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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年7月


 

宮本武蔵を心の師と仰ぐ磯山香織と、日舞から剣道に転進した変り種の甲本(西荻)早苗。高校を卒業後、早苗は一浪ののち、大学の文学部で日本文化を専攻。卒業後は浪人時代から付き合い始めた充也とすぐに籍を入れ、桐谷道場裏手のマンションに新居を構える。

一方、香織は、剣道で大学に進学して、数々のタイトルを獲得。桐谷道場では、玄明の代理で小中学生の指導もしていた。

そんななか、道場の師範である桐谷玄明が倒れた。身体に不安を覚えた玄明は、江戸時代から続く歴史ある道場を閉鎖しようと決意。充也に伝えるが、桐谷の血を引く充也は、警官を辞めてでも道場を継ごうとする。しかし、玄明に警官としての職務を全うするよう諭され、充也は、道場の後継者となることを断念させられてしまう。

就職も決まらず、師範代見習のような立場の道場にいた香織は、これ幸いと「だったら自分が道場を継ぎます」と申し出る。ところが充也によれば、香織には桐谷道場の後継者になる資格が、そもそもないのだという。後継者には、桐谷道場に密かに伝わる「シカケ」と「オサメ」と呼ばれる形を習得する必要があった。どうしても道場をなくしたくない、充也と香織は、誰にも告げず、血の滲むような特訓の日々を始めるが、二人の異変に早苗がいち早く気づく……。

香織と早苗、それぞれの方法で道場を守ろうと奮闘する姿を描く「武士道」サーガ第四弾。はたして、この勝負、如何に──。

                      (文藝春秋HPより)




武士道シックスティーンから6年経った香織と早苗は24歳。

早苗は、結婚して家庭を持って、自身は剣を持つ生活からは少し離れてしまった。
でも、ご主人が桐谷道場、師範・玄明の親戚でもある沢谷充也。
ふたりの結婚までの経緯も微笑ましかった。

今も桐谷道場に通う香織は相変わらずの剣道中心の生活ぶり。

病気療養の師範の代わりに充也とともに、道場で指導。
子ども達との関わりも良かったなぁ~。
早苗もそれを裏方的に手伝って皆が道場を大事に思う気持ちが絆を深めていく
姿がいい。

ラストは、香織にもロマンス到来!

これで終わりなのかなぁ~。
もっともっとこの続きの話が知りたい。

またいつか書いてほしいな。


                      ★★★★★

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発行年月:2014年9月


 ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、
他力本願で恋をしようとする青年、
元いじめっこへの復讐を企てるOL……。
情けないけど、愛おしい。
そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ!!
伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説!

                  (幻冬舎HPより)




楽しいお話だった。

短編連作の形を取りながら、次第に登場人物たちが繋がって行く。
伊坂さんお得意の手法(?)。

大きな事件とかは起きないけれど、色々な人の普通の日常のなかに
運命的な出会いがあって、それがその人の人生の大きな岐路になったりして・・・。
人との出会いって大切だな・・・なんて思った。



あとがきを読んだら、斎藤和義氏から歌詞を依頼されて・・・・という話。
作家とミュージシャンのコラボっていい!!

読み終えて早速、斎藤和義氏の「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」を
検索して聴いてみた!
凄い良かった!
物語の世界観がそのまま歌になっていて、感動でした!!


                       ★★★★★



発行年月:2015年8月

中学生なら誰だって、親にはいえないことがある。友達にも――。好きな人にも――。

中学2年生、女子。部活は別々だけど仲良し三人組のはずだった。目立つグループのあの子に、声をかけられるまでは――。本当のことばかり口に出していたら、生きてなんかいけない。特にここ、学校では。そう、14歳たちの感情は静かに、爆発を準備する。淡くて、残酷で、拙くて、美しい、かけがえのないあの日々を描いた青春小説。

                     (新潮社HPより)




確かに青春小説ですが、これは闇の部分を描いていて、嫌な話だけれど
凄くリアルな話だった。


主人公の冴木美羽は、普通の家庭の普通の女の子ですが、
周りの友達の影響で、ついつい流されて万引きまでしてしまう。
いつも人から嫌われたくないと思って居る。
思春期の女の子の心理描写がよく描かれていて、自分の中学時代もこういう感情は
あったなぁ~と懐かしく思う部分もあった。

