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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年10月


 

部位の数だけ人生もある!じんわりおいしい肉小説を召し上がれ

ロースカツ、角煮、生ハム……。何だかお母さんが煩わしいときも、年をとって格好悪かったりするときも、お肉を食べて前を向けばちょっぴり変わっていけるはず。心とお腹にしみる、おいしくてあたたかな短編集。


              (角川書店HPより)



豚肉が出てくる小説集。
面白い試みだ!

「武闘派の爪先」・・・豚足
「アメリカ人の王様」・・・とんかつ
「君の好きなバラ」・・・角煮
「肩の荷(+9)」・・・味噌煮込み
「魚のヒレ」・・・豚ヒレ肉のトマトソース煮込みピザ風
「ほんの一部」・・・ハム



クスッと笑える話もあれば、結構ブラックなユーモアもありで
「今度はどんな話かなぁ~?」と読み終えて次に行くのが楽しみな
短編集でした。


ちょっと哀愁あった「君の好きなバラ」が一番好きかな~?
豚のバラ肉・・・お花の名前がついたお肉ととらえる子どもの発想が
可愛いかったなぁ~。

表紙の絵もいいです!!


                           ★★★
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発行年月:2011年8月


 大人なら大人らしくしろ。

父親がいる家にはいたくない。セキコは苦しかった。
塾の宿題は重く母親はうざく妹はテキトー。世の中にまともな家はあるのか。
怒れる中学3年生のひと夏の物語。

                  (筑摩書房HPより)





中学3年生の飯田セキコ。
仕事を辞めた父(これで3度目)が家でゴロゴロ一日中しているので
家に居たくない。
図書館に閉館まで居てみたり・・・喫茶店で時間を潰したり・・・・

時は夏休みに入り、お盆休み前に、塾の宿題がたっぷり出て
同じ塾に通う友人たちの元に行っては答を写させて貰ったり、写させてあげたり・・・


ああ、中学時代の夏休みを思い出すわ~という内容。

セキコが一番親しくしている、ナガヨシが変わっていて面白い。
別に好きではないけれど、なぜか男子の大和田を尾行するのが趣味。

他にも英語だけ成績優秀なクレ(男子)。
塾ではいつもトップクラスの室田いつみ。



家族に不満があってもそこに留まるしかない年代。
独立するまでは、そのなかで生きて行くしかない。


もう1篇の話「サバイブ」は「まともな家に子供はいない」の登場人物が
リンクして登場。
また別の家族のはなし。



なんてことはない話なんだけど、ああ面白かったと思えた。


                          ★★★★




発行年月:2014年11月


 仲のよかった家族に一体何が。

ページを繰る度に覚える違和感。そして続く衝撃!

東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。
夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、
遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。
実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。
そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。
実家で何があった? 
明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。

「どうして人の命の重さには違いがあるの?」

                     (講談社HPより)





表題からして重たい話かな~?とは予想していましたが、本当に重たい話でした^^;


里帰り出産を急遽することになった遼子は、実家にそのことを電話。
迷惑はかけるけれど、すぐにOKの返事はもらえるだろうと思ったのに
返事を即答できないと言う母。
先ずはそこで違和感を抱く。
それでも帰っていらっしゃいと数日後に連絡を貰い、実家へ向かった遼子。
でも、両親と高校1年の妹の様子が何となく今までと違う。
特に父親と妹の関係が変化しているかんじ。


読みながら、遼子と同様、「家族に何があったの?」と気になる。
段々と明かされていく家族に起きたこと。

うわ~予想以上に深刻な事態でした。

我が家も娘が二人なので、つい我が家で同じことが起こったら?なんて思いながら
読みました。

わたしは、こういう解決方法は絶対とらないと言い切れないところが恐ろしい。

でも、最後は、まあ結果よかったのか?とも思える。
う~ん。難しいな~。


ササッと読めて、まあまあ楽しめましたが、読後感はあまりよくないな。


                            ★★★



発行年月:2014年12月


 江戸中期、松茸は幕府への貴重な献上品であり、松茸狩は尾張藩主が好む一大行事であった。算術が得意な江戸育ちの尾張藩士・小四郎はそれを生かして藩財政の立て直しを夢見ていたが、なぜか「御松茸同心」を拝命。尾張の山守に助けられながらも松茸不作の原因を探る日々が始まった。やがて小四郎は、山に魅せられ、自分の生きる道を切り開いていく――。数式でははかれない世界がそこにはあった! 直木賞作家が描く、傑作時代小説!

