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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2012年8月

最低の悪女をめぐる傑作ミステリ


離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞に、
人気歌手・実菓子のインタビューの仕事が舞い込んだ。
多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも
多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。

                  (角川書店HPより)



表題からインパクトありますが、読むと衝撃をうけまくりの凄い話でした!!

青鹿多聞と実菓子の出会いは、多聞が小学生5年生、実菓子が小学4年生。

実菓子は母の鏡子と共に多聞の家に住むことになる。
多聞の兄・不動は、その時、中学1年生だが、病弱で母親は何かと不動の
世話を焼いていた。

最初から、この展開に何か嫌なことが起きそうだと、ソワソワ。
特殊な環境を持つある村の旧家同士の確執が土台にあって・・・・

多聞たちの藤屋と実菓子の元の家である斧屋。


最初は、大人になった実菓子が極悪の女性かと思って読んでいましたが・・・
実菓子は、ただの被害者でした。
実菓子の母親と同じくらい性悪だったと知った多聞の母の真実には、ビックリ!

もうドロドロの愛憎劇なんてもんじゃない。
旧家同士の恨みが絡まったとんでもない話で、読んでいてドキドキが持続しっぱなしで
読み終えたときには疲労感すら感じてしまった。


いや~凄い話、書きますね・・・・。


読み終えると、このタイトルと表紙が、すごく意味深に感じます。

遠田さんの作品は、全部凄い!!


                            ★★★★★

 
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発行年月:2015年3月


  『代償』で山田風太郎賞候補、旬な作家の意欲作!
今の、マジック? 珍現象を目撃した 楓太は、
その場にいた冴えない中年男がどうにも気になるように。
孤独な二人の人生が 交差する。

                   (文藝春秋HPより)


アパレルメーカー勤務の宮本楓太(25歳)と大里春輝(40歳くらい?)。
二人の男がある日、公園で出会う。

そして、大里春輝は小学6年生の時から話が始まる。

兎に角、二人の日常が、暗くなるような話ばかりで、うんざりしてくる。
読むの止めようかな?なんて途中思いながらも一応、読み続けた。

出てくる女性たちもちょっと変わった人たちだったけれど、楓太の会社の上司の
田崎係長は、良い人だったなぁ~。

兎に角、ちょっと好転しそうになると、また物事が悪い方向に転がって行く
二人だったけれど、最後は、急に「え?」と思うほど
めでたしめでたしみたいになるので・・・・拍子抜けしちゃいました^^;

面白くないわけじゃないけれど、なんだか疲れる話でした。

伊岡さんって、良い話とそうでもない話の落差が激しいような・・・・^^;


                              ★★






発行年月:2015年3月


 夏休みが終わってバスに乗ったら、彼女に子供ができて電車に乗ったら、世界が少し変わっていた――。

中学三年生のハルと、小さなデザイン事務所で働くダイチ。気がつくと二人は、いつもと「少し違う」世界に迷い込んでいた。白いうさぎ、奇妙な双子、会えない手品師、水色のワンピースの女……不思議でどこかなつかしいこの世界に、二人はこのままいたいのか、抜け出したいのか。

あの日、何かができたのかもしれない。追憶が導く、過去と未来を繋ぐ“夢の中”。

一作ごとに違う風景を見せてくれる実力派作家の待望長編。

                      (講談社HPより)



不思議な話だったなぁ~。
でも、こういうの面白い。
パラレルワールド的な話。

中学3年生の小玉ハルと29歳の掛橋大地の日常を描きながら
二人が、同じ場所に居合わせることが度々。


ハルは、友だち付き合いにやや困惑している。
仲良しのあかりのもうひとりの仲良しのユッチの事が苦手で、ユッチから
いじわるな発言を度々浴びせられる。

15歳年上のシュウジが小さい時から、ハルにとっては良き理解者。
そのシュウジが突如現れる。


掛橋大地は、デザイン事務所のデザイナー。
後輩の谷川は自分はこんな事務所に居るような人間じゃないと思っていて、
大地と度々衝突。
大地は10年付き合っている由里と同棲中で、彼女が妊娠したのを機に
結婚を迫られている。

小中学校で同級生だった伊吹あやめが突如現れる。
彼女は虐められていた。自分はそれを見て何も言えなかったし何も出来なかった。


ハルも大地もモヤモヤした気持ちを日常のなかで抱えながら生活しているのが
似ている。
本来の日常とは離れた場所で、出会った人たちと交流しながら
普段の日常のなかでの気持ちが良い方向に向かったのかな?