誰かの秘密にしたいであろうことを目撃しても、それをどうするかは考えない。
ヘタに大人に喋ったら面倒なことになるだけだから・・・。


わたしたちの時代と大きく違うのは、今はLINEとかあること。
これはシンドイだろうな。
家に帰っても休みの日でも関係なく繋がってしまう。


唯一、美羽の両親がちゃんと子どもの行動を見ていて間違いを正すことが出来る
人たちだったのが救い。

今、中学生の子どもが居る人が読んだら、ドキッとする内容かも。



                          ★★★



発行年月:2015年7月


 亡くなったあと、父の人生は知られざる横顔を見せ始めた・・・魅力あふれる文体で著者自身の一族のルーツをたどり、新境地を拓く傑作

                  (講談社HPより)



二部構成ですが、共通の流れがあります。

<冥途あり> <まるせい湯>の二編。


物語の中のわたしは、真帆と呼ばれていますが、話は著者自身のことですね。

父親の葬儀で、集まる親族たちの会話がユニーク。
過去の思い出話に自然と進み、昭和20年8月6日に広島に居た父やその家族たちの
様子。
そして、惨状のこと。

父親の話の次は、祖父や曾祖父のことまで時代を遡って親族たちの話は尽きず
初めて知る事実に驚いたり・・・。

双子の従弟の話がユニークで、成人して二人で骨董屋を営んでいるというのも面白い。
双子の従弟も兄も何やら美術に関しての造詣が深い人たちの様子。
父親が文字職人だったりとそういう血筋なんでしょうね。

著者の長野さんも確か美術関連の学校を卒業されていたような記憶だし・・・。

話のなかで、有名なユーハイムのバウムクーヘンを発売したユーハイム氏が
日本で初めてバウムクーヘンを焼いて発売した人というのが興味深かった。
ドイツ人の菓子職人で、第一次世界大戦で捕虜として日本に連れられてきたとか。
解放後も日本に残り、店を構えたということでした。


二番目の話<まるせい湯>は、銭湯の話。
悪童だった双子は、あちらこちらの銭湯で出入り禁止を言い渡されてしまったが
<まるせい湯>だけは「またおいで」と声を掛けてくれたと。

それを懐かしんで、もうかなり高齢になった女将に会いに行く話。
双子と主人公とその兄と兄の子どもたち(社会人の娘と大学生の息子)。

この話もユニークでした!


これを読んでいたら、葬儀とか法事で凄い久しぶりに会った従姉妹や伯母や叔父の
ことを思い出した。
こんな風に故人の昔話から、自分のルーツを知るのも楽しいだろうな~。
そして、それが故人の供養にもなりそうだし・・・。


前作がやや難解な話だったので、これは凄く読みやすくて
楽しい1冊でした♪


                       ★★★★★



発行年月:2014年4月


 青のない国で静かに暮らす男。人と話すより花と話す方が好きだ。
ある日、山で見たこともない植物を見つけて、評判になる。
ところが…。男が最後にとった行動とは?

                 (小さい書房HPより)




ラジオで、女性ひとりで出版社を経営しているという小さい書房さんの存在を

知りました。
大人の楽しめる絵本を作る出版社だそうで、大いに興味を持ちました。

大人の絵本なので、文章多い絵本でした。

青のない国である日、「それは青い花だ!」と自分が育てた花が評判になり
最初は見たいと訪ねて来るひとに見て貰っていたのに、もっと大勢に見せて
商売にするべきだと言うひとが現れてから事態は変わってしまう。

利用された男だったけれど、最後は肝心なことに気づく。


絵もシンプルで、青と黒と白しか使われていない。
哲学的な絵本でした。

自分が信じているものは、大事にするべき。
人にそれを共有して貰えなくても。

なんてことを、わたしは感じました。
ま、読んだ人が何かを感じられるお話です。

小さい書房さんの絵本、他のも見てみたい!


                        ★★★★
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