発行年月:2015年4月
今を生きるすべての人にあたたかなエールを贈る、エンタメ渾身作!
ネグレクト、スクールカースト、孤独や失意…気まぐれな悪意と暴力、
蔑みと無関心に凍りつく心。震える魂が共鳴するとき、か
つて誰も見たことのない世界が立ち現れて――
現代の闇と光をあぶり出すエンタメ渾身作!
(角川書店HPより)
登場人物は主には3人。
同じ中学の3年生の二人
尾垣真と城田珠美・・・二人は既に推薦でそれぞれ別に進学先が決まっている。
後から登場の佐々野(通称パクさん48歳)は、プロの絵描きで
漫画家のアシスタントとして働いている。
物語の始まりの舞台は銀行で「?」と思ってしまった。
でもなるほど~と。
銀行にはよく地元の子どもが描いた絵など展示してありますからね~。
そして、真は家業がカレーショップで、既に進学先が決まってしまっている真は
店の手伝いで、銀行に行くことに。
そこで見た絵に惹かれてしまう。
<ぼくのうち わたしのうち>とテーマが掲げられて子どもたちの絵が並んで
いるなかに、それは異質なものだったから・・・。
スケッチブックの1頁を剥がした紙に描かれているのは古城。
それも子どもが描いたものとは思えない出来栄え。
あるキッカケでその絵を持ち帰る真。そこから物語が始まる。
最初からこの先、この絵がどういう冒険ファンタジーに導くの?と期待感大でした!
そして、読み始めたら面白くて・・・
でもその絵に秘められた描いた本人の思いがわかるとちょっと辛かったなぁ~。
絵のなかに入り込んで・・・・というのは今までも何処かで聞いたことある
話ですが、話の展開は巧みで、なるほど~と思わされるかんじ。
ラストが救いがあるものなのもいい。
ちょっとアニメにもなった「ブレーブストーリー」に雰囲気が似てるかな?
これもアニメになっても楽しめそう♪
しかし、この表紙の絵凄いなぁ~。
角川書店HPの動画http://www.kadokawa.co.jp/sp/sugisarishioukoku/みて、
感動しちゃった!!
★★★★★
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発行年月:2014年10月
突然、会社をクビになった!
私、ホームレスになるかもしれない
転職活動をスタートするが100社連続不採用……。
失業保険がおりないという事実を前に呆然としながらも、
貯金も底をつき、家賃も公共料金も払えない。いよいよ進退窮まった
明日はわたしかも!
だれももっている貧困という可能性。
「生きる」ために訪れたのは、生活支援課の窓口!
ハローワークのバックアップのもと就職活動に励むものの相変わらず苦戦。
そしてアパートの退去勧告など、降り掛かってくる数々の難題……。
現在、彼女は生活保護を受給しています。
能力もキャリアもあり、働く意志も強い女性がなぜそこまで追いつめられたのか。
イラストレーター小山健さん(3万アクセス『手足をのばしてパタパタする』が好評)の4コママンガ扉も入ります!
(WAVE出版HPより)
凄まじい実体験に基づく書。
最初の正社員で働いていた会社を不運にも会社の扱う商材から出る化学物資で
アレルギー症状が出て休職をすることになったことが不運のはじまり。
それは労災にあたるものだから自分から辞めたのが本当に惜しい失敗。
後でご本人も後悔されていましたが・・・・・
その間違った決断をしたのは、両親の存在。
子どものことを愛している親とは違う人たち。
著者は、親からの虐待をあまり詳しく述べていませんが、
気の毒でならなかった。
文章を読んでいても、知的で良識ある人だと思うのに・・・・
育ってきた環境が悪かったせいか、就職の面接では、その人柄とは違った
印象を与え続けて来ちゃったんでしょうね~。
しかし、役所の福祉課を訪ねて、親身に話を聞いてアドバイスしてくれる人に
会えて良かった!
頼れる人が身内に居ないのなら、福祉に頼るのが正解ですね!
間違ってサラ金などに行かなくてよかった!
著者は、悩んだ末、生活保護を受給するのですが、その過程がよくわかり
知らないことだらけだったので、いろいろ知ることが出来ました。
福祉課とハローワークの連携も素晴らしい!
本当に困っているひとが救われる世の中で欲しい。
痛ましい事件も時々、ニュースで聞きますが、これだけ情報が溢れる社会ですから
自ら助けをどこに求めたら良いかを探すことが大事だな~と思った。
著者は幸運にも今はWEB上でお仕事をされている様子。
今は生活保護とは縁が切れているといいいですね。
★★★
発行年月:2013年7月
刑務所に送るか送らないかを決めるのは、遺族。
裁判で執行猶予がついた判決が出たときに、被害者や遺族が望めば、加害者の反省具合をチェックし、刑務所に入れるかどうかを決定できる制度「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が始まって38年がたっていた。30年前、その制度の担当係官だった経験があり、今は大学の講師として教壇に立つ井川。彼は、「チャラン」と呼ばれるいい加減な上司とともに、野球部の練習中に息子を亡くし、コーチを訴えた家族、夫の自殺の手助けをした男を憎む妻など、遺族たちと接していた当時のことを思い出していた。
加害者を刑務所に送る権利を手に入れた時、遺族や被害者はある程度救われるのか。逆に加害者は、「本当の反省」をすることができるのか。架空の司法制度という大胆な設定のもとで、人を憎むこと、許すこととは何かを丹念な筆致で描いていく、感動の長編小説。
(PHP研究所HPより)
執行猶予被害者、遺族預かり制度・・・・こんな制度あったっけ?
