発行年月:2011年11月
いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「
おめでとうございます、抽選にあたりました!」
ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。
前世の記憶もないまま、借りものの体でぼくは
さしてめでたくもない下界生活にまいもどり…
気がつくと、ぼくは小林真だっ
た。ぐ
っとくる!ハートウォーミング・コメディ。
(発行/講談社)
図書館棚で見つけて、冒頭を読んで・・・「あれ?読んでない!」と
借りて来た次第・・・(^^ゞ
児童書のコーナーにあった。
主人公は中学3年生の小林 真。
自殺して、命が尽きるというときに、天使が現れて、神さまの抽選に
当たったので、もう一度、他人の体を借りて下界で生活することが出来ると。
その間に、自分が生きていた時に犯した罪を思い出すことと。
途中で、結末が予測できたけれど、いい物語だった。
真が自ら死を選んだこと。
その理由は幾つかのことが絡んでいるけれど、真が思っていたこととは
ちょっと違う。
それに気づくチャンスを貰えてよかった!
大人からしたら「そんなことで死を選んだの?」と思うことだけど
きっと真には、絶望的状況だったんだろう。
中学生の子達に特に読んで欲しい内容。
★★★★
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発行年月:2023年7月
明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から――
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者の書下ろし長編
いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生!
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、与えてくれたものが確かにあった――。
(文藝春秋HPより)
小学3年生の
岸間 冴・・・・父親が病死後、母親と暮らす。
母は、夜の仕事で夕方~深夜まで勤務。
近所のおばさんが母の代わりの夕方から来てくれる。
江崎心晴・・・・小中一貫校に通っている。両親と暮らす。
母親は幼児教室の先生で心晴の教育にも熱心にアドバイス。
コロナ禍、時間差登校から一斉登校になったが
心晴は学校に行かなくなる。
二人の少女が大人になって就活で出会う場面が突然、出てくるので最初は「?」
別の人たちの話かな?と少しだけ混乱。
大人になった場面では苗字。
小学生の時代では名前で出てくるので・・・。
ただ途中、それが同一人物の現在と過去だとわかり、余計に面白くなった。
冴と心晴が段々、親しくなっていく様子もいいし
それぞれの子ども時代~高校生までの話で関わる人たちの物語も素敵。
コロナ禍の最初は大人も戸惑う事態で、子どもも色々と翻弄される。
冴の母親と心晴の母親は真逆のような人だけど、子どものことを大切に
思う気持ちは同じだったんだとわかる。
特に冴の母親は、素敵だった。
冴にとってはかけがえのない存在になる同級生の男の子・蒼葉の希望そのものに
なったのだから。
冴が小学校の先生になり、色々な子どものよき理解者になっていく未来が
楽しみ。
勉強だけじゃない、大切なことをたくさん教えてくれそう。
こんな先生が、沢山、教育の場にいるといいのにな。
今回も文句なしの感動作でした!!
★★★★★
発行年月:2023年8月
2023年、必読の家族小説
「家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。
新聞連載時から大反響! 感動という言葉では足りない、2023年を代表する傑作の誕生
(KADOKAWA HPより)
550頁越えの長編でしたが、頁を捲る手が止まらない。
家事とか、やらなくていいなら、ずっと読んでいられる(笑)
主人公の悌子がすごくいい。
人として、素晴らしい!尊敬する。
教師としても母親としても最高。
結婚したときは、流れでなんとなくという感じだったけれど、夫になった権蔵も
素敵な人だった!
悌子と二人が揃ったら怖い物なしのかんじで色んなことを乗り越えていく姿は
清々しい。
戦争前~戦後の時代の話なので、辛いことも多いんだけど、そのあとに
必ず希望があって救われる。
悌子の幼馴染・神代清一とは、戦争で二度と会えなくなったけれど
その息子・清太との関係は素敵。
血の繋がりがなくても、こんな風に家族になれるんだな~。
運動が苦手の権蔵が清太とキャッチボールをするラストは泣ける(/_;)
本当に素敵な物語だった!!
★★★★★
発行年月:2022年6月
この物語は、あなたの人生を支えてくれる
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。
(小学館HPより)
保育園の年長さんの時から調理師専門学校を卒業して社会人になった宙の
成長の物語。
最初、なぜ、産みの親がいるのに、その妹の叔母の元で暮らしているのかなぁ~?
と疑問だった。
途中、育ての親家族が海外に行くことになり、宙は産みの親である花野(カノ)
の元で暮らすようになる。
最初はイラストレーターとして働く花野のあまり親らしくない行動に
「この人、大丈夫か?」と宙の今後が心配になった。
でも、ちゃんと手助けしてくれる頼りになる佐伯恭宏(やっちゃん)の存在が
大きかった。
一緒に暮らしていなくても父親の役目を十分に果たしてくれていた。
料理を教えてくれたのはその後の宙の生き方にも影響。
色々な人に助けられて成長する宙は、中学で知り合った神丘鉄太と親しくなる。
彼の家庭は父子家庭でそこに離婚した姉が3歳の娘・葵を連れて戻ってきたが
元夫により精神的ダメージが強く育児もままならず・・・
宙は鉄太の精神的支えになっていた。
高校では父親が刃傷沙汰を起こし高校を退学した遠宮廻と親しくなる。
心が弱っている人の力になれる宙は自身は強くなったなぁ~。
このまま平穏に・・・・と思った終盤に事故死してしまった、やっちゃん。
えぇ~っ!
