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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年8月


 世界遺産・富岡製糸場の成立秘話が満載
富岡製糸場の初代工場長・尾高惇忠の娘・ 勇は、婚約を棚上げして女工になる。
明治の日本を支えた製糸業を隆盛に導いた父娘 のドラマ。

                   (文藝春秋HPより)



富岡製糸場の歴史がよくわかり勉強させて貰いました!
工場長として製糸場の工女探しから始めた尾高惇忠は、娘の勇を
第一工女として、富岡に連れて行く。
祐は14歳で2つ年上の許婚・永田清三郎に3年間待って欲しいと告げ
清三郎も承諾する。

二人の行く末も気になりつつ、富岡での苦労話が軸となって物語が進む。
先ずは、工女探しから始める父と娘。

なんとか、200人ほどが集まる。
製糸場には工女の宿舎と工場長の父が住む官舎、そして洋館にはフランス人の生糸の専門家家族
と職工、工女たちの指導をする者、医師など12名が暮らす。



工女同士の人間模様も面白かった。
いろいろな地から集まった工女たち。

美人で物怖じせず、口が悪い貴美。
工女たちの取り締まり役の青木照の孫・敬は、大柄だけど控え目。

貴美には最初、勇も敬もイヤミを言われたり、意地悪されたりするけれど
次第に強い絆で結ばれていく。


植松さんのお話は、困難のあとに明るい結末が待っているので、ちょっと
安心して読めるのがいい。

一次は、清三郎との婚約も白紙に戻されたり波乱もありながら、最後は
結ばれる様子でホッ。

敬と貴美にも嬉しい結末でした♪

富岡製糸場、いつか見に行きたいな~。


                       ★★★★★
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発行年月:2003年9月


 ウォルターとダニーが公園で見つけたゲームは、呪われたゲームだった! 
サイコロをふり、ゲームをはじめたふたりをまっていたのは、
予想もしなかった危険で奇妙な冒険だった……。

                  (ほるぷ出版HPより)



ジュマンジの続編。
今度は、宇宙に・・・・。

ジュマンジの最後の頁、確かに、二人の子どもがゲームを持って
走り去る姿が描かれていました!
その子どもたちが、この絵本の二人だったんですね~。

ウォルターとダニーの兄弟。
ゲームを始めるのは、弟のダニー。
でも突然、宇宙のなかにいる二人。

スケールが大きくて楽しい。

これも映画化されているようなので、是非、見てみたいなぁ~。


こちらのラストは、ジュマンジとはちょっと違うというのも読み手の
想像力を膨らませてくれる。


やはり絵が素晴らしい!!


                      ★★★★★



発行年月:2004年3月

富士山のふもとに集め続けたゴミの 要塞に住む妖怪のような老女の話「ジャミラ」他、

霊峰富士にまつわる、せつなくも美しい 小説集!

                (文藝春秋HPより)




富士山が出てくる4つの短編。

どの話も良かった!


<青い峠>
コンビニでチーフとして働く岡野(29歳)。
元は医学生だった。大学の友人・飯田と正式信者に
なるために富士山麓の研鑚所にいた時の思い出。
研鑚所で飯田は、亡くなった・・・富士山が好きだった。


バイトのこずえが岡野の支えになってくれそうでホッとする。
これって、オウムの話だよね?
こんな風に能力ある人が潰されちゃう宗教って恐ろしいと改めて感じた。



<樹海>
小学校から受験で入学し、中学卒業で、それぞれ違う進路を選んだ3人の少年。
卒業旅行として、樹海で野宿。

無鉄砲だけれど、何かを学んだようす。
首を吊り損ねた男に遭遇の場面はドキッ!



<ジャミラ>
ゴミに囲まれて富士の麓の街で暮らす老女・木村マツ。
市役所環境課のボクは、木村マツにジャミラと名付ける。
説得に応じ、ゴミ撤去となる。

なんだか、ジャミラが哀しい。
少しでも楽しく人の関わりを感じながらこれからは暮らして欲しいな。



<ひかりの子>
水子供養の観音菩薩にお参りに行った、看護師の美奈子。
自身が関わる堕胎手術で生きられなかった子どもたちの魂が
安らかであるように、祈る。
そこで出会った流産で子どもを亡くした女性・梶川むつ子と
女性ばかりで富士登山するツアーに参加する。

参加女性たちのそれぞれの話が強烈。
なかでも子宮がん末期で最後の頑張りに富士山に登る決心をした小林順子が
印象的。
彼女を支えながら美奈子も登る。

病院勤務で産科に居た時堕胎手術で生きられなかった子どもを、
わたしも見たことあるので美奈子の怒りは共感できた!