と思っていたら・・・架空のでした^^;
でも凄く考えさせられる物語で、読み応え十分!
被害者と加害者を結ぶ、遺族預かり制度。
被害者や遺族がこれを望めば、2年間、加害者の生活状況を知ることが出来る。
そして2年後、その報告を元に、刑務所に送るか否かの裁決権を得られる。
そして、加害者の生活状況を半年に一度、報告書によって被害者の元に届けるのが
係官の役目。
井川敬治は、30年前、その係官だった。
先輩係官、岩崎進(通称・チャラン)について研修をしていた。
加害者たちは、人の命を奪ってしまったけれど、そこには哀しい事情があった。
不運な偶然だったり、精神的に追い詰めた末だったり・・・。
当事者にしたら、許せない加害者でしょうけれど、第三者として事件を知ると
加害者に同情する気持ちもある。
それだけに、なんだかとても辛かった事件ばかりでした。
井川が係官時代のことを、大学の法学部の学生に講義する形で進む。
先輩係官、チャランのことが段々魅力的な人物に思えてくる。
ちゃらんぽらんのチャランなのに・・・・。
チャランの存在がが重たい話に少し息抜きさせてくれたかなぁ~。
そして、考え方には、なるほど~と納得する部分もあって
物語の終盤で、今も尚、チャランと交流があることがわかって
微笑ましく思う気持ちで終われてよかった。
とても巧い話のまとめ方だ!
面白かった!
★★★★★
発行年月:2015年1月
峰岸晄は五歳で伯父夫婦に引き取られ、空腹を抱えながら育った。母は死に、父は人を殺したからだった。学校では、椅子に画鋲が置いてあったり、いじめに遭った。幼なじみの木下怜菜は万引きまでさせられる晄をただ一人、案じてくれる存在だった。まったき孤独の闇の中で、晄が向かう先は――。驚愕のラストが待ち受ける、心に迫る傑作長編!
(双葉社HPより)
峰岸晄の5歳から29歳までの生き様。
両親が離婚し、母親と二人暮らしになった晄。
母親は水商売をしながら、ホスト通いにはまり、まだ幼い晄は部屋の外からカギを
掛けられ置き去り。
空腹、寂しさに堪えるなか、唯一の支えは仔猫だった。
従兄弟の慎司と見つけた仔猫だけど、慎司は晄が連れ帰っても良いと言ってくれた。
その後、伯父夫婦の家で暮らすことになり成長していく。
が・・・・家のなかでは肩身が狭く、学校では虐められるという生活が続く。
でも、そんなことは平気だと。
一人ぼっちで部屋に置き去りにされた時が最悪だと思っているからかな?
そして、大人になり、陥れる人を決めて生活を滅茶苦茶にする。
その動機は・・・。
なるほど・・・・とそれは理解出来た。
でも、ふつう、それを動機にするって考えにくいこと。
晄にとってのそれは、どん底の中の光を奪った者たちということだったんだろう。
辛く哀しい物語でしたが、最後まで一気に読んだ。
こんな風に成長する子が世の中にはいるんだろうな・・・と思ったら
堪らなく哀しくなった。
★★★★
発行年月:2015年2月
無気力に生きるケータリング業者の水島健一。先輩の忠告も、派遣先で問われる不可解な薬の存在も軽く受け流してきたのだが、ある少年と出会い、それらと真面目にかかわらざるを得なくなる――。少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのか! 傑作感動長篇。
(中央公論新社HPより)
いや~地味に泣けます(/_;)
表題が「僕とおじさんの・・・」だけど、僕って誰?と思っていました。
主人公は、44歳の水島健一。離婚歴あり、17歳の息子は元妻と暮らす。
フリーランスでケータリングをやっているけれど、市販品にちょっと手を加えたり
して見栄え重視の料理。
度々出てくる都市伝説<ケータリングの仕事をしている料理人は楽に死ねる薬(ショートカットドラッグ)を売ってくれる。その薬は病死と判断されるらしい>
水島は度々、その都市伝説の料理人と思われてしまう。
いい加減なかんじもするけれど、そうなったのには、哀しい過去があった。
妹と友を同時に登山で亡くしている。
そして根は人の気持ちを汲むことが出来る優しい人なんだとわかるエピソードが
いろいろ。
そして出会った少年・大谷英樹13歳。
出会ったのは、水島が腰を痛めて通いはじめたリハビリセンター。
英樹は車いすに座った青白い顔の少年。
何度も手術を繰り返し、学校に通ったのは小2の4か月だけという。
健一が持参する弁当に興味を持ち、ケータリングの仕事をしているけど仕事の
依頼がなかなか来ないとWEBページを見せると、これはもっと修正した方がいいと
アドバイスを貰う。
英樹の病気への向き合い方が、切ない。
長く療養生活をしている者の苦悩が強く伝わってくる。
健一は、無理強いせずに英樹に食べる意欲を沸かせる。
その過程が素晴らしい!
著者はもしかして、長い療養生活の経験あり?
終盤は、泣ける。
哀しいけれど、よかったねという気持ちの方が大きい。
表紙の朝ごはんの写真が、読み終えてみると数段美味しそうに見える。
★★★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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