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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年11月


誰のことより、自分のことが分からない

野球部を引退したばかりの渓哉は未来を前に立ち竦んでいた。
モラトリアムの季節を前にした高校生の逡巡を丹念に描く、傑作青春小説。

                   (文藝春秋HPより)



岡山県の高校3年生(岡山は著者の故郷ですね)。
真中渓哉、津中実紀、深野栄美が主な登場人物。

実紀と栄美ははとこ。
渓哉と実紀は、野球部をこの夏の県大会2回戦敗退後で引退したところ。

栄美の家は湯郷でも老舗の1件「みその苑」を経営する。
実紀は渓哉を誘って、栄美の家が経営する「みその苑」の湯に度々、浸かりにいく。
夕飯もご馳走になること多々。

そして、見慣れない女性・青江里香と知り合う渓哉と実紀。

会いたい人に会いに来たと言う・・・それは渓哉の兄・淳也だった。


進路問題、恋愛事情、悩み多き青春時代を爽やかに描いた物語でした!

世の中、こんな爽やかな高校生ばかりだったらいいなぁ~。

表題通りの清涼感溢れる、あさのさんお得意の青春物語でした(^^)


                         ★★★★★



 
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発行年月:2015年9月

魔犬の呪いで妹を失った三きょうだいは、ママと一緒にパパが残してくれた別荘に移り住む。そこで彼らはオパール、琥珀、瑪瑙という新しい名前を手に入れる。閉ざされた家の中、三人だけで独自に編み出した遊びに興じるなか、琥珀の左目にある異変が生じる。それはやがて、亡き妹と家族を不思議なかたちで結びつけ始めるのだが……。

                 (講談社HPより)



幻想的で怪しげで哀しく美しい・・・いろいろな雰囲気を持っている物語。

海外の作家さんが書いたような文章だぁ~と思いながら読みました。


ママと一緒にパパが残した古い別荘に引っ越した子どもたち。
今までの名前は捨てて新しい名前で生きて行くことに。

姉はオパール(11歳)、
弟は瑪瑙(4歳)
そして、琥珀(8歳)。

本当はもう一人妹がいたけれど3歳になったばかりの時、野犬に顔を舐められ
その後、高熱を出しあっと言う間に亡くなってしまった。
以来、ママは塀の外に出ると野犬に襲われるからと3人は外に出ることを禁じられ
学校にも行かず、3人で毎日を過ごす。
ママは昼間、近くの温泉療養施設で働いている。
朝、出かける時には必ずツルハシを野犬が出たときの防具として持って行く。


3人が家で過ごす様子が微笑ましかったりもするのだけど
琥珀の目に現れる不思議な現象、瑪瑙の耳に住んでいるシグナル先生など
現実とはかけ離れた話の展開になり、物語が独特が世界観になっていく。
そして亡くなった妹のことを琥珀の力を通して身近に感じる家族が
哀しい。
外の世界とは遮断されているけれど、3人は色々な遊びを編み出し
楽しむ。
図鑑を見たり、歌を歌ったり、家の周りの自然で遊んだり、
彼らなりのルールを作って毎日を楽しむ。

 
 
一番好きな場面は
3人がそれぞれ見つけた鉱物オパール、琥珀、瑪瑙を人型をつくったあと
口、目、耳に置き、それを沼に埋葬する儀式を行う場面。(p136~137)


物語の冒頭に登場のアンバー氏が年をある程度取った琥珀だと気づき
彼らが外の世界に出てその後、どんな風に成長したかが描かれていないけれど

3人の母親はどうして子どもたちを外の世界から遮断したのか?

色々謎が多いお話です。

小川さんのファンならお薦めするけれど、そうじゃないとちょっと不可解さが
残るお話かなぁ~?

わたしはファンなので、不可解な部分も含め楽しめました^m^


                        ★★★★



発行年月:2015年4月

毎日毎日洗濯して、掃除して、ごはんを作る。それがゴールなら、わたしは誰とも恋なんかしない――。
地方在住・無気力主婦の孤独をコミカルに描く「かわいい結婚」、ある朝目覚めたら女になっていた男が遭遇する世界を描く「悪夢じゃなかった?」ほか、男と女と世界のギャップを可笑しくも痛切に描きだす、注目作家・山内マリコの新境地!
2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞、2012年、初の著書『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)で地方生まれ・在住女子の閉塞感と希望をリアルに描き、大きな共感と話題を集めた山内マリコの最新小説集。家事嫌いの専業主婦の日常や、男が女に変身するハプニングから見えてくる新たな世界をコミカルなタッチで描きながら、男女関係の「見えないルール」に対する痛烈な皮肉が伝わる快作!

