発行年月:2012年4月
累計30万部を超す著者の家族小説シリーズ、第五弾。ひと月前に再婚した夫には女の子の連れ子がいる。まださん付けで呼ばれる私は授業参観の日が近づき、遠慮と希望が入り交じった複雑な気持ちになる。そして母の日が来て……。「ピンクのカーネーション」など、親子のあり方を見つめる8編。
(双葉社HPより)
色々な家族の話が8編。
どの話もよかった。
<父ちゃんとホットドッグ>
お酒が入ると暴れた父親のことが嫌いでずっと距離を取ってきた。
父が入院したと知り気が進まないけれど見舞いに行き、幼いとき一緒に
ホットドッグを食べた思い出話を父から聞く。
嫌いな父親だったけれど、良い思い出もあったんだと気づけてよかった。
<ピンクのカーネーション>
夫の連れ子の小学2年生の早紀との関わり方に悩む離婚歴ありの由貴。
夫の都合がつかず参観会に1人で向かう
由貴の気持ちを考えたら最後のピンクのカーネーションは最高のプレゼント
だったでしょうね~。
これから新しい家族の絆が結ばれそう。
<七夕生まれ>
ママ友たち4人で旅行を楽しむ。
主婦の誕生日なんてこんなものだろうなぁ~。
確かに一人家族から離れてのびのび楽しむは、最高かも^m^
<だめもと>
単身赴任でタイに3年間住むことになるかも?という状況で
高2と中2の娘二人と旅行する父親。
父親と娘の関係が上手く表されていた。
<裏窓の食卓>
妻を亡くし、マンションを引っ越す。
味気ない食卓だったが、窓を開けると聞こえる何処かの家族の
食事の会話を楽しみながら食事を摂るのが日課に。
なんだか侘しい気持ちになった。
娘さんとの関係が修復しますように・・・・
<埋め合わせ>
家が開業医だったので、父の言いなりで医者になった。
特に自分の志もなく・・・
ふと会話した人から言われた言葉で、自分の生き方を見直すっていい。
<ぶかっこうなおにぎり>
長野の実家から父が出張で上京。マンションに泊まることに。
やや気が重いながらも父と夕方待ち合わせをし、居酒屋で夕食をして
マンションへ。
小学生のときの運動会のお弁当の思い出。
朝起きると父は家を出た後で、おにぎりがラップに包まれて手紙と一緒に
置かれていた。
う~ん。これも泣けたな。
父親の優しさがいい(/_;)
<サンタ失格>
妻と別居して3か月。
小学2年の息子から電話で「サンタさんは絶対いるよね?」と聞かれる。
クリスマス、プレゼントを持ってこっそり家に行く。
別居解消かな?
最後の話がハッピーになれそうなもので良かった♪
家族シリーズ、あまり読んでないので、他のもまた読んでみよう。
森さんって男性だったんだ~とあとがきで気づいた(笑)。
★★★
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発行年月:2015年6月
この主人公は、私自身だ──。1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。
「抱かれる女から抱く女へ」と叫ばれ、あさま山荘事件が起き、不穏な風が吹く七〇年代。二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。必死に自分の居場所を求める彼女は、やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく──。揺れ動く時代に切実に生きる女性の姿を描く、永遠の青春小説。
(新潮社HPより)
1972年の9月~12月までの四か月間、女子大生・直子の周りで起きたことが
綴られている物語。
桐野さん自身の体験などが混じっているのかな?
あの時代のことはニュースで聞いた記憶あり。
学生運動が盛んで、学生同士が暴動を起こしたり、日本赤軍なんていう物騒な集団が
海外でも銃乱射事件起こしていた時代。
そんな事件を起こしているのは大学生や政治意識の強い若者たち。
直子の二番目の兄もそんな運動に参加している一人で、哀しい最期を迎えることに
なる。
直子の周りの男友達たちはノンポリ派で、麻雀に明け暮れたり
ジャズ喫茶でぼんやり過ごすような若者たち。
あの時代の若者たちの暮らしぶりがよくわかる。
直子はその両方の生き方に少しずつ違和感を抱き、ライブハウスで出会った
ドラマーの健一郎と一緒に居たいと思う。
健一郎がすごく健全な物の考え方をする人に思えたんだろうな。
今までの桐野さんの作品とは雰囲気違っていたけれど
なかなか面白い小説でした!
★★★★
発行年月:2015年5月
これは、この世のことならず──。
画家を目指す青年・槇島風波(まきしまふうわ)と、さまよう魂を絵で成仏させる天才画家・穂村江雪華(ほむらえせっか)。変わりゆく帝都に漂うさまざまな怪をふたりが追う大正怪異事件帖、第2弾。
(集英社HPより)
前作を読み終えた時から、続編を待っていました!!