どの話も重たいものを抱えた人たちが富士山に救われる。
そういう力がやっぱり、あるんでしょうね。



                      ★★★★★



発行年月:2008年10月

木を見て森を見ず――。細部に注意しすぎ、肝心の全体を見失うことのたとえで、事件捜査において、最も避けなければならないことである。この小説に登場する刑事は皆、これを徹底し犯人を逮捕していく。だが、彼らは気づかなかった。その森が想像以上に大きく深いということに……。5つの殺人事件。果たして刑事は真実をみたのか?今、注目を浴びる著者の連作警察小説。 

                  (双葉社HPより)




ちょっと前の誉田作品。

主役は一人の女性・シズカ。
でも中盤まで、その姿は影を潜めている。
殺人事件が起きるたび、浮かぶ若い女性の存在。
名前を変えて、事件に関わる彼女の正体を読みながら段々と探る。

シズカの正体がわかってきた中盤以降が面白かった。


物語は短編連作の形で進む。
シズカは、警察官・伊東孝俊警部補の娘。
しかし、それは戸籍上であり、シズカは、伊東の妻・深雪の連れ子だった。

伊東と深雪が知り合うキッカケの話が良かった。
暴力夫から守った伊東がその後、深雪と結婚し、シズカと3人で暮らした。
それがシズカの幸せな第一歩にならなかったのが辛い。


最後は、哀しいとしか言いようがない。


主人公はシズカでしょうが、彼女の語りが殆どないので、彼女の心理描写とか
もっと知りたかったな・・・。


                        ★★★


 



発行年月:2015年3月

面倒だけれど愛おしい――「ふるさと」をめぐる5つの物語

桜前線が日本列島を北上する4月、新幹線で北へ向かう男女5人それぞれの行先で待つものは――。婚約者の実家を訪ねて郡山へ。亡くなった母の七回忌に出席するため仙台へ。下級生を事故で亡くした小学4年生の女の子は新花巻へ。実家との確執、地元への愛着、生をつなぐこと、喪うこと……複雑にからまり揺れる想いと、ふるさとでの出会いをあざやかな筆致で描く、「はじまり」の物語。ふるさとから離れて暮らす方も、ふるさとなんて自分にはない、という方も、心のひだの奥底まで沁みこむような感動作。

                  (実業之日本社HPより)




ふるさとを思いながら、東北に新幹線で向かう人々の物語5つ。

その話も人を想う優しさがあって、温かい気持ちにさせてくれる。


<モッコウバラのワンピース>
千葉から宇都宮に1人で暮らす祖母を訪ねる大学生の智也。
祖母は、50歳を過ぎてバスツアーで旅した栃木県で出会った男と再婚した。

<からたち香る>
婚約者の実家、福島に挨拶に行く律子。

<菜の花の家>
母の法要で4年ぶりに故郷の仙台に向かう。
機嫌が悪くなった姉の一人娘・百花(4歳)を気を紛らせるため連れ出す。
話のなかで、「おばあちゃんと緑色のお団子を一緒に作って食べたよ」と。

<ハクモクレンが砕けるとき>
叔母の結婚式のため、家族で岩手に向かう小学2年生の知里。
旅の途中、思い出す事故で亡くなった同級生のみどりちゃんのこと。

<桜の下で待っている>
新幹線の車内販売をしている、さくら。
成人してすぐに両親が離婚し、母は別の家庭を持っている。
離婚当時はまだ中学生だった弟・柊二が相談したいことがあると言い会うと・・・



東北新幹線、乗ったことないので、東北地方に新幹線で行ってみたくなった。
最後の話の、さくらが、前の話の主人公たちと車内ですれ違っていると
思うと楽しい。


                           ★★★




 

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