かわいい結婚
悪夢じゃなかった?
お嬢さんたち気をつけて

                 (講談社HPより)



結婚に纏わるお話3つ。

表題作と3番目の話は・・・普通のどこにでもある主婦の日常みたいで
スラスラと読んだら、すぐ内容を忘れちゃうようなかんじかな?^^;

二番目の「悪夢じゃなかった?」は面白かった!
27歳の澤村裕司が目覚めたら女になっていたという設定から面白いし
急に体が女になった男のあたふたする様が可笑しい。
最後のオチもいい^m^


初読みの作家さんだけど、過去の気になる(表題が)作品もあるので
今後、読んでみようかなぁ~?

表紙の絵はちょっといいね。


                      ★★★
  




発行年月:2015年10月

ヒコは「はち屋」の子供。みつ蜂を養ってはちみつをとり、そのはちみつを売って暮らしている。お父さん、お母さん、そしてみつばちたちと一緒に、全国を転々とする小学生だ。あるとき採蜜を終えたヒコは、巣箱の置いてある草地から、車ととめた道へと向かっていた。「トマレ!」鋭い声がヒコの耳を打ち、反射的に足をとめたヒコの前に、大きなマムシが現れた――       本文は村上勉の挿画がふんだんに入った、豪華2色印刷

                   (講談社HPより)




佐藤さとるさんの「だれも知らない小さな国」は、子どもの頃に読みました。
自分のそばにもコロボックルが現れてくれないかなぁ~なんて思ってました^m^


お話のなかにも「だれも知らない小さな国」の本が出てきて
佐藤さとるさんのお話をうまく受け継いだ物語になっているのが素敵!
本当に素敵なお話でした。

主人公の小学生、ヒコとその友達ヒメ。
二人の関係も微笑ましい。
同じ養蜂家(はち屋)の子どもとして季節ごとに蜂と共に蜜を集めるための
花のある場所に移動する家族。

養蜂家の仕事のこと、蜂のこと、色々と勉強になることもありました。


物語の冒頭に、20年前のこととあるので、最後には大人になったヒコのことも
書いてくれるかな?と期待しながら読みました。
そして、やはり大人になったヒコとヒメのこと。
そしてコロボックルのこと。

表題が「だれもが知ってる・・・」になっている意味がわかりました。

村上 勉さんの絵も沢山あって、素晴らしい1冊でした!

また佐藤さとるさんのコロボックルシリーズも読みたくなりました!!

巻末の佐藤さとるさんから有川さんへの手紙もいいですね~


                       ★★★★★ 



発行年月:2015年9月


 今日から海峡の鬼になる。記念碑的傑作誕生
舞台は、国境の町・根室
男の屍を越えて生きてゆく女たち。
北海道最東端・根室は、国境の町である。戦前からこの町を動かしてきた河之辺水産社長には、三人の娘がいた。長女智鶴は政界入りを目指す運輸会社の御曹司に嫁ぎ、次女珠生はヤクザの姐となり、三女早苗は金貸しの次男を養子にして実家を継ぐことになっている。昭和四十一年の国政選挙で、智鶴の夫・大旗善司は道東の票をまとめ当選を果たした。選挙戦を支えたのは、次女・珠生の夫で相羽組組長の相羽重之が国境の海でかき集めた汚れ金だった。珠生は、大旗当選の裏で流された血のために、海峡の鬼となることを誓う。

                    (小学館HPより)




舞台はまたまた北海道。
時代は昭和30年代半ば~40年代。
この時代の北海道、根室が舞台。

そんな場所に名士の娘として生まれた河之辺珠生が主人公。
父親は水産会社の社長。
珠生はその次女。
父親の妹が喜楽楼で芸者として働き、そこで知り合った相羽重之と所帯を持つ。
相羽の仕事は、裏稼業。
北方領土付近での海を支配する。

長女の智鶴は、国政に出馬する夫・大旗と共に自身も地域の女性たちを束ねる活動に精出す。

三女の早苗は家業を継ぐため金貸し屋の次男との縁談話は持ち上がるが・・・・


主人公・珠生の生き方が哀しい。
最初は好きで結婚した相羽だけど、他所に女が何人も居るような男。
でも珠生の割り切って考え先に進む様は恰好良い。
自分はヤクザの姐さんとして生きると決めて、夫の女の元にもその立場で
出向く。

最後は壮絶な夫の死があるが、その時も冷静沈着。
凄い芯の強い女性だなぁ~。

もう少し、ふつうの幸せを感じられるときが今後、来ると良いんだけれど…


しかし、桜木さんの描く女性って、何故、こんなにも哀しいのか?
そこがまた魅力なんだけど・・・。


                            ★★★★

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