またまた怪しいお話の数々、楽しませてもらいました。
雪華と風波の他にもいろいろな登場人物たち。
竹下夢二の弟子だという西塔光児は、最初のお話で登場後、色んな所でその後も出没。
表題作は三番目に登場
<黒のコスモス団>のメンバーたちのリーダー雀蜂のお嬢の生き様が切なかった。
そして、妹分たちを救うためなら自らが危険な目に遭うことも厭わない
その姿が恰好いい。
何処かで幸せになっていたらいいのにな・・・・。
話として面白かったのは第四段の<幽鬼喰らい>
雪華と風波が一番活躍した話じゃないかな?
風波の顔なじみの満津留が臥せっていると聞き、雪華と共に見舞いに行き、
雨の夜になると幽霊が出るという話の真相を突き止め
恐れている幽霊は絵だと気づき、ある絵を描いて満津留本人に恐れるものは
絵だと理解させる話。
全体を通じて大正という時代が物語の雰囲気を高めていたと思う。
史実を少し描いたりしていたのも、あああの時代ねと分かりやすかった。
まだまだ雪華と風波の二人の謎解きやそれぞれの周りに起きる出来事が
気になるので、続編でるといいな~。
★★★★
発行年月:2015年5月
外資製薬会社に身を置く凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。ある博士の捜索を依頼されてT共和国にやってきたが、博士は殺されてしまう。一方、この国では全身を黒い苔で覆われて死んだ人間がいるらしい。ビジネスで滞在中のかつての恋人・橘は不穏な行動を見せる。恵弥が想像だにしない、これらの背景に存在するものとは――?
(双葉社HPより)
これシリーズ物だったんだぁ~!と
巻末にあった本の紹介で知った!
第一作は「MAZE」 二作目は「クレオパトラの夢」だとか。
でも、これ1冊でも楽しめました。
殺人事件とか起きて、いろいろな謎もどんどん膨らむんだけど
結局、あることを隠すために仕組まれたことだったんだね~。
主人公の神原恵弥の男性なのに女言葉を使うっていうのが最初から凄く興味深くて、
その元恋人・橘浩文やら、同じく高校からの友・時枝満という3人の独身男の
絡みがまた不思議なかんじで妙に楽しかった。
内容は結構、重厚なかんじの医療系ミステリーなんだけど
登場人物たちのキャラが魅力的で、謎の真相を追うよりも彼らの会話を
最後まで楽しんじゃったかんじ。
舞台がトルコのイスタンブールだったりするのも
何かエキゾチックな雰囲気でミステリー色を煽ってたかんじ。
こういう背景の設定はサスガだなぁ~。
ミステリーとしては???だったけど、そのほかの部分で楽しんで読めたから
満足(^^)
前2作品も読んでみたいな。
★★★
発行年月:2014年9月
ラジオ局に入社して4年目の新米アナウンサーの寺島尚人は、ある日、聴取率0%台、誰も聴いていない深夜放送の≪大改革≫に名乗りをあげてしまう。
「みんな小さな人生を生きている。それを伝えたいと誰もが思っている筈です。そんな葉書を……小声で、ただひたすら愚直に読んであげるのはどうでしょうか」と。
大抜擢で番組を任されることになる。しかし自分でスポンサーも探せと命令されたり、ライバル局に邪魔をされたりとトラブル続出。だが新米アナウンサーの青臭い情熱が、それまで傍観するだけだったラジオ局の人々を動かし、団結させていく。
そして、Twitterでもなく、メールでもなく、ファクスでもなく、ラインでもなく、リスナーから届く≪葉書≫で番組を構成していくというやり方が支持を得る。特に、一緒に泣いたり本気で怒りながら読み上げる「ラストレター」という企画が目玉コーナーとなり、人気番組となるのだが……。
ラジオ局で働く仲間たちをめぐる、愉快で心温まる物語。1981(昭和56)年から12年半、文化放送「さだまさしのセイ!ヤング」を続けてきた著者の、経験に基づく深夜ラジオ小説!!
(朝日新聞出版HPより)
リスナーからのハガキで構成されるラジオ番組。
今は、メールだからね・・・。
でも、番組内容は面白かった!
実際、ラジオでこんな番組あったら、聞きたい!
深夜起きて居られないから・・・録音してになるけど・・・笑
ラジオ番組を作るディレクター、プロデューサー、放送作家、アナウンサー
みんなが楽しそうに番組内容を考えたりしている姿が凄く良かった!
番組の打ち上げで通う居酒屋ちょい都での会話も楽しかったなぁ~。
最古参のプロデユーサー・大越大五郎の人柄が特に魅力的。
言葉は下品だったけど・・・。
アナウンサーの寺島と大越が初めて出会った雨の日の出来事も感動的。
『弱い物の味方でなければならない』という大越の考え方は素晴らしい。
言うだけでなく実際その考えで動いているのもいい。
番組最後のコーナー「ラストレター」で読まれるハガキの内容は
全部、素敵な話だったなぁ~。
さださん、凄い。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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