特に大地は、幸せな家庭を築いていこうと前向きに結婚を考えた様子で
良かった良かった(^^)

不思議な話だけれど、読みやすかった。


                       ★★★



発行年月:2013年11月


 3.11の直後、東北に石油や灯油を届けるために、ディーゼル機関車が活躍したのをご存知ですか? 全国から集められたディーゼル機関車たちが、新潟から福島の郡山へと走ったのです。最初に出発したのが、デーデです。途中、雪でスリップし、立ち往生してしまいます。なんとか郡山に着いたときには、予定の時刻を、3時間過ぎていました。それでも、みんな待っていてくれ、とても喜んでくれました。
実話が元になった絵本です。

2011,3.11、東日本大震災で、東北本線、東北新幹線、東北自動車道ともに不通となり、東北への輸送が絶たれました。その時、中越地震を経験していた新潟のJR貨物の方たちを中心に、燃料を届ける取り組みが始まります。電気の通っていない磐越西線を使うため、全国からディーゼル機関車が集められます。また、燃料は横浜の根岸から新潟の貨物ターミナルに運ばれます。運転士さんも急遽ディーゼルを動かす研修をして、震災から2週間、3月26日にディーゼル機関車が10両のタンクをひいて出発したのです

                   (童心社HPより)



こんな風に頑張ったディーゼル機関車と、それに関わった人たちの奮闘ぶりに
胸が熱くなりました。
知らなかったなぁ~。

絵も素晴らしいです!
雪のなかを燃料を運ぶためにひたすら走り続ける機関車の雄姿が眩しい。

災害時、こんな風にいろいろな頑張りがあったんでしょうね。


                           ★★★★★




発行年月:2015年2月

人生に迷っている時に、サンティアゴで再会した初恋の人。家族について何も話してくれない婚約者の両親に初めて会いに、青森へ。上海に住む男性を訪ねてきたのは、何年も会っていない娘の恋人だった。
世界の片隅で、日本の片隅で、今日も誰かが小さな運命の一瞬を迎えている。温かい感動が降り積もる、『うさぎパン』の著者、初の短編集。

第一話 サンティアゴの雪
第二話 津軽のリュウニー
第三話 上海の仏蘭西料理店
第四話 瀬戸内海の魔女
第五話 アントワープの迷子
第六話 渋谷で待つ

                     (講談社HPより)



世界各地で繰り広げられる物語。

人生の転換期をそこで迎えている主人公たち。

<サンティアゴの雪>
経営コンサルタントの芽衣子は、出張でサンティアゴへ。
そこには初恋の園田が住んでいる。
空港のタクシー乗り場の長蛇の列に並んでいると、自分を呼ぶ声が・・・
それはあの園田だった!

偶然の再会から始まる恋?と思いきや・・・
でも二人は良き友で在り続けられそう。


<津軽のリュウニー>
婚約者の隆明の実家へ二人で初めて訪問。
そこはお寺だった。
始めて知る彼の実家の様子に戸惑う春香だが、やがて自然に溶け込んでいく。

実家がお寺って!初めて知ったら誰でも戸惑うでしょう。
でもこういう素敵な家族なら、良かった。


<上海の仏蘭西料理店>
中国で1人暮らしの信三の元に突然、現れた日本に住む娘の婚約者という男・山本。

なんだかいいな。山本。
離れ離れの家族の絆が山本を通じて再び強くなりそう。


<瀬戸内海の魔女>
瀬戸内の島にあるホテルの最高室に泊まる老女・松平様。
ホテルでバイトする中学生の広海は、ホテルから離れた場所で松平を見かける。

元、島民の松平。15歳で島から離れその後、女手ひとつで不動産事業を成功させた。
50年ぶりの故郷。
離れたくて出た島でも、やはり心の中にず~っとあったんでしょうね~。
ちょっぴり切ない。


<アントワープの迷子>
母と二人ベルギー観光する志保。
年下の婚約者と別れたことを母に言えずにいた。

こういう母と娘の関係いいな~。


<渋谷で待つ>
15年の一緒に暮らしていたけれど、涼子だけ離れて暮らすことに。
原因はほかに好きな男性が出来たこと。

好きな男性とも結局別れたし、この夫婦、すごく仲が良いかんじで、
このまま別れる必要全くないかんじなんだけどね~。
でも当人たちしかわからない感情はあるんでしょう・・・。


ササ~ッと読めて、どれも面白い短編でした♪
主人公たちのこの先の幸せを祈ります!


                             ★★★
 

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