばれて大人気の商品だった。しかし、この極卵を原因とする、食中毒事件が発生。時間がたつうちに幼児の感染者が次々に死亡していく。餌、衛生管理は完璧だったはずなのになぜ汚染されたのか。
疑惑を追い始めた元新聞記者の瀬島桐子。桐子の同級生だった野々市純子の長男も中毒患者のひとりに。純子はカリスママダムといわれブログ上では著名な存在だった。被害が拡大していくなか、過激なまでに業者を糾弾していくモンスター消費者の広告塔に祭り上げられる純子。話題性抜群と、事件を煽る新聞、テレビメディア各社。そして事件の裏には遺伝子組み換え食品を手がける大企業の影が……。
偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーの登場。「これは、私の最高傑作」と言い切る医療ミステリーの旗手仙川環が二年に渡って執筆した傑作書き下ろし作品。

                      (小学館HPより)




食の安全について考えさせられる物語でした。

リアルで、実際に起きても不思議じゃない話。

体に良い物を子どもには食べさせたいと思う親は多いんでしょうが、
あまり神経質になるのもね・・・・。

今回の食品は「卵」。
生で卵を食べるのは日本人くらいらしいけれど、逆に言えば、それだけ徹底した衛生管理が
なされているからとも言える。
しかし、今回は、それが故意に崩された結果、起きた悲劇。

食中毒で亡くなった人も出たけれど、それ以外でも自己の責任を感じて
自ら命を絶った人も出て、なんだかすごい話だった。


仙川さんの医療ミステリーはいつも楽しく読ませて貰っていますが
今回のは少し違った角度から、わたしたちに問題提起したかんじ。

風評とかに惑わされず、自身の知識を高めて判断しないといけないな~。


スピード感ある展開で、一気読みさせてくれるのは、さすがだな。


                            ★★★★

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発行年月:2000年12月


妹にしか見えない大切な友だち ポビーとディンガン。
行方不明になったふたりを懸命にさがす兄と町じゅうの人々が
おりなす小さな奇跡。
せつなくて、あたたかくて、いとおしい。
世界一かわいくて、けなげな兄と妹の物語。

                 (本の帯文より/アーティストハウス)



図書館棚から借りて来た本。
表紙の絵が可愛かったので・・・。

お話の舞台は、オーストラリアのパールの採掘場がある街。
父親のレックスは一攫千金を目的に、この街に家族とともに引っ越して来て、
毎日土埃にまみれながら鉱山でオパールを探す。


ああ、オーストラリアに新婚旅行に行き、お土産に、オパールのイヤリングを
母に買ったっけ・・・なんて思い出したりして読みました。



表題のポビーとディンガンは、8歳の妹・ケリーアンにしか見えない友達。
兄のアシュモルはいつもそれをバカにしていたけれど・・・
行方不明になった友達を心配し、段々と衰弱していく妹の姿を見て
自分が見つけ出して、妹を元気にしてあげなきゃ!と
実際に探し回り、町じゅうの人たちにも協力を求める。

このアシュモルの姿が健気で泣ける(/_;)。


そして起きた奇跡!
それで、ハッピーエンドになるかと思えば・・・・。


なんと切なく温かい物語なんでしょう。


調べていたら、これ映画化もされてるみたい。



ちょっと興味あるので、機会があったら見てみよう。


                             ★★★★ 



発行年月:2001年2月


  医学生時代の友人に誘われた、海へ行ってみようか。心の病を得て以来、一人で電車 に乗るのは十年ぶりである。旧友の海辺の診療所で過ごす五日間の休暇。朝市の老婆 に亡き祖母の顔を見、崖下の洞窟でイワシを焼いて少女と語らう。

                (文藝春秋HPより)



医者である著者の自伝的小説。

神経症うつ病の診断をされて、パニック障害の発作に怯えながらの生活。
想像出来ないがそれは、大変なことだと思う。

ある日、学生時代の友人・松山から自身の診療所兼住居に暫く来ないか?の
誘いの電話を貰い、海に近いという彼の元を訪ねる。
簡単に訪ねられるわけではなく、新幹線に1人で乗るという難題もクリアしなくては
ならない。

