忍者ブログ
自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
[246]  [247]  [248]  [249]  [250]  [251]  [252]  [253]  [254]  [255]  [256



発行年月:2016年8月

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。

東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(いしかわかずと)と校正者の妻・貴代 東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(いしかわかずと)と校正者の妻・貴代美(きよみ)。
二人は、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に、家族四人平和に暮らしていた。
規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。
そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。
心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。
行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも……。
息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い――。
『火の粉』の不穏な空気感と『クローズド・ノート』の濃密な心理描写。
両方を兼ね備え、執筆時、著者が最も悩み苦しみ抜いた、渾身の力作。

 

                      (角川書店HPより)




高校1年生の息子が殺人事件に関わっていることを知る。
息子とは、事件後、連絡が全くとれず。
マスコミが家に取材に多数押し寄せる。


父親、母親それぞれが。そんな状況のなか抱く望みは違っている
父親は、加害者に息子がなるなんて信じられない。
母親は、息子が死んだなんて考えられない。

被害者であれば、既にこの世には居ないし、生き延びているということは加害者側で
逃亡してるということ。

どちらにしても最悪の結末しかない。


そんな状況のなか、過ごす両親と妹の3人。

読みながら最後まで結末がわからず、緊迫した状況。

結末を知り、哀しいけれど、ホッとした。

この家族なら、きっと前を向いていけるという望みが感じられたから。

読み応えあって、重たい内容だけど、一気読みでした!


                         ★★★★
PR



発行年月:2016年9月


生類憐れみの令により、犬公方とも呼ばれた
五代将軍・徳川綱吉。
だが、一方で綱吉は、徳川幕府の礎となる文治政治を
推し進めた名君ともいわれている。
その知られざる劇的な生涯を描いた傑作長編小説。

               (集英社HPより)



徳川綱吉のイメージががらりと変わる好印象を与える人物像に描かれている。
世間での評判は、良くないままというのが何とも気の毒になる。

実際はどうなのかわからないけれど、
武でなく法という「文」で治め、泰平の世をを目指していたという姿勢は
その国を治めるリーダーとしてその時代、難しかっただろう。
武士たちのなかには綱吉の考えに沿えぬ者も多かっただろうし。


有名な生類憐みの令の意図するところが、この物語の通りなら納得。
こういう考えで出した法令ならば、賛成だけど、真意が世間に伝わらぬままと
いうのも気の毒。

そして起きる天災の数々。

子どもも二人とも早くに亡くなり、不運な運命。

でも妻の信子が聡明で綱吉の真意を理解して寄り添っている姿に救われる。


歴史上の人物の本当の姿は、こういう書物でイメージが変わるな~。
綱吉の好感度アップの書でした!



                        ★★★★



発行年月:2016年10月

わたしは、何者にもなれる。

千紗子という新たな名前を持つこと。
心の裡を言葉にすること。

自分を解放するために得た術が
彼女の人生を大きく変えた――

明治の終わりの沖縄で、士族の家に生まれたツタ。
父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなるが、
女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、
「書くこと」に目覚める。
やがて自分の裡にあるものを言葉にすることで、
窮屈な世界から自分を解き放てると知ったツタは、「作家として立つ」と誓う。

結婚や出産、思いがけない恋愛と哀しい別れを経て、
ツタは昭和七年に婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得た。
ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。
「幻の女流作家」となったツタの数奇な運命。

                    (実業之日本社HPより)



沖縄生まれのツタ。
最初の夫は、銀行員。
勤務先は台湾。台湾での新婚生活。
最初の子どもは2歳で急性腸カタルで死亡。
その後、東京に夫と戻り二人目が生まれるが、銀行員をクビになった夫の
職がなかなか決まらず、そんななか、喫茶店経営を始めると言いだす夫。
子どもの面倒がままならず、沖縄の夫の実家に預けることになる。
ツタが心労で倒れ店は畳む。
一軒家を借りて、下宿人を置くことに。
下宿人は浪人して医大を目指す充。
夫との関係がギクシャクしこのまま一緒にいても・・・とツタから
別れを切り出し、夫も納得。
手切れ金の800円を貰い、女学校時代からの親友のキヨ子がいる東京へ。
受験を控えた充が東京についてくる。医大合格した充はツタと恋愛関係に。
充の生活はツタが面倒をみるかたちで手切れ金をそこで使い込む。

女学校時代から、雑誌に和歌などを掲載されていたツタは再び書くことに
熱中し、小説が本になる。
が、沖縄を侮辱するのか?と地位ある人たちからは批判され釈明文をつける
ことでなんとか認めてもらう。

充との間び女の子が生まれ、翌年には男の子が生まれるが、充の実家からは
ツタを嫁とは認めて貰えぬまま。

充は医大卒業し、町医者に。
長男が38歳で突然、事故で亡くなる。
充と同じ道を進み、いずれは病院を継ぐ予定だったのに。


充は、ツタが晩年、信仰した宗教(充が大病したのを機に信仰)の
支部で活動を続け大勢の前で法話をしたり忙しくしている姿が気に入らず
不満が爆発して度々、癇癪を起すようになる。


ツタの父親と同じような・・・。ツタは母親と同じ思いをすることになる。



沖縄で育った最初の子どもはどうなったんだろ?とずっと心配だったけど
ちゃんと再会したという箇所があり、立派に成長していたのでホッとする。

ツタの人生、波乱万丈だったけど、親友のキヨ子の存在が大きかったんじゃないかな?
どんなときにも味方でいてくれる友の存在は貴重だったでしょう。

いまわの際、こんな風に自分の人生を振り返り満足して生を終えたであろう
ツタは生き切った!と思えたんだろうなぁ~。

なかなか面白かった!