その加害者は飲酒運転で過去にも同じ事故を起こしていたという
腹立たしい!!
そんな加害者の家族にも優しく接する宙。
まあ、確かに奥さんと子どもには罪はないのだけど、なかなかこういう行動は
出来ないかもな。。。。
ラストは宙が未来に向かって前向きに頑張ろうとしているところで
終えたのは良かった。
温かい物語だった。
★★★★
(小学館HPより)
保育園の年長さんの時から調理師専門学校を卒業して社会人になった宙の
成長の物語。
最初、なぜ、産みの親がいるのに、その妹の叔母の元で暮らしているのかなぁ~?
と疑問だった。
途中、育ての親家族が海外に行くことになり、宙は産みの親である花野(カノ)
の元で暮らすようになる。
最初はイラストレーターとして働く花野のあまり親らしくない行動に
「この人、大丈夫か?」と宙の今後が心配になった。
でも、ちゃんと手助けしてくれる頼りになる佐伯恭宏(やっちゃん)の存在が
大きかった。
一緒に暮らしていなくても父親の役目を十分に果たしてくれていた。
料理を教えてくれたのはその後の宙の生き方にも影響。
色々な人に助けられて成長する宙は、中学で知り合った神丘鉄太と親しくなる。
彼の家庭は父子家庭でそこに離婚した姉が3歳の娘・葵を連れて戻ってきたが
元夫により精神的ダメージが強く育児もままならず・・・
宙は鉄太の精神的支えになっていた。
高校では父親が刃傷沙汰を起こし高校を退学した遠宮廻と親しくなる。
心が弱っている人の力になれる宙は自身は強くなったなぁ~。
このまま平穏に・・・・と思った終盤に事故死してしまった、やっちゃん。
えぇ~っ!
その加害者は飲酒運転で過去にも同じ事故を起こしていたという
腹立たしい!!
そんな加害者の家族にも優しく接する宙。
まあ、確かに奥さんと子どもには罪はないのだけど、なかなかこういう行動は
出来ないかもな。。。。
ラストは宙が未来に向かって前向きに頑張ろうとしているところで
終えたのは良かった。
温かい物語だった。
★★★★
発行年月:2023年6月
執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!
遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。
謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。
【リバーシブル・カバー仕様】
恩田陸によるミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』作中で、幻の作家・飯合梓の唯一の著作として登場する『夜果つるところ』。
『鈍色~』の核となる小説を完全単行本化した本書のカバー、恩田陸版/飯合梓版を自由にかけかえ可能なリバーシブル仕様でお届けします!
(集英社HPより)
『鈍色幻視行』で皆が語っていた、飯合梓が書いた『夜果つるところ』。
舞台になった「堕月荘」は、軍人が多く訪れる遊郭の宿。
そこに幼い時から人の目からあまりつかないようにと言われて育つ
ビイちゃんが語る話。
ビイちゃんには、産みの親の和江
育ての親の文子
それから主に教育を担当の莢子の存在がある。
ビイちゃんの正体は、謎のまま、最後に明かされる。
墜月荘では、色々な人が訪れる。
ビイちゃんには、それらの人に付いているこの世の者では無くなった者たちの
姿も一緒に見える。
そして次々に人が亡くなっていく。
その亡くなり方は色々だけど、恐ろしいと同時にどこか魅入らせるものがある。
恩田さんは、こういう雰囲気を醸し出す物語が巧い!
文章は読みやすく、読めるのに、なぜか、時間がかかった(^^ゞ
読んだのは図書館本だけれど、カバーが飯合梓の書いたものとして変えられる
のは良いアイデア!
また図書館ですぐに借りられるようになったら
「鈍色幻視行」と両方を再読したい。
★★★★
(集英社HPより)
『鈍色幻視行』で皆が語っていた、飯合梓が書いた『夜果つるところ』。
舞台になった「堕月荘」は、軍人が多く訪れる遊郭の宿。
そこに幼い時から人の目からあまりつかないようにと言われて育つ
ビイちゃんが語る話。
ビイちゃんには、産みの親の和江
育ての親の文子
それから主に教育を担当の莢子の存在がある。
ビイちゃんの正体は、謎のまま、最後に明かされる。
墜月荘では、色々な人が訪れる。
ビイちゃんには、それらの人に付いているこの世の者では無くなった者たちの
姿も一緒に見える。
そして次々に人が亡くなっていく。
その亡くなり方は色々だけど、恐ろしいと同時にどこか魅入らせるものがある。
恩田さんは、こういう雰囲気を醸し出す物語が巧い!
文章は読みやすく、読めるのに、なぜか、時間がかかった(^^ゞ
読んだのは図書館本だけれど、カバーが飯合梓の書いたものとして変えられる
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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