そして、なんとかパニック障害も起こさず、海辺の松山の診療所へ到着。

松山の娘(高校生)・千絵との場面が良かった。
千絵は賢い。人の気持ちを汲むことができる良い医師になれそう。

海辺の診療所で過ごした5日間、触れ合った人たちとの間に生まれた
温かい交流が、重たいものをこれからも抱えて生きて行くであろう
医師の癒しとなったかんじ。

医師の妻も明るいかんじ。

うつ病を持つ者には、病気にについて正しく理解し、
温かく見守る人が居ることが一番の薬でしょう。
そんなことを改めて勉強させてもらったような物語でした。


文章が美しく、内容的には重たいけれど、引きこまれて読みました。
ほかの作品も読んでみたいと思いました!


                          ★★★★



発行年月:2008年11月

善と悪、生と死が交錯する『永遠の仔』以来の感動巨篇! 全国を放浪し、死者を悼む旅 を続ける坂築静人(さかつき・しずと)。彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、 末期癌の母らのドラマが繰り広げられる.

                 (文藝春秋HPより)



読みそびれていた本を図書棚で見つけ借りて来た。
坂築静人32歳は、全国を廻り、亡くなった人を悼み続けている。

最初から、何のためにしてるの?
何が彼をそんな風にさせたのか?
疑問だらけでした。


そして数々の死。
事故死あり殺人あり病死あり・・・・重苦しい話のなかで、唯一明るいのが
静人の家族たち。
でも静人の母・巡子は末期ガンで余命3か月の宣告を受けている身。
そんななかでも前向きで明るい巡子。
何処かにいる静人のことを気にかけている。
彼が悼む人と呼ばれ、マスコミに取り上げられたことを知る。
それを取り上げた記者の蒔野抗太郎とも後半、会う。
その場面は、良かった。
ちょっとヤサグレ感の強かった記者の蒔野が倖世の話から
静人の生い立ちやらを聞いて、今までの思いを変えるキッカケに
なったような場面。
 
 
静人は、旅の途中、夫殺しの罪で服役していた女性・奈義倖世と知り合い
倖世が勝手に付いていくという形で二人連れのかたちで世間からも認識される。
二人の関係はその後変化する?と期待したけれど・・・・。


静人という人が行う「悼み」は理解し難いけれど、死者が生きて居たこと
誰かに愛されていたことを忘れないでいるというのは、死者にとって
嬉しいことだろうなと感じた。


ラストの場面は、感動的で、ジ~ンと来た!

読んで良かった。


                          ★★★★



 
 
 



発行年月:2000年4月

時は中世。公国の若き領主に仕えてきた老摂政が亡くなった。将来を案じた彼が遺していったとっておきの秘策、それが飼い猫ニフィのことだったとは! 賢い猫はやがて“摂政”として敏腕ぶりを発揮。領主の恋に政治的陰謀が絡まりだすとき、隠れ摂政ならどんな妙手を繰りだす? 『歌う船』や〈パーンの竜騎士〉で知られる現代SFの女王が贈る、猫ファンタジイの逸品。訳者あとがき=赤尾秀子

                  (東京創元社HPより)




図書館棚から表題に惹かれて借りて来ました!

表紙の絵も可愛いし・・・。


猫のニフィが大活躍のファンタジーでした!
時代は中世ということで、どこかおとぎ話の雰囲気。

黒猫・ニフィは、エスファニア公国のジェイマス五世の摂政・マンガンが可愛がっていた猫。
マンガン亡きあと、若き領主・ジェイマス五世の元で彼を助ける。
猫なのに、人間以上の献身ぶり。

表題は『だれも猫にはきづかない』 なのに、誰からも愛されているニフィ。

でもその表題の意味が最後にわかった!
なるほど。。。気づかないのは、悪者でしたね。


悪巧みのモーリティア王妃をニフイ1匹でアッと言う間に退治しちゃうんですから
凄いわ~。


著者の経歴で、猫を七匹と暮らしているとありました。
ああ、猫好きな著者だったんですね~。

偶然、手に取った本ですが、猫好きのわたしには、ツボでした!!


                          ★★★★★
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