ドラマ化しても面白いかも。


                      ★★★★
 




発行年月:2016年9月


 俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

                    (幻冬舎HPより)



厚いけど、大丈夫かな?
音楽も詳しくないけど・・・
曲名、出て来ても頭にすぐ浮かばないし・・・^^;
なんて最初は思いつつ頁を捲ったけれど・・・やはり恩田さんの文章は素晴らしい!
全然、飽きずにどんどん、スラスラ読める。

国際ピアノコンクールの予選から本選までを描いた物語だけど、そこに登場する
出場者たちの人間像がはっきり描かれているので、もう皆を応援したくなる。

一番興味を持ったのは、養蜂家の父親をもち、パリで暮らしていたとき
国際ピアノコンクールのオーディションを受けた風間塵。
音楽家からは多くの尊敬を受けていた故 ユウジ・フォン=ホフマンの推薦状を
持って来た少年。

国際コンクールの進む中で、栄伝亜夜と交流をもつ場面も愉快だった。
日本の滞在先は父親の知り合いの花屋さんで、ピアノを求めて彷徨い、亜夜の
学校のピアノをちゃっかり拝借して演奏しているところを見つかるという出会い。

お互いライバル同士なのに、演奏を聞き、自分にはない魅力を高く評価し合う
関係が微笑ましい。

亜夜とマサルの過去の接点も偶然にしては出来すぎだけど、いい。

28歳のサラリーマン、高島明石の演奏もちゃんと評価されて良かった。


芳ケ江国際ピアノコンクールとなっているけど、この街の鰻を・・とか出て来るので
地元の「浜松」を意識して書かれたのかな?と想像して
それも嬉しかった♪

素敵な物語でした。



                       ★★★★★



発行年月:2016年10月


 焼夷弾が降り注ぐ戦中の東京で真智子が過ごした峻烈なる一夜、沈みゆく昭和末に文が養父から教えられた喜び……時代を超え、生きることに通底する痛みと輝きを凝視する短篇集。

                  (河出書房新社HPより)



8つの短編集。

どの話も、面白かった。

<父を山に棄てに行く>
死にたがる父親。でも決して死なない。
そんな父親を山の中にある施設に入れ、そこを訪ねる。

<インフルエンザの左岸から>
10日前に父親が亡くなり葬式を出したところ。
インフルエンザに罹り一人寝ている。大晦日。
弟は、元旦にサイパンで結婚式を挙げる。

<猫降る曇天>
小説家としてデビューして3年。
編集者と打ち合わせしている飲み屋で知り合った女性と関係を持つ。

<すみなれたからだで>
夫との関係は悪くはないけど、体の関係はもう長いことない。
が・・・中学生の娘が出かけた朝、二人で寝室に。

<バイタルサイン>
16歳のとき、雑誌や本の編集をしている母親が川上さんという男性と
再婚。
仕事で帰りがいつも遅い母親。
母親にはナイショの関係になるけれど、ある日、母親に目撃されてしまう。

<銀紙色のアンタレス>
夏生まれで夏が大好きな16歳の真。
昨年は受験勉強で夏を満喫出来なかったので今年はその分も楽しもうと
海辺の祖母の家で夏を過ごすことに。

<朧夜のスーヴェニア>
家族からは認知症だと思われている真智子。
家族を冷静に観察しつつ、昔の思い出に浸る。
戦時中、爆撃に遭ったとき命を救ってくれた医大生の桂木との思い出。

<猫と春>
バイト帰りに猫がアパートまで付いてくる。
後で帰った同棲中の彼女がその猫を抱えて部屋に。
飼い主が見つかるまで保護しようと名前を「うるめ」にする。



表題作は、中年夫婦のありがちな日常の一コマというかんじで
何故、これが表題作?と思ったけれどまあまあ微笑ましくていいか?^^;

好きだったのは、青春小説ぽい<銀紙色のアンタレス>。
16歳の少年がちょっと訳ありの雰囲気の祖母の近所の家に里帰りしている
たえさんに好意を抱く。
甘酸っぱい感じがなんだかいい。

最後の<猫と春>も好き。
他の男と暮らしたいと出て行った彼女だったけど、案外
うるめ恋しさに戻って来たのかも?
大学卒業後の就活に失敗した同級生カップルだけど、この先、明るい未来が
待っていますように。。。


窪さんの短編集、なかなか面白いな。


                        ★★★★★
カレンダー
02 2026/03 04
S M T W T F S
2 4 5 7
8 10 11 13 14
15 17 18 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]