                     (徳間書店HPより)




父の後を継ぎ、江戸藩邸で定府藩士として勤めていた榊原小四郎。

家督を継いだのは18歳の昨年。
亡き母の妹・稲が母親代わりで育ててくれた。
稲が儒学者の娘であったことから小四郎は幼いときから
学問に向かわされ算術が得意。
共に働く者たちを心の中で愚弄していた。
いつかは藩のためもっと重要な仕事を任される立場になりたいと野心を抱いていた。
が・・・・突然の任は「御松茸同心」の命。

江戸を離れ、国許である尾張の地で不作続きの松茸を何とかしなければならない
お役目。

自身の不運を嘆き、渋々役目に励む小四郎。
ともに国許に戻った、3人の父親の古い友人たちが愉快。
小四郎のことを子ども扱いしたり、とろい奴とからかったり・・・・
でも手伝いに来てくれたり小四郎のことを気にかけてくれる。


最初は3年の任期だったが、9年が過ぎてしまう。
松茸を豊作にするヒントも段々と掴んでいく。

松茸に詳しい村人たちにも助けられ、小四郎も「御松茸同心」の仕事に夢中に
なる。
同じく「御松茸同心」の矢橋栄之進が最後に明かした正体は驚きだった。

登場人物たちがいい。
温かい交流が読んでいて楽しい。
小四郎が成長していく姿が良かったぁ~。


徳川家の御三家(尾張家、紀伊家、水戸家)の話は詳しく知らなかったので勉強になりました。

謹慎の身にあった尾張藩主の徳川宗春公に松茸狩りをして貰おうと奮闘する
人々の姿がなんだかジ~ンとした。
子ども騙しのようなものでも、きっと宗春公は嬉しかったでしょうね~。
実話かどうかはわからないけれど、その舞台となった興正寺は、
たまたま、長女が下宿している近くなので、今度訪れてみたいなぁ~。


  

                          ★★★★★



発行年月:2014年12月


 岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。四十過ぎの寡黙な半平という亭主と、「峠の弁天様」と旅人から親しまれる志乃という三十半ばの女房が十年ほど前から開けている。ふたりは武家の出らしいが、詳しいことは誰も知らない。ある年の初夏、ふたりの静かな生活に事件が起こる。傑作時代小説

                    (双葉社HPより)



峠の茶屋を営む夫婦・半平と志乃。
二人の過去が気になりつつ途中までは読みました。

寡黙な半平と美人で物腰に品が漂う志乃。
二人は夫婦だが、そうなるまでの経緯が中盤に記され、ああ、そういうことだっのか。
と納得。

藩の派閥争いに巻き込まれて志乃は夫であった天野宮内の元から離れる。
まだ幼い一人娘・小春を残して・・・・
そんな志乃を助けたのが半平。

静かに茶屋を営んでいたけれど、やがて再び騒動に巻き込まれていく志乃と半平。

半平が格好いいのです。
葉室さんの作品には、必ず恰好いい男と美しい女が出てきて
途中困難があるけれど、最後はめでたしめでたしの結末になるという
のがお決まりなので、ハラハラドキドキはするけれど、安心して
途中のハラハラドキドキを楽しめます(^^)


最初は怖い存在だった盗賊夜狐のお仙が最後は自身を犠牲にしてまで
志乃たちを守ったのには、ジ~ンと来ました(/_;)。

今回も文句なしで楽しませていただきました!


                        ★★★★★
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